純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

カテゴリ:グノーグレイヴ『スライム・寄生』 > 柔軟剤『満たされる愛を』

 家に帰るなり、俺は満里奈と供にシャワーへ駆け込んだ。 
 町内を走りまわった俺は汗まみれだったこともあり、匂いを気にして離れようとした俺に対してずっと満里奈は腕を組んできた結果だ。

「私も藤二くんとお風呂入る♪」

 そう満里奈が言ってくるのは必然だった気がする。狭いお風呂場で引っ付きながらシャワーを浴びる。
 意識しなくても満里奈の裸をチラチラ見てしまう。

(身長も小さくロリ顔のくせに爆乳という反則急の恵まれた身体。ムチムチなお尻を触れても致し方ないよな)

 男性なりに下心が出てきてしまう。それはそうだ。何故なら今俺たちは彼氏彼女になったのだから。

「あっ・・・」

 ビクンと強張らせた満里奈も察して俺の好きなように触らしてくれる。散々他人の身体で迫ってきた満里奈を今度は俺から攻めるというのは感動もひとしおだ。金具で留まっていない生乳房を触れると、温かく重量感があるのに触れれば柔らかく形を無尽蔵に変えてくれる。好奇心に任せて指先で乳肉を押してみると、思った以上におっぱいは奥まで導いてくれた。満里奈のおっぱいの柔らかさ以上に触ったことはない。押し返してくる感触も気持ちがいい。
 触れれば触れるほどどんどん欲求が湧き上がってくるほどだった。
 満里奈がシャワーで身体を洗っている間長く触っていたいと思っていたのだが、それで満里奈が我慢できるはずはなく、

「はい。身体を洗ったよ」

 俺にシャワーを渡してくる。そして、身体を入れ替えて俺を鏡の前に立たせた。

「身体洗ってあげる」

 そう言い真っ先に俺の逸物を掴んでくる。

「シコシコシコシコ♡」
「お、おう・・・!」

 せっかく洗ったばかりの手にボディソープをつけて俺の逸物を扱き始める。ぎこちない割りにしなやかな手の動きを敏感に感じてしまい、俺はたまらず声を荒げた。
 満里奈に扱いている状況に酔いしれとても気分が良かった。満里奈がそういう態度で来るなら、俺も先程の続きとばかんりに目の前の爆乳を揉みし抱いた。

「あ、あぁ・・・♡」
「うぅう・・♡」

 俺たちはベッドに着くまで我慢できず、お互いの身体を好きなように乳繰り合った。
 お互い満足するまで一時間ほどそうしていた。
 浴室でじゃれ合い続け、ベッドに着くころには性も根も尽き果てていた。
 行為の後のようなまったりとした空気で横になって寄り添い合っていた。

      告白

「えへへ・・・」
「なんだよ、ニヤニヤして・・・・・・」
「藤二、大好き。私と付き合ってくれてありがとう・・・」
「俺もだよ、満里奈」

 お互いに布団の舌で足を絡ませあう。
 セックスとはまた違った人肌の安心感と幸福感に満たされていく。

「ああ・・・、私いま本当に幸せなの。こんなに他人に触られたことないかも。今まで私たちはただの幼馴染だったのに、今は藤二のことが愛おしくてたまらない」

 片想いから両想いになれたことに泣いているのかと思った。こんなことを平気で言ってくるのだから恥ずかしいやつだ。俺は照れ隠しのようにまた満里奈の乳房を揉み、ぷにぷにと、甘えるように胸を突いてみた。

「あはっ♪藤二ってば、そんなに私のおっぱい気に入ったの?」
「うん。こうやってずっと触っていたい」

 ツンツンとどこを押しても優しく押し返してくれる。満里奈のおっぱいってすげぇ。女体の神秘を感じずにはいられなかった。

「この胸コンプレックスだったのに、・・・ん・・・・・・でも藤二の前でなら気にせず曝せるからいまは平気」
「俺以外の男に見せたり触らせるのはダメだからな」
「誰も見ないし触らないよ。藤二こそ、他の女にちんちん触らせたらダメだからね」
「そうならないように毎日性処理してもらおうかな?」
「うん、任されたよ。いつでもちんちんしゃぶっちゃうから♪」

      この唇で・・・ゴクリ

 会話をすればするほど満里奈のことが愛おしくなる。自然と俺たちは顔を近づけていた。
 満里奈も目を閉じ、唇を差し出してくる。

「ん・・・」
「んむぅ・・・。ちゅっちゅっ・・・♡」

 小さく何度も唇に触れる。性欲だけではなく、愛情を求めるキスでお互いを求めあった。
 強く抱きしめ、お互いが手を後ろに回して密着度を高めて胸板同士を合わせ合う。上から順に重ねていくように、お互いの性器も合わせるようにゆっくり挿入していった。
 硬くなった逸物をずぶ濡れになった膣内に挿入して温めていく。腰だけを動かす微弱な振動だが、襞に擦れるヌプヌプという水音が部屋には響いていた。
 満里奈の身体から発散する柔らかくて良い匂いのおかげで気持ちがいい。勃起した満里奈の乳首をしゃぶりついて吸い付くと、膣内が轟くほど締め付けてきた。

「あっあっ、藤二・・・私、いっちゃいそうだよ♡」

 何度目になる絶頂を感じ、満里奈が請いていた。
 俺はさらに腰を激しく突き上げた。
 いいんだ、何度でも――愛で満たされるまでイケ!

 パンパンパンパン――ぬちゃぬちゃぬちゃ――

「お、おぉぉ・・・♡そ、それ、だめぇぇ・・・!あっ、あっ、いっ、いく、いくぅ!あっ―――――っっっ!!!・・・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・はぁ。・・・・・・もぉ~。これで何度目?まだこんなに出るなんて♡」

 子宮が精液で満たされ恍惚の表情を浮かべる満里奈。俺も出し過ぎて汗が止まらない。精液を搾り取られる感覚は何度でも飽きが来ない快感だった。

「ふぅ~。汗かいちゃった?またお風呂行かない?そしたらあともう一回くらいは出来るよね?」

 あれだけ出してもまだ再戦要求する満里奈の底知れない技量に驚く。これはまだまだ満ち足りなさそうだ。

「ねえ、良いでしょう?ねぇねぇ~♡お願ぁい・・・♡」
「ま、まだ挿入ってるからあぁぁ!!」
「えへぇ~♡またまた硬くなってきた!ほら、もっとパコパコしようね!」

 あ、これヤバイやつだ・・・。
 満里奈の目覚めた性欲に限界が無いことに気付いた瞬間だった。


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 公園での姉妹での行動を目の当たりにしてしまった俺は、慌てて満里奈の家に駆け付けたのだった。
 これ以上迷惑をかけないため。満里奈の想いが暴走している以上、どうにか止めたいと思ったからだ。

 ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン

 気持ちが走って、何度も呼び鈴を鳴らしてしまう。まるで普段の満里奈みたいだ。はやる気持ちが抑えられないのに、それを知らずに着替えをマイペースで進めているのが俺だ。いったい満里奈はどんな気持ちで俺を待って呼び鈴を鳴らし続けていたのだろうか――。

 ピンポンピンポンピンポンピンポン――

「あらっ、藤二君。久し振り」
「ごめんなさい、おばさん。夜番遅くに」

 きっと言いたいことはあっただろう。俺の顔を見た瞬間にすべてを許して微笑んでくれる満里奈のお母さんのは流石だった。

「あの、満里奈さんはいらっしゃいます?」
「ちょっと出掛けてくるって、外出ちゃったの」
「どこいったか分かります?」
「さあ、どこだか」

 仕方ないな。
 ここからは探すしかない。広い市街地とはいえ、幸いなことに満里奈は車を所有していないから遠くまではいけないだろう。
 大人になって夜道をひた走る。
 家で待たせていればいつか必ず帰ってくると知っていながら、それでも俺は満里奈に今すぐ会いたいという思いを抱かずにはいられなかった。

 ――商店街。――駅前。――学校。――公園。

 市内にある目ぼしい場所は虱潰した。満里奈が他に行きそうなところを思い出すも、むしろあの性格だ。目を離せばどこへでも行ってしまうに違いない。
 一か所に留めて置く場所があるとすれば――一瞬で心を奪うほどのものがあるとすれば、それはいったいなにがあるかと考えるとすれば、桜並木の通りを思い出したのだ。
 汗の大きい玉が額から噴きだしている。体力だって底を尽きかけている。しかし、最後の力を振り絞って行ってみる価値はあると思った。

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 こぎりに教えて(口を滑らせて)もらった場所は、市で管理している市民では知らない人もいない公園だった。俺でさえ高校の時に通学路などで利用させてもらった公園の一角だった。そこにある水のみ場だった。

『喉が渇いたからそこで水で飲んだら、彼女の中に入り込んじゃったの――あっ!藤二くぅん!?』

 俺は急いで駆け付けて公園に向かう。動かせるものじゃない。それはすぐに見つけることができた。
 だけど――。

「ううっ、気持ち悪い・・・・・・」
「しっかりしろよ、志信‐しのぶ‐。飲みすぎなんだよ」
「頭揺らさないで。ぐわんぐわんするの~」
「揺らしてねえよ。勝手に揺れてるんだよ・・・・・・」

 お酒に失敗したOLが、年下の男に引っ張られるようにして公園にいたのだ。面影が似ている様子を見ておそらく姉弟だろう。千鳥足で歩くのもままならないのか、男の肩にもたれて歩くのが精いっぱいの様子だった。人一人を引っ張ってくるのでも大変なものだ、男もまた疲れた表情を見せていた。

「少しは歩けるようにならないか。うちまではもう少しなんだからさ」
「うんぅぅぅ・・・・・・・・・?」
「水でも飲んで酔いを醒ませ。ほらっ」
「あっ――!」

 男が女性に例の水場で水を飲ませてしまう。俺が止めるよりも先に彼女はそれに口をつけてしまった。
 ゴク、ゴクと喉を鳴らしてしばらく飲む。男は良かれと思ったに違いない。でも、それは悪手だ。

「・・・・・・えへへ。とーじくぅん」
「誰だよ、そいつは?彼氏か?」
「うん。しょう!」

      姉の面影を持つ弟はどんな顔してますかねー

 ニコニコと、酒の力で彼に詰め寄る。目が据わっているのが分かるのは俺だけだろうか。
 俺には分かる。あれは、あの様子は間違いないく満里奈だ。
 志信という女性の身体に入りやがったんだ。

「し、志信・・・?なんか様子おかしくない?」
「うんぅ?私は普通だよ?」

 酒に弱い満里奈が普通でいられるはずがない。弟の方も分かったのだろうか、マジマジと弟の顔をのぞく志信の奥にある獣のような眼光を。
 ズリ・・・
 先程まで一歩も動けなかった志信が弟に詰め寄る。

「ね。キスしようか?」
「本当に誰と間違ってるんだよ!?ンぅ―――っ!?」

 動揺している弟のことなどお構いなしに、志信(満里奈)は俺の目の前で唇を奪ったのだった。


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 振り向いた先にいたのは、意外な人物だった。
 少女だった。
 ののと同じ年齢の女の子だろうか、同じ体操服を着ているので、ののの知り合いであることは間違いなさそうだ。
 むしろ、そうでなければ逆に不安になる。俺はその女の子のことを知らないのだから。

「こぎりちゃん?なんでこの家に来たの?」
 
 のの(満里奈)の言葉から出る友達の名前、体操服から察するに澤居こぎりという子に疑問を抱かずにはいられない。確かにそうだ、知らない人の家に勝手に入っちゃダメだってお母さんに習わなかったのか?と言いたくもなる。
 さらに状況は最悪である。ののという友達を犯した賢者タイムの時にやってきたのだから、少女からしてみれば俺はどのように映っているかなんて考えなくてもわかるだろう。
 友達を犯した犯罪者にしか見えない。これは非常にまずい事態である。
 怒っているのかどうかも怪しい表情で、こぎりは俺に近づいてくる。そして、何も言わないまま唇を奪い、舌を絡ませて少女の唾液を差し出していた。

「ん・・・んふぅ・・・・・・はむぅ・・・・・・ちゅび、ちゅぶ・・・・・・藤二君。ワタシにもして・・・・・・」
「お、おまえ・・・・・・満里奈か?」
「ん・・・・・・そうだよ」

      こげ・・・

 こぎりもまた、満里奈の精神が入った被害者だった。ののとこぎり、二人の少女を満里奈が乗っ取っている。

「こぎりちゃんも・・・・・・わたしなの?」
「ののも・・・・・・ワタシだね」
「わぁい!こぎりちゃんと一緒だね!」
「私たちお揃いだね!」
「呑気なこと言ってる場合か!?」

 満里奈のお惚けに頭が痛くなる。二人で抱き付かなくてよろしい。
 ののの友達のこぎりまで来て、一体満里奈はなにをしたいんだ。

「いったい、なにしに来たんだよ?何が目的なんだ・・・」

 いや、そんなことは聞く前から分かっている。そういう行動を促しているじゃないか。

「藤二君とセックスしたい」

 他人の身体を使って、俺とセックスすることを目的にしている。
 俺が満里奈を拒んだから、他人の身体を使ってセックスすることだけを目標にして欲望のままに行動している。
 他人の身体が傷つこうと構わないと、俺にセックス中毒へ誘わせて今日だけで3回も出しているんだ。

「無理・・・・・・無理だ」

 こぎりが悲しい顔をしていた。自分のルックスじゃ満足していないのと、そのつぶらな瞳が訴えかけていた。

「ああ、そういう意味じゃなくて・・・・・・いまヤったばかりで、休憩がほしい。少し休めば、また回復するかなって」
「なんだ、そういうことか」

 ぱあぁっと、屈託のない笑顔で元に戻ると、ののと一緒に頷きあった。

「そうだよね。藤二君の身体は一つしかないもんね。ちょっとくらい休み欲しいよね」
「じゃあ、見てて。せっかく友達同士揃ったんだし、藤二君に私たちのれずれずを見せてあげるね」

 計画していたわけじゃないのに、阿吽の呼吸を合わせるように二人は俺の前で大人の色気を見せ始めた。


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 二人でお風呂からあがり、二人で部屋に戻る。
 先に例えた風俗プレイの続きで言えば、準備が整い、ベッドで本番をするというもの。藤二の中に緊張が走る。それは、藤二の中に拭えない背徳感がまだ存在していたからだ。
 霧島ののという少女の身体を乗っ取ったまま、満里奈とセックスすることが、本当に正しいのかという疑惑が尽きない。不安や焦りが緊張を生んでいる。まともな思考をする決断を迫られる――。
 当たり前のように、いけないに決まっている。誰に相談しても、愚かしい行為を今すぐ取りやめるべきと諭されるであろう。
 つぶやけば炎上、自慢すれば通報される。
 そんなことは藤二だって分かっている――。

 ならば、黙っていればいい。

 携帯端末の復旧や情報社会の伝達速度で確かに漏れだした情報は人目に付きやすくなり、不祥事が起これば忽ちにおいを嗅ぎつけて部外者がやってきては団結して貶し始める。
 しかし、そんなものに屈することなく己を貫き臭い物に蓋をすればどうなる。これから起こるであろう少女との行為を見せつけることができる。
 妬みの声も、嫉妬の罵声も、すべては羨望の眼差しを浴びるに等しいこと。
 世界を救った英雄の扱いとなにが違おうか。
 のの(満里奈)は了承している。あとは藤二のみの決断に委ねられている。藤二さえなにも言わなければ表立たない完全犯罪。
 くすぐられる炎上行為。自己犠牲と真逆の、――自分勝手の愚かな行為。
 卑屈、体裁、評判――なにを言われてもすべてを受け入れた先に快楽がある。
 英断を――――

 藤二にはもう震えていなかった。

「あのさ・・・」
「なに?」
「なんで、服着てるの?」

 のの(満里奈)は身体を拭いた後、何故か着てきた運動着を身に付けていた。ブルマにまで足を通しており、ののの素肌を隠してしまっていた。しかし、それにはのの(満里奈)の考えがあった。 

      ドヤ顔

「この格好でしてあげるよ。藤二君って体操着好きでしょう?」

 のの(満里奈)の中でコスプレをしたいのだろう。藤二の中で現実離れした快楽が其処にはあった。

「えい!・・・藤二君!」

 ののの身体で飛び跳ね、藤二に体当たりする。二人でベッドに倒れこんだ。
 少女の身体で藤二を倒す勢いがあっても、ベッドに沈むのはほんの少しだった。軽い体重を被せられても苦しくなく、むしろ体操着の上からでも感じるほどの胸の柔らかさを味わうくらいはできた。

「藤二君・・・・・・ンン・・・・・・」

 顔を近づけ、キスを迫るのの(満里奈)。奈々の時と同じように主導権を握り藤二を快楽へ誘うつもりだった。
 しかし、ののの唇が届く前に行動を移したのは藤二の方だった。


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 話を戻して――
 神保町にある町公園には多くの住民が使用している。商店街が近い、駅に近い、学校に近い、住宅街に近い――、町の一角にある大きな公園には、赤ちゃん連れの親から小学校帰りの子供、運動目的の社会人、日向ぼっこを楽しむ日和見主義の老人まで訪れ、町公園にしては夜まで人が訪れない時間帯がないほどである。
 キャッキャッと賑わう公園では男女入り混じって学校帰りの子供たちが、運動着のままソフトボールをやっていた。ガキ大将といわんばかりの元気のいい男の子を筆頭に、柔らかいゴムボールを投げてはプラスチックのバットで打ち返しては素手で構えてボールを両手で掴み取っていく。
 運動が苦手な子や女の子もそれを見ながら応援している。学校が終わっても仲が良いのか、クラスの団結力を見せつけながら多くの生徒が公園に集まっていた。

「がんばえー!凛ちゃぁん!」

 霧島‐きりしま‐ののも、その日は公園にいた。運動が苦手な女の子だけど、友達の澤居‐さわい‐こぎりや森山凛‐もりやまりん‐が活躍するソフトボールの応援として一緒にやってきていた。
 プレイしている人たちはののの声に気付いても、ボールに集中して顔を逸らさない。応援してみているとしても、ののは他の人よりも先に集中力を切らして喉の渇きを覚えていた。

「お水飲みにいこっと」

 一人輪の中から外れて、公園に備え付けの水のみ場へ向かい、蛇口を捻って水を出した。噴水のように湧き立つ冷たい水に顔を近づけ、乾いた唇を小さく開けた。

んっく・・・こくっ・・・こくっ・・・んふ・・・・・・」

 遠慮がちに喉を鳴らしていたののだったが、水道水から口を離すと、

「・・・・・・あれ?・・・・・・あれあれ?」

 辺りをきょろきょろしながら
公園で遊ぶクラスメイトを無視して自分の身体を眺め始めた。
 学校指定のジャージに描かれた自分の名前がマジックでしっかり描かれている。過去の自分たちを思い出しながら、今度は明らかな低学生の子供の身体に入り込んでしまったことを、この時月貝満里奈は察してしまった。

      のワの

「やだぁ・・・また、やっちゃった・・・藤二君・・・いったいどうなってるの・・・?」

 ののの声で藤二に助けを求めるように、公園から慌てて飛び出していこうとする。

「ああ、やっと見つけた!のの~」
「ひぃっ!」

 ののと言われて誰のことか分からなかった満里奈だが、呼ばれた声は明らかに自分に向けられ、おまけに手まで振っている。

「だ、ダレなの、あの子たち・・・・・・この子のともだち・・・・・・?」

 人見知り恐怖症が発動し、のの(満里奈)は恐れを覚えていた。年齢は明らかに満里奈の方が上で、身長だって満里奈の方が当然大きい。しかし、その活発で健気な明るい態度がどうしても馴染めない満里奈にとって、ののを見つけてやってくる二人の女の子があまりにも怖かったのだ。涙を滲ませる始末である。

「いじめなの?これからいじめられるの?どうしよう、逃げなくちゃ・・・・・・」

 足が竦んで動けない満里奈の頭に、一筋の
情報が流れ込んでくる。

「(わたしは霧島のの。今向かってくるのはわたしの友達の澤居こぎりちゃんと森山凛ちゃん。とっても仲の良い子なの)・・・・・・ふぇぇ~ほんとぉ?」

 ののの記憶と情報が頭の中に流れ込んでくる。昨日三人で下校した時の会話内容や、今日の授業で先生が授業と全く関係ない絵の落書きを褒めてくれたことを、まるで満里奈は自分のことのように自然と思い浮かべていた。

「これってののちゃんの記憶なのかな?……えへへ。なんでも自分のことのように思い出せる・・・」


 なんだか、楽しくなった満里奈。子供の時に戻った気分になったようだ。

      キャッキャウフフ

「のの、またどっかいっちゃうんだもん。心配したよ・・・・・・どしたの?」
「えへへ~なんでもないよ~」
「よくわかんないけど、のの代打で指名されてるよ。打たない?」

 ツーアウト満塁の場面で指名打者。明らかに荷が重すぎる場面であり、大将の策略によるものだという事が垣間見える。
「えー。そんなの無理だよ~」。普段のののならこの場面を絶対に断る。
 しかし――満里奈は違った。

「ようし、頑張って打つゾー!」
『・・・・・・あれ?』

 こきりも凛もののの態度に違和感を覚えながらも、それ以上なにも言わずにバッターボックスに向かわせた。

「よく出てきたな。・・・でも、残念だけどここまでだな」

 ピッチャーは既に投げる前から余裕の勝利宣言である。他の守備もどこか気の抜けた構えをしており、集中力を欠けていたのは確かだ。
 しかし、それもそのはず、ののは一度もバットにボールを当てたことがないのである。常に空振りと見逃し三振で出塁すらしたことのない野球音痴である。自分が入ることでチームに迷惑が掛かると知っているから常に応援に徹していたのののことを皆が知っているので、ガキ大将はそれを利用する。

「・・・・・・・・・」

 のの(満里奈)は無言でバットを握り構えた。やる気に満ち溢れた構えにガキ大将は察し、自分も投げる動作に入った。
 投球フォームはアンダースロー。
急激に重心を下降させ、投球腕を水平を下回る角度にまで下げた後で腕をしならせて投げる独特のフォームは、低いリリースポイントから浮き上がるような軌道でボールが投球されるため、打者を幻惑する。ソフトボールといえばウィンドミル投法であり、子供なら下手投げが基本なのだが、子供のルールにアンダースロー禁止の項目はなかった。
 空振り、打ち上げ、凡打間違いなしの速球がのの(満里奈)に迫る。

『ののちゃん!頑張ってぇ!』

 声援が聞こえ、のの(満里奈)がバッドを強く握り、瞬時に振りかぶった。

「私はお姉ちゃんだからあぁぁ!!!」

 カキーーーーーーーーン!!!!

 ジャストミートしたゴムボールはぐんぐん伸び、外野守備の上を越えて公園フェンスに直撃していた。
 ホームランである。走者一掃の満塁弾を炸裂させた。
 
「やったあぁ!ののちゃん!」
「おめでとう!」
「すごぉい!ホームランなんて初めて見た!」
「ののを馬鹿にしたら、ノンノン、だよ!」

 ベースを回りホームインしたののに駆け寄る女の子たちが一緒になって喜んでいた。「そんな、バカな」とガキ大将が崩れ落ちるのを見てしっぺ返しと罵る女の子たちが生き生きしていた。

「ありがとう、みんな!」

 気分を良くしたのの(満里奈)もまた、仲間と供に喜びを分かち合う。決めるところで決めることができた満里奈は自分の威厳を保つことができたのだった。

「・・・それで、ののって私たちのお姉ちゃんだったの?」



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「ちゅぷぷぷ・・・ちゅぅっ、んっ、んぷぷぅっ・・・ん――――っ」

 パイズリしながら喉を鳴らして精液を啜り取る音を出す奈々(満里奈)に満足感を覚える藤二だが、その背徳感は凄まじかった。
 初っ端に会った人がパイズリフェラヤるなんていう体験だけで十分であり、心身供に充実した日々を願う藤二だが、ラッキースケベな展開には対処が疎いようだ。
 どうしたらいいのかわからないと、心はこれ以上ヤめろという抑止をかけていながら、身体はヤれ、ヤったれーーーー!!と言わんばかりに逸物を回復させている。
 汗ではなく冷や汗が流れてくる。現実に戻らなくちゃいけない衝動と夢見心地でいたいという快感の二重縛りに引っ張られる気分である。

「藤二君・・・」

 精液を飲み干した奈々(満里奈)が咽ながら声をかける。

「はぁぁ~。藤二君の精液、いっぱいれうれひい・・・藤二君には刺激が強すぎちゃったのかな?

 えへへ・・・と、奈々(満里奈)はショートパンツを脱ぐと、レギンスの上からお股を左右で拡げ、おま〇この形を浮かびあがらせていた。
 レギンスの下は素肌らしく、汗が貯まった股座は痒いのか、濃く変色するレギンスと同じように奈々の表情が次第に赤くなっていった。

「ああん。藤二くん。もう私我慢できない。私のおま〇こにズボズボしてえぇ~!」
「・・・・・・ひょっとしてさ、俺、面識あったっけ?」
「藤二君。本当に私だって気付かないの?」
「・・・・・・えっ?」

 藤二が悩んでいる間も奈々(満里奈)はもじもじし、奈々のおま〇こを引っ掻いていた。

「私だよぉ!藤二くぅん・・・・・・満里奈だよぉ!」
「満里奈・・・・・・って、えっ?マリナ・・・・・・?」

 満里奈本人が言っても見た目は仙道奈々という女性‐たにん‐。幼馴染とはいえどの違和感は拭えない。

「だから、安心してセックスしよ♡」
「どの辺が安心してなんだよ・・・」
「私は藤二君が好きぃぃ!」
「玄関前で告られた!?」
「だから、両想い」
「誰と誰が両想いだ!?誰と誰と誰がこの場にいるんだ!?」
「藤二君は色々考えすぎだよ。その間に私はHな気分でドキドキしっぱなしです・・・」
「ドスケベ女が!」

 満里奈がここまで本心を言ってくることはなく、どうしても後ろめたさを感じてしまう。しかし、奈々(満里奈)は身体の疼きを抑えきれず、

「もう私、我慢できないよぉ!」

      服ぅ~!

 藤二を押し倒してきたのだった。


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「ハッハッハッハ・・・」

 毎日同じ時間、同じ町内を走っている。一人の女性の習慣付いた走り込みも始めた頃に比べると体力も付いてきたことを実感する。温かい日差しの下吹き抜ける風が通り過ぎ、汗を発散させることが好きになっていた。
 町内10kmを1時間切るペースで快調に走る。同じペースを維持し続けていた彼女であったが、商店街を抜けて公園に差し掛かると足を止めて備え付けの水のみ場に向かい、蛇口を捻り水を飲み始めた。
 これもまた彼女のランニングコースの一つなのだ。

「んぐ・・・ん・・・ん・・・んふ・・・・・・」

 喉を鳴らし、ゴク、ゴクという音が聞こえるほど飲み干す。走っている身体を内部から冷やす水がとても美味しいのだが、この日は普段と何かが違った。

「・・・・・・・・・」

 水を飲み終えた彼女がふと辺りを見回す。どこかきょとんとしており、公園で遊ぶ親子の姿をぼぉっと眺めていた。

「なに?・・・ここ、どこ・・・?」

 直前の記憶を失くしたかのような台詞。そこで、ようやく彼女は視線を落とし、自分の胸の谷間を覗いてみる。

「ん・・・んにゃあ・・・?」

 半そでTシャツから覗き見えるスポーツブラ。まるでこんなもの買った記憶などないと言わんばかりに奇声を上げている。自分の身体では身に付けず、自分の身体では行わない、普段ではあり得ない場所にいる。

「藤二君・・・どうしよう。私、知らない子の身体にはいっちゃったよ・・・」

 彼女は
月貝満里奈だった。厳密に言うと、満里奈の意識が彼女の中に入り込んだというべきだ。満里奈の中で捨てられたものが、水道管を通して流れて彼女の口の中に入っていった。
 目の前が明るくなると、感じる身体の重さ。ランニングウェアに包まれる大きな二つの膨らみは乳袋を作らなくても乳テントを作るほどだ。

「声も違って聞こえるし・・・どうなってるの?」

 急に別人間の身体を乗っ取ってしまったことに動転し、泣きそうになる満里奈。しかし、それは決して自分の身体とか、乗っ取ってしまった彼女を心配しているわけではなく、これからやっていけるのかという不安からくるものである。ニートとして生活していた満里奈にとって、それ以上の快適な生活はない。手放したくなかった生活を捨てて投げ飛ばされた第二の人生がどんなものなのかということを調べるように、ゆっくりと公衆トイレの中に入っていった。
 公園内で唯一ある鏡に自分の姿を曝した。そこには、背が高くキリッとした顔つきをして童顔の面影を残す巨乳の女の子が映っていた。

「これが・・・今の私・・・・・・はぁぁぁ~」

      まだ、むちむち

 鏡の中の女の子は満里奈の浮かべる表情を投影し、顔を作る。満里奈もそれが分かっていて、自分の浮かべる表情を彼女が作るのが楽しいので、表情遊びをし始める。こちらを眺め、それからウインクしたり、キスをするように唇を伸ばしたりしてみた。それから今度は少し離れて全身が映るようにした彼女は、こちらを凝視しながら自分の全身を撫で回したり、色々とポーズを変えたりと満里奈の思い通りに動いていた。

「柔らかいな、彼女の身体。それに足の筋肉太いな。太ももバキバキしてる!?」

 運動もしたことない、嫌いな満里奈にとって硬くなった太腿はそそるらしく、身体を倒しながらペチぺチと叩く。自分の身体じゃないことを実感して笑みを作る満里奈は段々と彼女のことが気になり始めていた。

「よっと。・・・それにしたって、彼女はいったい誰なんだろう?」

 そう思った満里奈に、急に頭の中に多くの情報が流れ込んでくる。

「(仙道奈々、21歳。身長169cm、普段はDAY2社で働く正社員だけど、今日は休みだから趣味のランニングをしていたところ。仕事をしてから運動する機会というものは極端に減っていくし、食べることが好きだから、自発的にやらないと太っていくだけよね。痩せて元に戻るのも大変になるし。新しく買った半そでTシャツ、タンキニ、レギンス、ショートパンツ、スポーツブラにランニングシューズ。これだけ揃えれば走ることだって好きになる。彼氏はいないけど、いつか先輩に振り向いてもらえるように頑張っている最中よ)・・・・・・ふぇぇ~なんでも自分のことのように思い出せる・・・。そっか。彼女同じ年なんだ・・・」

 その情報はこの身体の所有者である女性のものだった。情報網の多さに一瞬満里奈でさえ奈々と思いこんでしまうほどだった。つまり逆を言えば、満里奈は奈々として成りすますこともできる。DAY2社の正社員として働くことも今の満里奈なら出来る気がした。
 もう一度満里奈はまじまじと奈々の全体を眺めた。そして、口元を歪め、肩を揺らして嗤い始めたのだ。


「うふふっ。私、新たな身体を手に入れちゃったー!この身体で藤二くんに会いに行っちゃおう!・・・うん、よし、このまま藤二くんの家までランニングよ!」


 満里奈は楽しくなって藤二の家までランニングを始める。その足の速さは奈々の普段鍛えたものであり、満里奈はそのスピードを実感するだけで楽しくなっていた。


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 ピンポーン、ピンポーン

 休みの日の目覚ましはいつも家の呼び鈴だ。寝ぼけ眼で身体を起こす桐島藤二‐きりしまとうじ‐は遅い動きで身体を起こし、眠気を覚ますために煙草を吸う。

 ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン

 何度も鳴っている呼び鈴を気にすることなく着替えをマイペースで進めていく。髪を梳かすことはしないにしても、待たせている相手はまだかと言わんばかりに呼び鈴を押し続ける。

 ピンポンピンポンピンポンピンポン――

「うるさいな!」

  ようやく玄関のドアを開ける。そこには幼馴染の月貝満里奈‐つきがいまりな‐が立っていた。

      寝起きの一服

「おはよう、藤二くん」
「ああ・・・」
「今日は私に付き合ってくれるんでしょう?早く行こうよ。私今日をすごく楽しみにしてたんだよ」

 太陽は南に向こうとしている。満里奈が寝起きの俺を引っ張りながら楽しそうに駅前の商店街へ向かっていた。
 毎週決まって満里奈は藤二を連れて遊びにいく。なにが楽しいのか分からず、自分の欲しいものを探してウインドウショッピングしたり、気に入ったものを見つければ買いに走って、ゲームセンターに足を運んで自分のやりたいとこをして、休みの時間を潰していく。
 俺はそれを見たり眺めたりして観賞するのが主だった。

「おまえさ・・・」
「なに?」
「俺以外に誰かと遊ぶやついないの?」
「どうして?」
「俺と一緒で面白いか?」
「面白いよ。藤二くんと遊ぶの好きだもん」
「どこら辺が?」
「全部。いるだけで面白い」

      にはは言いそう

 チートキャラかよ、と俺は満里奈の評価を鼻で笑ってしまう。人と話すことは苦手で陰キャの俺にとって満里奈の返事はいつも的外れでふわふわしている。成人を迎えたにも関わらずゴスロリファッションを楽しんでいるのでお察しだ。性格もとろく、仕事もすぐ辞めるので気の合う仲間もいない。
 だけど、俺には幼馴染という事で構ってくる。正直、馬は合わないと思っている。満里奈と一緒にいることが本当に良いことなのかは俺にも分からない。

「遊んでるだけじゃなくてさぁ・・・」
「・・・っと、鳩だ。わーい」
「話を聞けよ・・・」

 お前の幸せは鳩は持っていないと、首根っこを掴んで満里奈を制止させる。

「ん?なにかな?」
「いい加減まともな職に就け。仕事探してこい」
「まともってなにかな?」
「よくわかんねえけど、正社員みたいな」
「私に務まるかな?」
「無理じゃね?今のままなら」
「だよねー!私には無理だよ」

 同意するなよ。そこは頑張って否定しろよ。

「無理じゃなくてやるんだよ。性格直せよ」
「えー。そんなの嫌だよー。藤二君だって、今の私が私じゃなくなったら嫌でしょう?」
「んなわけあるか!むしろ大歓迎だ!」
「うぅ、酷くない・・・」

 またすぐ泣く。商店街で涙を見せる満里奈にティッシュ配りのアルバイトがそっと近づいてきた。

「ティッシュいかがですか?」

 満里奈はそれを受け取ると、あっと言う間に使い果たした。

「・・・ティッシュ配りはどうだ?」
「イヤだよ。恥ずかしいもん」

 こいつ、感謝のかの字も持っていなかった。

「ハッハッハッハ・・・」

 商店街を走り去るランニングウェアの女性が通り過ぎる。同じ年くらいの子だろうか。

「身体も少し鍛えればどうだ。喋り方じゃないけど、もっとこう気を引き締めればなにか変わるかもしれない」
「私走れないもん。胸が苦しくて」
「っざけんな!!」

 そんな服を好んで着ているからだろう。胸を強調したデザインは男を誘っているようにしか見えない。可愛く見せればなんでも許されると思っているのが俺は大っ嫌いだ。
 つまり、俺の言うことを聞かない満里奈のことを俺は嫌いなのである。
「帰る」と、機嫌を悪くした俺に慌てて付いてきている満里奈が唐突に言う。

「私、藤二君のお嫁さんになる!」
「どうしてそういう結果になるんだ!?」
「何時でも起こしてあげるよ」
「俺は何時までも寝ていたいんだ!」
「おちんちんバッキバキに起こしてあげる」
「いや、結構です」
「なんで!私、身体には自信あるんだよ」
「筋肉質の子の方がいいんで」
「女の子にこんなに告白させて・・・藤二君の破廉恥ぃ!」
「勝手に告白してきてるんだろ!俺のせいにするな」
「ああ、なんだか疲れちゃった。ちょっとここで休憩しない?」
「さりげなくラブホに連れていこうとするんじゃない」

      あ、病んでる

 馬鹿なの?頭痛い子なの?
 無理やり無茶振り言う満里奈に付き合う身にもなってくれ。

「藤二君は・・・」
「あん?」
「私が居なくなってもいいと思ってる?」
「ああ。少なくとも今の生活よりお互い充実するんじゃないか?」

 性格が治れば俺だけじゃなく、友達が出来て遊びにいく場も機会も増えるだろう。
 彼氏だって出来るに違いない。
 過去を洗い直し、現在を見つめ直し、未来に向かう活力になれば俺も満里奈にこれ以上気苦労をする必要がない。
 いい加減、俺だってプライベートを充実したいんだ。

「そっか。藤二君に言われて気が付いたよ」

 初めて満里奈から今日俺に対する同意の言葉を聞いた気がした。

「わかればいいんだ」
「じゃあ、またね。藤二君」

 満足したのだろうか。普段より少し早い時間の気がするが、俺は満里奈から解放されたのだった。一人帰る俺。家に帰ってMMOでもやるとしよう。
 そんなことを考えている俺にひらりと桜の花びらが風に舞ってやってきた。

「桜ももう終わりだな」

 特に感情も湧かない声で、並木通りに満開に咲く桜を見ることなくそそくさと帰路に着いた。
 

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