純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

タグ:母親

 麻理子の身体でオナニーをした俺は自分の部屋へとやってきた。
 そこには、幽体になった時に垣間見た一成‐おれのからだ‐が眠っている様子がありのまま映されていた。麻理子(俺)が入ってきても気付かないくらい爆睡している。それは当然だ、いまこの身体は幽体がない、空っぽの器みたいなものだ。
 目を覚めることもないし、言葉を発することもない。客観的に見るもう一人の麻理子(俺)だ――。
 そんな俺は床に転がっている荷物をもう一度漁った。実は荷物の中には『飲み薬』だけじゃなく、俺が頼んだモノはもう一つあるはずだからだ。
 それはすぐに手の中に収まった。――『接着剤』だ。
 相手とくっつくことで身体の一部を取り替えたりすることも出来る『接着剤』は『飲み薬』と使えばさらに面白いことが出来るのではないだろうか――そんなことを考えながら麻理子(俺)はニンマリと不敵に笑い、ベッドで眠っている一成₋じぶん₋の身体へと歩み寄っていった。
 俺は『接着剤』を手に落とす。これを使い、自分の身体を母親の身体に取り込もうと考えたのだ。幽体離脱すれば、眠ったままになる空っぽの器をどこに放置するのかは『飲み薬』を使用する者にとって一番悩ましいところだ。変に誰かに見つかることがあったら警察や医者にお世話になりかねない。
 大事になることを避けたいなら、自身の身体を隠す場所を最初から決めなければならないはずだ。
 だけど、俺は違う。眠り続ける身体を隠すのではなく、持って歩くことを決めていたのだ。
 自分の目の届く範囲から外さないようにするためには、常に持ち歩くことが一番手っ取り早い。そうすれば、誰にも俺の身体に気付くようなことはない!
 とはいうものの、身長162㎝、体重96㎏。巨漢の一成‐おれ‐の身体を常に持ち歩くなんてことは普通なら出来るはずがない。持ち運ぶだけで相当骨が折れる作業だ。
 しかし、そんなことを可能にする方法が一つだけある。――その方法を叶えるのが、『接着剤』という代物なのだ。

「さあ、私と一つになりましょう」

『接着剤』を手に付けた俺は、自分の顔に塗りつけていく。ベチャベチャと、透明な『接着剤』が顔につけられていくも、当然一成は目を覚ますことはなく、ぶよぶよの頬に大量の接着剤を塗していく。
 顔が済んだら次は身体。服にそのまま『接着剤』を塗り込んでいく。粘液が服について濃く変色していくが、麻理子(俺)は構わずに『接着剤』を塗りこんでいく。麻理子の手で首に、太股にと伸び、さらにパンツを引き下ろすと、お尻に、そして股間にも塗りこんでいった。足の先、手の甲、そして、もう一度たるんだ脂肪のついたお腹と両胸にも『接着剤』を一本丸々使って塗り広げていった。
 まるでオイルマッサージをするように念入りに塗り込み、麻理子の手で全身に隈なく塗られていった。
 やがて『接着剤』がまんべんなく一成₋おれ₋の全身に塗り広げられた状態で10秒ほど待った。すると、先ほどまで触れることができた身体がくっついて放れなくなっていた。まるで底なし沼のように足掻けば足掻くほど、俺と麻理子の身体は近くなっていき、まるでくっつくようにズブズブと沈んでいった。

「う、うわあああっ!!?」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 俺は思わずびっくりして目を閉じてしまった。しかし、目を開けてみるとそこが沼の底ではなく、自分のベッドの上だった。先ほどまで眠っていた一成の身体だけがなくなっており、空になった『接着剤』の容器だけが残されていた。

「お、俺の身体はどこ行ったんだ・・・?」

 麻理子の声で素っ頓狂な声を荒げた俺は、なくなってしまった一成の身体に慌てて姿見に身体を映す。すると、麻理子の裸体が映しだされている中で、先ほどとは両腕と両足のバランスがおかしくなっていたのである。麻理子の肢体に付いた似つかわない太い腕と足は、今まで見てきた俺でなければ半狂乱の悲鳴を上げていただろう。どこか見覚えのあるたるんだ二の腕や脹脛の毛深さを見てあることに気付いたのだ。
 それは俺の両手と両足だったのだ。麻理子の身体に俺の身体の一部分が生えていたのだ。
 いや、生えていたという言い方は語弊である。切り替わっているというべきである。
 今の俺は一成の身体と麻理子の身体を両方使えるようになったということだ。麻理子の身体をパーツ化して、両手と両足のパーツを一成の身体で表示しているようなものだ。
 目を閉じて意識すれば俺は一成にも、麻理子の身体にも一気に変わることが出来た。

「おお!すごい。俺の身体になることもできたぞ。そして――母さんの身体に切り替わることもできた!へへ!一人二役も出来そうだ」

 鏡の前で瞬時に身体が切り替わる親子。そして、これは身体を切り替えるだけじゃなく部分的にも変えることも出来た。

「うっはぁ!すげえ!俺の身体に母さんの胸が付いてるよ。やっぱり女の身体は違うな。同じくらい胸の厚さがあると思ってたのに張りがあるのとないのじゃ全然違うぜ」

 俺は自分の身体に戻った後、胸だけを麻理子のもとに切り替えると、男性なのに女性の胸を持つ不釣り合いな身体になることが出来た。そんな不釣り合いな身体に興奮し、チ〇ポを扱きながら胸を揉むことも出来た。

「ハァ、ハァ・・・んああ!おっぱい揉みながらち〇ぽ扱くのたまんねぇ。癖になりそうだ、ハァ・・・」

 普段は逸物を扱くだけのオナニーが、たわわに実ったおっぱいを揉みし抱く行為を追加しただけで幸せな気持ちになる。その高揚感に包まれてすぐにイきそうになっていた。

「んああああぁぁぁ・・・・・・!!!」

 麻理子の乳首を抓った瞬間、自分の声で初めて喘ぎ声を漏らしてしまった。かなり恥ずかしかった。
 我慢できなかったとしても、やっぱり男性としてのプライドで喘ぎ声を聞くのは居た堪れない。
 それだったらと、俺はパーツを逆転し、麻理子の身体で再びオナニーを始めることにした。


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「一成。ちょっと来なさい」

 俺、久遠一成₋くおんかずなり₋は母親の麻理子‐まりこ‐に呼ばれて下に降りてきた。手には俺がネット販売で注文した荷物を持っていた。

「・・・はぁ、いい御身分ね」

 麻理子は怒りと呆れを同時に見せて深くため息を吐いていた。

「食事代も家賃も私持ち。カズが夜中やってるゲームの電気代や夜食、そしてネット代も全部私が払ってるのよ?生きてるだけでも金を使ってるんだから、いい加減働いてほしいもんだわ」

 俺は所謂ニートである。8年間引き籠っており、気付けば20代後半になっていた。その年になると今まで「働きたくなったら働けばいいのよ」と俺を可愛がっていた麻理子でさえ白い目を向けていた。

「働く気はないの?」
「あるよ!働く気はあるんだよ。でも、いまは働けない」
「なんで働けないのよ?」
「例えば遅刻すると会社行き辛くてその日一日会社休むことになるじゃん。で、1日休むと次の日会社に行き辛くなって次の日も休むじゃん。そうなると会社にもういけないよね?」
「はぁ・・・」

 最初はちょっとした寝坊が発端だ。学生の時遅刻常習犯だった俺が社会で遅刻癖が治ると思ったら治るわけもない。だいたい、何処の会社も始業が8時だ9時だ早いんだよ。頭働かねえよ。酸素足りてねえよ。もっと寝かせてくれよ。

「あ~あ、どっかに正午から始まって夕方に終わるような会社ないかな~!そしたら本気出すんだけど」
「お母さん、もう寝るから静かにしてね。お隣さんが夜中奇声を聞いたって騒いでたわよ」
「こっちは夜中だけど、海外は昼間だ」
「はぁ・・・どこで間違えたのかしら・・・」

 聞くのも疲れたのか、麻理子は荷物を俺に預けて自分の寝室へと向かってしまった。
 廊下に取り残された俺は苦々しい顔をしていた。

「社会不適合者は社会に出ない方が世のためだ。俺が生んでくれって頼んだわけじゃねえんだから死ぬまで俺に貢げよ、ばばあ」

 大学の講師をしているだけ麻理子に金はたんまりある。一人ぐらい養ってもノーダメージの癖に粘着質で腹が立つ。働くことに生き甲斐を見出す人もいれば、遊び呆けることに生き甲斐を見出す人もいる。
 価値観を一緒にされると我慢できない。
 自室に戻り、届いたばかりの荷物を雑に開ける。母親に見つかったことは想定外だが、注文していたものがようやく家に届いたのだ。
 俺は中に入っていた『飲み薬』を手にした。

「これを使って俺が死んでも、それはそれで本望だ」

 この『飲み薬』を飲めば幽体離脱できるらしい。身体から幽体が抜け出して宙を浮くことが出来るらしいが、それで死んでしまったら元も子もない。しかし、いまの俺が死んだところで悲しむ者は誰もいないだろう。だったら、俺がやることは一つだ。

「・・・絶対に諦めない!」

 俺は意気込みながら喉を鳴らして『飲み薬』を飲み干していく。
 中身を全て飲み込んだ瞬間、すぅっと意識が薄れていくのが感じ、身体に力が入らずベッドに倒れ込んだ。そして、そこから俺は幽体だけが飛び出してきた。
 ベッドに倒れ込んでいる一成を俺が見下ろしている。話に聞いた通り、本当に幽体離脱出来たみたいだ。宙を泳ぐことができるようになり、幽体に重力も関係ないのでスイスイ加速して部屋の中をグルグル回ることが出来た。こんなに身体が軽いのは久しぶりだった。

「凄いな、コレ!本当に幽体離脱出来たんだ!」

 テンションがあがる俺。そう思ったら、次に俺がしようとしたことを思い出す。ただ幽体離脱して部屋のまわりをグルグル泳いで遊ぶために買ったわけではない。
 幽体離脱したら、『憑依』を体験するつもりだった。
 他人の身体に乗り移る行為。幽体になった俺が他人の身体を使えるようになる『憑依』をやってみたかったのだ。
 家にはちょうど麻理子が寝ている。俺は寝室に忍び込み、スヤスヤと寝息を立てている麻理子に早速乗り移ることにした。
 俺が部屋内に居るだなんて夢にも思っていないだろう、麻理子は無防備な寝顔を見せている。こんな間近で母親の顔なんか長年見たことがなかった。俺はベッドに寝ている麻理子に身体を重ねるように静かに降りていった。
 俺の幽体が布団をすり抜けてそのまま麻理子の身体に重なっていく。

「ぅぅん・・・」

 幽体が触れて苦しそうに麻理子は身体を震わせていた。思わず逃げようかと身体から離れようかと思ったが、このまま身体に入ったほうが早いと判断してこのまま麻理子の身体に入り込んだ。

「っン・・・んぅ、ンん・・・・・・んあああっ!」

 麻理子の口から苦しそうな声を漏れたが、それが麻理子の最後の断末魔であり、次の瞬間には麻理子の身体は俺が支配していた。羽毛布団が暖かく、マットレスが柔らかい。息子の俺とは違い良い素材を使って眠っているものだ。
 そっと目を開ける。薄暗い天井が見える。俺は手を伸ばし、ベッドに備え付けてあるスイッチを点けると寝室全体が明るくなった。俺はむくりとベッドから起き上がった。そんなに体型も変わらないはずなのに、起き上がる時のダルさは一切感じなかった。しかし一番に感じるのはそこじゃない。胸に重みを感じるのである。視線を下ろしてみると、麻理子は裸のまま寝ていたのだ。疲れて服を着るのも面倒だったのかはわからないが、俺の目にはふくよかなだ二つの乳房が見えたのだ。
 それはなんというか、胸が近いというか、麻理子が近いというか・・・その距離感は俺と麻理子が一体化している何よりの証拠だった。

「ふ、フヒヒ・・・母さんに憑依しちまった・・・」

 俺は嬉しくなり手の平を歓喜で震わせていた。先ほどまで俺を怒っていた麻理子に憑依できたのだ。そして麻理子の身体を支配し、いま麻理子の特大のおっぱいがすぐそばにある。ぷくりと膨らんだ乳首が自分の身体に付いているのがすごく生々しい。
 俺が興奮しているせいか、乳首はツンと勃起して、自己主張している。その形にも興奮してしまう。

「ああ、やべ・・・。いまの俺にチ〇コが付いてたら、絶対勃起してるわ」

 母親だとわかっていても、年増だとわかっていても、俺は女性の甘い匂いにやられてしまう。
 恵まれた美貌を持つ女体だ。あぐらをかいた俺は早速麻理子の胸を触れた。
 むにゅっ。
 おっぱいが直接、手に触れる。どこまでも指が沈みそうなほど柔らかく、ぽよぽよと弾むような弾力がある。そのおっぱいはしっとりと手のひらに吸い付くようだ。こんな感触を味わうのは初めてだ。

「お・・・おおぉ・・・すご・・・ハァ、ハァ・・・」

 母親のおっぱいだと分かっていてもつい手が動いてしまう。滑らかで柔らかなおっぱいだ。
 肌と肌が触れ合う感触だけで興奮してきてしまう。興奮が高まると同時に俺は大胆におっぱいを揉みし抱く。

「んっ・・・んんっ・・・・・・はぁん」

 メロンほどの大きなのおっぱいは、指の間から乳肉が食み出るほどだ。次第におっぱいで感じてきた俺の口からは喘ぎ声が漏れ出していた。

「んあっ、あっ・・・・・・も、もっと強く揉んでみても、大丈夫か・・・・・・あ、はぁっ・・・!」

 おっぱいマッサージをするようにおっぱいを根元から搾るように揉んでみる。大きなおっぱいがさらに飛び出して滅茶苦茶エッチだった。
 麻理子の身体を俺の支配下において好き勝手に弄ることに圧倒的な征服感を覚えていた。





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「母さん遅いな。どこ行ったんだよ・・・」

 鶴喜渉は家に帰って来て香苗の帰りを待っていた。
 学生である渉の頭に自分から料理を作るや、家事を手伝うという頭はなく、大人しくゲームをして過ごしているのだが、さすがに日も落ち辺りも暗くなると、そわそわしてきた。

「お腹減ったな。うまいもん食わしてくれ・・・・・・」

 すると、扉が開いた音が聞こえ、誰かが帰ってきたのだと思った。渉は急いで顔を出し、自分の空腹の思いを伝えるために階段からドン、ドンと音を立てて下りていった。

「遅い!なにやってたんだよ」
「渉くん・・・?渉くん!」

 いきなり香苗が抱きついてきて渉が動揺してしまう。年甲斐もなく泣き崩れる親の顔を見たのは初めてだった。

「な、なんだぁ?どうしたの?母さん」
「・・・ぐすっ。違うの・・・私、渉くんのお母さんじゃないの」
「えっ?」
「足立・・・・・・足立薫子よ」

 渉の前にいる香苗の姿をした人物は自分を薫子だと名乗った。足立先生と言えば渉だって少年サッカーをしている際にお世話になっている保健の先生だ。
 本当に実在する人物であることは渉が一番よく知っている。

「せ、先生っ!?・・・・・・うっそだ~」
「本当よ。本当なの!渉くん、信じて!」

 俺の母さんが何かのショックで気が触れたかのようにさえ思える。いくら先生が美人で人気があるからと言って、自分を薫子先生だと思い込んで性格や仕草、喋り方さえ変わってしまったかのようだ。そうじゃなければ超常現象の実験台にされたかしか考えられない。
 渉の中には疑心は確かにあった。しかし、それよりも子供心に心配する気持ちと興味と好奇心の方が強かった。

「わかったよ。先生なんだね。信じるよ」
「ありがとう、渉くん!私、渉くんに捨てられたらどうしようって思って・・・・・・うわああああん!!!」

 香苗の姿で泣く薫子がもう一度渉を強く抱きしめ、自分の不安な気持ちを赤裸々に語っていた。分かったというように渉は香苗(薫子)を優しく抱きしめ、頭を撫でで落ち着かせるのだった。

 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・

「実は料理苦手なの。渉くんの口に合えばいいんだけど」
「うん。美味しいよ」
「ああぁ、よかったぁ」

 香苗(薫子)の作ってくれた手料理を食べる。香苗の時と味つけも違い、どこか普段の食卓とは違う印象を持つことに、香苗(薫子)の話はあながち嘘ではないと実感する。
 テレビをつけてアニメを見て、普段の家庭を見せるように薫子を元気づけようとした。

「渉くんはこの時間でご飯食べてるの?」
「そうだよ。食事もだいたいこの時間かな」
「私、結婚とかしてないでしょ。子供いないし、自分だけだから。家族の団らんなんてしたことないから、ご飯も結構遅くに食べちゃうの」
「そうなんだ」
「渉くんみたいな素直な子どもだったら、楽しいでしょうね」

 人によって過ごす時間が違うんだと、渉が何気なく過ごしている時間が、薫子にとってかけがえのない時間のように恍惚として呟いていた。香苗(薫子)が優しく微笑むその姿は渉の箸を止め、しばらく呆然と眺めていた。

「あっ。渉くん。ご飯粒ついてるよ。先生がとってあげる」
「い、いいよ!自分で取れるよ!」
「気にしないで!今は私が渉くんのお母さんなんだから」
「先生!?どうしたんだよ・・・」
「ご飯終わったら、一緒にお風呂入りましょうか?」
「そ、それは・・・い、いいよ・・・・・・ムリィ・・・」
「残念。先生と入るのがそんなにイヤ?」
「先生なのか、お母さんなのか、どっちなんだよ」
「ふふ。冗談よ。渉くんのことをからかいたくなったの」

「じゃあ、お風呂使わせてもらうね」と、渉を置いて浴室へと脚を運び香苗(薫子)は消えていった。
 香苗と身体が入れ替わって動揺しているのか、普段できない他人の立場を楽しもうとしているのだろうか、性格が優しい薫子は躊躇してブレブレの様子を見せるが、そのことで渉でさえも意志がぶれ始めていた。
 普段とまるで様子が違う香苗。
 母親でありながら、他人の薫子が香苗を演じている。それは果たして渉の母親なのだろうか。
 薫子だけじゃない、二人が入れ替わったことで渉の生活にも明らかに影響を与えていることは間違いない。

「おれ、先生と一つ屋根の下で過ごしているんだ・・・・・・」

 妙に意識するようになってしまうと、渉の中でなにか抑えられない衝動が込み上げていた。
 薫子が母親だということに慣れることはない。やっぱり薫子は渉でさえ憧れの女性であったのだ。

「勝手に使わせてもらっちゃったけど、ごめんなさい」

 普段着用しているパジャマ姿で渉の前に現れた香苗(薫子)に、渉の方から口を開いた。

「あの、先生。実は・・・」
「どうしたの?」
「実はおれ、まだ母さんと寝てるんだ。だから、今日もその・・・」

 実はこれは嘘だ。渉がついた出任せだ。そんなこと香苗だったらすぐに気付くことだ。
 でも、今の香苗は薫子だ。渉の母親じゃないのだ。

「そうだったの。わかったわ。今夜は先生が渉くんと寝てあげるね」

 悟った様に優しく笑う香苗(薫子)は、ベッドの中一緒にいてくれることを約束したのだった。 


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 丞がお風呂からあがりしばらく経つと、シルもお風呂から上がった音が聞こえた。
 リビングにやってきたシルを見て、丞が自分の目を疑った。

「ママ。それ・・・・・・」

 シルはなんと運動着を着てきたのだ。年甲斐もなく、昔の色褪せた運動着をどこから引っ張ってきたのか丞には分からない。胸の辺りはパツンパツンに張っており、きつくなったブルマが食い込んで下着をはみ出している有様だった。

      イイゾお姉さん(年を考えろお母さん)

「丞くんも今日運動着もってきてたじゃない。お母さんと夜の運動始めないかしらって」

 などと意味不明な供述をしており、その場に居合わせた兄妹の目を丸くしていた。

「なにしてるの、ママ?」
「もういい加減にしてよ!」

 丞はシルの横をすり抜けて、部屋に戻って行ってしまった。この苛立ちは何なのか、丞は正直わかっていなかった。

「さっきからなんなんだ・・・ママがおかしくなっちゃった・・・・・・」

 扉がノックされ、丞を呼ぶシルの声が聞こえる。鍵もついていない部がゆっくり開き、シルが心配そうな顔で丞に近づいた。その姿は体操服ではなく、ちゃんとパジャマに着替えていた。

「丞・・・・・・ごめんなさい。お母さんのこと嫌いになっちゃった?」

 子を想う母親の心境で、丞の膝に自分の手を優しく置くシル。丞はふっと小さく口元を微笑ませた。

「そうじゃないよ。ごめんね、ママ」

 素直な本当に良い子である。シルも安心しながらも自分の想う心配事を語りかけていった。

「でも、丞だって良い年なんだし、女の子の話の一つくらい出てきてもおかしくないわ」

 スリスリ――
 膝に置いたシルの手がゆっくりと回しながら丞の膝を擦っていた。そのことを特に丞が気にすることはなかった。

「あなたは私の自慢の子よ。だから、ヘンな女の子に捕まってほしくないの」

 女の子というフレーズを聞いた瞬間、丞の表情が再び曇った。

「やっぱり、そうなんだ・・・」
「やっぱりって・・・?」
「ママは昨日僕が言ったことを気にしてたんだ!もう放っておいてよ!」

 突然逆鱗に触れたことにシルは驚き、目を丸くしてしまう。

「どうしたの、丞?昨日って、なにがあったの?」
「覚えてないなら、尚更だよ!」

 シルが記憶を覚えていなくても、丞からの態度や急変でなにがあったのかだいたい察することができる。 間 違 っ て い て も 、 自 分 の 身 体 で は な い と 開き直る感じでシルは問いかけた。

「好きな子が・・・出来たのね・・・」

 丞が質問に答えない。そのことが答えだと、シルは唇を噛みしめた。乱暴に丞の肩を掴んで本気で問いかけていった。

「誰?誰なの?お母さんに言いなさい!」
「言えないよ!」
「お母さんよりも綺麗?」
「そんなことない、けど・・・」
「じゃあ――」
「でも、ママとは付き合えないし」

 一瞬安堵の表情を見せても、事実を口に出す丞。どんなに美しい二人でも親子であり、カップルに慣れないのだ。そのことを、丞は既に知っている。
 受け入れられない事実と知っても、それでも諦めきれないシルは最後に残す母の愛があるはずだと考えた。

「・・・そうだとしても、ママが丞に出来ることはあるわ」

 ゆっくりとベッドから起き上がり、部屋の真ん中に立つ。

「見てなさい」

 シルは丞の前でおもむろに服を脱ぎ始めた。



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      がわ゛い゛い゛よ゛~

「お宅の丞‐タスク‐くん。いい子ですね」

 私、鶴喜香苗‐つるきかなえ‐は親切付き合いの亀梨丞‐かめなしたすく‐くんのことになるとべた褒めしてしまう。

「礼儀は正しいし、しっかりしてるし、頭も良いし、気が利くし、運動神経抜群だし・・・」

「言い過ぎですよ」と、笑いながらも謙遜する母親のシルエスタが言う。日英のハーフというだけで格好いいのに、母親譲りの外見と父親譲りの内面を併せ持つ完璧な子供は日本人にいないだろう。
 良いとこづくめのハイブリッドというか、期待のサラブレッドというか、完璧超人のコーディネーターというか・・・

      可愛さを認めたくないものだな(ドライ)

「うちのバカ息子にも爪の垢を煎じて飲ませたいわ」
「でもね・・・悩みもあるんですよ。最近では学校にいても外から怖い視線を感じるみたいなんですよ。気のせいだと思うのですが」

 シルエスタは子供の心配を井戸端会議の始まったこの場でポツリと漏らす。私はそれを愛想笑いで誤魔化した。
 うん、実はそれ、たぶん私のことだ。
 最近じゃ丞くんのことを四六時中考えて、手に付かない状態が続いている。これではよくないっていてもたってもいられなくて、つい学校まで足を運んで丞くんのことを小一時間見て帰るのが日課になりつつあるのだ。
 手が届きそうなのに、手が届かない。手を出しちゃいけないって分かっているのに、奪い去りたいって思っちゃう罪な女。それがわたし・・・。
 年甲斐もなく私は、また君に恋してる。旦那より、自分の子供より、丞くんのことが好きになっちゃってるの。自分の子供以上旦那未満にしたいという欲求が掻き立てられるのはイケナイことなのかしら。
 男性だって友達以上恋人未満な関係や、現地妻だ、愛人だ作ることが自分のメリットって考える人がいるじゃない。それと一緒よ。
 成人が未成年に手を出しちゃイケナイって分かっているけれど、成人を迎えた時にどんな男の子になっているか気になってしょうがないのよ。
 20歳を迎えるまでは私は死ねないわ。その時にどんなイケメンになっているのかこの目で確かめるまでは、傷一つ付けたくないんだもの。

「シルさんはいいですね。丞くんのことをいつも見ていられて・・・」
「手のかかる息子ですよ?」
「ちょうどいいじゃないんですか。手取り足取りかまってあげられて」
「面倒じゃないですか?私にも時間が欲しいですわ」

 子育てに自分の時間が欲しいなんて甘ったれたことを言わないでほしいわ。子供の幸せこそ親の幸せよ。子供の将来は親が決めると言ってもおかしくないのよ。将来ヘンな道を進まない為にも、親がきっちり子供のレールを敷いてあげないと逆に可哀想よ。
 自由奔放な育て方をしていたら子供は堕落しちゃう。ああ、シルさんに育てられて丞くんにもしものことがあったら私生きていけないわ。

「まさか、シルさん・・・夕食に丞くんにホン・デ・リングを与えていないでしょうね?」
「偏食はさせていませんがおやつは好きですよ」

 ああ、やっぱり。丞くんにカロリーの高い物を食べさせて。揚げた砂糖なんて食べたらお肌も荒れるし太るし、虫歯になるし、生活習慣病にもなりかねないわ。
 ほんと、シルエスタは丞くんのことが甘すぎるわ。なっていないんだから心配になっちゃう。

「まあ、でも私の子供ですし、きっと自分でうまくやりますよ」

 はい、でたよ。自分の子供!謙遜かと思えば急に掌返しするように自分を持ち上げてくるこの発言。
 日本人の私を侮辱しているのかしら。放任主義のくせに子供の成長が自分の成果だと信じて疑わないからこういう発言をするのね、きっと。
 逆を言えば善い所は自分の成果、悪い所は子供の所為だと言わんばかりの無責任者。
 やっぱりシルエスタに丞くんを任せてはおけない。私が丞くんの親だったら目を離すなんてことは絶対にしない。
 どうして私が丞くんの親じゃないのかしら。運命はかくも酷なものなのかしら。

 でも、今の私なら、その運命を転換できる方法がある。

 ・・・・・・やっちゃってもいいかしら。やるしかない。それが丞くんのためになるのなら。

「シルさん。やっぱりあなたに丞くんを任せておけないわ」
「はい?」

 私はポケットに忍ばせていた『飲み薬』をシルエスタの目の前で飲み干した。そして、その勢いのままにシルエスタの腕を掴んで引き寄せると、彼女の唇を奪い、私の唇で覆い隠した。



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「ヌフフ・・・ようやく手に入れたぞ」

 その奇抜なデザイン。子供に大人気の『面妖ウォッチ』をいち早く手に入れた大きなお友達、葛城慎二―かつらぎしんじ―。子供たちに紛れて近所のおもちゃ屋に仕入れたという情報を嗅ぎつけ、最後の一個を手にとってレジで買い物を済ましたときの買えなかった子供たちからの批難の目線の凄さを思い返す。
 まるで、世界の注目を一片に浴びたかのような栄光の瞬間。しかし、なんとも大人気ない話である。

「でも、こんなデザインであったかな?」

 太く毛深い腕に『時計』をはめる。まったくもって似合ってないのだが、これで小学生から人気者になれると思っている慎二は、公園にでも行って女子S学生に見せつけようなどと考えながら歩いていた。すると、目の前を歩いてきたのは母親のいつきだった。

「慎二!あんた、ちょっと来なさい」

 いつきが慎二を見るやすぐさま手を引っ張って家路に向かう。そして、家に入るや否や慎二をリビングに座らせた。 

「あなた、今までどこにいたの?」
「はっ?別にどこだっていいだろ?」
「おもちゃ屋で並んでいたらしいわね」

 さすが小さな町。噂はすぐに耳に入ってくるらしい。

「しかも子供たちが並んでいるものに入って最後の一個買ったらしいわね。子供たちが『大きなお兄ちゃんが買った』って泣いて騒いでるのよ」
「俺にだって買う権利がある」

 腕を差し出して身につけている『時計』を見せる。別に格好良くないし、似合わない。良い大人なら時計は『ロレックス』や『セイコー』を身につけたいものである。

「いつまでもそんなモノにはしゃいでいる年じゃないでしょう!?大人なんだから子供たちにあげなさい」
「これは金になる!大量に仕入れてオークションで売ればぼろ儲けだ!うひゃひゃ!」
「アンタって子は・・・もぅ、私まで外歩けないわよ――!」

 悪い大人の見本。駄目人間ぶりが垣間見えていつきは頭を抱えていた。
 既にいつきの説教タイムに。聞き流しているつもりで手持無沙汰で『時計』を弄りだす。情報を信じて買いに走った慎二であったが、実際見てみると、デザインが違う気がした。

「(やっぱりなにか違う気がする。偽物を掴まされたか?)」

 転売厨としてのあるまじきミス。見たこともない摘まみを見つけて試しに押してみる。


 ――空気が一瞬、凍りつく。まるで時そのものを凍らせるように。


 だけど、それもまた一瞬。寒気はすぐに温かさを取り戻し、いつきに関しては時が凍ったことさえ気付くことなく説教をし続けていた。

「(なんだ、いまのは?)」

 慎二にだけ感じた別世界。垣間見た時の止まった状況は今も続いている――。

「――ちょっと、聞いてるの?慎二!?」
「あぁん?」
「人の話をちゃんと聞きなさい。お母さんは怒っているのよ!」
「うるせえな。黙れよ」

 売る言葉に買い言葉。怒れば怒るほど口調は強く尖ったいい方しか出来なくなる。命令口調で怒鳴った慎二に、いつきは急に黙り込んでしまった。

「・・・・・・・・・」

 なにもしない。ただ黙り、睨みつけたまま慎二を見つめているだけだった。急に説教は終わったのかと思った慎二だったが、どうもいつきの激変ぶりが腑に落ちなかった。

「・・・なにしてるの?」
「黙ってるのよ。これでいい?」
「・・・はっ?」

 慎二は怒りを通り越し、呆れて素っ頓狂な声を出した。

「(こwいwつw馬w鹿wだw!w俺wのw言wっwたwこwとwをw真wにw受wけwてwやwがwるw) 

 ぷぎゃあああと心の中で母親を笑っている自分。しかし、表情は冷静に状況を把握していた。

「こいつ、『思考が停止してやがる』 ・・・」

 人の言う通りにする人とは、自分の考えを持たない。
 自分の考えがないから責任もいらない。
 考える必要もない。
 思考が『停止』している・・・。

「・・・かあさん。服を脱いでよ」
「なんですって!」
「うわああ、ごめんなさい!」

 失敗だったか?そう思った慎二だが、いつきは慎二の目の前でおもむろにロングセーターを脱ぎ捨てた。そして、ワイシャツもボタンを外して外すと、赤いブラジャーに包まれたDカップの胸が現われた。深く刻まれた谷間。揉めば柔らかそうな巨乳は慎二の目を釘づけにした。 

 「お母さんだって言われたら服ぐらい脱ぐわよ。これで真剣に話を聞いてくれるわね」

 既に真剣に話を聞ける状況じゃない。慎二の胸は高鳴り、いつきを性欲の標的として捉え始めていた。
 思考が停止していても、いつきにとっては未だに説教は続いている。別世界からの干渉のように、自分が服を脱いでいることに気付いていないようだった。

「(おもしろい)」

 慎二の口元が歪に曲がる。

「怒らないで。ちゃんと反省するからさ」
「そう。それならこの話はおしまいにするわ」

 反省するという言葉を鵜呑みにしたいつきがようやく説教を終わりにした。
 いや、『慎二が終わらせた』と言った方が正しいのだ。面倒だからという理由で。

「それよりさ、お母さんのおっぱい揉んでいいよね?」

 反省の色が全くない発言である。しかし、慎二にとって確信があるから、いつきの返事を待たずしてブラに包まれた胸を勝手に揉み始めた。

「好きにすればいいわ」

 思考が『停止』しているから、いつきの身体を触りたい放題。慎二の言葉をすべて鵜呑みにするため、絶対に『怒らない』。

「うひょぉ、やわらけぇ・・」

 慎二の手の中でぐにゅぐにゅ揺れる胸。思い肉質と温かみが体温を触っているという事実を教えてくれる。母親と言えど女性。異性を触ることに興奮を覚える慎二は心行くまで愛撫を堪能する。

「たぷんたぷんしてらぁ。しかし、ほんと、デカい胸だな」

 慎二を育ててきた分だけ大きくなった胸を弄り続ける。すっと手をブラの中に忍び込ませて硬くなった乳首を弄り始める。

「んふぅ・・」

 急に喘ぐ母親の甘い吐息。ドキッと思うほど脈が激しい。身体が熱い。下半身から男性の性器が目を覚ます。ズボンの奥でテントを作る慎二の逸物は、いつきを犯したいという欲求が駆け巡っていた。
 簡単に――
 確実に――
 今なら母を犯せられる――

「かあさん」
「なに?」
「俺とセックスしようか?」




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「ハァ……ハァ…!」

 もとは自分の顔、自分の姿。
 それがどんどん遠くなっていく。
 記憶も、情報も、知識も、全部なくなって空っぽになっていく。
 ただ、僕の意志のまま、お母さんを愛しているから自分の色に染め上げたい。
 そんな欲求が濃くなっていく。

「鼻息が荒くなっているぞ。もう堕ちるところまで堕ちたみたいだな」

 絢子が侮蔑に嘲笑う。男の子としての自我が芽生え、克也として絢子を見る目を憐れんでいる。
 近親相姦にとり憑かれた少年。叶わない恋をだと知りながら、敢えて一時の泡沫の夢を見させるように、絢子は僕に背をむけて、四つん這いになって大事な場所を見せつけていた。

      
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「さあ、仕上げよ。ここにあなたのおち〇ち〇を挿入れるのよ」

 花弁を広げて、イヤらしく艶めく穴の奥を見せつける絢子。既に絢子の園は濡れていて、それでも年甲斐よりも淡いピンク色しているヒダを広げて僕に大事なところを覗かせる。グロテスクで生々しくて、自分でもそんなイヤらしい格好したことないのに……、僕はとっても興奮した。
 見たこともない女性―じぶん―の秘部。こうなっているんだと感心するほど見せつけられて、つい僕の性器は興奮を抑えきれなかった。
 何度果ててもお母さんには敵わない。何度でも復活してはお母さんを僕の色に染め上げたい。

「っ!だ、だめ……!なのに、こんな……わ、たし……!!」

 絢子としての自我が抵抗する。絶対に挿入してはいけないと、頭の中で訴えかけて僕を苦しめる。
 でも――かなしいかな……克也の若さと、愛情と、性欲が抑えきれないし、なにより――

「克也!あなたのおち〇ち〇を私にちょうだい!克也で私の空いた心の隙間を埋め尽くしてええ!!」
「お、かあ・・・さん・・・・・・っ!」

 絢子に訴えかけられると身体が制御できない。
 それが克也の強く望んだことなのだと、私はこの時ようやく気付いたのだ。


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「え、ええ!?克也?克也、なの?」

 一瞬だけ見えた第三の男の声。息子とは違う、野太い声を私は聞いたような気がした。でも、それは幻聴よ。だって、克也でも私の知らない男でも、喋る声は私の喋る女性の声で響いてくるのだから。だから、私は男の行方を眩まされて捕まえることが出来ず、逆に私は捕まってしまったのだ。

「ウフッ。違うでしょう?克也はあなたでしょう?」
「ち、ちがうわ!私は絢子よ!」
「絢子は私でしょう?いまあなたが外を飛び出しても、誰一人あなたが絢子だって分かってくれる人はいないわよ?」
「――――っ!?」

 見た目で言えば私は克也。小学生の男の子。身分証に中身なんか関係ない。外見しか映らないのであれば、私は木間塚克也としてしか映らない。
 私が絢子と叫んだところで、『木間塚さん家の克也くんがおかしくなった』と近所の噂にされてしまう。
 それだけは絶対にさせてはいけない。

「そんな心配しなくても、もうすぐあなたが克也になるんだから心配しなくていいわよ?」
「そ、その口調……」
「だって、私がもうすぐであなたのお母さんになるんだから」

 私の身体に染まってしまっている。本当に私の目の前にいるのが自分であるほどにそっくりな口調になってきている。
 どんどん私の情報が移っていっているんだと怖くなる。早く元に戻らないと取り返しのつかないことになるのに、子供の力しかない今の私にとってあまりに非力だった。

「やめなさい!」
「一回イったばっかりなのに、もうおち〇ち〇こんなに硬くしてるのね。ウフ、とっても美味しそう。……ちゅば」
「ひぅっ!!?」

      
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 私の口が、克也のおち〇ち〇を咥えた瞬間、腰がビリビリと砕けるような強い刺激が駆け抜けた。これが男性の感じるフェラチオの味。女性のお口に性器が咥えられた瞬間、ねっとりとした温かさと、湿り気が包み込んで亀頭の先端を濡らしてくれる。
 それだけじゃなくて、女性が男性を見つめる表情、美味しそうにおち〇ち〇を咥えてイヤらしい音を出しながら顔を前後に振る姿がとても興奮して、舐められているおち〇ち〇が敏感になってカウパー液を溢れだす。

「ちゅ…ちゅぶぶ……つばっ…ンっ……あぁ、イヤらしい味が出てきた。先走り汁我慢できなかったのかしら?」

 耐久力も弱い克也の身体じゃ、絢子の行為を受け止められるほどの体力はない。もともと私も…エロい女の一人だったのだから。

「じゅるじゅる……はぁん…!おいひぃ。久し振りの男の人の味……たまんないわぁ」
「あっ…あっ…、ダメ……おかしくなっちゃうぅう!!」
「ン……じゅるるる……じゃぶじゃぶ……ぱぁ…。ン……お母さん、久し振りに熱くなってきちゃったわ」

 身動きできない私を寝かせて、そのまま舌で竿から掬いあげるように舐めとる。顔があがる私の顔が一瞬だけ見えるのがとても恥ずかしい。私が、私の性器を舐めているような感覚に陥り、まるで私は自分とのセックスをしているみたいだ。
 どうすれば私が気持ち良くなれるのかを熟知していて、私の弱い部分を狙い撃ちしてくる。克也のおち〇ち〇なのに、すっかり感じてしまった私に染まって、まるで成人男性のような亀頭を真っ赤に膨らませて硬くなった先端から、ドクドクと先走り汁を垂れ零していた。
 そんな私に、絢子は次の行動を開始した。私の身体を使って、大きな乳房を下から持ち上げて、乳肉を左右から寄せて挟むように、克也のおち〇ち〇を優しく包みこんだ。
 ――パイズリだった。

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 ベッドの上で繰り広げられる母親たちの愛撫。
 今まで味わったことのない快感の波に、克也は成すがままにされていた。

「はむ…んぐぅ…じゅるじゅる、ちゅぱっ……どお、克也?きもひいい?」
「う、うん……はぅっ!」
「んもぅ、こんなにおち〇ち〇ガッチガチにして、立派な男の子になってお母さん、嬉しいわ」
「でも、克也はまだ私にとって子供よねえ?んふふ、おっぱい欲しいでしょ?…舐めていいわよ?お母さんの乳首好きにして」

 どの女性も克也のためにあの手この手を使って快感をのし上げる。
 女性の身体に触れるだけでこんなに気持ちいいこと、自分の下半身が素直すぎて性欲が抑えられないこと、克也にとって新鮮であり、刺激的であり、女性が男性に従僕する行為がこんなに素晴らしいことだったなんて知らなかった。

「(ああ、これがきっと、『前菜』っていう奴なんだ。セックスの前にする、大人の遊び……)」

 大人たちが病みつきになる、セックスの前哨戦。男性も女性も快感を高めて気持ち良くイクための下準備。
 克也だってそのくらいの知識を聞いたことがある。そうやって生まれたことも克也はクラスメイト達の話から聞いたことがあった。 
 でも実際、本当に行われていたのか知らなかったために、女性たち三人が自分の身体を弄りながら戯れる光景を見て、驚きと愕きの入り混じった表情を拭えなかった。

「(だって、僕は……こんなこと、望んでいなかった……)」

 大人になりたかったわけじゃない。家出をしたのは、絢子から指図を受けたくなかったから。
 ゲームをしたかったから。
 自分の時間に邪魔が入ってほしくなかったから。
 セックスを知りたかったわけじゃない。今まで味わったことのない快感を知って、ゲームなんかよりも堕落するものを、克也は知ってしまった。

「(この快感は、人を堕落する――っ!)」

 そしてそれは、今まで心地良かったもの全てを否定する。
 ゲームをしている自分にとっての至福の時間――RPGによるキャラクターになりきって敵を倒すその快感、自分が強くなったと勘違いするその惰性――俺最強、という過度な自信と怠惰な現実。

「(僕、ようやくわかった……お母さんの言っていること。――僕は子供だった)」

 我慢するところは我慢する。それが絢子の言っていたことだ。
 ゲームはゲーム。食事は食事。その割り切りが出来なければ何時までたっても食事が片付かないと絢子は最初から言っていた。
 物事は終わらなければいけない。克也の家出だって 必 ず 終 わ ら な け れ ば な ら な い 。
 絢子は今でも食事を終わらせることができずに家で待っている。克也の家出―ゲーム―が終わらなければ片付けることだってできないのだ。 

「(早く帰らないと。お母さんは……僕のお母さんは、たった一人だ!!)」

 克也は大好きなお母さんのもとへ帰る。間違いを経験してわかる親の苦労。
 絢子だって我慢してきたのだ。女手一つで克也を育ててくれた苦労に、いったいどれだけの我慢をしてきたのか測り知れないから。

「(ごめんなさい、ごめんなさい……お母さん。僕は……ぼくは――!)」

 『スライム』によって浸食された『母親』たちからの解放を望む克也。
 自ら作り出した『母親―りそう―』は、理想に還らなければならない。理想は幻想。――絶対に理想通りの母親がこの世にいるわけがないのだから。
 だからこれは、一夜限りの幻想遊戯。克也が作り出した理想に、現実とはいかにツマラナイことかと知る実体験。
 絶望と羨望を飲まされながら、それでも事実を知って予定調和の器に収まることに対する幸福を味わう。
 過度な希望はいらない。母親が可愛くなくても、すぐに怒って怖い性格ても……自分を産んだ母親であることに誇りに思おう。


「んぐっ――!!?」

 克也の目が見開いた。ドクドクと、いつの間にか自分の下半身からは大量の精液が滴り零れていたのだから


「あらあら。こんなにいっぱい出して。身体は正直ね」
「美味しそう。ぢゅ、ぢゅるぢゅる……ぢゅるるるるる~!!」
「ふぐぅ!!ん、んぐぐぅぅ!!!?」
「ああん、暴れないで。乳首が歯に擦られちゃう~!」

 とはいえ、子供の克也。
 恥ずかしい話ではあるが、克也はこの後もうしばらく、この快感からは脱出できなかったのだ。
 格好良いことを思っていながら、自ら作り出した理想に勝てるほどの強靭な精神も体力も持ち合わせていない。
 三人の母親が克也の精液を最後の一滴まで啜りとった後、寝静まったのを見届けてからこっそり逃げる様に家に帰ったのだった。
 ――やり逃げである。

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「いいの?スミちゃんを一人にしておいて」
「あらっ、誰だって息抜きは必要よ。私だって『たまに』しか出掛けてないんだからこういうことしないと息がつまっちゃうわ」

 田中敦美―たなかあつみ―と牛山麻衣―うしやままい―は衣服を脱ぎながら会話を弾ませていた。
 親友とはいえ秘書と巫女でなかなか会う機会もなく、今回はお互いの悩みを吐き出しながらの談笑に一日を使っていた。

「お互い、苦労するわね」
「麻衣は早く結婚しなさいよ。年もギリギリなんだから」
「敦美が早すぎるのよ。スミちゃん、何歳だっけ?」

 敦美は若くして結婚して子供もいる。敦美は娘の年齢を聞かれて答える。

「15歳よ。あの頃は黙っていても男が寄って来たものよ」
「敦美はいつも男が付いて回っていたからね。巫女さん様々よね」
「今も毎日足を運ぶ男性がいるわよ!」

 裸になり、年をとっても美しいプロポーションを見せる敦美。決して若くなくても劣っていない大人の魅惑を持つことをアピールしていた。
 麻衣にしか見せない敦美のはっちゃけぶりだ。

「私はもう子供諦めてるし、いいんだもん」
「秘書やってるのにもったいない。今の社長とくっついたらいいじゃない?40歳前半の若いイケメン社長じゃない」
「えー」

 柔らかくはぐらかして誤魔化す麻衣。社長と結婚することは秘書は考えていないのか。仕事から、他人からでは想像もできない部分を視ているのだろうか。あまり乗り気ではなかった。

「社長の奥さんなんてなったらそれこそ大変よ?」
「そうかしら?お金ありそうなのにね」
「そうね……私、結婚するなら普通の生活をしている人と結婚したいわ」

 切実に、麻衣はぼそりと呟いた。
 子供は出来なくても、未だに結婚願望は持ち続けている麻衣にとって、普通の結婚がいかに難しいことかを知っている。
 仕事もそれなりの地位にいる麻衣にとって相手に臨む年収も高い。一人で生きているだけの収入を稼いでおり、結婚に対するメリットが昨今少なくなってきている。
 男性と同じだけの収入を得られるようになり、夜でもコンビニが開いて、ファミレスが開いており食事も困らない。
 家庭に入り相手のために食事を作る手間もいらない、花嫁修業なんかしなくてもいい。生きていくうえで一人暮らしが実質最強だ。
 ストレス、不満をわざわざ被って結婚する意味がない。それでも世間体として結婚をしなくちゃいけないなら、相手に求める理想は、自分の理想通りじゃなければ気が済まない。
 ――それが、今の麻衣の『普通』の結婚なのだから。

「また、いい相手が見つかったら連絡してあげるわ」
「長い目で待ってるわ」

 裸になった二人が湯船に浸かる。温泉の効用が身に浸み渡るのを感じていた。

「気持ちいい」
「でしょう?あまり知られていないのよ」
「良いところ教えてもらっちゃったわね」

 身体の芯まで温まるまで入る二人。今までの疲れや苦労が汗と一緒に洗い落とされていく気がした。
 スベスベになっていく肌。毒抜きをしに来たとはいえ、尋常じゃないほど肌がスベスベになっていった。

「…敦美。このお湯おかしくない?」

 まるで温泉ではなく、オイルのような滑り具合。肌がまるでお湯と同化していくように溶けだして言っている気がして、麻衣はお湯からあがろうとした。

「ん……?あれ、身体が動かない……っ!?敦美!!」

 麻衣が異常を訴えて敦美の名を叫ぶ。しかし、敦美は既にお湯の熱さに顔まで赤くなっていた。
 温泉から出られない。常に45℃で保たれている温泉から出ることのできない二人は、汗をドクドクと流していった。一種の脱水症状だ。

「そんな、どうなってるのよ!?ダレか…誰かいないの!!」

 摩訶不思議な現象に遭遇し、生命の危機に瀕している麻衣の叫びは、あげればあげるほど自らの体力を奪っていく。敦美の顔は真っ赤から真っ青に変わっていき、まるで体内の水分の最後の一滴まで蒸発したかのような絶望の色を浮かべたまま意識を失った。

「あつみ……うぅぅっ――!」

 必死に抵抗していた麻衣ですら、熱さと恐怖に勝てずに汗を流しては自らの水分をなくしていった。
 そして、

「うぇぇぇっ――!!」

 嗚咽をあげながら嘔吐し、水分をすべて出し切った。温泉に入りながら、干乾びる二人の姿を、温泉に混ざった『スライム』は黙って見届けていた。
 姿なき『スライム』は二人の骨と皮だけになった憐れな姿を解放し、お湯から波打たせて床に転がした。水分を失い、体重もなくなった二人の身体は、波に流されて洗い場にまで押し流されていった。
 そして、ゆうに50人は一緒に入れるであろう湯船のお湯が、一つの固まりとなって飛び出してきた。ブクブクに太った『スライム』の本体であり、お湯が流れる限り無尽蔵に増幅し続ける。
 『スライム』は二人の干乾びた身体に近づき、無意識に開いた口の中へと自らの身体を分離し押し入っていく。失った水分の代わりに、自らの水分を与えるようであった。
 二人の身体に入る『スライム』。喉を鳴らしながら胃の中に落ちていくと、二人の身体が再び元の身体へ膨らみ始めてきた。
 太ったのではなく、再生するように元の姿を取り戻していく。熱もなく、表情はまるですっきりしたように、白く瑞々しい肌持ちをしている二人は、完全に元の姿へと戻っていった。

「……」
「……」

 身体を起こした二人は、顔を見比べて互いの安否を確認する。声をかけるでもなく、ただ視線を混じらせてニヤリと笑みを浮かべる。そしてすっと立ち上がった。

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「あーあー。私は牛山麻衣。38歳独身」
「私は田中敦美。38歳。子持ちのバツイチ」

 独り言のように自己紹介を呟きながら、自らの情報を確認していく。

「……変更。一児の母親。『私は木間塚克也の母親』」
「同じく、『私も木間塚克也の母親』」

 優しく、世話好きで、子供の為に尽くす母親像を植え付ける。克也の手に入れた『柔軟剤』から作られた『スライム』には、認識を変化させる要素が含まれていた。
 そして、二人は完璧に『木間塚克也の母親』だと誤認させたことに成功すると、我に返ったように意識を取り戻した。

「私……大事なこと忘れてた」
「私もよ。克也もお風呂に入れないとね!」

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 二人は顔を見合わせて笑いあうと、まるで今までずっと一緒だったように温泉から出て脱衣所まで引き返した。
 そこには、克也がじっと待っていた。二人が呼びに来るのをずっと待っていた。
 二人は克也の顔を見て安堵した表情を浮かべていた。

「克也。あなたを置いていってしまってごめんなさいね」
「私たちと一緒にお風呂入りましょう。綺麗にしてあげるから」

 今まで出会ったことのない美人からお誘いを受けた克也は、すぐさま身に付けている衣服を脱いで裸になった。



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