純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

タグ:委員長

 伊澤光-いざわひかる-は昼食の時間が終わると学校を抜け出して家に帰ってきてしまった。
 別に体調が悪いわけじゃない。サボりだ。
 クラスを仕切る学級委員長としてあるまじき行為だ。
 扉を開けて帰ってきた光に対して、姉の伊澤裕香-いざわゆうか-が丸フチ眼鏡の奥で目を丸くしていた。

      生徒会長の姉

「光。あんた、学校は?」
「えっ、あっ、きょ、今日は体調が悪くて早退してきた」
「やだぁ、風邪?しっかりしなさいよね」

 家の中で裕香がいたことは光にとって計算外だったらしく、わざとらしい嘘で誤魔化していた。
 妹の嘘に気付くこともなく、裕香は光を心配していた。
 元々真面目な姉の裕香だ。生徒会長までやっていた姉である。大学に合格してから都会に行って物件を探したりで地元にいなかった裕香だが、春の旅支度を済ませて昨日からは一足早い春休みを満喫しているのであった。
 その姿はどこか気が抜けていて生徒会長っぽくない。クラス委員長の光のほうが会長の風貌があった。

「いたんだ、生徒会長」
「なにそれ?嫌味?」

 ぼそっと吐いたつぶやきを裕香に聞かれ、慌てて光は部屋へと戻っていった。
 一階に姉がいるとはいえ、彼女は当初の目的だった場所へ辿り着いたのだった。

      憑依後

「・・・へへ。勝手に授業サボっちまった。委員長が知ったら怒るだろうな」

「ま、知る術はないけどな!」と、突然光は自分のことを他人行儀に独り言を漏らし始める。気の抜けた表情は、裕香とは違うどこか歪みを含んだ笑顔であった。
 そう、伊澤光はいま他人に身体を乗っ取られているのだった。その人物とは藤間魁人-ふじまかいと-というクラスメイトの不良学生であった。魁人は光に学園生活の素行の悪さを指摘され、腹を立てたことで復讐してやろうという一心で、ひょんなことから手に入れた『飲み薬』を使い幽体離脱し、そのまま光の身体に憑依したのだ。
 結果は御覧の通り、いまや伊澤光のすべてが藤間魁人の思うがままなのである。他ならぬ光の身体で学校をサボり、家路を歩いて帰ってきてしまったのだ。
 委員長が授業をサボるということを達成したので、魁人は満足しているのだが、それだけで憑依を止めるつもりはなかった。
 魁人にとって初めて入る同級生の部屋だ。真面目で生徒や先生にも信頼があり、クラスの中心に立つ学級委員長――伊澤光いざわひかるの部屋なのだ。
 光(魁人)は辺りを見渡した。委員長と言えど少女趣味のぬいぐるみや学習机、クローゼットにかけられたワンピースと全身を映す姿見まで置いてある。男性にはなじみのないアクセサリーの数々が置かれていた。光もまた女子力をあげる努力を欠かしていないことが伺えた。

「すーはーすーはー」

 光の鼻で大きく息を吸って息を吐く。
 女子独特の匂いが部屋に微かに残っている。普段感じたことのない甘い匂いを感じ取ることが出来た。

「これが委員長の部屋かー。んんーっ!委員長の甘い匂いがする。たまんねえぜっ!」

 普段と環境が違うことに興奮を覚える光(魁人)は、さっそく姿見でいまの自分を見ることにした。目の前の鏡に映しだされた美少女。青いロングの髪の毛を靡かせて、整った顔立ちに目を奪われていた。
 筋がしっかりと通った鼻、潤みを帯びた小さな唇。大人びた風貌を持つ光の姿が魁人の目の前に映っているのだ

「(普段見ている委員長と違うな・・・なんか、イヤらしい顔してんな・・・)」

 魁人自身がしているのだが、その表情や思惑を光が浮かべるのだ。目を吊り上げて侮蔑な眼差しを向ける委員長の姿とは比べ物にならない、妖艶な眼差しを鏡の中の自分に向けている。
 おもむろに、スカートの裾を持って上にあげる。すると、光の制服は自らの手で持ち上げられ、白地のショーツが顔を出した。

「(うわぁ。委員長がパンチラして誘ってるみたいだ。最っ高だ!)」

 同級生に痴態させる行為に興奮を覚える魁人は、スカートを下ろした流れで自然と手を光の胸へと置いていく。心臓が高鳴っているのが痛いくらいわかった。
 鏡の中で光もまた自分の胸に手を置いて同じポーズを取る。光の動きは魁人と同じ動きをしていた。そのことが魁人の目の前に立っている光が魁人自身であることを証明していた。

「(もっと委員長の身体でイヤらしいことしてやるっ!)」

 魁人は視線を落とした。魁人の身体と比較して一回り小さな光の身体。狭い肩幅。その下には綺麗な形をした乳房が制服を押し上げている。
 制服の上から覗きこむと、彼女の香りに包まれた空間の中でブラに収まって谷間を作っている二つのお椀が見えた。くっきりと見えるほど深い谷間を作るほどのたわわに実った乳房だ。成長期に入った光の乳房を曝すように、制服の中で器用にブラジャーを外していく。

「簡単、簡単♪」

 プチンと、フックが外れてブラを脱ぎ捨てる。それだけで鏡に映った彼女の胸を制服越しに見ると、ノーブラになったことで乳房が制服を推しあげているように映っていた。制服生地の裏から二つのボッチを作っている。そして、改めて自分の胸に手を置くと、先ほど以上に柔らかい乳房を堪能することが出来たのだ。

「うはっ。すごっ・・・」

 先ほど触れた時より意識して、さらに指を押し沈める。制服の奥で胸が光の手によって形を変えられている。ぐにゅぐにゅと形を変えて沈む乳房と、コリッと硬くとがっている突起物の違いを感じる。
 指をぱっと放すと、乳房は弾力を見せて元のお椀の形に戻っていった。

      隙あらば揉め!

 今度は反対側も同じ様に指で押し沈める。先ほどと同じ力で潰していく乳房は同じ柔らかさと弾力で押し返していく。左右均等にそろった乳房を交互に弄ぶ。
 光の手で、光の胸を揉みし抱いていく。

「(うへぇ!委員長が自分で胸を揉んでるんだ。俺の意志で・・・)はぁぁ~!」

 光の口から甘いため息が吐く。興奮が高まったことで、先走り汁が染み出したような感覚があった。光の身体で秘部が疼き始め、ショーツの奥で切なくもの寂しい感覚に陥った。

「(これは・・・まさか、まさか・・・)」

 いても立ってもいられない光(魁人)は、ベッドに腰掛け、姿見を持ってくると、腰にしまっていたスカートを下ろして、下着姿を曝しだした。そうすることで、もう一度魁人の興奮度は高まっていった。
 鏡に映る光の年相応の白いショーツ。生徒によっては派手なエロ下着を身に付けていても不思議じゃないが、逆に委員長の潔癖さを物語るに相応しい下着となっていた。

      地味パン・・・

「(委員長だってオナニーくらいしたことあるくせに下着は地味なもん穿いてるなぁ)」

 衣服を脱いで肌寒くなっているはずの光の身体が、少しずつ熱を帯びていく。

「(生パン食い込みだっ!おりゃ!)ふああっ・・・!」

 ショーツを掴むと――思い切り上に引き上げてみると、生地が股間に食い込んで縦に割れている。まるで光の秘部をそのまま模っているように見えた。愛液が染み込むショーツの上から、興奮の声を喘ぎだした魁人がいよいよ弄り始める。光の股に人差し指と中指を持って行き、二本の指でゴシゴシと筋に沿ってなぞり始めた。

「(なっ、なんだこれ・・・ちょっと触っただけなのに、なんかっ・・・)はぁ、はぁ」

 部屋に木霊する光の喘ぎ声が大きくなっていく。ショーツの上から弄っているのに、指の腹に押されて沈むショーツはどんどん愛液を吸い取っていく。次第に力が強くなっていることに気付かず、光の秘部を推し続ける。緩急を付けたり、強弱をつけたり、浮き沈みを激しくしたりしてショーツを愛液に濡らしていく。すると、コツンと光のクリ〇リスに指が当たった。

「(んああっ!こ、ココ・・・ビリビリするっ!)はっ、はっ、あっ、はっ」

 ショーツの上からでも分かるくらい硬くなっている光のクリ〇リス。場所が分かると狙い撃ちするように、左右に揺らしたり、弾くようにデコピンしたりしてクリ〇リスの感度を高めていく。

「くぁああっ!ひっ、ひぃぃっ!」

 変な声をあげながら、完全に勃起したクリ〇リスを摘まむように左右から挟んでやる。すると、乱暴にされたことで限界を迎えたのか、軽い絶頂が襲い掛かってきたのだった。

「ひゃああああっ!!い・・・いま・・・はぁ・・・イったのか、俺・・・・・・」

 思わずイってしまったことに驚く魁人だが、男性と違い絶頂が弱く、イってしまっても体力が残っている女性の絶頂に、続行を決断する。ショーツを脱いでおま〇こを曝すと、イったばかりだけあってびちゃびちゃに濡れていた。

「(委員長の生マ〇コ・・・エッロ)」

      染みパン・・・

 よく見ておこうと魁人は鏡に曝して左右に拡げる。愛液に濡れる潤んだ膣の奥には処女膜も見え、パクパクと口を開けるように蠢いていた。

「(委員長の膣内・・・マジ綺麗だ・・・)ハァ、ハァ・・・」

 光本人でさえ秘部を曝し、奥を覗くことはないだろう。本人も知らない穢れなきサーモンピンクの膣肉を見ながら、彼女の細い指を挿入していく。

 ちゅく・・・

「ふぁああっ!」

 ゾクゾクと背筋が震えるほどの快感が襲い掛かる。クリ〇リスとは違って微弱な電流が列を成して襲ってくるような感覚だ。膣が轟き、指に這ってくる生々しい温かさと感触。これが光の膣肉の感触なのだ。

「あっ、あっ、あっ、きもち、いい・・・」

      強調!

 ちゅくちゅくちゅく・・・

 指の長さはたかが知れており、入口付近をくすぐることしかできない。それだけでも愛液が分泌して指の腹を濡らしていく。クリ〇リスと乳首がさらに硬くなり、弄れば弄るほど快感が削ぎ落されていくようだった。

「もっと・・・もっと気持ちよくなりたい・・・・・・」

 うわ言のように呟く光(魁人)は鞄を取りだす。すると、光の鞄の中から出てきたのはディルドバイブだった。こうなることを予想して魁人は帰り道にアダルトショップによって一本購入してきたのだ。光の身体で。
 彼女でさえ使ったこともない男性の肉棒さながらのディルドバイブを持ち、膣口に宛がった。

「こんなに濡れてるなら・・・きっと、イケる・・・・・・」

 挿入する感覚なんて分からない。何度もこの辺かな?と試行錯誤しながらスジに滑らせているうちにシリコン亀頭が愛液で濡れてくる。そして、にゅるんと、滑らせるようにバイブが膣内に入っていくと、光の膣内で充満した愛液が潤滑油のように働き、一気に奥まで潜り込んでいった。

「ふぎぃぃぃぃ~~~!?!?!?」

 自分が挿入させたというより、勝手にバイブが挿入していったという方がニュアンスは近いと思ったのが魁人の感想だった。身体が引くつき、膣が締め付けバイブが奥まで埋まったことを直接感じることが出来る。これが、女性の感じる犯されている感覚なのだろうかと、イヤでも苦しくて愛液が噴きだしてくる。

「こ、これ・・・ハァ・・・抜かなくちゃいけないのか・・・ハァ・・・抜かなくちゃ・・・」

 奥まで挿入したままでいられないけど、抜く時の恐怖心が身体を戦慄させる。どうやって抜いたらいいのかさえ分からない。しっかりと締め付けたバイブを引っこ抜いたら、子宮ごと飛び出してしまうのではないかとさえ思ってしまうほどだ。光の膣に埋まったバイブを抜くために動かすだけで強烈な刺激が敏感に襲い掛かる。好奇心に挿入したバイブでイキ狂いそうになっていた。

「指なんかの比じゃない。痒いところにバイブが届いて、ココ、引っかかれたりでもしたら間違いなく・・・!」

 Gスポットの場所が魁人には分かり、触っちゃいけないと身体が教えているにも関わらず、その好奇心と興味本位が抑えきれない。
 どうせこの身体は自分のではないという精神が働き、光(魁人)はバイブを小刻みに動かしてGスポットを突きまくった。

「ハァ、ハァ・・・くっっ、ぅくうぅぅぅっ!うあぁぁああぁっ!!」

      尿意が一緒に

 差し込んだバイブに突かれた光の身体が一瞬浮いたと思った瞬間、ベッドに崩れ落ちて脱力していた。
 絶頂とともにバイブは抜け落ち、愛液と供に吐き出しながらベッドに転がっていった。そして、膀胱に溜まっていた尿意が同時に襲い掛かり、放物線を描いてベッドにボトボトと音を立てて噴き出していた。

「あっ、あっ、あっ」

 身体の制御ができず、溜まった尿意は途絶えることなくベッドシーツを濡らしていた。光のベッドにはおねしょをしたような大きなシミが出来あがっていた。

「あ~~~。やっべ・・・、委員長のベッド汚しちまった」

 自分のものではないにしても、委員長の素行を踏みにじる後ろめたさに思わず罪悪感が芽生えてしまった魁人だった。
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「うひょう!アイドル萌え~!」
「エロエロでやんすねぇ~」

 千村貴明―ちむらたかあき―と本山貴一―もとやまきいち―はアイドルヲタクの名に恥じない、三次元にとどまらず二次元のアイドルをも追いかける。携帯アプリからテレビアニメまですべてを逐一チェックするほどのヲタクぶりを発揮する。
 今回は薄い本を教室で見ながら下卑た笑みを浮かべていた。

「入れ替わりモノ最高っ!」
「それはお前の性癖じゃーい!」

 貴明の頭にハリセンが振り落され、気持ちいい音が響いた。背後を振り向くと、幼馴染の高橋茜音だけじゃなく、二人を取り囲む様に女子たちの冷たい視線が向けられていた。
 四面楚歌状態。勝てる見込みのない戦いの最中、奪われた宝具をこれ見よがしにぞんざいに扱う川上友子―かわかみともこ―の姿があった。

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「男子たちってよくこういうもの平気で持ってこれるわね。気持ち悪い妄想が顔から滲み出てるわ。歩く性犯罪よね」
「ゲッ、委員長!?」
「漫画は学校に持ち込み禁止」
「それは夏休みの戦利ひ――」
「口答え禁止。没収」

 びしっと、女子代表であるかのように凛とした態度で死刑を突きつける。友子は貴明の同人誌を鞄に仕舞うとそのまま踵を返し教室を出て行ってしまった。健全たる精神は健全なる肉体に宿る。未成年を脅かす不健全な汚物を責任を以て処理するが如く、その態度は貴明に、このままでは友子に同人誌を捨てられるという危惧を抱かせた。

「ちょ!俺の宝物ぉ!!」
「委員長に奪われた一夏の想い出でやんすね、あだぁ!!」

 余計なことを言った貴一がやられた。

「俺の宝物ぉ~。本山くうぅぅん!!」
「繋げて言うな、変態!」

 貴明は既に毒されている状態である。茜音から再びハリセンが振り下ろされた。
 何度もコテンパンにされる貴明。だがしかし、同人誌の愛がある限り貴明は何度でも蘇る――『腐敗の精神―ゾンビパウダー』―。

「フッフッフ・・・委員長め、この恨み晴らさず置くべきか」
「貴明、あんた怖っ!」
 
 その笑みは、愛する者とは真逆の、憎き者に対する侮蔑の微笑みだった。貴明は既に、友子に対する秘策を手に入れていたのだった。


 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・

「ただいま」
「おかえり。ご飯できてるわよ。それともお風呂先に入る」
「うーん。お風呂かな」
「じゃあ早く済ませてね。後がつまるから」

 学校が終わり帰宅した友子は、リビングでテレビ見ながらくつろいでいる母親に軽く声をかけると、紺色のプリーツスカートの裾をなびかせながら階段を駆け上り、二階にある自分の部屋に入った。はぁはぁと息を荒くしながら辺りを見回し、自分の部屋の様子を伺った。

「はぁ・・はぁ・・んっ・・・・・・」

 友子は顔にまとわりつく髪の毛を手で後ろにかき上げた。洋服の箪笥の横に会った姿見にその身を映した。白と青の制服に身を通した凛々しい風貌のある友子。未だ呼吸が整わないせいで胸もとが上下に振れていた。

「はぁ・・・・・ついに俺のターンだな・・・」

 と、友子は鏡を覗き込みながら自分の顔を眺めた。そして、嬉しそうに笑顔を作ると、両手をゆっくりと胸元へ宛がっていった。
 制服のシャツに皺を作りながら柔らかい胸をてのひらで包み込んでその感触を確かめていた。鏡の前で両手で胸を弄りながら口元を緩ませている友子の表情が普段とは別人だった。

「すげえ柔らか。・・・これが委員長の胸か」

 まるで他人口調にしゃべる友子。両手で制服ごと自分の胸を中央に寄せている手つきがイヤらしかった。鏡に映る自分の姿を認識して、友子は思わず行動を中断して不敵に口元を釣り上げた。

「この胸の重み、スカートを穿いている涼しさ、まとわりつく髪の毛、発生する声、・・・そして目の前に映る委員長の姿。――これが今の俺の姿だぜ」

 友子の声で喋る、貴明の思惑。恨み辛みが重なった後に広がる相手に対する同情無しの境地へ辿り着いた。
 憑依成功。二マリと嘲笑う友子の表情は、貴明のそれと完全に一致だった。

「俺の宝具を捨てた罰だ。悪いけど委員長の身体で愉しませてもらうからな」

 絶対に許さない、という意志表示を友子本人に突きつけているようである。断りなどいらないように、再び行動を再会した友子(貴明)は、ワイシャツのボタンをはずして前屈みになると、襟を引っ張りその中を覗き込んだ。

「おぉ。青のブラを目視できるぞ!すげえ角度だな、絶対男じゃ見ること出来ねえよな」

 本人の立場にならないと視ることが出来ないブラちらに、憑依の素晴らしさを感じる貴明である。制服の中でブラに収まっている女子の胸に鼻の下を伸ばしている。谷間もくっきりと作られているのを見ると、友子の胸は見た目よりも大きそうだった。

「へへ、委員長の胸見せてもらおうかな。・・・そういえば、お風呂に入るって言ったっけ?服を脱がないとお風呂には入れないもんな、うん・・・」

 なにかを悟ったように頷いた友子(貴明)は、ブレザーのボタンを緩めて腕から外し始めた。




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 金城茂―かねしろしげる―はクラスの男子をまとめるリーダー的存在。しかし、クラスの女子をまとめるリーダー、笠谷理枝―かさたにりえ―と衝突が絶えなかった。

「金城くん。男子の分任せていたアンケートの統計出来てるわよね?」
「それがねぇ、うちの男子ってまとわりないし、忘れ物多いし、言っても聞かないし」
「結局、できてないの?」

 声を落として迫る理枝の鬼気迫る態度に縮こまる。

「明日には提出しなくちゃいけないんだけど、居残りやってくれるのよね?」
「うん、分かってる。居残りしてやるつもりだよ。だから、手伝ってくれるかな?」
「イヤよ。こっちだって忙しいのよ。あんたが男子をまとめないで好き勝手させただけでしょう?リーダーとして責任もってよね」
「リーダーっていうのやめてくれるかな?俺、リーダーって柄じゃないし、リーダーなんて押し付けられた委員長となんら変わらないし、かといって言うこと聞いてくれると思ったら全然話聞かないし!千村に限っては俺のこと見下してるし!!」
「押し付けられてもやるって言ったら責任持ちなさいよ。断らなかったのあんたでしょ?」

 ぐうの音も出ない正論です。 イヤなことには『NO』とはっきり言えるようになりたいと思う茂だった。

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「だから手伝ってよ。お願いだから見捨てないでよ」
「イヤ!部活もあるし、やることいっぱいなの。今日は終わるまで学校帰っちゃダメだからね」

 そういって会話を終わらせてクラスの女子の輪の中に消えていく。

「くそ。俺に対する嫌がらせか。部活があること告げて、俺を学校から帰らせないつもりに違いない。なんで俺がこんな目に合わされるんだ」

 散々、男子をまとめられない無能ぶりを指摘され続けた茂のストレスは最大値を超えていた。震える拳を抑えきれず、怒りで我を忘れて殺意のある視線を理枝に向けている。
 協力できない役立たずならば仕方がない。強制的、強硬手段に出るしか残っていないと考えた茂は、学校の引き出しから『接着剤』を取り出したのだった。


 
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