純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

タグ:ブルマ

 私はサキュバス。名前はまだない。
 現代-いせかい-に飛ばされた私はちょっと困惑したけど、持ち前の適応力を生かして今日も元気に男性の精液を搾取しているの♪
 この世界は悪魔族にとってとても住みやすい世界だということが分かっちゃったことだし。性欲を持ち合わせていながら童貞の獲物がいっぱいいるみたいだしね。
 さ~て、今日はどの子を標的にしようかな♪

「クンクン・・・におう。におうわぁ~独特の女性の発汗のにおい~」

      ゴールしても地べたに座らない。お尻汚れちゃうでしょ?

 学校の校庭で何周も走ってゴールしていく生徒たち。
 息を切らして汗に塗れた身体で座り込む女性のにおいは私の鼻にくるいい匂いだ。
 体温が上がっているということはそれだけ雌化しやすい状態にあることを人間は知らないみたい。それ以前に、この世界の女性の発育はとても良いわね。私の知っている世界の人間なんかよりも魅力的な体型をしているじゃない。
 私が注目した子、神谷鈴鹿-かみやすずか-は走り切った場所で座り込んでいるが、汗で濡れた体操服の奥から盛り上がっている乳首が二つのボッチを作っているのが見えた。疲労感でたるんだ体型をのぞかせる鈴鹿のまわりには男性の視線が投げられていることに気付いていない様子だった。

「ほんと、羨ましいくらいの豊満ボディであるにも関わらず、無防備に座ってて自覚がないのかしら?男の子の視線に気付かないなんて女の子として失格じゃない。まったく、男の子の気持ちに応えないなんて勿体ないじゃない♪」

 ブツブツ言ったところで私は悪魔。なにを思っても誰も私の存在には気付かない。しかし、前回精液を調達できて魔力を取り戻している。前回のように私が直々手を下さなくても魔力で鈴鹿を小悪魔-サキュバス-化することは可能だった。
 悪魔が人間に手を出すことは稀なのよ。そんなことよりも悪魔的思想を人間の思想に流し込むことで簡単に悪堕ちすることを私は知っているから。人間なんて悪魔族にとって下僕でしかないんだから。

「ん~♪ちょうどお腹も空いてきたことだし、今日はこの子を使って男性の精液をいただくとしましょうか~!」

 私は鈴鹿に憑依魔法を唱える。思想と肉体を奪い、一時的に小悪魔化させる私だけの能力だ。
 私の視界は次の瞬間、グラウンドに座り込む鈴鹿のモノへと変わっていた。


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「姫子さん可愛い可愛い。本当に猫みたい」
「うう、ひどいにゃん!ねこじゃないにゃん!」
「そのしゃべり方は反則です。ああ、布団に一緒に入って寝込みたい!!!」
「ふにゃあああん!!」

 人がいない関係上、言葉をしゃべるまでに戻した姫子だったが、猫耳と尻尾は消えることがない。いや、逆にその方が人気になっており、彼女見たさに男性客が押し寄せてきてしまっていた。
 姫子は迷惑しているようだが、こころとしては万々歳だ。


「ここは今から絶滅保護区域に指定!!絶滅動物を守れシリーズ!!」


 館内スピーカーから突然、真のタイトルコールが聞こえてきた。あまりにハイテンションなために何事かと皆が目を丸くしていた。

「なんですか、突然?この声は――園長!?」

 放送室から出てきた真に声をかける。真は不敵に笑っていた。

「今や消滅しそうになっている絶滅動物たちを救うために新たに陸の動物園で開発したパークだよ。一晩で完成させた」
「わ、わたしの管理下でにゃにするにゃ!!?」
「だまらっしゃい!!言うこと聞かない悪い子は猫娘にするぞ、ごらあ!!」

 マジで真が怖かった。

「で、絶滅動物なんて普通飼えませんよ?園長は何を仕入れたんです?トキ?コウノトリ?ニホンオオカミ?」

 期待しているのか、こころは目を輝かせながら訪ねてくる。

「絶滅動物にも多々あるのだよ。それは見てのお楽しみだ。ヒントは……人間だって動物です」

 真の物言いに、只ならぬ嫌な予感をこころは感じていた。



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 無音の街、陣保―じんぼう―市。人口五万人以上が暮らす街だが、無音になったのは別に外に人が歩いていないわけじゃない。
 グノー商品『時計』。
 俺のポケットに握られた『時計』は、ボタンを押すと、時間を停止する。
 当然、時の止まった街並みで動いているのは俺以外に誰もいない。おそらく止められているとも思っていないだろう。……時が動いていないんだから。
 そんな陣保市には隣町の鳴神―なるかみ―町や好実―よしみ―町の学生たちも多く訪れる。駅前広場やショッピングモールや陣保商店街は大賑わいだ。

 時の止まった街で学生たち、社会人、談合しているおばさんたちとすれ違う。

 そこで今回の俺の標的は、この時間それぞれの学校で授業をしている学生たちだ。


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 学校が始まってからも悦美は常に自分の異変に気を配りながら授業に参加していた。

「ぅぅ・・・。もし、今朝みたいなことが急に起こったらどうしよう・・・」

 お腹を擦りながら、今朝の肥満化したお腹になっていないかを念入りに気にしていた。今の悦美は兄である祐司と合体しており、その祐司は体重100kgを超えるデブ男である。そんな兄―じぶん―のお腹をクラスメイトの誰にも見せるわけにはいかない。見せてしまえば、きっとクラスでいじめられるだろうという危機感を覚えていた。

「幸い、今のところはなんともないみたい。・・・このままお兄ちゃんが寝ててくれればいいんだけど・・・」

 そんな悦美の心配とは裏腹に、祐司は覚醒しながら悦美の中で息をひそめていた。
 悦美の普段の授業風景やクラスの立ち位置を盗み見ながら、いつ身体を奪ってやるかということを楽しみながら時間を過ごしているのである。

「(馬鹿め。お前の声は誰よりも近くで聞こえてるんだ。小声だって聞き逃さないぜ。まったく性格が悪い癖に友達が多いとは羨ましい。顔が良ければみんな寄ってくるのかよ、クソが!)」 

 悦美は祐司が思うそれほど性格は悪くない。至って普通の女の子である。
 兄故の僻みである。デブ故に性格の歪みとである。

「あら?今日は体育お休みするの?」
「う、うん・・。実は今日お腹が痛くて・・・」
「さっきからお腹擦ってるもんね。昨日、変なものでも食べたんじゃないの?」
「そうかも。ポテチとか、コーラとか」
「(どこも変なものじゃねえよ!一般販売されてる国民に愛されたお菓子と炭酸飲料だ!!) 」

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 新川翔子―しんかわしょうこ―が悦美を気にかける。

「あーあ。悦美がいないと張り合いがないわね。今日は消化試合で適当にやるわ」
「ごめんね。しっかり応援するから」

 応援でも物足りなさそうにしている翔子が列に戻っていく。体育の見学組はそれこそやることがなくて暇である。

「それでも・・なにかあると困るもんね・・」

 当然、悦美が見学する理由は祐司のせいである。露出度の高い体操服こそ身体の変化が起これば忽ち一目を浴びてしまう。そのため、長袖長ズボンで露出を減らした悦美の姿は。これから運動する格好ではなかったのである。
 皆が体育館で汗を流す姿を見ているだけの授業に気が緩んでしまう。体育の時間にわざわざ見学組に気を配る生徒はいないのである。悦美が欠伸をかみ殺す。

「ふあぁぁ・・・」
「(俺も暇だな・・・)」

 悦美が動くわけでもなく、生徒たちとの絡みもあるわけじゃない。祐司にとっても見学の時間は暇であった。かといって祐司はいつも体育を見学していたので慣れていることである。

「(そういえば、悦美の意識があっても身体を奪えるのだろうか。・・・・・・んんっ!ふんっ!)」
「あれ・・・なんか、眠気が・・・おそって・・・・・・・・・」

 祐司が力をこめると、悦美の声が聞こえなくなった。皆に隠れて眠るように目を閉じた悦美が、しばらくするとパチリと目を覚ます。そうして、しばらく自分の両手を目の前にかざし、静かにほくそ笑んでいた。

「へぇ。こうやって入れ替われるのか。悦美がいつでも寝てくれるなら好きに出来るってことだよな」

 悦美の声で祐司が独り言を喋っていた。意識だけを表面に出したので身体は未だに悦美のものである。

「誰もこっちを気にしてる奴はいないし、こっそりと胸を揉んで時間を潰すとするか・・・んっ・・ぁぁン・・・」

 露出は少なくても薄着になる体操服の上から、悦美の身体を堪能する祐司だった。




 
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「ただいま~!」

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 娘の優佳―ゆうか―が帰ってくる。学校指定の運動着姿で、鞄をその場に置くとバタバタと走りまわる。小学生にしてはもう陽が沈みかけていたので、夕食を用意しながらも心配していた晴枝―はるえ―だった。

「今日は遅かったじゃない。今までなにしてたの?」
「ん~?んふふふ・・・」

 晴枝の言葉に答えず、家の中を見渡しながら笑っている優佳。様子がおかしいとはいえそれほど気に掛けることなく、手を洗うように台所にある蛇口の場所を開ける。
 とことことやってきた優佳は手を洗いながら晴枝の方をチラチラ視線を投げていた。

「ねえ、お母さん?」
「なに?」
「今日学校で体育があったよ」

 学校でなにがあったかを報告する優佳。食事前とはいえ家族団欒な一時である。

「お母さんもブルマ着たの?」
「そうよ。お母さんも昔は同じ学校で過ごしたんですからね」
「ンフフ・・・」

 晴枝には優佳の笑い方が普段とは違ったように聞こえた。しかし、屈託ない娘の笑顔に、疑惑をもつわけがない。・・・今のところは。

「ねえ、お母さん。このブルマ穿いてみてくれない?」

 突然の優佳の要望に全力で拒否をする。

「い、いやよ。どうして穿かないといけないのよ?」

「見てみたいの。お母さんがブルマ穿いているところ」

「そんなの見てどうするの?」

「どうって・・・ンフフ・・・」

 また変な笑い方をする優佳。その時になって晴枝は優佳に対して普段とは違う違和感を覚え始めた。強情にブルマを穿くように促す優佳に、晴枝もさすがに困り始めた。

「ねえ、穿いてみて。せっかくだから私の運動着貸してあげるから」 

「無理よ。もう穿けるわけないじゃない」
「そんなのやってみないとわからない」
「わかるわよ!いい加減にしなさい」
「ちぇ、しょうがないな」

 一度怒鳴れば優佳は身を引く。しかし、その名残惜しさからくる晴枝を見て舌舐めずりする優佳の姿は、下心に飢えるおじさんの様に下品に見えた。

「うーん・・・うーん・・・」

 突然、唸り声をあげ始める優佳。親心に優佳の身を心配する。

「どうしたの?」
「お腹が痛いの」
「大変。ちょっと見せてみなさい」

 優佳の傍により顔をのぞかせる晴枝。

「吐きそう・・・」
「具合が悪いの?風邪かしら?病院に行く?」
「ううん。大丈夫・・・もうすぐ楽になれるから・・・」
「どういうこと?」

 優佳の言うことが分からない晴枝が面を向ける。その時に見せた優佳は、おぞましい表情を浮かべて嗤っていた。

「だって・・・私の中の彼が、お母さんのところ行きたいって言うんだもん!」
「んぅぅ!!?」

 優佳が晴枝の唇を奪う。面喰らった晴枝は、優佳の口から何かが自分の中に入り込んでいるのがわかった。

「うぅっ・・・ぉぇっぷ・・・」

 優佳の口からゼリーの様な感触のぶるんぶるんした物体が出てきて晴枝の口の中へ入っていく。ニュルニュルと、晴枝が飲みこんでいるわけでもないのに、物体の方がまるで晴枝の喉の奥に滑り落ちていくようだった。

「(ぇ・・・ぁ・・・な・・・に・・?)」

 どんどん物体が晴枝の身体の中へ入っていく。口を放したくても、自分の意志で動くと痺れて動けない。

「(な・・によ・・・?ドロっとした・・・ものが・・・口の中に入ってくる・・・)」
「今更気付いたっておせえよ。お前のカラダはもう俺の思うがままだ」
「(ぁ・・だ、だれ・・・あぁぁ・・・!)」

 次第に自分の意志とは関係なく、喉を鳴らして物体を飲みこんでいく。意識を失った優佳の変わりに、晴枝の方が口移しで物体を飲みほしていく。

「(ぁ・・ぁぁ・・だれ・・か・・・わたし・・・うばっていく・・・・イ・・や・・ぁ・・・)」

 優佳と同じように晴枝も意識を失っていく。そして、最後の一滴まで、優佳の体内に残った『スライム』を飲みほした後、ようやく晴枝は優佳と唇を放した。
 その場に崩れ落ちる優佳。母娘供に意識を失っている。そして、この場に残ったのは、母の晴枝の身体を奪った、『スライム』の男だけになった。

「はぁ・・。優佳ちゃんの親だけあって歳とっても全然衰えないぜ。まだ艶もあって若々しいぜ。いいなあ~。くんくん・・はぁ~」

 優佳の身体から晴枝に乗り換えた男、坂井雄介。今度は晴枝の身体の匂いを嗅いで欲求を晴らしていく。

「おお、プニプニだ。やっぱり胸があるっていいよな。この膨らみが女っていう実感を与えてくれるんだからよ」

 優佳では幼すぎた胸だが、晴枝の胸ならDカップはある。シャツを盛り上げる膨らみをツンツン突いて感度を確かめた。

「うはぁ~柔らけえ。・・・って、こんなことしている場合じゃなかった」

 晴枝(雄介)は当初の予定を思い出し、晴枝に運動着を着させようと私服を脱ぎ捨てた。

「晴枝さんも同じ学校で過ごしてたって言ってたよな。せっかくだから、学生時代を再現してみようか!」

 晴枝(雄介)は思いついたように晴枝の身体からブラを取り外す。当然、小学生時代にブラジャーを身につけていなかったのだから、体操着を肌に直接着るつもりらしい。意識を失っている優佳から運動着をそのまま脱がし、その体操服を晴枝に着せる。

「それじゃあ、優佳の運動着借りるわね」

 娘の運動着を着こんでいく晴枝(雄介)。娘の服のサイズだから当然、晴枝には小さい。しかし、それでも着れないことはなく、大きな乳房がさらに運動着を盛り上げながら服の中に隠れていく。

「んんぅ・・やだぁ。直接穿いてるから、乳首が擦れて痛い・・・」

 ポリエステル生地の運動着が乳首を擦り続ける。締めつけの強く、動くには窮屈なサイズだが、その締めつけ感が雄介には心地良いものであった。そして、目を輝かせながらブルマを目の前に広げた。

「はあぁぁ・・・。今まで優佳ちゃんが穿いていたブルマを・・・お母さんが穿くわね」

 興奮と期待に思わず声が早口になる。晴枝の息があがりながら、ブルマを足に通していく。運動着と同じく、サイズは小さい。しかし、ゴムで広がるブルマは晴枝の脚をかけ上がっていく。ブルマがショーツを隠し、腰まで思い切りブルマを持ち上げると、勢い余って股間部分が食い込んでいた。そして、両手を同時に放してパチンという音を立てて腰に収まった。ブルマと運動着を着こんだ晴枝の姿が完成した。

「うわあ、着れちゃった。優佳ちゃんの運動着・・・うふっ、私もまだまだ若いわね」

 運動着に包まれた身体を見下ろしながら、感慨に耽る晴枝(雄介)。今まで優佳の着ていた運動着。温もりも残っている運動着をそのまま晴枝に着こませているのだ。汗を吸っている運動着。匂いを嗅げば優佳と晴枝の合わさった匂いが鼻を突く。まるで二人の匂いを同時に嗅いでいるようだ。

「すぅ~はぁ~・・・うぅん・・。ヤバい・・・たまんね・・・。身体がどんどん熱くなっていくわ」

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 雄介が興奮すると晴枝の表情がほんのり赤く染まり始める。身体も発情し、下半身が疼きだすと、股間部分が熱をもち始めていた。

「・・・しばらくヤってないのか。道理で感じやすいはずだ・・・ンフフ、それじゃあ、ブルマオナニーでも洒落こむとしますか」

 晴枝(雄介)は晴枝のオナニー事情を覗き見ると、早速オナニーをし始める。ただし、いつ優佳が起きるか分からないので、誰にも邪魔されたくない自室へと駆けこんでいったのだった。






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「や、やめろ!彩夏に手を出すな!」

 かすむ視界の中で宗市は彩夏に叫ぶ。誰か分からない者に彩夏の姿を奪われ、ましてや真里(彩夏)本人をイかせるためにやってくるなんて、狂っている。
 やりたいことだけやって、どこかへ行こうとする彩夏を病室から出すわけにはいかなかった。

「彩夏を元に戻せ!」
「何を言ってるんだよ?これはもう俺のカラダだよ。だから、俺がなにをしようと勝手だろ?」
「お前のモノじゃない!彩夏の身体は彩夏のモノだ!おまえの言うとおり、今はおまえが彩夏の身体を持とうと、彩夏の身体を傷つけたら、俺が許さない!」

 宗市が兄として、妹を守るために彩夏(のどむ)を追い込む。

「美しい兄妹愛だねえ。でも、いいのか?俺を殴ったら、おまえが妹さんを傷つけることになるんだぞ?」
「誰が殴るか。このまま大人しくしていてもらう。身体が入れ替わる原因を突き止めて、彩夏の無事が確認できるまで――」
「おうおう。時間がかかりそうだねえ。そんなに待ってられねえからよ。良い子でベッドの上で眠ってろよ」

 既に一触即発の状態。だが、宗市が病室の扉を背にしている以上、彩夏(のどむ)が出るには宗市を飛び越えていかなければならない。彩夏との歳の差が決定打であり、事実彩夏が宗市に喧嘩で勝ったことは一度もない。
 だから、宗市も今回勝てるという自信があった。強気に攻め、果敢に猛威を奮い、彩夏(のどむ)が好き勝手しないよう気合で押し通すしかない。
 彩夏からにやける余裕の笑みが消えるまで。

「ん――――?」

 一瞬、動いた彩夏の手。その手に握られたナースコール。宗市が気付き、叫ぶ前にナースコールは押された。

「何のつもりだ?」
「くくく・・・」

 ベッドから出た宗市に対して、宣言通りベッドの上に戻そうとしているのか?ナースコールを使い、看護師を呼ぶために?
 なにか腑に落ちない。しかし、それ以上に彩夏(のどむ)にもリスクがある。
 果たして看護師が、宗市をベッドに戻すことと、彩夏(のどむ)を外に追い出すことのどちらを優先するだろうか。下手すれば敵を増援するような行為だ。子供の身体に大人の体力じゃ勝てるはずがないのは自明の理。
 だとすると、やってくる看護師は彩夏(のどむ)の味方と考える方が自然だった。

「(彩夏が浮かべる余裕の笑みは味方の増援だからか…それならやってくる看護師にも警戒しないとな」

 宗市が前だけじゃなく、後ろにも気を付けながら彩夏(のどむ)を威嚇する。決して臨戦態勢を崩さず硬直状態を保ち続ける。そして――。

「狩野さん。どうしましたか?」

 看護師が入ってきた。それは普段の対応で、決して彩夏(のどむ)を味方するような様子はなかった。

      
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「何をしてるのですか?」

 ああ、きっと第三者には兄妹喧嘩にも見えるのかもしれない。宗市が必死に食い繋いでいる状況を、扉の前でただ眺める看護師の登場に、ますます彩夏(のどむ)の目的が分からなくなってくる。

「おい、お前……いったい、どういうつもりだ?」
「くふふ……」
「なんでナースコールを押した!?彼女はお前の仲間じゃないのか!!?」

 宗市が叫ぶと突然、急に眩暈に似た感覚が宗市に襲いかかってくる。

「うぐっ!?」

 ひどい頭痛と吐き気。高熱にうなされ、グルグルと視界が回り出す。

「な、んで……急に……」
「おまえ、いま部屋の外はどうなっているのか分かってないんだろ?」

 彩夏の声でありながら、その声は低く、宗市でも妹の声とは聞き寄れなかった。

「いまこの四階は『粉薬』で充満してるんだよ。扉さえあけば入れ替わる『粉薬』が宙を舞う。今頃、四階の病人、見舞い人、看護師、動物まで至る所で入れ替わりが起こってるんだよ」
「なん…だ、と。じゃあ――!」
「そう。おまえも誰かと入れ替わりが始まろうとしてるんだよ。いったい誰と身体が入れ替わるか楽しみだろう?」

 自分の精神が肉体から放れていく感覚が高まる。彩夏の声が次第に聞き取れなくなっていく。

「ぅぅ…」

 バタンと先に看護師が倒れていた。彩夏(のどむ)の言うとおり、これから本当の地獄が訪れようとしている。

「そういうわけだ。じゃあな、真っ当な人間。これでおまえも 俺 た ち の 仲 間 入 りだな」
「まっ、待て……」

 彩夏の声のする方に手を伸ばす。しかし、視界は揺れ、宗市の意識が遠のく。
 宗市が伸ばした手の先に広がる青空。宗市はもう二度と見ることが出来ないのかもしれないと予感していた。

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「……わたし、さっきまでなにやってたんだろ――?」

 私が目を覚ましたのは外だった。ソファーの上でも、ベッドの上でもなく、外で普通に歩いていたときに、はっと我に返ったのだ。
 日も暮れて夜も深まる時に、一人でぶらぶらと外出していた私は慌てて自分の部屋へと戻ってきた。
 一人でいるときを誰かに見られたくないから。その時、私の頭の中には、手の内にある俊明の運動着が入った袋が握られていたことはなんの意識もしていなかった。

「――ひょっとして夢遊病の気があるのかしら?」

 外出するときにおかあさんに言ったらしいけど、私の記憶はいっさいない。抜き落ちているようでちょっとだけ怖かった。

「早くお風呂入ってちゃおうかな」

 鏡の前で「?」を浮かべている私はふと、自分の手に握られていた袋を見たのだ。私が袋の重さを感じたのはこれが初めてだ。自分の手に袋が握られていることも気付かなかった私は、目の高さまで上げて袋の存在を確認した。
 紺色の学校指定の袋で見覚えがある。運動着の入った袋だ。

「なんでこんなもの……?誰のかしら?」

 袋を開けて誰の運動着なのか確認する。女性用より一回り大きい運動着は、当然私のものではなかった。
 運動着を取り出し、冬用の長そでジャージに描かれた刺繍入りの名前を見て、私は血相を変えてびっくりした。
 それは、大っ嫌いな俊明のものだった。

「俊明!?なんであいつの運動着を私が持ってるのよ!?」

 家も近くであるのは分かるが、運動着を盗んで持ち逃げしたのではないかと思う状況に、私は動揺を隠せなかった。
 好きでもなく、むしろ嫌いの部類にいる俊明の運動着を持ってなにをするつもりだったのかもわからない。それでも、実際に運動着を持って帰ってしまって、私の手の中にある以上、俊明に返さなければいけないことも考えた。
 面倒なことが一つ増えたのだ。

「サイアク。こんなものをなにするつもりなのよ?」

 自問自答するように、あまりに情けない発言に苦笑すら浮かんでくる。運動着を床に投げ捨て、私服を脱いでお風呂に入ろうとする。

「ひぅ――っ!?」

 ビクンと身体を硬直した。私の頭の中に、なんか、急に運動着に着替えたい欲求が湧いてきた。

(運動着を着るにゃ。汗のにおいがいっぱい詰まった、運動着を着るニャン!)

「運動着を着る……」

 独り言のように呟いた私が、急に運動着を手にとって着替え始めた。なにも着ていなかったので運動着を手に取ればすぐに着替えることができたので、私はタンスの中から紺色のブルマを見つけて脚を通して穿き始めた。普段身につけているだけあってするすると上にあがっていくブルマは、太股を跨いで臀部を覆い隠してぴったりと張り付いた。
 伸縮性のあるポリエステル素材のブルマ。さらに上着の体操服に腕を通して、身なりを整えて運動着に着替え終わった。
 鏡に映す運動着の私。でも、いったいなんで運動着に着替えたのかよくわからない。

(違うニャ!ご主人さまの服ニャ!ニャンで自分の運動着を着ているニャ!信じにゃれなーい!!)

 頭が割れそうなほど痛みが襲ってくる。耳元でうるさいくらいに叫んでいる鳴き声が私にダメ出しをする。
 床に転がる俊明の運動着をちら見する。着たくもないはずなのに、「着ろ、着ろ」って、誰かが言ってくるみたいで気持ちが悪かった。

(ご主人様の運動着を着るニャ。今度こそちゃんと着がえるのニャ!)
「ぅぅ…ぁ……。そうだ。俊明の運動着を着るんだった……」

 『スライム―ネコ―』の意志に負け、棒読みでつぶやいた私がようやく俊明の運動着を着る。自分の運動着を覆うほど大きい俊明のジャージを、上から羽織ってチャックを締める。
 白の半そでの運動着が隠れて青いジャージが愛夏の上半身の大半を占める。下に履いたブルマが申し訳程度に見え、その下には愛夏のピッチリとした太股が見えている。

      
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「…………」

 なにも言わずに呆然と鏡に映す私。俊明の汗臭いにおいに包まれた私は、早速身体を丸くしてにおいを嗅いでいた。
 鼻がヒクヒクと動いて、俊明のジャージのにおいを嗅いでいる。

「くっさーい。スンスン……はぁ…なんで男の子ってこんなにおいが平気でいられるわね!」

 私にとって夏の運動は大嫌いだ。部活なんか絶対やりたくない理由として挙げるほど、汗の纏わりつくジャージが大っ嫌い。それなのに、愛夏はいま大嫌いな俊明のジャージを着ているのだ。
 しかも、俊明から盗んだジャージをだ。

 自分の運動着に俊明のにおいがついてしまうのを懸念しながら、力いっぱい力を入れて胸を押しつけて生地をのばした。

「ほんと、意味分かんない。くんくん…ぅぅ……こんなことしている……はぁ…私も意味分かんない」

 イヤなのに、においなんて嗅ぎたくないのに……
 嗅覚が身体を刺激して快感を生みだしてくる。意志と行動が噛み合わないことに不満を覚えるのに、ふつふつと湧きあがる怒りにも似た憤りが込み上げてくる。

(さっきみたいに、身体を弄りながらにおいを嗅ぐにゃ)
「ぅぅ……ぁ…」

 今度は頭の中からオナニーしたいと言う欲求が込み上げてくる。運動着の格好のまま、気を抜けば始めてしまいそうで身体が震えている。抵抗を強くして、欲求に負けないくら理性を働かして踏みとどまる。
 愛夏の頭の中にはオナニーがしたいと言う欲求が覆ってくる。汗まみれの身体ベッドになんか行きたくない。

「お風呂入りたいのに……そんなに我慢できない女の子じゃないわ!」

 逆らうのではなく、時間稼ぎをしているように、
 私は部屋から飛び出してお風呂に向かっていく。そうすれば、お風呂場でオナニーをすることもできる。
 私の意志と『スライム―頭の中の声―』が両立できる場所で、逸る気持ちを抑えきれないように脱衣所へ駈け込んでいた。



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「最高だな、我が憑依は!!次は誰に憑依してやろうかね~!」

 身体に戻った貴明の笑い声が爽快に響き渡る。身体を守る様に部室に残っていたう義也は、貴明が戻ってきたことに安心しながらも、憑依部のこれからの方針に魔が差す。
 もとより、貴明という部長の方向性を問いただしたい。

「ねえ、貴明っていろんな人に憑依してきたけどさ、やっぱり茜音の身体が一番じゃないの?」
「・・・はっ?」

 長く付き合いのある義也は貴明のことをよく知る人物だ。その中で貴明には幼馴染の高橋茜音がいる。小中高一貫して同じクラスであり、貴明の面倒、世話ををみる茜音がいるにもかかわらず、貴明には茜音に興味を示さない。
 高校になって恋愛話でも聞くかと思っていたが、その話もなく二年生になった。
 さらには同好会からのランクアップで部活にまでなってしまった憑依部に、さらに二人の時間がすれ違うことになる。
 他の女性を知るより、貴明には近く茜音がいる。本当に貴明は茜音に関心がないのか本心を聞きたかったのだ。

「憑依部なんかやめて、いっそのこと彼氏になっちゃったら?純玲先輩とか選んで浮いているより、茜音さんに落ちついて身を固めるのも大事だと思うよ?」
「馬鹿ぁ。なに言ってるんだ。茜音なんか純玲先輩に比べたら月とスッポン!いや、比べるだけ先輩に失礼だろうが!」
「そうかなぁ?茜音さんって運動神経は抜群だし、スタイルは良いし、面倒見はいいし、おまけに勉強だってできる。貴明にしてみれば悪いところなんてなに一つないじゃん。幼馴染って言うのが本当にうらやましいと僕は思うよ」
「いいか、義也。純玲さんには、女らしさや美しさがある…………だが、あのじゃじゃ馬娘の一体どこに、女らしさや美しさがあると言うんだ!?」

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 貴明の背後に立つ人物に、義也の表情が固まった。背後に殺気を覚えた貴明が振り向くも既に遅く、茜音に関節技を決められて身動きが取れなくされていた。
 憑依よりもヒドイ。フルネルソンである。

「義也……今からクラスメイトが一人減るけど、問題ないよね?」

 ――ボキィィ!!
 骨の折れそうな小気味良い音が教室に響き渡る。

「いって、いててて!!!うぅぅ……その関節は、そっちの方には曲がらな――――ばかああああ!!そっちはあああ!!!あっあっあっ……あああ―――――――!!!!」
「やっぱり……貴明にはダメかもしれない……」

 目が覚めた茜音に貴明は勝てないのだった。
 それからというもの、闇の力が加わって貴明主将の憑依部は廃部になったのだった。


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「ふああ!!メルチさん天使。マジ大好き~!」
「今日も癒されましたなぁ」

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 コンサートの帰りでファミレスで反省会を始める集団がいた。その中で特に目立つ人物こそ、アイドル、夢流血芽瑠―むるちめる―のおっかけであり、ファンの先導に立つ赤星貴明―あかほしたかあき―である。コンサートを思い出して熱く語るファン一同を、その日貴明の同期の好で初めてコンサートに行った布施義也―ふせよしや―が見ていた。

「悪魔から天使へのコスチュームに早着替えするところなんて凄かったよね~」
「あれはただ脱いだだけで――」
「一体何枚着て歌ってたんでしょう~?次から次に脱いでいってて……、は、裸がまだかと一人悶々としてました!(爆」
「(爆って、いらない暴露だよ!」
「まるで彼女の心を表しているようだったでごじゃる~。『普段は小悪魔の私だけど、あなたとは素直な私で付き合いたい~』って、歌詞とバッチリ合っていたでごじゃる~♪」
「俺はボンテージスーツに黒翼の小悪魔メルチが好きです!好きです!あの黒のぴっちりした服から零れそうなメルチちゃんの巨乳はヤバい」
「それもう、ただのフェチじゃん!」
「メルチちゃんだったら悪女でもなんでも魔女でも許しちゃうです!許しちゃうです!」
「・・・もし、彼氏がいたら?(ボソッ」
「テメエ!メルチちゃんは誰のものでもない!純粋無垢の潔癖処女だろうが!だろうがよ!」
「その考えに小悪魔な印象ゼロじゃん!!」
「バカ野郎!」
「ぐはぁ!」

 貴明に殴られた義也。アイドルは親友の絆さえも簡単に破壊する。

「殴られた……なぐられた……なぐられた……」
「そういう邪な考えの奴がいるからアイドルが汚れていくんだ!俺たちがいる限り、アイドルは永遠に彼氏なんかいなかった!『純粋だからこそ――』」
「『――白にも黒にも染まれるの~』」

 話に連動し、連結した彼らにとってまわりの目は全く気にならないのか、ファミレスに異常なほどの熱気が伝わり、店員たちには申し訳ない。

「ダメだこいつら、早くなんとかしないと」

 アイドルのコンサートを見に行って、楽しかったとはいえこの連結感に乗れなかった義也は一人ソファーに沈んでいく。

「hey、貴明―ブラザー―!」
「なんだい、兄弟?」
「ちなみにおまえたち、兄弟じゃない……」

 ノリにも乗れない義也のつっこみを誰も無視して話は進む。

「噂に聞いたんだけどYO、どこかの店に時を止める『時計』を販売しているらしいんだYO」
「なぬ!?それはまことでござるか!」

 聞いたことない悲鳴を上げる貴明の小耳に語りかける。

「その『時計』はどうやらネットでしか販売してないんだわ。しかも金がべらぼうに高いんだよね~」
「それじゃあ俺にも縁がねえ話だな」
「それがなんだな~!実は若者応援計画でニ十歳未満の若者には通常の値段の90%OFFで販売しているそうなんだな~」
「 マ ジ デ ! ? 」
「だからよ、俺の分まで楽しんでくれないかな~。でさ、おじさんにもちょっとの時間お恵みくれたら嬉しいんだな~」

 その話を聞いた貴明の表情がにんまりと蕩けていた。

「つまり・・・、どういうことだってばよ?」

 くいついたとばかりにおじさんも貴明と同じ表情を浮かべる、。さすがおじさんだ。その表情は貴明より断然エロい。犯罪臭がするぐらい下品であった。

「ムフフ……あっ、つまり~。メルチちゃんの時が止めたらおじさんを招待してくれほしいんだよぉ。一緒にメルチちゃんを……デュフフ、あんなことやこんなことしよう――」
「バカ野郎!!」
「でゅくし~!」

 貴明がおじさんを殴った。アイドルは目上の壁でさえも簡単に殴り飛ばせる。

「そういう邪な考えの奴がいるからアイドルが穢れていくんだ!アイドルは清純さが一番だ!明るい笑顔を俺たちは見たいんだ!こんな汚れくさった社会に生き続ける俺たちだからこそ、屈託のない笑顔をくれるアイドルに強く憧れるんだ!太陽に向かって咲く向日葵のように、前を向いて歩いている彼女に俺たちはパワーを貰ってるんだ!そんな俺たちが彼女の歩みを止めるだなんて、恥を知れ!等身大フィギュアか抱き枕でも買って彼女と想ってヌいて寝ろ!それだけで今日は良い一日だったと思えるはずだろうが!!」
「貴明、それは空しいよ~」

 同士も同意するかは微妙なようで反応に困っているものの、貴明は気にしなかった。

「とにかく!情報はありがたく貰っておく。使う使わないにしろ、買ったらこっそりブラザーに教えよう」
「は、ははぁ~!」

 土下座で感謝を表すおじさん。上下関係はこうやって築かれるのだろうか、ファンの世界は恐ろしいものだと義也は肌で実感した。


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(よし、先生の操り方が分かってきたぞ)

 新太郎がリモコンを操作すれば、先生はその通りに動いてくれる。
 言葉も言わせたい言葉を画面に打ち込めば先生の言葉で自然に喋ってくれる。みんなが唖然として目を先生に向けている中で、誰一人一番後ろの席を見ようとしている生徒などいなかった。
 きっと誰もが先生がおかしくなって勝手にオナニーをし始めたと思っているに違いない。
 そう考えるとあやつることが面白くなってくる。
 もう少し、先生に悪戯してやろうと新太郎は次の命令を先生に送っていた。
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