夏真っ盛りの体育の授業。プールの時間では炎天下の気温を避けるように水の中で生き生きと泳いでいた。はしゃぎ声をあげながら水遊びする女子生徒たち。遠巻きで見ていた男子生徒に女子生徒たちが気付いて叫ぶ。

「あーちょっと男子がイヤらしい目で見てる~」
「こっちみんな!」
「どこ見てるのよ~キモい~」
「誰も見てねえよ!」
「調子に乗るな、ブス!」
『なによ!!』
『なんだと!!』

 慌てて否定する男子たち。女子たちの疑いの眼差しを持たれたら最後、いくら自身のスタイルを過信だとしても、女子たちは聞く耳を持たない。そうして始まる男女同士の水泳の喧嘩は夏の風物詩として語られる。

「やれやれ、バカばかり・・・」

 醜い争いを嘲笑いながら、水泳の授業をサボっていた俺、吉田章‐よしだあきら‐は一人女子生徒の水着姿を見ているだけで暑さを忘れて涼しさを覚えるのだった。
 遠巻きに水泳に夢中になる女子たちを眺められる特等席。それが水泳の授業のさぼり時間。プールの冷たさを犠牲にして灼熱の陽ざしを浴びることで得られる至福の時間。45分間の女子生徒の水着姿をひたすら見続けられる俺は一人悶々とした想いをため込んでいた。

「勝ち組とは常に冷静な対応をしているもの。沈着な態度で心を冷やし、癒しの時間を過ごすのだ」
「なにバカなこと言ってるのよ・・・」

 何故かクラスの輪から外れてクラスメイトで幼馴染の日向夏美‐ひなたなつみ‐がやってきていた。

「そんなこと言えるくらい元気なら一度でいいから授業受けなさいよ。毎回体育の授業サボってるけど、通知表に響いたって知らないから」
「体育なんて別に必須科目じゃないだろ。放っておいてくれ」

 体育の授業は女子生徒の体操着やら水着姿を観賞できるお楽しみ時間。汗を掻いて身体が汚れるくらいならジッとして目の保養に費やしていたっていいはずだ。授業時間どう使おうが勝手な話だろう。

      目の保養・・・間違いない

「はぁ・・・。運動した方がいいんじゃない?普段からなにもしないんだから」

 夏美は水泳部だけあり帰宅部の俺に強く当たる。

「お腹まわりも贅肉が乗ってるし。最近太ってきたんじゃない?この歳で肥満になったら後々が悲惨だわ」
「なんだと・・・!」

 いちいち五月蠅い・・・幼馴染ということで親と仲が良いせいか、最近余計なことまで言い始めてきやがった。自分が運動してるんだから俺も同じくらい努力しろとか同調意識が本当に気にくわない。
 運動しか楽しいことを知らないやつはそれだけやってればいいじゃないか。わざわざ俺に構ってくるな。

「まったく、章は普段からやる気がないのがいけないのよ。格好良いこと言うくせに態度が伴っていないんだから、そこだけ直せば少しは――」
「ぷーくすくす・・・」
「まーた怒られてやんの」
「痴話喧嘩はじまってるしー」

 クソが!いつもサボってる俺を槍玉に挙げて周囲から笑い者にされる。真面目なやつが正しいと思ってる限り、夏美は今後も俺に関わってくるだろう。
 静かで穏やかな生活こそが俺の目標だ。今までは黙っていることが唯一日常を守る術だと思っていた。障害になる夏美の言い分を聞き流すだけだった。
 だが、これからはそんな日々は終わる。見せてやる、夏美。先日、俺が手に入れた『人形』の底力を――。

      人形サイズの幼馴染

 俺は『人形』を取り出した。その『人形』はモデルとなる人間と全ての関節や状態を共有している代物だ。例えば、『人形』にポーズを付ければ本体も同じポーズを取り、『人形』専用の服を着せれば本体の服装も瞬時に変わるという――そんな摩訶不思議な『人形』を俺は手に入れたのだ。
 既に『人形』は夏美をモデルにして同じ成りをしている。そして、俺が用意した『人形』専用水着を着せた状態で持ってきていたのだ。あとは『人形』を夏美本人の目の前に翳してやるだけで、夏美は俺の『人形』と同期するのだ。

      きわどい水着(それほどじゃない)

『人形』を翳してやると、夏美が『人形』と同じ姿に変わったのだ。俺の目の前で一瞬にして競泳水着から際どいビキニへと変わっていたのだ。

「おいおい、日向。その水着は過激すぎやしないか?」
「え・・・えええ!?な、な、なにこの水着!!?」
「それとも、俺に見せたかったのか?イヤらしい女だな。くくく・・・」
「ウソだ!?だって、さっきまで普通に水着着てたのに・・・」

 慌てふためく夏美だが、変わったのは衣装だけじゃないんだぜ。

「う、動けない!?なんで!?どうしてよ!?」

『人形』と同期した身体はもう夏美の意志じゃ動かすことが出来ないんだぜ。俺の手の中にある『人形』を動かすことで夏美の身体が同じように動いていく。
 自らビキニブラを持ち上げて乳房を曝し上げる。真夏の日差しを浴びる白い乳房と可愛く桃色に染まっている乳首が顔を出した。

「きゃあッ!?や・・・やだぁ!おっぱい見ないで!見ないでったらぁ!!」
「そんなことないぞ。他の生徒より身体が鍛えている分、夏美はスタイル綺麗だしな。おっぱいも想像以上に形が綺麗だ」
「見せたくて見せてるわけじゃない!いやあぁぁ!!」

 むぎゅうっと、乳房を寄せて深い谷間を作る夏美が恥ずかしさから叫び声を荒げていた。
 ふはは、いいぞ。生意気なこと言っておきながら、非常事態が起こったらまるで子供のように喚きだしたぞ。いい気味だ。それに今までやられ放題だっただけにとってもいい気分だ。
 どんな女子生徒を覗き観察していても、今度からは夏美を使って色んなポーズを取らせることも出来る。俺の好きにできる『人形』の完成だ。
 そんなことを思っていたら、俺の身体が熱くなってきた。人生において初めて、やる気が出てきたといっても良い。
 服を全て脱いで裸体を曝した俺は、夏美の身体を操り抱きつかせた。

「ちょっ、ちょっと!?」
「夏美の言う通り、運動したくなってきたよ。俺とセックスしようぜ」
「う、ウソでしょ!?そんなの・・・・・・ダメぇぇ!!!」

 夏美がいくら叫ぼうが、夏美の身体は俺の身体を慰めように身を寄せて胸を宛がってきたのだった。


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