純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

タグ:続編

(この作品は、GG『接着剤―融合熟女―』の後日談となっており、合わせてお読みいただけるとより楽しめるようになっております)



 藍井春菜-あおいはるな-と『融合』した俺、久遠一成₋くおんかずなり₋は彼女になりすまし、女子大生に成り替わることに成功した。
 母親の麻理子-まりこ-が先生であり彼女の成績を裏で操作することもでき、遊び呆けていても単位を貰うことが出来た。まあ、そんなことしなくても彼女の普段の成績が優秀なだけあり、単位を落とすこともなく大学生活を順風満帆に過ごすことが出来た。
 満たされるのは心だけじゃなく、身体でもだ・・・。


「春菜ちゃん・・・」

 春菜(俺)は親友の双山冬子-ふたつやまとうこ-と供にラブホを訪れる。大学生とは思えない幼い容姿を残した子だが、彼女が春菜のことを好いていることを察した春菜(俺)がラブホに誘うとホイホイと付いてきたのだった。そしてお互い裸になり、愛撫をしながら冬子をベッドに押し倒すと、俺の特大チ〇ポを登場させた。

「えっ!?な、なんで春菜ちゃんの身体に・・・・・・あるはずないモノが付いてるの!?」

 当然、最初見た時冬子の顔は引きつっていた。しかし、俺は優しく冬子に声をかけた。

「びっくりした?ふふ・・・私、女の子を好きになると、自分の性器を男の子みたいに膨らますことが出来るの」
「そ、そんなことできるの・・・?」
「うん。だから、これで女の子を犯すことが出来るの。冬子ちゃんもハジメテを男の人より私みたいな可愛い子に捧げた方が安心するでしょう?」
「そ、それは、まぁそうだけど・・・・・・あんっ」

 適当に話を繕っても春菜の信頼性は高いおかげで俺の言うことを簡単に信じてくれる。最初は驚いていた冬子も、まんぐり返しして女性器を開かせて逸物を突っ伏していった。

「いただきます、冬子ちゃん」

 ズブズブズブ・・・!!

      まんぐり返し

「んあああああ!!は、春菜ちゃんのが・・・挿入ってくるうぅぅ!」
「ハァ、ハァ・・・冬子ちゃん・・・私のチ〇ポ気持ちいい?」
「は、はひぃ!春菜ちゃんの・・・奥にズンズンきて、んひぃ!」

 チ〇ポを突っ込んだ瞬間雌の顔になって喘ぎ始める冬子。
 アヘアヘ言ってる姿がチ〇ポにビンビン来るものがあった。

「ん、んふ!冬子ちゃん。チ〇ポって言って」
「は、春菜ちゃんの・・・おち〇ち〇、ん゛ぎも゛ぢい゛い゛!!」
「こうやって無理やり犯してるみたいで、興奮するね!」
「んひぁああああ!!」

 それにしても、この冬子という女も感度が良すぎて突っ込まれる度にイってるみたいだ。軽くイク度にオマ〇コをギュウギュウと収縮してくるのがチ〇ポに堪えた。

「冬子の膣内、すごい締め付けてきて気持ちいいよ」
「あんっ、ああっ、私も春菜ちゃんのおち〇ち〇気持ちいいよ」
「うんっ、あはっ!この女ぁ気持ちよすぎる!」
「はぁ、はぁ、んんっ、ぁっくぅ・・・ふぁんっ・・・あんっ!んんっ、んあぁ、はあぁ」

 冬子の艶やかな吐息が、間近に感じられる。春菜(俺)も気が付けば息を荒げるくらい膣壁にチ〇ポを擦り付けていた。

「あっ、あっ・・・なんかすごっ、ひぅっ!・・・はぁんっ!だ、だんだん、何も考えられなくっ・・・なっちゃうよおぉ!
「うっ・・・ううっ!」

 春菜(俺)はとっくに何も考えられていない。予想以上の肉棒への圧迫感で、絶頂まで導かれていた。

「もう、射精そうだ」
「あっ!あっ!きちゃうっ・・・や・・・あ・・・あ・・・きちゃうううぅ―――!!!だめ、あ、だめぇえぇっ!刺激が強すぎてえぇっ!頭、真っ白にっ・・・っひあああああああぁぁぁんっ!!」
「くっ、やばッ!中に出しちまう!」

 冬子の絶頂と供に膣内へ引きずられるような感覚に、思わず春菜(俺)は腰を引いてしまう。
 その瞬間に大量の精液を発射させた。

      白に染める

 びくっ! びくん! ドビュビュドビュルルル!

「あつっ・・・・・・あ、ぁあ・・・あぁああ・・・・・・あ!・・・あああ・・・あっ!・・・ん・・・んあぁあ!」

 冬子の身体がビクビクと震えた。春菜(俺)は荒い息を吐きながら、冬子の身体を白く染め上げていた。

「はぁぁっ、はぁ・・・・・・なに、これ・・・精液?・・・・・・んんっ・・・春菜ちゃんの・・・・・・せーえき、ねとねとするぅ・・・」

 うっとり震える喘ぎ声を出しながら、俺の白濁液をすくい上げて弄んでいる。冬子も完全に春菜(俺)を受け入れていたのだ。

「春菜ちゃん。・・・だいすきぃ」
「私も好きよ・・・またやろうね、冬子ちゃん」

 軽くキスを交わしながら、冬子はベッドで寝入ってしまう。
 春菜の親友を犯し、春菜の生活を壊していること圧倒的な征服感を堪能する。この身体と美貌があればサラリーマンから援助交際でお金を稼ぐことも可能だろう。この身体でパパに甘えれば可愛い愛娘にいくらでもお金を貢がせることも可能だろう。
 大学生の身体を確かめるように胸の膨らみを冬子に押し付けてやった。サイコーの身体だぜ。

「この女の身体でもっと遊んでやるか・・・・・・」

 一人ほくそ笑む春菜(俺)の頭の中で微かに反発する声を聞く。
 まるで俺の行為を嘆く者がいるように。
 麻理子のように意識を沈めたわけではなく、意識を覚醒させたまま俺とくっついた春菜本人が間違いなく俺の行為を見ていることに気付いた。
 必死に自分の身体を取り返そうと抵抗している彼女の存在が、次第に俺にとって不要なものへと変わってきていたのだった。
 俺にとって必要なものは、春菜の身体と、彼女の環境だった。
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 花蓮に“憑依”し、自慰を味わった紀仁だったが、その快感は未だ満足できるものではなかった。ゆっくりとベッドに眠る自分の身体に近づき、しっかりと身体をベッドに仰向けに寝かせる。

「…ねえ、紀仁。寝てるの?」

 花蓮になりきって紀仁は耳元で囁く。当然、自分の身体が起きることはない。

「ほらっ。紀仁が見たがってたユニフォーム姿だよ?起きないでいいの?早くしないと私、脱いじゃうよ?」

 どうしてもやりたかったコスプレに積極的になっている花蓮と、対照的に眠り続ける紀仁。こんなことを言われたら飛んで布団から起きるだろう。しかし、今の紀仁の魂は目の前にあるのだから仕方がない。
 つまり、紀仁は目覚めないと分かっていながら演じているのだ。自分が後で楽しむ様に、ビデオカメラを部屋に仕込んで準備は完了している。

「それでも起きないんだ……だったら、んっ……先輩の服を脱がしちゃうんだから」

 ユニフォーム姿のまま、花蓮の手で紀仁の布団を肌蹴させる。すると、前もって準備していたように紀仁の身体には公式ユニフォームを着ていたのだ。花蓮と同じ生地で作られたユニフォームだ。ポリエステルの生地の上からペニスを撫でると、すぐに反応を示して誇張していく。ショートパンツの上からでもくっきり分かるペニスの形を浮かび上がらせると、パンツをゆっくり脱がしていった。
 ヌルンと、生地に滑るように現れたペニスは、赤く膨れていて可愛かった。

「えへへっ。全部脱がしちゃった♪」

 花蓮が笑いながら自らもショートパンツを脱いでいく。そしてタンクトップも脱いで全裸になると、眠っている紀仁の上に跨りペニスに自分のお股を擦り合わせた。

「私のココと紀仁くんのおちんぽが……んっ、こうしてキスしちゃってるよ。あんっ♪」

 全裸で紀仁の身体の上に跨った花蓮が、微笑みながら嬉しそうに腰を振る。いきり立つペニスに割れ目を密着させて、既に蜜で蕩け始めているおまんこを惜しげもなく擦りつけた。

「ほら…感じるでしょ?私のおまんこ、早く紀仁の赤ちゃんが欲しくてキュンキュン疼いてるのっ。あっ、はぁんっ♪」

 甘く声を上ずらせながら、花蓮が肉竿の裏筋をなぞるように割れ目に押し付ける。しっとりと濡れ蠢くクリトリスに敏感な部分を当て、心地よい痺れを我慢できなくなっていた。意識がなくても感じる紀仁のペニスは、すっかり勃起して普段の硬さを保っていた。

「あはっ。紀仁のおちんぽ、早く私の中に入りたいって震えてる。私の子宮、紀仁のおちんぽでメロメロにしてほしいの」

 花蓮本人でも言わないだろう溺愛の言葉を惜しげもなく投げかけていく。その言葉が示すように、花蓮の秘部は既にぐっしょり濡れていた。

「ああ、早く私のおまんこで先輩のおちんぽ扱いてあげる。もう私も挿入れたいの。限界なのぉ♪……先輩の硬いおちんぽでおまんこいっぱいにしてぇ♪」

 軽く腰をあげ、蜜を滴らせる膣口へ亀頭を宛がいながら促していく。

「あはっ、私の愛液でおちんぽ滑り込ませてっ♪はぁ…んんん――!あぁ!はぁん、…はいったぁ♪硬いおちんぽ、ズボズボするぅっ!」

 幸せそうに声を震わせる花蓮が躊躇いなく腰を落とした。既に大量の愛液で濡れ解けていた膣内へヌプリと挿入したペニスがスムーズに呑み込まれていく。

「あああ…私のおまんこ。挿入れられただけで子宮も降りてきてるのぉ♪私のおまんこで先輩のおちんぽいっぱい扱いてあげるから、濃厚な精液をいっぱい子宮に流してね♪私のおまんこでおちんぽをズボズボ気持ちよくして、思い切り出させるのぉ♪気持ちよくしてあげるっ!はぁんっ、ああっ!」

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 嬉しそうに紀仁の身体の上で跳ねながら、引き締まったお尻を弾ませるように大きく動かして激しくピストンする。
 じゅぶ、じゅぶと盛大な水音が結合部から漏れ、愛液と先走り汁が入り混じったものが辺りに飛び散る。振りまかれる淫らな香りと躍動する花蓮の乳房。実際下に敷かれた自分の視点から見ることができないの非常に残念だが、自分のことを考える暇もなく、花蓮のセックスによる快感が体内に蓄積されて何も考えられなくなっていった。

「ああん!擦れば擦るほど、おちんぽが私の中で大きくなってるぅぅ!好きぃっ、大好きなの先輩のおちんぽぉ!はぁんっ♪はぁ、あははっ♪」

 きゅうぅぅと膣が締まり、ペニスを強く扱く。紀仁の身体が呻き声をあげた気がした。

「はんぅっ!ああっ!おぉ、奥で…ずんずん気持ちよくて…力が抜けそぉになりゅぅ…でもぉ、頑張るぅ…はひぃ、はぁっ、はぁぁ、んふぅっ!」

 鍛えられた体力を限界まで絞り出し、甘く喘ぎながら腰使いを加速させる。きゅっときつく締まる膣壁がペニスに絡みつき、亀頭は窄む子宮口に狂おしく吸われていく。摩擦に合わせて竿の芯が膣壁を抉る甘美な快感に、小さな絶頂の勢いも止まらない。狭い肉壁を押し返すように幹胴が膨らみ、亀頭の先からカウパー液もだらだらと滴り溢れだしていく。

「はぅっ!くぎゅうぅぅ!!ぃぃっ…先輩のおちんぽ汁が子宮に塗られてりゅぅ。ああっ、これ好きぃっ…もうすぐ射精すりゅぅっ!嬉しくて、いっぱい…排卵すりゅぅ♪好きな先輩のおちんぽ汁でぇ、私孕むからぁ!だしてぇ、いっぱい精液だしてぇっ!ドロドロのおちんぽ汁ぅ!子宮にいっぱい注いでぇぇ!」

 花蓮が淫らに腰を振る。ぬちゅっと肉をかき分ける音とともに、亀頭がすっぽりと子宮口にはまり、強烈な刺激を二人に与えた。先っぽが噛みしめられるような強い圧迫感に眠っているはずの紀仁の身体が背筋を駆け上がってくる射精衝動を耐えきれなくなって跳ねる。

「イク!わたしぃおちんぽぉ…イクぅっ…イッくううぅぅ!♪!あふぅ、奥に熱いのビュルビュルくりゅう!!すごぉっ…先輩のおちんぽ汁がわたしのおまんこにぃっ…子宮に注がれてぇ…ああぁっ。らめぇ…イイッ…イキ過ぎて腰が抜けるぅっ…気持ちよすぎて、受精しちゃうぅ……!!♪」

 嬉しそうに背筋を仰け反らせて絶頂する。膣内がずっと締まりっぱなしで紀仁の身体が無条件に一方的に射精し続ける。その拘束を振りほどくように雁首でゴリゴリと壁面を抉りながら動くと、射精の波が引いた瞬間、また次の絶頂が込み上げてきた。

「あはぁへ…、あああっ!きたぁっ、またせーえきがしきゅーに流れてくりゅぅ……ダメ押し種付けぇ、あひゃぁぁぁーーーっ!!!……しゅごぉっ、は、はひぃぃぃぃ……」

 幸せそうに身震いする花蓮に立て続けに二度の射精を注ぎ込む。既にいっぱい満ちている子宮へさらに大量の白濁が流れ込み、入りきらない精液は愛液と混ざり結合部から噴きこぼれていった。二人の身体もぐしょぐしょに濡れている。激しい絶頂と幸福感が何度も襲い掛かった。

「はぁはぁ…子宮の中で泳いでいる先輩の精子がぁ…わらひの卵子を犯してるよぉ…んぅっ……先輩ぃ凄すぎりゅぅ……えへへっ。先輩のおちんぽでいっぱい孕ませてもらえるなんて、しあわせらよぉ……」

 余韻で恍惚としている花蓮。そして、体力が有り余っている二人の身体は、『飲み薬』の効果が切れるまで夜な夜なセックスをし続けたのだった。
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 澤谷賢一郎が手に入れた『飲み薬』はエムシー販売店というネット販売で購入できるものだった。しかし、そのサイトは紀仁が新社会人を迎える前になくなってしまい、事実上ネット購入が不可能となってしまっていた。紀仁の夢が潰え、茫然自失となっていた時期もある。『飲み薬』が残してくれた地位と名声が支えになり、今までやっていくことができたのだ。
 しかし、最近になって一度だけネットオークションに『飲み薬』が出品されたのだ。価格は購入時の10倍。その競合倍率は熾烈を極め、0.006%という入手超難関の道具になっていた。紀仁は今まで貯めた金額をすべて賭けて挑んだ。試合以外で手に汗握ったのはこれが初めてだった。
 紀仁は入手したのだ。お札での殴り合いに打ち勝ったのだ。かつて人生を狂わされた怪喜の味をもう一度堪能できるのだ。
 その商品はすぐに送られてきた。紀仁の元へ届き、大事に保管されている。
 早速紀仁は準備に取り掛かる。当然、“憑依”しようと考えているのは花蓮だった。
 他の誰かにするつもりはなかった。一度“憑依”したことのある花蓮にもう一度“憑依”しようと思った一番の要員は、やっぱり他の誰よりも花蓮のことが好きだからだ。

「花蓮っていい女っす」

 そうつぶやく紀仁を尻目に、花蓮は練習とセックスに疲れて寝てしまっていた。 

「すぅ…すぅ…」

 あどけない表情を俺に見られていることなどお構いなしに、すやすやと寝息を立てている。花蓮が眠ったのを確認した紀仁は顔を近づけしばらく観察する。そして、当分起きないと判断すると、計画を実行に移すことにした。 

「よし、やるか。花蓮に憑依するんだ」

『飲み薬』の封を開け、その味を喉に流し込む。高校時代の時に飲んだ、炭酸が強い薬品の味が蘇る。あの時と全く同じである。
 全てを飲み切ると、紀仁の意識がすぅっと薄くなる。花蓮の眠っている隣で紀仁の身体も眠るように倒れこんだ。
 しかし、あくまで身体のみであり、紀仁の精神は天井に浮き上がり二人の身体を見下ろしていたのだ。そう、幽体離脱ができたのである。

「やった。できたっす!」

 紀仁は一人喜んでいた。『飲み薬』の効力は色褪せることなく幽体離脱を可能にしていた。身体から精神を切り離して紀仁の魂を飛ばしていた。このままどこかへ飛んでいきたいと思いながらも本来の目的を忘れてはいけない。紀仁は泳ぐように宙を飛び、ベッドに寝ている花蓮の上空に浮かんだ後、静かに 身体を降ろしていった。

「失礼します」

 紀仁の魂が花蓮の身体に触れると、そのまま溶け込んでいくようにめり込んでいった。花蓮は紀仁の魂が身体に触れた時から、小刻みに震えていた。

「うぅん…」

 少し苦しそうに声が漏れる。それを聞いた紀仁は急いで花蓮の身体へと入り込んだ。そして、完全に花蓮の身体の中に紀仁の魂が入った。 

「……はっ」

 ぱっと紀仁が目を開けると、明かりのついた天井が見えた。そして、視線を横に向けると眠っている紀仁の身体を見ることになる。客観的に観る自分の身体だ。
 紀仁はむくりとベッドから起き上がる。普段より身体が軽く感じた後、掛け布団が滑り落ちて男性にはない胸の膨らみと重みを感じることができた。 
 視線を落とすと、ほどよく膨らんだ黒く焼けた肌と同じ色した二つの乳房が見えた。

「ニヒッ」

 この胸の持ち主が誰のものか紀仁には分かっていた。紀仁は立ち上がり、立てかけた鏡をベッドに向けると、先程までセックスしていた皇花蓮の姿で映っている自分を見た。眠っている紀仁の身体を鏡の反射で見ながら、花蓮の視点で自分の身体を見る。まるで二人の精神が入れ替わったかのような錯覚に陥った。

「す、すごいな、これ。どこから見ても皇花蓮っすね」 

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 視線も身長も体重も筋肉も声色も、全て紀仁のものではない。皇花蓮という女性の物だ。それをすべて支配して自分の身体のように動かすことも出来る。誰にも制御されることなく、誰の許可も要らずに、花蓮の胸を見ることができる。見下ろしている花蓮は、その見慣れない角度からのまぶしい肢体に、ただ感動の声をあげるばかりだった。 

「はぁぁ~。花蓮の胸に太もも、それに脹脛……二の腕、指、足~」 

 しかし、驚いている理由は、そのまぶしい肢体だけではない。憑依したことで花蓮と全く同じ体型になったということであり、せり出した胸、くびれた腰、大きなお尻などが備わっている、ということでもあるのだ。鏡で何度も花蓮の裸体を視姦する。高校時代の記憶よりも大人びた、皇花蓮の身体を手に入れたのだ。

「これが自分の身体だなんて、考えただけでもわくわくするっす」 

 改めて花蓮の身体を観察してみると、こんなに素敵な女性になったんだ、ということが改めて分かる。世界で誰よりも素晴らしい身体の持ち主であり、紀仁の彼女であることに誇りに思う。 

「あぁー、花蓮になってみて、本当によかった!」 

 花蓮に“憑依”してさらに快感が押し寄せる。だがしかし、ぶるっと震えた身体は決して感動を覚えたわけではない。

「女になった以上、いつまでも裸のままっていうのもまずいっすよね」 

 花蓮の身体を堪能した紀仁は、花蓮に身に着けようと脱いだ下着を身につけていこうとした。女性物の下着を身につける興奮に紀仁は興奮を覚える。すると、普段から身に着けているはずの花蓮の身体でさえ興奮を覚えているのがわかる。乳首は勃起し、子宮が疼くのを感じた。このまま着替えて花蓮として外に出て行くと考えただけで女装癖の可能性があるんじゃないかと緊張してしまう。 と、そのとき紀仁はあることを思い出した。

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 向山紀仁は高校時代に不思議な体験をした人物の一人だと言える。
 それはどんな体験だったかというと、皆にはうまく伝わらないと思う。これは実際に体験した人じゃないとわからない。90%の人は「冗談だろ?」や、「うっそだぁ!」と、信じてはくれないだろうし、残りの10%の人は「マジで!スゲぇぇ!!」と肯定するのではなく、「へぇ、すごいね…」と、半信半疑の肯定で軽く首を振るだけの話だ。ちなみに半信半疑と言っても疑が75%を占めるのだから言葉遊びとは面白いものだ。
 つまるところ、今までのことを振り返っても、紀仁が誰かに体験談を話しても心底無駄だということだ。実体験を話す意味はないということがわかっていた。しかし、逆に紀仁の立場から言わせてもらうと、人の話を聞かない人は心底損をしていると思う。この体験があったからこそ、紀仁は変われたと思っているし、いまや全日本実業団バスケットボール選手権大会で名を上げる選手になれたといえる。元々才能があったバスケットボールと、高校時代に全日本男子バスケットボールのヘッドコーチの目に止まり、強化選手の育成システムに乗れたことが大きかった。

 当時、貴耶とも離れ、孤立した紀仁には今更クラスメイトたちとの馴れ合いに染まれるはずがなかった。鵜沢澄彦と今後を話し合い、高校時代のこれからをどうするかという不安を抱きながらも二人にしか共有できない思いがあった。

「また、憑依したいな」

 澄彦が言った。そしてこれが、紀仁が実際に体験した核心部分だ。

“憑依”。――乗り移り。他人の身体に乗り移り、自分のものとして操る体験は、いままで経験した刺激よりも強い快感だった。人が人を操るのは洗脳以外ありえない。恐怖支配や独裁政治では必ず法により裁かれる。しかし、“憑依”とは信じるものだけに与えられる全能支配だ。他人を自分の身体の一部として意のままに操れることを、身を以って体験してしまったのだ。紀仁は後輩の皇花蓮に“憑依”し、女性の快感を味わってしまった。男子では味わうことのできない快楽を存分に堪能してしまった。澤谷賢一郎が持ってきた『飲み薬』によって、紀仁は知ってはいけない禁断の果実を味わってしまったのだ。
 抜けだせるはずがなかった。貪欲に、強欲に。もう一度その快楽を味わいたいという思いが、紀仁と澄彦の二人を突き動かしていた。

 それからだ。澄彦は永峰瑛子に頭を下げ、一から勉強を教えてもらい始めたのだ。なんでも、東大に入学したいと直談判に言ったのだという。何日も何日も先生たちに頭を下げて、放課後に居残り先生たちの時間を割いて特別講習を築き上げたのだ。授業を欠席することはなくなり、毎日遅くなるまで学校に残り復習を続けた澄彦の成績は格段に順位を伸ばし、大学受験当日までぎりぎりかけて、すべての科目で満点を取ることができたのだ。それは澄彦の才能だろう。紀仁よりも勉強に対する理解力がよかったのだ。澄彦は東大を現役合格し、いまや大企業の重要案件を一任されるほどの人材になっていた。

 そして紀仁は澄彦ほどに頭がよくない。どうしたらいいかわからず途方にくれていたこともある。だが、身体を動かすことは好きだったし、バスケットをやっていたことを思い出し、遅咲きながら部活をはじめたのである。高校2年の秋である。残されたのは春の選抜のみという苦境である。
 部活を入部したときも皆に鼻で笑われた。雑用と基本だけをやらされて試合はおろか練習ですら参加させてもらえなかった。しかし、部活では最後まで残り、顧問を残して実力を見せ付けた。先輩は最後まで紀仁の実力を認めなかったが、顧問は差別なく紀仁の実力に気づいてくれた。
 一度限りの練習試合に参加させてもらった際、先輩たちを一人でコテンパンにした。既に目の色が違う紀仁に敵はいなかった。爆発する暴走列車のように、相手の動きは遅く、紀仁の動きについてこれるやつはいなかった。加えて紀仁の人間観察はここでも光った。相手の次の動作が手に取るようにわかり、視野が広くなった紀仁は1人で5人分の活躍をしていた。紀仁自身でも驚くほど実力は衰えていなかった。むしろ、年を重ねて眠っていた才能が起き出したといってもいい。PG,SG,SF,PF,Cすべてに回り、かつて対戦した最強の好敵手の実力を自分の身体に乗り移らせた働きをみせた。
 実力を認めるしかない先輩たちは、春の選抜に紀仁を出場させた。そして紀仁はそこで運命を変える出会いをする。


 ――現在に至る。紀仁は運動で大企業に勤めるようになった。現在、オリンピック代表ですら手の届く場所まで来ている。落ちぶれた紀仁がまさか国を代表する人物になるとは本人すら夢にも思っていなかった。

「本当ですよね。先輩が日本代表選手に入るんだもん。信じられないよ」

 紀仁の隣で皇花蓮がいた。なぜ花蓮が紀仁の部屋にいるかというと、答える方が愚問である。二人は高校時代から密かに付き合っていた。最初は紀仁が一方的に花蓮を求めていたのだが、当然、悪評名高い紀仁の噂は後輩の花蓮の耳にも入っており、最初は取り合うことすらありえなかった。しかし、紀仁が覚醒し春の選抜を優勝する頃には、花蓮は現地に応援にも来ており、強化選手の一人に名前が入る頃には紀仁の告白を受け入れていたのだ。花蓮もまた陸上の日本代表選手となり、高嶺の花であった皇花蓮を落とした紀仁は、全身に幸福が回ったのを今でも覚えている。賢一郎をいじめていた頃では“憑依”でしか花蓮を自分のものにできないと半分諦めていたのに、実際手にできたのだから嬉しいものだ。紀仁のすべての努力が報われる瞬間だった。涙が止まらなかった。
 そんなことを昨日のことのように思い出す。走馬灯の記憶が紀仁をセンチメンタルな気持ちにさせた。

「まぐれだね」
「どあほう。実力っすよ」
「きゃあっ!」

 この後めちゃくちゃセックスした。

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