純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

カテゴリ:グノーグレイヴ『挿げ替え・融合』 > 接着剤『東雲椿には秘密がある』

 東雲椿の身体には、はち切れんばかりに勃起している男性のシンボルをのぞかせていた。

「なんでぇ・・・東雲ちゃんに、お、お、おち〇ち〇が・・・・・・?」

 私の頭は彷彿として熱暴走を起こして泣き叫ぶことしかできなかった。東雲椿が怖いのか好きなのかわかんなくなっていた。
 男の子なのか女の子なのか、人なのかそうじゃないのか。私も冷静じゃなくなっていた。

「やっぱり、東雲ちゃんって・・・お、お――」
「誤解しないでくれよ。教えてくれたのは由姫の方じゃないか」

 そう言って東雲さんは『接着剤』を見せつけていた。私の『接着剤』が少し減っているような気がした。

「由姫が眠っている間、手近に外を歩いていた男性にくっついてきたんだ。実際、『接着剤』の本当の使い方はこれが正しいんじゃないのかい?」

 肉体を部分的に組み換える『接着剤』――他人とくっつき、一部分を相手のものに変化することが『接着剤』の使用用途だ。東雲さんの身体でおかしいのは性器の部分だけで他は先程と違いはない。東雲さんの言う通り、私が気を失っている間に『接着剤』でふたなりになってきたというのだろうか?――誰のために?私のために・・・・・・?

「ほんと・・・ほんとうなの・・・?」
「はぁぁあ。由姫のその顔すごく可愛いよ。もっと僕に見せてくれよ」

 東雲さんの浮かべる怖い笑みは変わらない――。

「信じて・・・いいの・・・?」

 それでも私は、東雲さんを求めて、犯そうとしている相手に身体を差し出そうとしているのだ。
 矛盾している行動だ――理屈ではなく、感情で動いてしまっている。

「このおち〇ち〇は僕と由姫を繋ぐものだよ」
「おね・・・が・・・いしま・・・。もぉ、どぅにでもして、・・・くだ・・・さい」
「ふふふ」

 余裕の笑みを浮かべるながら東雲さんは私を傷つけてくる。私は逆に悔しさを滲ませながら、それでも東雲さんに救いを求めてしまう。

「いやぁ!・・・東雲ちゃん・・・・・・たすけ・・・」

      破れちゃった・・・私の処女膜(きもち)・・・

 どうにでもしてほしいのに、どうしてほしいのかもわからない。答えが出ないで右往左往している私を静めるように、東雲さんのおち〇ち〇が膣内に入ってきた。その大きさはディルドバイブの比ではなく、ぐしょぐしょに濡れたはずの私の膣内の奥まで一気に貫いていった。

「うっ!・・・・・・ぅぅっ・・・・・・」

 子宮口に当たる感覚が脳に響いた瞬間、私は軽く絶頂してしまい先ほどの悲鳴もなくなり室内は静まり返っていた。

「・・・・・・大人しくなっちゃって。そんなに嬉しかったのかい?」

 逸物に伝う赤い血栓。私の処女膜が破られたのだ。痛くて、痛くて・・・でも、少し嬉しくて、私はぽろぽろ泣き出してしまった。東雲さんが私のはじめてになってしまった。これはおかしいことなのかな・・・?

「はぁあぁ!ひっ、あぁっ、ふぁ・・・」

 部屋に音が戻ってくる。私の甘い声が漏れ出すと、東雲さんは腰を動かし逸物の出し入れを始めていった。
 ヌププ、ヌププと、私の膣内に挿入される大きな逸物が、全身を痺れさせて未だに身動きが取れなかった。

「身体が、動かない・・・。だめ、こんなの挿入されたら・・・ゾクゾクして、全身が貫かれて・・・全身性感帯にされちゃってる・・・」

 腰が無意識に浮き、再び絶頂に向かってひた走る。また、イっちゃうのを感じ取っていた。

「もう、やだぁ・・・こんなの、むり、だよぉ!・・・・・・勘弁して、くだ、さぃ・・・・・・」
「そうかい?・・・じゃあ、『これからは僕に従います』って言ってくれたら、やめてあげても良いよ――」

 この場に応じて最後に逃げるチャンスを与えてくれる。しかし、東雲さんは私の答えを分かっているようだった。

「――でも、本当にやめていいの?」

 私のイク寸前に、東雲さんのピストン運動がピタリと止まった。瞬時に燃え上がっていた快感が冷めていくことに私は悲鳴をあげて首を振って暴れていた。

「・・・ん゛あ゛ぁ゛ぁぁ!!」
「・・・なに?」
「も゛う゛・・・ゆ゛る゛びで・・・ぐだ・・・ざい゛!」
「ちゃんと言わないと。ほらっ、『僕に従います』って言ってよ」
「に゛ゃ゛あ゛ぁ゛ぁぁ!!」

 東雲さんの腰がビクンと動いた。私はそれだけで簡単に屈してしまった。

「わ・・・かりまひたぁ・・・。ひたが、い・・・ましゅ・・・からぁ・・・あぁ、はぁ、はっ、はぁっ」
「由姫は良い子だね。思いっきりイかせてあげるよ」

 東雲さんがベッドに縛りつけた両足を解放すると、私は東雲さんの腰に両足を絡んで放そうとしなかった。
 東雲さんはその状態でピストン運動を再会し、勃起した逸物を子宮口へ突きまくってきた。
 全身が痙攣して膣内が収縮し、逸物ごと千切り潰すほどの激しい絶頂が襲ってきたのだった。

「ひぐっ、あぅ・・・ひゃらぁ・・・ひゃめぇ・・・!あ!あぁっ!あああ!!」
 
 ドピュプシャアァァーー!ビュルビュルッ!ドビュッ!ドビュッ!

      原理はどうなっているのかな?

 私の膣内を満たす東雲さんの逸物からは大量の精液が吐き出されていた。
 一生残る烙印を子宮口に刻まれたような想いだ。
 熱く滾る精液の脈動を感じながら、身震いが止むことはなかった。

「可愛い、由姫・・・こんなに震えちゃって。これから毎日可愛がってあげる。楽しみだなぁ・・・」

 膣から引き抜いた逸物を労わりながら、私の泣き顔を見て恍惚する東雲さん。
 私は彼女のことを唯一誤解していたのは、御淑やかなお嬢さまなんかではなく、男勝りな王子さまのような独占力が強い人だということを知らなかった。


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 東雲さんを部屋に招き入れる。東雲さんの活躍は親も知っているので、今更私が断ることも出来なかった。

「この部屋に入るのも久し振りだね」
「そうだね・・・」

 口数少なく私は東雲さんを避けるように目を背く。後ろめたさがあるせいか、その身長はやはり本人を前にすると大きく感じられた。そしてパジャマの上からでも分かる東雲さんの特徴的な大きな胸の膨らみが復活しており、彼女の動きと供にパジャマの中で大きく揺れていた。
 先程はっきり見てそれは偽乳だと確信している。でも、その動きは実際に触らないと見分けがつかないくらい精巧な作りをしているように見えた。
 本人にすぐに疑問を投げたいたいけどそれができなくなっている。東雲さんの了承を得ずに私は潜入して情報を奪ってきたのだ。ここで東雲さんに喋ってしまえば努力がすべて水になる。
 私は私自身に捕らわれている――!
 だけど、東雲さんがこのタイミングで家にやってきたことは何かしらの原因があったからではないだろうか。自分がやらかしたことを思い返して、やり忘れていたことがないかを探求する。
 東雲さんの話を半分聞きながら、私の記憶を調べ直していく。
 ああ、完全犯罪を模索していた犯人はこんな気持ちで探偵に追い詰めれていたのだろうか、ものすごく胃が痛くてキリキリするよ!

「・・・・・・東雲さん・・・」
「嫌だな、そんな他人行儀な。もっと気軽に東雲ちゃんって言ってくれよ――」

 笑顔ではにかむ東雲さん。

「――僕たち友達なんだから」

 だけど、彼女の私を見る細目は決して笑っていなかった。怖いよ、すっごい怖いよ。戦々恐々とした思いに駆られているよ。

「・・・・・・し、東雲ちゃん」
「なに?」
「なに?じゃなくて、なにしに来たの?」

 私が喋るたびに喉の奥がチリチリ灼ける思いがした。高校になって初めて東雲さんがうちにやってきたのだ。理由もなく長年会っていなかった人の家に行こうとは思いもしないだろう。
 本題に入りながら東雲さんの様子を伺っていく。逃げる心得はばっちりだ。なにかあったら小動物の如く町中をかけまわる準備はできていた。

「突然やってきたから、びっくりしちゃって。私、なにかやらかしちゃったかなって?」
「やらかしたかね・・・それは楠木さんが一番察していることじゃないかな?」

 ドキンッと、心臓が身体の内から握りつぶされる想いだ。やっぱり、彼女は勘付いているのか――?

「僕の携帯画面、開いたら楠木さんのライムと繋がっていたもんでね。会話記録もないし、なにかを送ったみたいだけど削除されているし・・・そもそも、僕たちライムの登録なんか交換したかなって」

 会っていなければライムの情報交換なんて出来やしない。そういうことだ。画像を消すのではなく、アカウントを消すべきだった!なんという失態だ!

「あ、あれって、電話番号知ってれば自動で登録されるみたいだし・・・。私の画面開いたのも寝てる最中に偶然ボタンを押したのかもしれないよ」
「あくまでたまたまだって言うんだね」

 背中に汗をかいているのがわかる。白を切る私に鋭い眼光が突き刺さっている。もう私は東雲椿から逃れられない――。

「僕はさっきまで仮眠していたんだ。三度の食事より、再三行う部活動よりも、三度寝ることが好きだからね。つまり、僕の生活スタイルなんだよ」
「はぁ・・・」
「・・・あれ?喜ぶと思ったんだけどな。新聞部なら僕の情報を知りたいと思っているからわざわざこちらから出向いてインタビューをと思ったんだよ。起きてないと会話が成立しないだろ?」

 二人での会話で、一方が他方に質問をして情報を得るために行われるインタビューのためのわざわざ東雲さんはやってきたってこと?わざわざ逆指名の、私との密会での単独インタビューなんて報道者もとい新聞部として嬉しいはずがなかった。
 だけど、それは今じゃない。いまじゃないよー!

「インタビューはもういいかな・・・」
「楠木さんのために東雲椿本人が直接答えてあげるのさ。勝手に家探しされて間違った情報を持ち帰ったら困るだろ?」

 呆れたように彼女は言い放った。私の間違いを修正するために。つまりそれって――

「東雲ちゃん・・・まさか・・・・・・」
「ああ、見てたよ。楠木さんが僕の身体にくっついてたんだろ?凄いね、今の技術はどうなってるんだろうね。まさか僕も身体が勝手に動くなんて体験は初めてだよ」
「あ・・・ああ・・・あああ・・・」

 私は口を開けたまま声を戦慄いていた。それくらい動揺していた。

「それに、隠していた大人の玩具まで見つけられてしまって、自慰行為までされるとは思わなかったよ。楠木さんは昔から探すのは得意だったものね」
「本当に申し訳ございませんでした!」

 逃げることが出来ない私にはベッドの上で誠意をもって土下座をするしかなくなっていた。

「許してください!この通りです。なんでもしますから!」
「やめてくれよ。僕は楠木さんに怒ってるわけじゃないんだよ。・・・いいよ。もっと僕をいじめても。楠木さんなら、どんなことしても怒らないからさ」
「ガクガクガクカヒィー(((i|!゜Д゚i|!)))ガタガタ ガク」

 前回の言葉を流用するのやめてください!私のライフはもうゼロよ。死んじゃう!死んぢゃうからあぁ!

「だからさ、今度は僕の番だよ。楠木さんはいったい何を手に入れたのか僕は凄く興味があるんだ」


 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・

 私は観念して『接着剤』という商品を教えながら、東雲家でやっていたことを一部始終伝えていった。

「ふぅん。『接着剤』か」

 最初は疑惑で見ていた東雲さんも、話を聞いているうちに私が真剣に話すものだから、少しずつ信じているように頷き返していた。

「面白いものが世に出ているんだね」

 ようやく面白おかしく東雲さんが笑顔を見せていた。安堵が半分、それでも警戒を拭えないのが半分だ。

「それを使って東雲ちゃんの身体を動かすことが出来たんだ。東雲ちゃんもそう言ってたでしょう?」
「それは違うよ」

 私用していた私に反論する東雲さんに思わず口籠ってしまう。

「いや、語弊があったかもしれないけど厳密には違うんだ。詳しくは分からないけど、楠木さんはまだその域には到達していなかったと思うよ」

 東雲さんがなにを言おうとしているのか分からない。私の『接着剤』の使い方が間違っていたなんてどうして彼女がそう言えるのだろう。確かに私は『接着剤』を今日初めて使った。でも、ちゃんと透明になれたし、東雲さんにくっついたし、身体を動かしていたのは間違いなかった。
 それのなにが間違いだというのだろう。

「・・・どういうこと?」
「これを見てもらおうか」

 百聞は一見に如かずとばかりに、東雲さんは徐に立ち上がり着ているパジャマのボタンを外し始めた。

「なにをしているの!?」

 突然、部屋の中で上着を肌蹴て上半身を露出させる東雲さんに私は恥ずかしがって目を背けてしまった。しかし、目にどうしてもチラチラ入る彼女のたわわに実った乳房が目に入る違和感に、私はゆっくりと視線を戻していった。

      胸があるとは失礼なことをさらっという

「えっ・・・あっ・・・」

 私は声を荒げて驚いてしまう。東雲さんがなにを言おうとしていたのかを察していた。

「先ほどと何か違うか分かるよね?」
「うそっ・・・・・・あっ、れ・・・・・・?」
「なにが違うか言ってよ?」
「胸がある!」
「ご明察。これが僕の本当の身体だ」

 東雲さんの胸を見ながら私は叫んでしまった。Fカップはあるだろう豊満な乳房と、割れた腹筋は先程の身体にはなかったものだ。私とくっついていた時に見られなかったものが、何故いまになって現れてたのだろう。東雲さんはスペアボディでも所持しているのだろうか?テストの成績がいい私でも、学んでいない状況の最適解までの答えを簡単には導き出せなかった。

「じゃあ、さっきまでの身体はいったいなんだったの?あの、胸が異様に小さくて、偽乳のおっぱいに隠れていた貧乳はなんだったの!?」
「おそらくね・・・、あれは楠木さんの身体だと思うよ」

 東雲さんは私では絶対に導き出せなかった答えを手繰り寄せていた。私はそれを聞いて、なるほどと思った。その後すぐに恥ずかしくなった。

「わッ、あわわわわわ!!!」
「あの時、恐らく僕と楠木さんの身体がくっついた後、顔だけを残して身体が楠木さんの身体と同化してしまっていたんだ。実際パジャマがでかかったのは胸のサイズだけじゃなくて、全体が合ってなかったんだよ」

 確かに、私が立っていた時の東雲さんのパジャマはブカブカでサイズが合っていなかったと思う。動いていなかったこともあると思うけど、一回り違うパジャマズボンは放っておけば絶対に自然と体から落ちていたに違いない。
 それは当然だ。あの時、東雲さんのパジャマを着ていたのは、私の身体だったとすれば――

「気付かなかった・・・」
「楠木さんが気付かないのも無理ないよ。こんな経験はじめてだろうし、身長差も違ったところで、実際立った時に見ている視界の高さや広さなんて普段と変わっていなかったと思うよ。変わっていなかったからこそ受け入れてしまったんだろうね。鏡を見なければ実際身長差なんて気付くことが出来なかったろうし、部屋の大きさが違うだけで高低差なんて錯覚して気にならなかったと思うよ」

 今頃になって気付く衝撃の事実。いや、あの時、私に主導権を握られていた東雲さんは気付いていたのかもしれない。私と会話が出来ない状況で、私の視界を見ながらひとり悶々としていたに違いない。
 だとすれば、その後のこともすべて東雲さんは見ていたってこと――

「じゃあ・・・私は・・・私の身体でオナニーしていたってこと?」

 東雲ちゃんの玩具を使って、自分の身体でオナニーしちゃったってこと?感じ方が違ったように思えたのは、東雲ちゃんの部屋で普段と雰囲気が違っただけ?気持ちよかったと思えたのは、初めてディルドバイブを使っちゃったから!?ディルドバイブがなかなか膣内に挿入らなかったのは、もともと私の身体だったから――!!?

「まあ、うん・・・そういうことになるんだよね・・・」
「☆*――――――――――――――― ヾ(奇>Д<)ノキャー ―――――――――――――――*☆*」

 衝撃事実二頭目が投下され、私のライフは-4000を超えるオーバーキルで瀕死状態だ。ベッドの上でピクピクと呻くだけの哀れな死体となってこの世から消えてしまいたかった。

「・・・楠木さんの秘密を僕は黙っておいてあげるよ・・・・・・」

 優しさをありがとう。東雲さんの秘密を知りに行って逆に私は東雲さんに秘密を握られてしまったのではないだろうか。
 どうしてこうなった・・・本当なら交渉材料として相手を脅すことが出来るはずの証拠写真は、無残にも私自身を賎劣させるものに成り代わってしまった。他の誰にもばれるわけにはいかない。他人の玩具でオナニーするなんてどういう竿姉妹だよ!うわああああぁぁぁああああぁぁぁぁぁ!?!?!?!?
 こうなってはもう勝敗は決した。あとできる私の抵抗は責任転換か言い訳でしかない。

「ずるいよ!東雲ちゃんが最初から体育の時間でも着替えを見せてくれれば、疑うことなんかなかったのに!」

      もん☆

「だって、みんなの前で着替えるのって恥ずかしいんだもん」
「可愛いな、ド畜生!!!」

 同性でもドキッとときめいてしまった。こういう不意打ち本当にやめて欲しい。ぐうの音も出ない私の完全敗北だ。

「これが正真正銘の僕の身体だよ。目に焼き付けておいてしっかり新聞部から報告しといてくれよ」
「わかったよ。ばっちり撮らせてもらうね」

 自信を取り戻したようにポーズを決めながらスマホに写真を収めていく。私と違い、本物の東雲椿のポーズである。自信に満ち溢れた肉体美を栄えらせる、写真写りに慣れているポーズを見せつけてくれる。一人撮影会という貴重な時間を過ごして、私はデータを保存していった。
 画面に目を向けている私に東雲さんは表情を一変させた。

「はい。ありがとう。これで東雲さんの噂も消えると思うよ」
「うん・・・・・・」
「本当に誰だろうね。こんな素敵な肉体美を持っているのに、東雲ちゃんのことを男だなんて言う不埒な噂を立てる人がいるなんてね。でも、これで東雲ちゃんの無実は証明できるよ!私の方からも東雲ちゃんを弁護する証人としてこれから、守って、あげ、る、か・・・ら・・・・・・」

 ドスっ――

 突然、首の付け根に痛みを覚えた。刹那、私の意識が朦朧としはじめた。スマホを手から落とした私はそのまま何が起こったのか分からないまま気を失ってしまったのだった。




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 東雲椿に憑依してしまった。
 私の思い通りに東雲さんの身体が動き、私の心境を映して東雲さんの表情がコロコロ変化した。

「東雲ちゃん・・・東雲ちゃんになっているんだ・・・私・・・」

 女子バスケ部期待の新星の1人として注目されていて、私と仲良しの東雲椿を私が主導権を握って動かしているんだ。
 私が手をあげると東雲さんの手が動いて手をあげて――、私がはにかむと東雲さんが白い歯をのぞかせていく――
 私が思っていることを東雲さんにさせることが出来る。友達だと思っていても、主導権を握ってしまう服従関係は気分が良かった。もともと私の知る東雲椿は仲良くしててもどこか一線を引いているのが見え隠れしていたと思う。
 東雲さんは体育の時間は決まって休んでいたのだ――体調が悪いというのが主な理由だった。百歩譲って毎回体育の時間に体調が悪くなったと言えども、体育の授業を出席、欠席関係なく運動着に着替えなければいけない中、女子更衣室を使わず一人女子トイレで着替えるほどの徹底ぶりだった。それほどまでに体調が悪いのかと思っていたけど、そんな彼女がいま女子バスケ部で活躍しているのだから、東雲椿を知る人からすれば違和感として見えるだろう。
 運動嫌いだったわけじゃない。中学、高校で身長が伸び、成長期を迎えて女っぽくなり、ホルモンバランスが調整されて年々体調がよくなったと言えばそれまでかもしれない。しかし、それだけではどうしても拭えない不信感が東雲椿にはある。
 私はそれを確かめなければならないのだ。たとえ仲のいい友達だったとしてもだ――。
 そして、今こそ誰もが確かめられなかった真実の扉を開ける好機がやってきたのだ。

「・・・・・・ごめんね。東雲ちゃん。でも、これはどうしてもやらなくちゃいけないことだから――」

 プライベートを守る人がいれば、それを暴くことに使命感を持つ人もいる――。友達なのに相容れない関係になってしまったことを憂いながら、私は東雲さんがどうしても隠したがっていた秘密を公表しなければいけないのだ。
 そうすれば、一獲千金が手に入るから。

「・・・・・・東雲さんって、やっぱり偽乳だったんだ」

 秘密――いや、それは私が東雲さんに乗り移った時からそれはもう秘密ではなくなっていた。彼女にとって常に目を奪うほどの大きな美乳が、無くなっていたのだ。彼女の部屋には姿見はなかったが、パジャマ越しでも分かってしまう。サイズが合っていないパジャマの上着を一気に脱ぎ捨てて、上半身を裸にしてしまう。
 そこにある胸は普段の彼女にはあった美乳はなく、私と同じような小さな胸に変わっていた。東雲さんはブラをしていなかった。当然だ。この胸でブラをするのは貧乳が嫌で見栄を張りたい女子だけだ。
 身長と反比例の、小学生のような膨らみかけのおっぱいだ。というものの成長期である程度の重量感はあった。しかし、普段の彼女の胸の落差がAカップでもBカップでもAAカップのような残念感しか込み上げてこなかった。

      A secret makes a woman woman

 これが秘密――まるで男の子のような胸板に、私は東雲椿に対する憧れが希薄になるのを感じていた。
 彼女もまた見栄を張りたくて偽乳で自分を隠していた普通の女の子だった。いくらスポーツが出来ても、嘘をついて生活している彼女の魅力は今までの半減だ。心なしか、彼女の身長も私と同じくらいに対等になっているかのような気分がしていた。不思議少女のミステリアスな魅力がなくなったらこんなものか――私はついに、彼女の秘密の全貌を暴く時が来たと思った。

 つまり、最初の目的――東雲椿は男の子であるという噂の検証を始める時が来たのだ。

『そして別れる際、東雲椿は彼氏に言ったそうです。『私にもあなたと同じものが付いている』と――』

 部長が証言した確実な物証が、ズボンを脱げば露わになる。性別を象徴するシンボルのようなものが股座に全員付いているのだ。
 貧乳なのは男性でも女性でもありうる。しかし、シンボルだけは男女で明らかに違うのだ。
 東雲椿の性別が証拠になるシンボルがズボン一枚で隠されているのだ。しかも、今や誰も私を止める人はいない。私がズボンを下ろせば間違いなく秘密は完全に暴かれる――東雲椿にとって絶体絶命の状況に他ならなかった。
 しかし、それは友達という関係を完全に瓦解させるものだ。東雲さんが知れば絶対に傷つくし、許すことが出来ないだろう。確実に目に見える境界線の上に立っている。この線を越えれば東雲さんとの関係を引き返せないし、今まで通り東雲さんの関係を維持したいなら引き返すべきだ。
 貧乳を隠したかったという可愛い秘密を暴露するくらいなら許されるだろう。しかし、男の子だと暴露されたら二度と東雲さんと会うことは出来なくなるだろう。真実を明らかにされたら引っ越し確実だし、なにより東雲さんの立場が怪しくなる。
 そこまでする権利が果たして私にはあるだろうか――。
 友達を売る権利が果たして私にはあるだろうか――。
 私はいったい何様なのだろうか――。
 私は権利や金利のために、友達を売るような人間で良いのだろうか――。
 私が東雲さんを憧れていた気持ちは嘘だったのだろうか――
 ・・・・・・・・・。

「ちがう。だからこそ確かめるんだ」

 東雲椿の噂を確実なものにするためにここに来たんだ。
 東雲椿の噂の真偽を伝えるためにここに来たんだ。
 真実だったとしても私は東雲椿を友達だと思っている。裏切らないし、これからも応援し続ける。
 嘘だったとしたら私は東雲椿の身の潔白を証明し、友達だと思いながらこれからも応援し続ける。

「私は東雲椿のことを誰よりも気にかけている――大好きな友達だから!」

 私は東雲さんの穿いているズボンをつかむ。後は下ろしていくだけで、シンボルは露わにされる。

 知りたい。東雲さんのことを――。
 誰よりも、私が最初に秘密を共有したい――。

「東雲ちゃん・・・ズボン、下ろすよ・・・・・・」

 ぐっと力を入れる。自分の手がショーツごと握り下ろさんとしているのがわかる。
 私は勢いよく腰をかがめながらズボンを下ろしていった。
 ズボンの裾を踏んでいることも気付かないまま私はあっという間にズボンをストンと床に落としてしまう。そして、足から抜いて全裸へとなった東雲椿の肢体を眺めたのだった。
 ・・・・・・・・・。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。あっ、あはは・・・・・・あはははは・・・・・・」

 楠木由姫は笑ってしまった。
 東雲椿は笑ってしまった。

 その身体の股下には、うっすらとスジの入った女性器が見えたのだった。
 明らかに男性器のシンボルは存在しない。
 外気に曝された勃起している肉棒は彼女の身体にはついていなかったのだ。

「当然よね。そんなもの、最初から感じなかったし。東雲さんはれっきとした女の子よ。うん。マンスジがある・・・!」

 当たり前のことを喜びながら声を張り上げて宣言している椿(私)におかしくなってしまう。全裸になったままマンスジを弄りながら喜んでいる由姫(私)を見たら、東雲さんは『おかしくなった?』と私をなじってくれるだろうか?
 だから――私は東雲さんの携帯を手に取ると、彼女の部屋にある箪笥や机の引き出しを勝手に開けていく。Fカップのブラが並ぶ箪笥を見つけると、見栄に飾られた中身を写真に収めていく。それだけじゃなく、引き出しの中にあった大人の玩具―それは女性が使う男性の肉棒の形をしたディルドバイブだった――を見つけてしまう。私はそれも写真に収めていく。そして最後に、東雲さんの全裸ポーズで自撮りを収めると、私のSNS‐ライム‐を登録させて写真を張り付けると、自分の携帯へと飛ばしていったのだ。これで、東雲さんの秘密を共有することが出来たのだった。これをもって私の潜入捜査は終了したのだった。

「結局、東雲さん一番の秘密は、彼女も大人の玩具を持っていることだったじゃないか」

 電源を入れるとウインウインと、機械的な音をあげながら、うねり始めるディルドを見比べる。これを使って彼女もオナニーをしているのだろうか・・・。

「まだ時間あるし・・・せっかくだから、この身体でオナニーしてみようかな☆」

 私はベッドにもたれかかると、マンスジから溢れる愛液をディルドーに塗り付けながら、ゆっくりと彼女愛用のディルドーをおま〇こに呑み込んでいったのだった。



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 東雲椿‐しののめつばき‐には秘密がある――

 秘密と言うのは他人に知られないようにすることで、隠して人に見せたり教えたりしないことを言っているので、当然私、楠木由姫‐くすのきゆき‐も東雲椿の秘密を知らない。
 つまるところ、学園には彼女のそういう噂があるということだ。期待していたら申し訳ないけれど、断言した割には確定要素は薄く、未確定要素が多いのが実情だ。

「でも、彼女の噂の真実が明らかになれば、新聞部の私たちの株は鰻登りになると思わない?」

 部長は私にそう話を持ち出していた。新聞部と言うだけあり、学園の情報を随時報告することが部活動である私たちには、常に更新を待っている人たちがいる。言い換えれば平穏とは無関係で、心の中では常に争いを望んでいるような部活動なのだ。
 噂というものは特に私たちの部活動は好みやすい。煙が立たないところには噂など立つはずがない。一度あがった煙からその情報源を探し当てるのは、実はとても容易いことだったりする。
 百聞は一見に如かず、殺人鬼を見たと聞いて騒ぐ人ではなく、殺人鬼を見たという人を発見すれば、その時点で噂は確定する。より親密な想像図を構築して殺人鬼を描けば、カーテンの向こう側に殺人鬼が現れる――それを記事にすればいい。私たちは事件ではなく、噂を求める新聞部なのである。

「東雲さんと楠木さんはクラスメイトよね?」
「そうですね・・・」と、私は、部員たちの質問に頷いた。
「だったら、東雲さんと会える機会は他の部員よりも多いわけだ」
「早速だが、取材してきてくれないかしら?」

 部員たちは言いたい放題である。誰とて秘密の一つや二つあることは当然で、法律でプライバシーは守られている。それを暴こうとすることを本人が了承するとは思えないのだけれど・・・。

「本人にですか?それは――」
「まあ、無理でしょうね。だけど、今やマスコミも注目する女子バスケ部の東雲椿の秘密が明らかになれば、新聞部の部費は跳ね上がるわ」
「遂に正体を現しましたね!?」

 金、金、金。新聞部として恥ずかしくないのだろうか。
 他人のプライベートを踏み躙ってまで部費が欲しいのだろうか。

「部費が出れば行動の幅が一気に広がるのは当然でしょう。女子バスケ部が期待の新星として売れているうちが私達新聞部の飛躍の大きな好機でしょう。一度部費があがれば下がりにくいんだから、なんとしてでも女子バスケ部の秘密を暴露させなさい!彼女たちも当然名が売れればマスコミの餌食になることくらい分かって行動しているのですから」

 流石部長。他人のプライベートで食べるご飯は美味しいか?
 とはいえ、新聞部として入部している以上、心を鬼にして学生の欲しい情報のために活躍しなければいけないのも事実だ。特に女子バスケ部は学生だけじゃなく国民まで新鮮な情報を求めているくらい人気が高まっている。一大スクープをものにすれば、新聞部の活動が大きく前進する。
 私も欲しかった、新型の一眼レフカメラのために――!!

「東雲椿。女子バスケ部所属。ポジションはCね。身長182cm 体重55kg。スリーサイズは91-59-84ね」
「スリーサイズが分かれば、その情報でいくらかお金になりませんかね?」
「重要なのはそこじゃないの。実際これも噂よ。虚偽の可能性もあるわ」
「なら自信満々に言わないでください。ひょっとして部長が発信源じゃありませんよね?」

 噂の多くは嘘だ。本気と捉えて踊るだけ馬鹿を見てしまうものだ。部長の情報源はツッコミどころ満載で素直に喜べない。常に疑惑を抱き確信へ昇華させなければいけない大事な仕事である。

「さすがよ、楠木さん。新聞部として素質を持っているだけあるわね」
「はぁ・・・」
「じゃあ、この情報でなにが疑わしいか分かるかしら?」
「そうですね。・・・恵まれた体型をお持ちで――」
「そう言うのを聞きたいわけじゃないの」
「――身長と体重に対して、スリーサイズが合っていないのではないのでしょうか?」

 一見ありそうな身長と体重だ。男性なら間違いなく野球部員でいそうな数字の並びだ。細身で長身なら走力さえあれば十分選手として使えるレベルだ。しかし現実問題、女子バスケ部の選手でセンターを勝ち取った選手としてスリーサイズがあり得ないほど高いのだ。まるで、アイドルのような数値を記録しているのはおかしいと思ってしまう。記載している情報が見栄による虚偽申告だったら面白いが、実際彼女を見ると、スリーサイズに似合う身長と体重、そしてスリーサイズを持っているのである。私服はゴスロリファッションを通す東雲椿は女子バスケ部でも人気の女性であり、試合とプライベートのギャップが一番激しいとされる人物である。
 だからこそ、誰もが彼女ならその数値で間違いないと思ってしまう。彼女だから許されることだ。

「実はね、ここから東雲椿の秘密の本題に入るんだけど――」

 部長がそう呟いて声を落とした。
 そう言えば、私は東雲さんの噂を未だに知らなかった――。

      疑惑

「東雲椿は男かもしれないのよ」
「・・・・・・・・・はあ!!?」

 部長の探してきた噂があまりに荒唐無稽な内容に思わず叫んでしまった。
 マスコミにも注目されている、女子バスケ部にまさかの性別虚偽申告疑惑――そんなことが事実だった場合、女子バスケ部は部活動すら大変なことになるのではないだろうか。いや、前代未聞の女子バスケ部の大事件の余波で新聞部の部費が増えるどころか自粛方針になるではないだろうか。
 まさに諸刃の剣だ。

「うちの部、潰す気ですか?いえ、学校が潰れますよ!?」
「学校が潰れたら、マスコミにネタをさばいてでも部費にするわ」
「学校がないのに部費とは如何に!?」

 今や国民的にも有名になっている女子バスケ部だ。この噂が真実だった場合、マスコミは喜んでネタを買ってくれるだろう。まさに一獲千金の極上ネタだ。
 部長は既に勝ったと言わんばかりに強気な姿勢を崩していなかった。

「この噂は私も自信を持っています。なにせ、彼女の一人称が『僕』っていうのですから間違いありません」
「・・・・・・いえ、その理屈はおかしいです」
「部長に指図するのか!?」
「今時、ボクっ娘なんて珍しくもありません。偽乳やふたなりの証拠でもあれば信じますけど」

 男性と女性の違いが明らかに分かるものであればいい。しかし、未だに部長は強気な姿勢を崩さなかった。

「フッ。その証言があるといえば信じますね」
「えっ?あるんですか・・・?」
「東雲椿に彼氏がいたことはご存知で?」
「知りませんでした!」
「当然です。東雲椿自身否定してましたからね。でも、元彼は頑なに彼氏だと叫んでいたそうです」

 と、いうことはこの噂は元カレからの情報源か・・・。

「そして別れる際、東雲椿は彼氏に言ったそうです。『私にもあなたと同じものが付いている』と――」

 ・・・・・・・・・。

「彼氏は言葉を失いながらも、確認するために自分の股間を指したそうです。彼女はそれを見て、コクンと頷いたそうです。これが全貌です。彼女は自ら、自分にもおち〇ち〇があると認めたのです!」
「それだけ元カレと別れたかったのではないのでしょうか?」

 どうしてもその情報源も偏りが強い気がする。

「この証言で記事にしても良かったのですが――」
「絶対やめた方がいいと思います」
「それを調べるのも新聞部の務めです。取材が出来ないなら張り込んででも、彼女のプライベートを盗んでくるのです!」
「そんなぁ・・・」

 結局、下に皺寄せが来るんだ。噂を確かめるために足を使って情報を掴んでくる。
 厳しい労働時間だ。もっと楽に、短時間で東雲椿のプライベートを知ることはできないだろうか――
 そんな私を見て、部長は本件とは別に一つの噂を持ちだしてきた。

「そう言えば、楠木さんは知っているかしら?――他人に乗り移れる『薬』を販売する闇サイトの噂を?」


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