純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

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「・・・なにをやってるんだ、俺は・・・・・・」


 茜音(貴明)は授業が終わり、茜音の部屋にまっすぐ戻ってきてしまったことを後悔した。
 学校では体育の後疲れてしまい、そのまま睡眠学習に突入してしまい、起きたら放課後になっていたのだ。

「なんで起こしてくれなかったあぁぁ!!」
「だって、あまりに気持ちよさそうだったから・・・」

 体育での活躍を皆知っているせいか、眠っている茜音を起こさないようにしようとクラスが団結して起こさなかったのだという。

「余計なお世話だよぉぉぉ!!オオォォォン!!」

 一人残った義也に連れられて学校を去る。その時間になると既に陽が傾いていた。

「もうこの時間で暗いね。一年早いね」

 雪の到来を告げる冬。5時でも夕暮れは落ちて辺りは暗くなっていた。貴明(茜音)の姿はそこにはなかった。義也も帰ったというだけでそれ以外何も知らなかったようだ。

「なんてこったい・・・俺はまだ何もしてないぞ・・・・・・」

『飲み薬』を使って復讐すると言っていながら、茜音の株を挙げることしかしていない。むしろ義也が見た茜音(貴明)の行動は、どこか復讐に本気を出している素振りが見えない。
 そう思ったのは、眞熊達樹の告白を義也も聞いたいたからだ。

「ねえ、貴明。本当に茜音さんに復讐するつもりだったの?」
「ったりめーだ!この身体を使って、トラウマをだな——」
「ふーん。なんか口だけなんだよな」

 義也にしては珍しく茜音(貴明)に食いつくので、売り言葉を買ってしまう。

「馬鹿言え!俺がやろうと思えば車の前に飛び出して一生残る傷を作ってやる——」
「貴明が車の前に飛び出すなんて出来ないよ~」
「言ったな!いいんだな!じゃあ、見てろよ!今から茜音の身体で本気で飛び出してやるからな!」

 言い切った茜音(貴明)が何を思ったのか、道路に飛び出し走ってくる車に向かっていった。

「貴明!?」

 言い過ぎたと本気で後悔した義也。茜音の身体が車に跳ねられると思ったが、時速30km制限の道路で飛び出した茜音に気付いて車はブレーキを踏んで停止した。そして飛び乗った茜音(貴明)は、思い通りにならなくて一瞬思考停止したが、

「えい!えい!」

 突然、拳を振り下ろしてフロントガラスを叩き始めた。しかし、茜音の手の力でフロントガラスを叩いたところで全然ガラスにダメージはなく、コン、コンと音を立てるだけで割れる心配など全くなさそうだ。

「お嬢ちゃん。なにやってるんだい、早くおりてくれよ」
「ごめんなさい!すぐおりますから!」

 義也に引きずられて慌てて車から降ろされる。運転手は怒り心頭だった。

「次やったら学校に連絡するよ。まったく、危ないじゃないか」
「本当にごめんなさい。気を付けます!ハイ!」

 歩道に戻りながら全力で頭を下げる義也に運転手は車を走らせて消えていく。姿が見えなくなったあと、義也が変わりに謝罪したことに対する怒りを倍にして茜音(貴明)を睨みつけていた。
 茜音(貴明)も計画通り進まなかったことで調子がくるっているのか、義也から視線を逸らすように横を向いた。

「・・・・・・ってなわけよ」
「謝って」

 馬鹿なことをしていると、義也は深々とため息を吐いた。

「本当に飛び出すなんてどうかしてるよ。死んだらどうするつもりだったんだよ」
「安心しろ。異世界が俺を待っている!」

 ブチッと、義也の怒りが冷める前に燃料がさらに追加され、茜音(貴明)の身体をぐいぐいと車道へと押し込んでいった。

「いっぺん死んで来い!!」
「やめろ!茜音の身体だぞ!茜音の帰る身体がなくなるぞ!!」
「ほらぁ。やっぱり死ぬつもりなんて毛頭なかったじゃないか!」

 貴明の言っていることとやっていることが噛みあっていない。
 復習したいといいながら、どう復讐していいのか分からないと、逆に縛られているように思えてしまう。
 それも今日、貴明が本音を発したあの一言に尽きた。

「貴明。眞熊くんに告白されてたよね?」

 義也が達樹に告白されたことを教えると、茜音(貴明)は動揺していた。思いを伝えるとき誰にも知られないよう陰で告白するものだ。達樹もそのために体育館裏に茜音(貴明)を呼び出していた。にもかかわらず、義也がその告白を見ていたなんて思いもしないだろう。

「な、なんでそれを知ってる!?」
「聞いてたもの」
「あ・・・あ・・・」
「その時貴明、言ったよね?」

『茜音の幸せは俺が決める。どんなにおまえが茜音のために最善を選ばせようが、俺が決める幸せが茜音の一番の幸せだ、バカヤロウ!!!』

 一字一句間違えないくらい、茜音(貴明)が言った言葉を覚えている。それくらい印象に残った台詞だったのだ。義也だけじゃなく、貴明(茜音)にも残っていたはずだということはあえて義也は告げなかった。

「それってつまり、貴明がやりたかったことって茜音さんを困らせたかっただけでしょ?好きな子に虐めたいみたいな」

 貴明の本心を突く一撃をさり気無く発する。貴明がもし自分の気持ちに気付いていないなら、意識させるように持って行きたかったのだ。
 義也は貴明の親友だから幸せになってもらいたいから。

「冗談じゃない。俺は茜音にごめんなさいさせるんだ。俺と同じ苦しみを味あわせるためにな!」

 ひょうい部を廃部にさせた茜音に苦しみを味あわせるために『飲み薬』を使ったのだ。貴明が発足し、行動し、部員を集め、生徒会長に直談判した。人一倍想い入れのある部活動なのだ。
 部活にならなかったとしても、廃部になったとしても、他校の女子生徒に憑依して遊んだ記憶は義也も貴明も忘れられない思い出だ。
 だからこそ、何時までも続けていたいと思う貴明。面白い遊びを捨てて勉強に励むことを拒む。
 だからこそ、勉強に励むことができると思う義也。これからどんな辛いことが待っていても、部活で培った思い出がある限り前を進んで歩んでいける。

「貴明・・・・・・」

 二人の意見は一日で交わることは出来なかった。それぞれ家路に向かい放れていった。
 部活に縛られている貴明にとって、幽霊部に取り憑かれてしまった貴明をどうすれば目覚めさせることが出来るのか義也には分からなかった。



 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・

 茜音として部屋に戻ってきた貴明。幼馴染とは言え貴明が茜音の部屋に入ったことは子供のときから一度もない。逆に茜音が貴明の部屋に入ったことがあるのは、基本誘っているのが千村家の方だったからだ。
 始めて入る茜音の部屋。無断で侵入しているような感覚に警戒が解けない。今すぐにでも茜音が現れて、「なに勝手に入ってんのよ、この常識知らず~!」と殴られるのではないかと思えてしまうほどだ。
 しかし、ここには貴明しかいない。たった1人だけだ。通学鞄を置き、部屋一面を見渡した。
 年相応の女の子らしい部屋の模様になっており、女の子の部屋特有の甘い香りが鼻腔をくすぐる。可愛いデザインのベッドや机は少し値段が張りそうだ。そして本棚には集めている雑誌が綺麗に発売順に収められており、几帳面さが垣間見える。
 パソコン関連も持っていないため、コードやコンセントが少ない印象だ。その分クローゼットにかけられている服の多さに驚くほどだ。貴明が見ている茜音の服はせいぜい制服のみだったこともあり、茜音がこれほど衣服にお金を掛けているとは思っていなかった。

「そんなことよりも——!」

 茜音は姿見の前に移動して自分の姿を覗いてみた。
 そこに映るのは高橋茜音の姿だ。千村貴明はそこにはなく、変わりに幼馴染の茜音が映っているのだ。いや、この場合は逆かもしれない。茜音の部屋で茜音が映っているのはなにもおかしくない。しかし、貴明の意志で茜音を動かすことが出来るのである。

「今の俺は茜音だぞ。俺が下手なことすれば茜音が罪を被るんだ。ざまあみろ!」

 誰かを脅す様な口振りで高笑いを見せる。聞いているのは茜音(貴明)以外誰もいないが、満足そうに微笑んだ後で物色を開始する。

「茜音の人生を潰すために手っ取り早いっていったらネット!炎上商法だ!!ネットに茜音の恥ずかしい画像を載せれば萌えあがるだろ。頼むぞ、突撃兵たちよ!」

 貴明は近くにあった箪笥の中を勝手に開いて、下着が収納された棚を発見する。色気のない白が多い中で、水玉やピンクなどのカラフルが数点ある。下着を揃える年齢でもないとはいえ、その種類は他の女子よりも多いのではないだろうか。

「色々あんじゃん。へー」

 柄だけではなく、カップのデザインも豊富だ。フルカップブラ、ボリューム感を出すハーフカップブラ、締めつけが少なく着け心地がよく、とにかくラクなイメージの強いノンワイヤーブラと、バリエーション豊富になっている。
 茜音は物を捨てられない性格で奥にはサイズがもう合わないようなものまで残っていた。貴明が見つけたのは、中学時代に使用していたスク水が出てきたのだ。

「懐かしい。スク水じゃん。まだ取っておいたのかよ。捨てとけよ」

 ポリエステル素材のスク水は穿かれなくなっても昔と同じくその存在感に遜色がない。
 やけに小さいイメージがあるのは、貴明の記憶しているサイズと茜音のサイズに差があるせいだ。

「大事に取っておいたんなら、俺が着てやるよ。お前の身体でな」

 スッ——と、制服を脱ぎ捨てた茜音(貴明)はスク水を穿いていく。
 スレンダーな身体にスクール水着が良く似合う。スタイルも崩れているわけではなく、1年ぶりに着たであろうスク水を身に付けることが出来たのだった。

「こんな感じで着方合ってるか?女物のスク水なんて生まれて初めて着替えたけど、この身体にぴったりフィットする感じがたまんないんだよな。へぇ~。わりと入るもんだな。ちょっとキツイ・・・食い込みが」

 ひょうい部で培ってきた経験が蘇る。やはり女物の衣服に包まれる感じは男性では味わうことのできない楽しみの一つだと再認識される。胸や股間が食い込んでいるのもまた、茜音が成長した証拠であることを知る機会であり、食い込みを直してハイレグにならないようにちょくちょく手を入れていく。

「サイズがちっさくなってる?違うか、身体が大きくなってるのか。ハイレグ・・・処理が甘いところ見えるんじゃないか」

 鏡で、そして茜音-じぶん-の目でスク水に包まれた身体を見ながら感嘆の息を吐いた。

「素晴らしい。スク水が栄えるな!」

      jkがスク水に着替えたら・・・

 レースクイーンが取るようなポーズを取りながら、大胆に身体を突き出すと、胸の膨らみがスク水を押し上げて美しいボディラインを見せていた。貴明が興奮し、鼻息を荒くしていくにつれ、茜音の身体が反応を見せ始めた。

「あっ、乳首が浮き上がってボッチ作ってる・・・。うわあっ・・・」

 スク水の上から浮き上がった乳首を恐る恐る摘まんでみる。

「んぅっ!いたっ・・・」

 スク水の中で弄るには狭すぎるのか、乳首が敏感すぎて痛みを覚えるほどだ。窮屈なのは貴明も嫌で、火照り始める前にスク水を脱ぎ始めた。

「・・・まあ、スク水は幼稚だったかな」

 そう言いながら、クロッチの部分が少し濡れてしまっていた。貴明は隠すようにそのまま箪笥の奥に戻してしまった。そして、先ほどから気になっていた大人っぽいデザインの下着を取り出すと、それを今度は身に付けていった。

「一度ブラってやつを着けてみたかったんだよな。えっと——」

 ハーフカップブラを乳房に宛がい、背中に腕を回してフックにかける。後ろで留めようと鏡の前で背中を向いて悪戦苦闘する。

「・・・う~~ん?なんだこれ?む、難しいって、いてて・・・・・・」

 もっと簡単なやり方があるのに貴明は付け方を知らなかった。茜音の柔軟さがなければブラを付けることは難しそうだ。

「おっ、はまった」

 なんとかフックがかかりブラが付いた。

「おお~お、おおお~~いつもより大人っぽい・・・・・・」

 姿見の前に立つと情熱の赤い下着を身につけた茜音が鏡の向こうに立っていた。これが茜音の勝負下着だろう。

「谷間が出来てる・・・。すげえ・・・」

 ムニュリと寄せあげられた胸の谷間とその谷間を強調するようにオープンになっている胸元に思わず視線が向いてしまいそうだった。そのまま視線を下げていくと、ブラとお揃いのデザインのパンツが茜音の大事な部分を覆い隠していた。
 スク水よりもきわどいV字ラインがイヤらしい。えっちな割れ目を隠す赤い布のシルエットにドキドキしてしまう。色気のない下着と違い、生地はシルクを使っており、スベスベしていて肌触りがいい。トランクスともボクサーパンツとも違う履き心地になんとも言えない柔らかさを感じてしまった。
 かなりお値段も高そうな下着である。

「それにしても、茜音はこういう背伸びしたデザインが似合うな・・・」

      ピンクのブラ

 これが初めて使ったわけではなさそうである。もしかしたら普段からも身に付けていたのだろうか。これを身に付けて誰に見せようとしているのかすごく気になるところだ。
 下着姿の茜音を見つめていると、自然と鼓動が高鳴った。

「ん・・・い、今の感覚は・・・この身体疼いてる・・・・・・」

 貴明が茜音で欲情したことなど一度もない。それなのに自分が茜音の下着姿に欲情していることにひどく動揺していた。おま〇こから切なく訴えてくる感覚に、一度唾を飲みこんだ。
 興奮が抑えきれなくなり、一人である状況にこのまま自慰行為だってやれるのだ。茜音の身体でオナニーすることが今まで憑依してきた女子生徒たちと何が違うというのだろうか。

「わっかんねえよ・・・そんなつもりないのに・・・・・・俺が、茜音に欲情するなんてあり得ねえって言うのによ!」

 まるで、茜音に欲情することを負けだと思っているように、自分の性欲を抑えつけようと必死に抗っているのに、その欲は止まらない。
 震える手が今まさに、下の口に触れようとした時——貴明が負けを認めるように叫んだ。

「ネットにあげるのは止めだ!止め!こんな姿を見せられたら独占したくなるだろうが」

 またもお預けしてしまう。しかし、貴明はある場所へ出掛けるために適当に服を借りて茜音の部屋を出ていった。


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 広い大学のキャンバスには普段生徒たちが使わない部屋も数多く存在する。
 和室の一室へと春菜を連れてやってきた麻理子(俺)は、彼女に服を脱ぐように命令した。

「大丈夫よ。ここは普段誰も来ないから」
「は、はい・・・」

 麻理子(俺)に言われてマッサージを受けに来た春菜は言われるままに服を脱いでいく。大学の和室で全裸になることに羞恥心と戦う彼女だが、最後のピンク色のショーツも丸まった状態で足から脱ぎ去るときちんと広げて畳み直してその場に綺麗に脱いだ服を重ね合わせていった。

「ぬ、脱ぎました・・・」

 麻理子(俺)の前で一糸纏わぬ姿で立つ春菜はまるで女神のような芸術作品にさえ思えたほどだ。このままヌードモデルをお願いすれば引き受けてくれるだろうかとさえ思えるほど彼女の美貌をその目に焼き付けておきたかった。

「(なるほどぉ!春菜も負けず劣らず巨乳だなぁ!隠そうとしていてもその手に収まりきらないじゃないか)」

 初心な彼女っぽく、麻理子の前でさえ恥ずかしそうにしている姿が愛らしい。本当に彼女を独り占めしたいという欲求が沸々と湧いてきた。

「(じゃあ俺が春菜を指導してやるとするか!)じゃあ、このまま仰向けになって」
「こうですか?」
「うん。そうね」

      なにをされるのかな(すっとぼけ)


 畳に寝転ぶ春菜。大きくも張りがある彼女のおっぱいが山のように頂を作っている。
 麻理子(俺)は彼女の横に座ると、麻理子の記憶からよくやっている胸のマッサージの情報を使って実践していった。

「お胸張ってるわね。こうやって解すといいわ」
「はい!わかりました」

 自分の肩乳を揉まれながら眺めている。その目は嫌がっているような感じはなく、むしろ先生になら揉んでもらってもいいのか安心しているように目を閉じてうっとりしている。

「はあぁぁぁ~」
「ふふっ。どうしたの?ため息なんかついて」
「あっ。ごめんなさい。ちょっと・・・」
「ちょっと・・・なに?」
「先生に揉んでもらうと安らぐなって。私、お母さんに優しくされたことないから」

 母娘でスキンシップをする家庭なんかあるのだろうかと思ったが、現に俺は母親と一体化していれば何も言えない。家族愛を羨ましく思う春菜がチラチラと麻理子を見ていた視線は、先生というよりも母親として見ていたのかもしれない。

「・・・・・・・・・」

 潤んだ瞳で麻理子を見つめている春菜。その視線が覗いているのは男の俺だということに彼女は盲目している。

「(・・・完全に俺のことを母さんだと思ってるな・・・・・・なら・・・・・・)」

 普段の麻理子なら春菜にどんな視線を向けられようと態度を変えることはしないだろう。しかし、俺の場合は違う。しっかりと春菜の期待に応えてあげるべく、さらにイヤらしく春菜の胸を揉みほぐしていった。

「ン・・・んふぅ・・・・・・」

 春菜の声に少し甘い息がかかる。おっぱいの頂に生える二つの乳首をコリコリとシコって擦りつけていき、鴇色の乳首を染めていく。

「せ、せんせい・・・・・・?」
「どうしたの・・・?」
「い、いえ・・・・・・・」

 自分が感じていることを言えないのだろう。少しずつモジモジと足をくねらせる春菜の仕草が愛らしい。

「それにしても、藍井さんは感じやすいのね」
「えっ、そっ・・・・・・そうなんですか?」
「ええ。私のマッサージでこんなに感じてくれてとても嬉しいわ」

 麻理子(俺)が喜んでくれることに羞恥よりも歓喜が勝ったのか、ふっと柔らかい笑みを浮かべていた。

「私もなんだか熱くなってきちゃった」

 麻理子(俺)は急いで服を脱いで春菜と同じ全裸になった。春菜もびっくりしていたが、和室で二人肢体を見せつけている。麻理子(俺)は春菜の手を取り、そのまま自分の胸へと持っていった。

「あぁん!」
「先生!?なにをしているんですか?」
「ほら、私の胸を使って同じように揉んでみなさい」
「は、はい・・・・・・んっ・・・・・・」

 春菜は麻理子(俺)に言われると何の疑いもなく麻理子(俺)の真似してイヤらしく乳房を揉みほぐした。彼女の手の動きで柔らかく形を変える麻理子の乳肉。彼女よりも張りはないとはいえ、揉み応えもあり、第三者に乳房を揉まれるとゾクゾクと神経が振るわされるのを感じていた。
 麻理子(俺)は春菜の胸を両手で揉みだした。

「片手だけじゃなくて、両手で・・・もっと力強く・・・・・・」
「あっ、あっ、あぁぁっ」

 優しい口調を使いながら、大胆に胸を揉みし抱いていく。続いて春菜が真似するように麻理子の両胸を両手で押し潰していった。やられたらやり返して、互いが互いのおっぱいを弄り続けていく。マッサージのために揉んでいたことを忘れるほどお互いのおっぱいで遊び呆けていた。

「一人でする場合も今の感覚を覚えておくのよ」
「・・・・・・・・・はい」
「(ようし!じゃあ、次は・・・)」

 俺はこのまま身体を春菜の身体に擦り寄せていき、互いの胸と胸を合わせたのだった。

「こうすると互いに体温があがってマッサージの効率が上がるのよ。ペアにならないとできないけど」

 麻理子(俺)は春菜の身体の上を滑り、二人の胸が擦れ合う感覚を堪能していた。

「ン・・・そう・・・上手よ。そのまま続けて・・・・・・いまの感覚がわかったかしら?」
「せ、せんせい・・・・・・あぁん!」

 春菜
は滑る麻理子(俺)の胸を上体で感じてすっかり蕩けそうなほど高揚していた。ビクビクと緊張と快感で震えている彼女の頬が赤く染まり、息遣いが荒くなっていった。

「・・・・・・なんだか、私・・・変な気持ちになっちゃいました・・・・・・今まで、感じたことのない寂しさと切なさが、胸を締め付けて、苦しいです・・・・・・」

 春菜は突如告白する。彼女は恋愛すらしたことのない、初心な処女だった。


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 外西陽菜とカラダを入れ替えている俺だけど――女子トイレの鏡に映る陽菜の顔を見ながら思う。

「俺・・・本当に外西さんになってるのか・・・」

      実感が湧いてきて

 "入れ替わっ"た経緯までが早すぎて実感しなかったけど、外西陽菜をこんな近くで見たのはじめてだよな。
 クラスメイトだったけど、そこまで話す間柄じゃなかったし、意識することもないような人物だった。
 本当に俺が陽菜を意識したのは、県大会で陽菜が華々しい演技をしていた時だし。
 なんで陽菜は俺を"入れ替わ"る相手として選んだのだろう?こういってはなんだけど、表面は恥ずかしくない性格を努めていたはずだ。
 勉強も並、雰囲気イケメンで、クラスでは爽やかな印象を持たれることが多い。華々しいことは何一つない地味な印象だけど、悪い印象は持たれないから評価は良いほうだ。
 そういう意味では俺と陽菜は似ているのかもしれない。ものすごく俺にひいきが働いている評価だけど。陽菜からすれば俺と比べられるのは嫌だろうけどな。

「・・・・・・・・・」

 俺の繕う表情に陽菜が寄せてくる。俺の思い通りに陽菜の表情がコロコロ変わっている。それだけで緊張してくるな。俺が陽菜を操っているみたいだ。今まで自分の表情を変えることをこれだけ意識したことなんてあっただろうか。他人の身体、異性の身体――外西陽菜のカラダをこれ以上ないほど意識していることへの裏返しなんだろうな。
 もちろん、顔だけを意識しているわけじゃない。陽菜(俺)の視線は制服の上から陽菜の身体を見下ろしていた。
 正直に言おう。陽菜のおっぱいを感じるのだ。
 屋上でも思ったように、制服の上から胸を触りたい衝動は消えていない。今度はトイレに籠ってしまえば、個室の中で陽菜の身体を触り放題することができるだろう。

「(うはっ、それなんてエロゲ?)」

 でも――。

「あれ?陽菜いるじゃん。授業始まるよ?」
「あっ。うん」

 ふいに隣に立って手を洗うクラスメイト。決して"入れ替わって"いることがばれているわけじゃないが、下手なことして正体がばれることを今のうちから危惧していた。思ったほど俺自身大胆な行動をとることができなかったのだ。
 ここで焦って陽菜のカラダを障るわけにはいかないよな。誰が見てるかわからないし、結局いつ元の姿に戻ってしまうのかわからないしな。
 トイレで別れた宏(陽菜)は先に教室に戻っているだろうか。クラスに交じって"入れ替わって"いる境遇の中で立ち向かいながら正体を隠しているのだろうか・・・。

「・・・・・・ごめん、外西さん・・・」

 悪いと思いながら俺は教室にはいけないな。クラスに交じって授業を受ける度胸もない。俺のほうから正体がばれて宏(陽菜)に迷惑をかけるわけにもいかなかった。一人になれる場所に身を隠したかった。小心者の俺が気持ちを大きくできるようになってからじゃないと、皆の前に出ていくことができなかった。自分を陽菜だと思わないとやっぱり抵抗がものすごい。
 男性‐おれ‐がスカート穿いているって友達にばれたら失笑モンだからな。

 つまり、必然的に――計画的に俺は陽菜の身体を触ろうとしているのだ。

 今までのは全部言い訳だ。自分の都合で授業をサボって、いつ続くかわからない陽菜との"入れ替わり"現象が解ける前に気が済むまで障っておきたいというだけだ。
 携帯を使って撮影でもしておくかな。でも、俺のスマホは向こうが持ってるし。もし俺が送った写真を宏(陽菜)に見られたら最悪だしな。
 スマホじゃなくて、カメラ買うか。ポラロイドカメラ安いやつで売ってないかな。
 ヨド〇シじゃなくて、ド〇キとかなら玩具でも高性能で売ってないかな。併せてコスプレ衣装でも買ってこようかな・・・なんて。

「ん、そもそも陽菜ってレオタード持ってたよな。コスプレ衣装買わなくても十分映える衣装持ってるじゃん。安っぽいコスプレ衣装より全然いいしな」

 陽菜は新体操部。レオタードも持ってきているだろう。新体操部の道具一式も全部用意されているだろう。それ以外に必要なものが果たしてあるだろうか。あったら買い物にいっていいかな。金使っていいかな?俺の金じゃないんだよな。減ったりしたら強盗扱いされないかな。

「金、金言うんじゃねえよ」

 思わず一人ツッコミが入ってしまう。くそ。こんなこと考えている間にも刻一刻と時間は過ぎていくわけだし。この幸運は終わりを迎えてしまうかもしれない。
 いま、最も優先しなけれればいけないことは、時間の節約じゃないだろうか。

「ん・・・待てよ・・・」

 俺はいま外西陽菜なんだ。どうどうと新体操部の部室に行けばよくないか?そうすればカメラもレオタードも置いてあるはずだよな。あわせてまだ放課後まで一時間あるし、部員がサボっていない限り誰も部室にいるはずがないんだよな。
 教室に戻る生徒たちの波に逆らって、陽菜(俺)は新体操部の部室へと向かっていった。
 新体操部の部室は体育館の中にある。他にもバスケ部やハンドボール部、バレー部、剣道部、柔道部もあるほど大きな体育館だ。
 その中で新体操部の部室は一階の並ぶ部室の手前から五番目。問題は鍵はどこにあるかと考えたけど、部長の陽菜のポケットに普通に入っていたのだった。
 至れることはできなかった未開の聖域。女子新体操部の更衣室!
 陽菜(俺)はドアノブを回し、軽く押すとゆっくりと扉は開いていった。続きを読む

 真宵(尚樹)は自分の身体とセックスする。意識はなくて勃起するか分からなかったが、早速自分の逸物を取り出して外気に曝した。すっかりポークビーンズのように皮を被って小さくなってしまった自分の逸物が、これから大きくなるか分からなかったが、触ってみるとビクンと脈打つペニスの感覚が如実に伝わってきたのだった。

「はぁ・・・私、お兄ちゃんのペニス触っちゃってる・・・はじめて男の人の触っちゃったよ・・・・・・」

 真宵の記憶を読みながら、感想をささやく。まるで真宵本人がそう言っているように喋り、自身を昂ぶっていくように。

「ねえ、お兄ちゃん。私の手、気持ちいい・・・?」

 真宵の手で自分の逸物を扱いて、気持ちよくないはずがない。
 それを証明するように、意識のない尚樹の逸物はまるでそこだけ感覚を取り戻したようにムクムクと大きく膨らんでいくのだった。

「ん・・・お兄ちゃん・・・熱くなってきてる・・・ペニス硬くなってきてる・・・・・・私の手コキ、気持ちいいんだね・・・」

 ペニスをシコシコ扱くと、亀頭が皮から顔をのぞかせてきていた。恥ずかしそうに赤く膨らんだ亀頭を喜ばそうと、さらに手を動かしていった。

「んっ♡・・・・・・んはぁぁぁ~~~♡」

 尚樹の逸物を弄りながら甘い声を出している真宵。手をそのまま裏筋に這わせて男性の時に感じていた部分を弄ってやると、さらに逸物は膨らんで勃起していく。

「自分の手で扱いていた時にこんなに大きくなったことあったかな?こうしてみると、以外におっきぃなぁ・・・」

 尚樹の逸物の感想を真宵がつぶやく。逸物は尚樹自身に触られているはずなのに、尚樹の手とは全然違う感覚がわかるのだろうか、早速先っぽから我慢汁を吐き出しながら、真宵の手を少しずつ濡らしていった。

「スンスン・・・・・・匂いもスゴ・・・い・・・♡クラクラするぅ♡」

 我慢汁で感じる濃厚な匂いに頭が焼けそうになる。このまま扱いていけば射精もすると踏んだ真宵(尚樹)は、勃起した逸物から一度手を放し、ペニスを解放してしまった。その瞬間、尚樹の眉間がピクッと動いたように見えた。

「お兄ちゃん。私の手でこれだけ濡れるなら、私もすぐ準備するね。ちょっと待っててね」

 ベッドから下りた真宵(尚樹)は今度は自分の性器を濡らすように準備をするため、急いで自分の持ってきた鞄の中からレオタードを取り出そうとした。きっと真宵の鞄の中には本番用のレオタードが入っていると踏んでいたのだ。しかし、いくら真宵の鞄の中を漁ってもレオタードは出てこなかった。

「あ・・・、・・・あれ?・・・ない・・・・・・ないよ!?どうしてないの?レオタァァァドォォォォォ!?」
 
 まさかの未所持に困惑する真宵(尚樹)。この時、ようやく尚樹は真宵の記憶から本番用のレオタードを今日は持っていかなかった出来事を読み解いたのだった。今宵が昨夜洗濯機を回し忘れたことで洗濯が間に合わなかった事、練習用で我慢すると言ってしまったこと、朝の練習から顧問に怒られたことを思い出していた。
 そんなことがあったのなら、ローション塗れの練習用をもう一度着直すしかないと思ったが、それも更衣室に置いてらしく、鞄の中には入っていなかった。

「そんなぁ・・・レオタードがないなんて一生の不覚だよ。私が私じゃないみたい!!!」

 本気で悔しがる真宵(尚樹)。セーラー服のままでも十分満足いくプレイが出来そうだが、尚樹はヘンな拘りを見せていた。ピチピチのレオタードでセックスしたかったという当初の計画が出来なくなったことを後悔する。前もって準備出来なかった自分の失敗を認められず、これからどうするか考えあぐねていた。

「そうだ――!」


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「えっ・・・!?」

 急に寒気を覚えた今宵が身体を抱きしめようとする。しかし、気を失ったように眠っている真宵を抱いているせいで自身を抱きしめることは出来なかった。
 尚樹の幽体を抵抗しようにも出来ずに、最後まで真宵を落とさないように気を遣いながら膝をついて床に倒れそうになっていた。

「やあっ・・・意識・・・なくなっ・・・て・・・・・・」
「(ひゃっはあぁ!今宵ちゃんの身体しばらくお借りしちゃうよ?)」

 ズブブブ・・・・・・
 やがて、尚樹の幽体がすべて今宵の中に入てしまった。そして、真宵の時と同様に今宵もまた気を失ってしまった。
 頭をガクンと項垂れ、身震いを起こした今宵の顔が真宵の顔に当たりそうになって――。

 ゴツン。

 いや、当たったのだった。今宵が頭突きをするように真宵の顔に見事にクリーンヒットした。

「・・・・・・・・・いったぁ~・・・」

 今の衝撃に真宵が目を覚ました。そして、今宵もまた目を覚ました。

「今宵・・・なんで・・・・・・私、今宵に抱かれて?・・・・・・えっ?・・・ええっ??」

 身体を抱きかかえられている真宵が今の状況を見て鼻だけじゃなく顔を赤らめていた。
 恥じらいを見せる真宵の表情が可愛いと、今宵はそう思っていた。

「うふっ・・・気持ちよさそうにイったわね、真宵」

 額を赤くした今宵(尚樹)がそう言うと、真宵はさらに顔を真っ赤にしていた。

「そんな・・・記憶はないけど・・・・・・なんか、身体は火照ってるし・・・じゃあ、本当に今宵に・・・私・・・・・・」

 尚樹が憑依していた時の記憶は真宵にはない。持続した火照りに身体が疼いて驚いているに違いない。

「そうよ。だって今夜は、真宵が望んだことをするために私を呼んだんだもんね!」

 今宵(尚樹)が嬉々とした表情で叫んでいた。

「真宵はえっちなことを覚えたいんだもんね!私が全部教えてあげる。だから今夜は帰さないよん、ねえ、真宵♡」
「今宵ったら!やめてよ、そんな風に言わないで!」

 真宵も今宵(尚樹)の発言を否定しない。魅力的なスタイルを身に着けるために今宵に愛撫されることを暗に認めている。
 本人公認のレズ行為。こんな美味しい状況を尚樹が見逃すはずがない。

「(うふふ・・・。”私”の記憶からテクは全部知り尽くしちゃってるもんね。真宵の気持ちいい場所も『私』は全部分かってるし!これから一夜で堕としてあげるからね、真宵ちゃん♡)」


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「・・・はぁっ・・・はぁっ・・・」

 鏡を見れば、レオタードを脱ぎ捨ててピンクローターを挿入して苦悶の表情を浮かべてアクメに達した真宵が映っている。新体操期待の星の少女の自慰行為をやらせてご満悦の尚樹だった。
 しかし、その時。

「ごっめーん。遅くなった。真宵いる~?」

 この状況を知らずに部屋の中にやってくる一人の少女がいた。テレビに映っていた時と同じリボンを付けた真宵の双子の今宵が顔を出したのだった。

「ひぃっ!?」

 誰もいなかった更衣室を抜けてまっすぐ真宵のいる部屋にやってきた今宵に、着替える時間もなく、裸の格好でオナニーしたばかりという状況をマジマジと見られてしまう。

      これは恥ずかしい。

 ありのままに起こったことを理解するようにしばらく呆然としていた今宵。転がるピンクローターを見つめながら言葉を失っていた。

「ち、ちがうの。こ、これは・・・ね・・・・・・」

 あうあうと、言葉を震わせて慌てふためく真宵(尚樹)だが、弁明のしようがない。閉ざされた部屋に未だ残る特有のにおいは残っている。真宵(尚樹)よりも今宵の方がその匂いは敏感に察してしまうだろう。
 双子と言えど軽蔑されてしまう・・・そう思っていた真宵(尚樹)だった。

「・・・・・・まさか真宵が一人で先にやってるなんて思わなかったわ」
「・・・・・・へ?」

 今宵はそれほど真宵に嫌悪感を見せているわけではなく、部屋の中に自ら進んでやってきたのだ。そして、濡れた痕跡が残っているピンクローターを拾い上げて、ぺろりとその味を舌舐めずりしたのだ。

「せっかく隠していたローターも見つけてるだなんて。絶対見つからないと思ったんだけどな」
「・・・なに言ってるの・・・?」
「真宵こそなに言ってるのよ?真宵が私を誘ったんじゃない?」
「私がっ!?・・・・・・ン?・・・ンン??」

 どういうことか尚樹には分からなかった。
 夜遅くまで真宵が残っていたのは、今宵を待っていたということなのか?
 何のために・・・?ピンクローターが関係あるというのか?ピンクローターを置いたのは今宵なのだろうか??
 それってつまり――

「うっ――!」

 考え事をしている尚樹の頭に突然真宵の記憶が流れてきたのだ。『飲み薬』で憑依した相手の身体で絶頂すると、感覚や身体になじみやすくなり、相手の脳から記憶が流れてくるという情報があったのだが、尚樹がその体験するのは初めてだった。そして、真宵の記憶全てがまるで自分の体験であったかのように思い出されていくのだった。

「(そうだ・・・”私”は昨夜、『今宵にもっと色気を出したい』って相談したんだっけ?それで今宵に言われたように今日は部活終わりに今宵を待っていたんだった。そしたら私・・・会ったこともないおじさんに身体も記憶も乗っ取られたんだ!!)」

 それは尚樹が真宵に”憑依”する直前の記憶だった。それだけじゃない。真宵の記憶を読み、今日の授業で今宵がサボってどこかに出掛けていたこと、それを注意しても今宵ははぐらかしていたこと等、真宵の記憶がいつの日の出も取り出せるようになっていた。

「(すごい。自然に喋り口調も真宵ちゃんのものになってるし、俺って言う方が違和感あるみたい・・・ふふ。それは当然よね。”私”は私だもん!)」

 尚樹は今宵そっちのけでまじまじと鏡に映る真宵の顔を眺めていた。先ほどよりも違和感もなく、真宵の姿に馴染んでいる自分がいる。それは尚樹が真宵に成り代わっている証拠であり、興奮が再び燃え始めてきた。

「あー!真宵ったら処女膜破ったの!?痛くなかった?」

 今宵は太腿に付着していた鮮血を見てすぐに勘付いた。処女膜を自分で破ってしまったことに今までは興奮していた尚樹だが、改めて真宵の気持ちになって考えると好きな人に破ってもらえなかったことにショックを受け始めていた。

「・・・うん。思ったより痛くなかったよ」
「そっか。ならいいわ。残っていたら私が破るつもりだったからね」

 軽い口調で物凄いことを口走る今宵である。

「処女膜なんてあったって痛いだけだもん。さっさと破っちゃった方が後々楽だしね」
「え~そうなの~?」
「そうよ。処女膜に憧れるなんて童貞だけでしょう?わざわざ相手の都合に合わせて残しておく必要なんかないっしょ。それでも合わせたいなら処女膜復活するから別にいいけど」

 確かに処女膜の奥にある狭い膣にこそ感じる部分があった気がすると真宵(尚樹)は思い出していた。しかし、そんなことを軽々しく話す今宵は真宵と違いビッチさながらの性知識である。
 〇学生末恐ろしい。

「よ、よく知ってるね・・・今宵は」
「そりゃあチアリーダー部なんてみんな彼氏持ちだもの。部室じゃいつもシモの話しかしないっつうの。イヤでも知識は増えるし、心は強くなるわよ」
「お、おう・・・」

 恐るべしチアリーダー部。Y談に花を咲かせる〇学生。ボディタッチが挨拶みたいなものだろう。
 真宵じゃ買えないピンクローターも今宵は普通に買ってきたのだということが容易に想像できた。双子と言えど環境が変わればどっちが主導権を握るかというのも分からなくなかった。

      自らヌグー

「それじゃあ、真宵の悩みに応えてあげますか」

 制服を脱いで真宵と同じく裸になる今宵。その身体は真宵と違い、既に成長期を迎えて熟した身体を見せつけていた。


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百鬼桃。恵まれた抜群のスポーツセンスを持つ少女で、将来有能なオリンピック選手を約束されているようなものだ。だが、そんな桃にも一つだけ弱点があった。

「恵まれた生まれ。恵まれた容姿、恵まれた才能。しかし彼女には恵まれた環境がない――たった一つ恵まれたものがないだけでこうも不幸に堕ちるものかね。私なら耐えられんよ」

 ボロアパート暮らしで親と離れて一人で生活する彼女がバスケをやるのも部活動の間だけだ。それ以外はいつも心を閉ざしてしまっている。
 戦闘スーツに身を包んで鍛えている?馬鹿言っちゃいけないよ。心がないから重さを感じないだけだよ。身長も恵まれた食事にありつけないから成長していないのがその証拠じゃないか。まわりが輪をかけて『アンドロイド』と言うせいでそう見えるだけで、人としての感性を取り戻さない限り彼女は不幸から抜け出せないね。

「もっと苦しまなきゃダメだ!もっと追い込まれなきゃダメだ!もっと地獄を もっと地獄を もっと地獄を!!」

 そんな彼女のプレイが相手を苦しめるのだ。楽しくなければ絶望的な選手が活躍して素直に喜べるものかね?彼女は現在お金がない。恵まれた才能も恵まれた環境が無ければ藻屑と化すを体現しているようなものだ。
 だから私が50万を彼女にプレゼントしよう。そして、彼女に教えよう――彼女のプレイによって苦しめられた相手の辛さを。しっぺ返しとなって彼女にも苦しんでもらわないと。


 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・

「これが約束の金額だ。しっかり数えてくれたまえ」

 桃とホテルに入った英吉が桃の目の前に札束の入った封筒を渡すと、彼女は静かにそれを拾い言われた通りに金額を数えていった。自分の懐に入ることを喜ぶかと英吉は思ったが、そんな素振りはやはり見せず、桃は静かに鞄に入れて蓋を閉じたのだった。

「約束通り一晩付き合ってあげる」

 桃はそう言った。

「でも、私は正直軽蔑している。こんなことを日々楽しみにしているなんて馬鹿みたい」

 売春や援助交際を否定している。大金つまれた人間が言う台詞じゃないのだが、それよりも英吉は桃が意見をちらっと言ったことの方が面白かった。

「興味あるのかい?」
「見下しているの」
「大人は楽しみが欲しいんだ。そして百鬼くんはお金が欲しい。ここにはどちらも勝者しかいないんだからいいじゃないか。勝ち負けで拘ることしか知らないようじゃまだまだ青いよ」
「真剣に生きている私と適当に生きている先生とで同じ勝ち組なんて絶対イヤ」
「どんなに頑張っても百鬼くんの評価は私と同じだよ?」
「・・・・・・・・・」

 苦々しく桃は英吉を睨みつけている。どちらも口が悪く、どちらも相手に譲るつもりがない。むしろ、見方を変えれば金額を受け取った時点で桃の敗北なのだ。英吉が桃に服を脱ぐように催促すると、桃は渋々服を脱ぎ始めていった。

「楽しい夜にしようじゃないか」

 何が楽しいのか桃には分からない。本能のままに生殖行動をするのだろう。英吉のようなエロ親父顔にとっては楽しいかもしれないが、他の楽しみを知っている桃にはまだよくわからなかった。それどころか、桃は先に伝えておかなければいけないことがあった。

「期待しているところ悪いけど――」
「ンーー?」
「最初に言わせてもらうけど、私全然感じないから」
「えっ、そうなの?」
「だから喘ぎ声とかは出してあげられない。悪いけど私、嘘はつけないから」

      これじゃあただの人形ですな・・・

「ストッキングは脱ぐ?」と桃は尋ねて英吉は肯定する。淡々とした動きで裸になっていく。

「先生の気のすむまで自由にしていい。私からは何もしてあげられない」

 もともと性行為も分からないような子だ。スポーツに人生捧げてきた彼女に求めてはいけない。
 下着を外し、全裸になった桃がベッドに横になった。

「はい、どうぞ。先生の好きにしていいよ」

 ベッドに倒れる等身大人形のように、桃はそれから動かなくなった。好きにしてくれと言わんばかりのマグロ状態。極上の新鮮な黒マグロだ。しかし、それを相手にするには骨が折れそうだった。
 肉もない、身長もない、胸もない――
 反応もない、知らない、喋らない――
 やり辛いことこの上ない。

「ふん、ふん、はっ、はっ」

 それでも、なんとか英吉は一発出した。コンドームに包まれた肉棒から白濁液を吐き出し、ようやく一発目を終えることが出来た。

「ふぅぅ~休憩・・・」
「・・・・・・・・・?」

 思った以上にあっさりと、英吉は射精した。もっと激しく痛めつけられることも考えていた桃だが拍子抜けである。一晩買われた身でありながら想った以上に楽に開放されるかもしれないと、退屈だけど、そんなことを考えていた。

「最高だったね、百鬼くん」
「バスケの楽しさと比べても最高とは程遠いわね。これを楽しいと言えるのは浅はかじゃないかしら?」
「女の子に生まれてきて気持ち良かっただろ?セックスは良いってそう思わないかい?」
「同意しかねるわ」

 そもそも桃に乗り気があるわけじゃない。一人で盛り上がったところで限界があるだろう。
 桃の態度を見て気まずさだけがどんどん募っていき、これから先のことを憂い嘆くように英吉は顔をしかめたのだった。

「そうか。残念だよ。この面白さが分からないだなんて・・・」

 シュンと、逸物も萎えてしまっている。このまま精神が盛り返さないようなら桃は帰って良いのではないかという気さえしていた。桃の性根を叩き直す以前に、あまりに相性が悪かったのだ。人の気持ちが分からない少女と、人の気持ちを知ろうとしない男性の平行線の付き合いがこれ以上突発的な変化を起こすことは試合でもあり得ないだろうと、桃は深くため息をついた。

「・・・・・・もういいの?」

 高い授業料を払ったものだ。英吉は首を横に振り、未練垂らしてまだ桃を即座に開放するつもりはなかった。

「じゃあ、二回戦目どうぞ」

 渋々ベッドに倒れる桃。その上から英吉は桃を見下ろしていた――。

「そうだね。夜はこれからだよ。・・・・・・まだまだ愉しませてもらうとするよ」

 英吉は眼鏡を外し、ゆっくりと顔を近づけていく・・・。

「やはり一回じゃ伝わらないのかもしれないね。ちょっと本気を出してみようか?」

 電球の光が英吉に隠れ、影を落とすと、英吉の片目が異様な光を放っていた。

「なにを言ってるの?えっ!?」

      影に忍ぶ怪しい目力

 オッドアイの瞳が桃を貫いた。目と目が重なった瞬間にお互いの姿が映り出す。そしてその瞬間、桃の身体に悪寒が走った。
 レーダー照射した様に伸びる瞳の光線を受けると、桃の身体は突然全く動けなくなった。

「なに?なにかしたの?」

 口だけ動く。しかし、急に桃の身体の中に燃え滾る感度が沸き起こってきたのだった。ピクピクと動く小さな乳首が触っていないのに勃起していくように突起して硬くなっていった。

「えっ?えっ?・・・なんなの?」

 分かったところで何もすることが出来ない。感度が高まっているのに逃げることが出来ず、ベッドから動くことが出来なくなっているのだ。桃の顔を覗く英吉を見ただけで、ボッと桃の頬も染まっていったのだ。

「先生、まだ回復に時間かかりそうだし、百鬼くんの身体を触らせてもらうとするよ?」
「・・・・・・まっ。まって・・・」

 桃の言葉を聞くはずもなく、英吉が乳首を摘まんだ――

「んあぁ・・・っ」

 初めて桃が喘ぎ声を発した。その声を聞いて桃が一番動揺を覚えていた。




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 意識が少しずつ戻ってくる。私を呼びかける声が聞こえる。

「・・・・・・てる?起き・・・!・・・・・・ょうさん。・・・・・・会長さん起きてよ」

 ――このお香は吸いこんだ者たちの魂を入れ替えるものなんだ。

 その聞き覚えのある声と眠らされる前の言葉を思い出した瞬間、私は勢いよく目を開けた。すると、そこには信じられない光景が飛び込んできたのだ。

 わたしだ。
 私と全く容姿をしている北上静乃が私を見下ろしていたのだ。
 鏡とか、幻とか、そんなものでは決してない。
 意識をしっかり持った状態で、私の顔をした偽物が、ニヤニヤと下卑た歪んだ笑みを向けているのだ。

「わ、私が目の前に・・・!?こ、声が・・・コホッ、コホッ!」

 私の声が低くなっている。まるで、男性のようなテノール声だ。普段落ち着きのある声が、私の心境を投影するように慌てふためくように声を裏返して焦っている。
 じゃあ、今のは私の荒げた声かもしれない。・・・それに、よくよく見ると私は女性用の制服ではなく、男性用の学生服を着ているのだ。
 ペタペタと顔を触れる私。硬くなっている身体付き、におい、濃い顔つき、大きな腕、長い脚、声、髪質、筋肉質の胸――私が五感から判断するよりも、第六感という感知能力の方が先に私の身に起こったことを予感させていた。
 目の前に現れた北上静乃は偽物でもない。あれは本物の私の身体だ。眠らされる前まで私といたはずのオカルト部部長の関憲武くんと身体が入れ替わってしまったのだ。
 自分の予想が非現実的過ぎて認められないと言わんばかりに悲鳴が漏れてしまう。しかし、その声は間違いなく関くんのものだった。私が行動すればするほど、予感は確定に変わっていく。

      夕焼けの幽霊

「やっと目が覚めたね。見て分かるけど俺と会長の身体は入れ替わったんだよ。このお香の能力でね。俺がいま会長の身体を使っているし、会長が俺の身体を使っているんだよ。しばらく会長の身体を使わせてもらうよ」
「勝手なこと言わないでよ!私の身体を返して!」
「このまま素直に返したらオカルト部を廃部にされちゃうからね。それじゃあ困るんだよ。生徒会にはうちに部費を送ってくれなくちゃ。学生の時には思いっきり部活に精を出して遊ぶことをしないといけないよね?それがうちの高校の標語じゃないか」
「部費の内訳を決めるのも生徒会です。そんな横暴な使い方をしていたら持ちません。生徒を脅して水増ししていたやり方を変えるつもりはないのですか?」
「ないね。遅かれ早かれ生徒会には部費を冷やしてもらうよう直談判をするつもりだったんだよ。そのためにこのお香を手に入れたわけだけど、まさか計画を前倒しにして廃部危機に使うことになるなんて思わなかったよ」
「あなた・・・まさか、最初から私と・・・・・・」

 私は関くんの考えに身震いを覚えた。前会長から引き継ぐ際にオカルト部に近づくなという噂は当たっていた事実に気付いてしまった。野心のためなら生徒会すら利用することを厭わない。生徒会の最高責任者の私の身体を奪う暴挙を食い止める方法を知る由もなかった。


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 今日の私はなにかおかしかった。
 一回なら気の迷いかもしれない。でも二回も学校でオナニーをしてしまったのだ。
 トイレで隠れてシてしまった。気が付いたら便座のまわりをびちゃびちゃにするくらい愛液を噴き出して汚していた。
 感覚が麻痺して、とどめにおしっこまで零してしまったほどだ。体勢をかけることも出来なかったせいで、黄色い体液が便器の外に飛んでいく始末だった。

「あ、あぁぁぁ・・・・・・」

 当然床だけではなく、借りたばかりのショーツも濡れてしまっていた。さすがに二度も借りることは出来なくて、一度学校を抜け出して家まで着替えを取りに戻ったほどだ。
 こんなことでお家引き返してくるなんて初めての経験だった。

 あっという間に昼が過ぎて、一日が終わる鐘が鳴った。

「もう放課後なんだ・・・・・・」

 頭がずっとぼーっとしている。昨夜から感じる熱の余韻が滾ってきたように燃え広がっていくのを感じていた。
 授業なんかよりもずっと気にしていることがある。集中力が一日足りていなかったなか、忘れてはいけない手紙のことだけはしっかりと頭の中に残っていた。

「行かないと・・・送り主に会わないと・・・・・・」

 帰宅する生徒の波と逆方向に歩みを進め、屋上へ静かに上がっていく。
 屋上の扉を開ける。お昼休みでは屋上に上がって生徒たちが昼食を温かな日差しの下、談笑しながら過ごす姿がよく見える。だけど、放課後は我先にと帰宅する帰宅部や部活に励む生徒たち、目的それぞれ持って過ごしていく中、屋上に用がある生徒は皆無に等しかった。

「誰もいない・・・・・・?」

 最初見た時には見えない生徒の人影に、恐る恐る前に進んでいく。
 すると、そこにはちゃんと送り主は佇んでいた。
 一人で佇む同じクラスの白居剣士くん。教室で助けてくれた彼が用のある屋上に立っていたことに私自身驚いていた。

「白居くん・・・・・・?」
「南森さん!来てくれたんだ!」

 私の顔を見てぱあっと、子供のような顔で微笑む彼。
 私はその笑顔で察した。彼がこの手紙を差し出した相手だったのだと。

「今日はありがとう。白居くんのおかげで助かりました・・・・・・」
「いいんだよ。困ったときは助け合わなきゃ」

      私のホワイトナイト様

 剣士くんはそう答えながら赤面していた。
 本当に彼はその通りの言葉を言ってくれる。彼は無償の手を貸してくれる。見返りを求めるわけでもない、誰に対しても優しく、雰囲気を和ませてくれる。
 女子の間でも人気の生徒だって知ってる。
 そんな彼が、誰かのために行動するなんて思ってもみなかった。
 私を呼び出す――そんな行動を取るなんて意外だった。
 彼のイメージと違う行動を取ること――それが私には嬉しかった。

「こんな場所に呼び出して、本当にごめん。でも俺、南森さんにどうしても伝えたかったことがあるんだ――」

 改まった彼がまっすぐな瞳で私を見ていた。

「――俺、南森さんのことが好きだ。俺と付き合ってほしい」

 剣士くんはそう言った。願ってもいない言葉を聞いた私は口を両手で覆って驚いてしまった。
 でも、それは決して悪い意味じゃなかった。逆だった。私はとても嬉しかった。
 私なんか選んでくれないと思ってた。でも剣士くんは私を見ていたんだ。剣士くんが私のことを好きだったように、私も剣士くんのことを想っていたんだ。 
 私は剣士くんのことが好きだった。彼に言われて私も自分の気持ちがわかった。

「嬉しい。剣士くん・・・」

 私は涙をにじませながらそう言った。剣士くんもまた、想いを伝えるために張っていた緊張も糸を緩めて表情を和ませていた。
 温かい日差しを浴びて、私は幸せを感じていた。
 体温が上昇して、彼に満たしてもらいたいと思ってしまっていた。
 きっと剣士くんもそれを望んでいるはず。
 彼が私に出来ることをしたように、私も彼に出来ることをしてあげようと強く想い始めていた。



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「母さん遅いな。どこ行ったんだよ・・・」

 鶴喜渉は家に帰って来て香苗の帰りを待っていた。
 学生である渉の頭に自分から料理を作るや、家事を手伝うという頭はなく、大人しくゲームをして過ごしているのだが、さすがに日も落ち辺りも暗くなると、そわそわしてきた。

「お腹減ったな。うまいもん食わしてくれ・・・・・・」

 すると、扉が開いた音が聞こえ、誰かが帰ってきたのだと思った。渉は急いで顔を出し、自分の空腹の思いを伝えるために階段からドン、ドンと音を立てて下りていった。

「遅い!なにやってたんだよ」
「渉くん・・・?渉くん!」

 いきなり香苗が抱きついてきて渉が動揺してしまう。年甲斐もなく泣き崩れる親の顔を見たのは初めてだった。

「な、なんだぁ?どうしたの?母さん」
「・・・ぐすっ。違うの・・・私、渉くんのお母さんじゃないの」
「えっ?」
「足立・・・・・・足立薫子よ」

 渉の前にいる香苗の姿をした人物は自分を薫子だと名乗った。足立先生と言えば渉だって少年サッカーをしている際にお世話になっている保健の先生だ。
 本当に実在する人物であることは渉が一番よく知っている。

「せ、先生っ!?・・・・・・うっそだ~」
「本当よ。本当なの!渉くん、信じて!」

 俺の母さんが何かのショックで気が触れたかのようにさえ思える。いくら先生が美人で人気があるからと言って、自分を薫子先生だと思い込んで性格や仕草、喋り方さえ変わってしまったかのようだ。そうじゃなければ超常現象の実験台にされたかしか考えられない。
 渉の中には疑心は確かにあった。しかし、それよりも子供心に心配する気持ちと興味と好奇心の方が強かった。

「わかったよ。先生なんだね。信じるよ」
「ありがとう、渉くん!私、渉くんに捨てられたらどうしようって思って・・・・・・うわああああん!!!」

 香苗の姿で泣く薫子がもう一度渉を強く抱きしめ、自分の不安な気持ちを赤裸々に語っていた。分かったというように渉は香苗(薫子)を優しく抱きしめ、頭を撫でで落ち着かせるのだった。

 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・

「実は料理苦手なの。渉くんの口に合えばいいんだけど」
「うん。美味しいよ」
「ああぁ、よかったぁ」

 香苗(薫子)の作ってくれた手料理を食べる。香苗の時と味つけも違い、どこか普段の食卓とは違う印象を持つことに、香苗(薫子)の話はあながち嘘ではないと実感する。
 テレビをつけてアニメを見て、普段の家庭を見せるように薫子を元気づけようとした。

「渉くんはこの時間でご飯食べてるの?」
「そうだよ。食事もだいたいこの時間かな」
「私、結婚とかしてないでしょ。子供いないし、自分だけだから。家族の団らんなんてしたことないから、ご飯も結構遅くに食べちゃうの」
「そうなんだ」
「渉くんみたいな素直な子どもだったら、楽しいでしょうね」

 人によって過ごす時間が違うんだと、渉が何気なく過ごしている時間が、薫子にとってかけがえのない時間のように恍惚として呟いていた。香苗(薫子)が優しく微笑むその姿は渉の箸を止め、しばらく呆然と眺めていた。

「あっ。渉くん。ご飯粒ついてるよ。先生がとってあげる」
「い、いいよ!自分で取れるよ!」
「気にしないで!今は私が渉くんのお母さんなんだから」
「先生!?どうしたんだよ・・・」
「ご飯終わったら、一緒にお風呂入りましょうか?」
「そ、それは・・・い、いいよ・・・・・・ムリィ・・・」
「残念。先生と入るのがそんなにイヤ?」
「先生なのか、お母さんなのか、どっちなんだよ」
「ふふ。冗談よ。渉くんのことをからかいたくなったの」

「じゃあ、お風呂使わせてもらうね」と、渉を置いて浴室へと脚を運び香苗(薫子)は消えていった。
 香苗と身体が入れ替わって動揺しているのか、普段できない他人の立場を楽しもうとしているのだろうか、性格が優しい薫子は躊躇してブレブレの様子を見せるが、そのことで渉でさえも意志がぶれ始めていた。
 普段とまるで様子が違う香苗。
 母親でありながら、他人の薫子が香苗を演じている。それは果たして渉の母親なのだろうか。
 薫子だけじゃない、二人が入れ替わったことで渉の生活にも明らかに影響を与えていることは間違いない。

「おれ、先生と一つ屋根の下で過ごしているんだ・・・・・・」

 妙に意識するようになってしまうと、渉の中でなにか抑えられない衝動が込み上げていた。
 薫子が母親だということに慣れることはない。やっぱり薫子は渉でさえ憧れの女性であったのだ。

「勝手に使わせてもらっちゃったけど、ごめんなさい」

 普段着用しているパジャマ姿で渉の前に現れた香苗(薫子)に、渉の方から口を開いた。

「あの、先生。実は・・・」
「どうしたの?」
「実はおれ、まだ母さんと寝てるんだ。だから、今日もその・・・」

 実はこれは嘘だ。渉がついた出任せだ。そんなこと香苗だったらすぐに気付くことだ。
 でも、今の香苗は薫子だ。渉の母親じゃないのだ。

「そうだったの。わかったわ。今夜は先生が渉くんと寝てあげるね」

 悟った様に優しく笑う香苗(薫子)は、ベッドの中一緒にいてくれることを約束したのだった。 


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