純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

カテゴリ: グノーグレイヴ

『純粋とは矛盾色』に足を運んで下さった皆さまへ。エムシー販売店総支配人の村崎色です。
ここでは、『グノーグレイヴ』のキャラ紹介をさらに深堀りするページになっております。
キャラのことを知って頂くため、追記することもありますが、その時は随時更新していきますので、よろしくお願い致します。


第五回は茂木飛鳥です。
エムシー薬局店購買部責任者、そして『グノー』商品設計調合担当課長です。アスモ~♪

      同一人物

初期作品に登場して晴れて主要キャラの仲間入りを果たした彼。

もともと催眠術師で女好きだった設定でした。
そんな彼が人気商品『塗り薬』『飲み薬』『粉薬』を制作しております。動物実験では何千もの生命を犠牲にしております。楽しみの裏にある非情な現実を受け入れることのできる人物です。
・・・彼の初登場も10年前ですね。

・クールでニヒル
・仕事は出来るが高慢
・愛人持ち
・非情な面を持ち合わせている

別部署の課長でありながらその存在は現在でも大きいです。

本編では薬品関連の裏話も飛び出す話を描いていきたいと思っております。
もともと薬品関連3種類しか置いてなかった事実。細分化される前の話になりますがお付き合いよろしくお願い致します!

『純粋とは矛盾色』をご覧の皆さまへ。エムシー販売店の村崎色です。

 皆さまにお知らせがございます。
 3月12日から『エムシー販売店』は同人作品を大幅に価格を値引きして販売いたします!
 キャンペーン枠ではございません!『常時』この値段で設置させていただきます。
 エムシー販売店の作品をご存知ない方、本日のお供に是非ご購入をよろしくお願い致します。
 該当作品は以下の作品になります。

※下記の制作した同人誌はすべて18歳以上に向けた作品となっております。ご理解いただきますようよろしくお願い申し上げます。


グノーグレイヴ『時計―時間停止I―』グノーグレイヴ『時計―時間停止I―』

グノーグレイヴ『粉薬―入れ替わりI―』グノーグレイヴ『粉薬―入れ替わりI―』

グノーグレイヴ『飲み薬―憑依I―』グノーグレイヴ『飲み薬―憑依I―』

グノーグレイヴ『下剤―状態変化I―』グノーグレイヴ『下剤―状態変化I―』


グノーグレイヴ『接着剤―寄生浸食I―』グノーグレイヴ『接着剤―寄生浸食I―』

グノーグレイヴ『柔軟剤―擬態分裂I―』
グノーグレイヴ『柔軟剤―擬態分裂I―』

グノーグレイヴ『飲み薬―憑依II―』グノーグレイヴ『飲み薬―憑依II―』


 pixivにて詳しく作品紹介しております!是非足をお運びくださいませ!

・グノーグレイヴ『時計―時間停止Ⅰ―』
illust/76095838

・グノーグレイヴ『粉薬―入れ替わりⅠ―』
illust/76096176

・グノーグレイヴ『飲み薬―憑依Ⅰ―』
illust/76096495

・グノーグレイヴ『下剤―状態変化Ⅰ―』
illust/76096735

・グノーグレイヴ『接着剤―寄生浸食Ⅰ―』
illust/76097171

・グノーグレイヴ『柔軟剤―擬態分裂I―』
illust/76097492

・グノーグレイヴ『飲み薬―憑依Ⅱ―』
illust/76098789

この機会にTSFの世界をご堪能ください!!

『純粋とは矛盾色』に足を運んで下さった皆さまへ。当ブログの管理人です。
ここでは、『グノーグレイヴ』のキャラ紹介をさらに深堀りするページになっております。
キャラのことを知って頂くため、追記することもありますが、その時は随時更新していきますので、よろしくお願い致します。


第四回は村崎色です。
エムシー薬局店及びエムシー販売店の責任者です。・・・・・・管理人自らが代わって紹介!


同一人物



 部下が頼れる素敵な働く女性に生まれ変わりました!!
 デキる女性感とバストアップに成功してますね!
 村崎色の初期絵(右絵)をご存知の方いらっしゃいますかね(笑)動画まで出ていたので6年振り・・・


 ・代表取締総支配人。
 ・できる若き敏腕社長。
 ・謎多め。
 ・アニメ好き。
 ・ポニーテール


 管理人要素が滲み出てますね、これは・・・。
 支配人で社長で取締役で代表という看板にツッコミを入れないでください(> <)!!
 お店を飛躍するための秘策とは!?
 『グノー』商品の誕生秘話とは!?
 彼女の目的とは!?
 今後の動向は!?

 彼女の多くを語りたいけど、語ることができない矛盾!!

 上司ということで攻略キャラではありませんが、今後千村拓也の人生を大きく揺るがす重要人物になることは違いありません。
 キャラの中でも存在感と人気を集めるような、女性目線のキャラを描いていけるように丁寧に描いていきます。
 10年の付き合いとなりますが、今までもこれからも、私の作品の渦中にいる人物です。
 さあ、みんな彼女についてこい!
 自分のやっていることに自信を持っている人物は最も強い!

『純粋とは矛盾色』に足を運んで下さった皆さまへ。エムシー販売店総支配人の村崎色です。
ここでは、『グノーグレイヴ』のキャラ紹介をさらに深堀りするページになっております。
キャラのことを知って頂くため、追記することもありますが、その時は随時更新していきますので、よろしくお願い致します。


第三回は高橋由香です――ヒロインなのに初紹介だった!?
千村拓也に優しく接する幼馴染です。

同一人物


高橋由香
年齢 23歳 血液型 O型 身長 159cm 体重 45kg 職種 総務


千村拓也の幼馴染。社会人になって再会を果たす。
エムシー薬局店『総務・事務』担当。茂木飛鳥から店内業務をほぼ任されており、茅野智里より先に財務もやっていたので、彼女と供に接客していることが多い。
千村拓也を影ながら支えており、励ましあいながら仕事を率なくこなしている。


―深堀り―


 ・幼馴染正統派ヒロイン。
 ・髪は淡い桃色髪。趣味は料理。
 ・透明感と清楚で落ち着いた感じ。
 ・裏表がなく天然。
 ・献身的に背中を支える純真な性格。


 そのすべてを残している大人っぽいデザインに仕上げていただきました!
 料理や薬品等自分の得意分野に関することのお喋りが好き。

 傍から見れば相思相愛にしか見えない、攻略を約束された彼女との日々を是非ゲームでプレイしていただきたいです。


 清純派な正統ヒロインです!

 
・藤崎詩織(ときメモ)・成瀬川なる(ラブひな)・結城明日奈(SAO)・ラクス・クライン(SEED)・浅倉南(タッチ)・しろがね(カラクリサーカス)

 うーん…強い!清純派ヒロインは至高!
 寄り添いながら仕事したくなる素敵な作品を描いていきたいです。
 

 今回、ズバリ――!あなたの中のヒロインと言えばダレでしょうか!?
 そして、多様化したヒロインで好きなジャンルはありますか?(笑)


 紹介は初めてですが、彼女も一度だけ原作でも登場してましたね。
 同一人物できるよう画像を修正して、タイトルにnewをいれました。

前回のキャラ設定から大きく変更した、グノーグレイヴのキャラ設定を公開。

 

何が変わったか、ブログではさらに細かく解説していきます。ここでしか読めない裏話もあります。

第二回は上司の握出紋です。
ボク、アクでもん~のアークデーモンー…一人称ボクが不評だった…(悲)


      リアル上司化

 営業特化した頑固なオッサンに生まれ変わりました!!
 色眼鏡は欠かせない(拘り)。
 部下を守る優しいオッサンです。

 ・定年近いが仕事ではメインで活躍している。
 ・髪は黒髪。顔も声も渋いナイスミドルなオッサン。
 ・リアルにいる営業のプロ。

 そのすべてを残しているデザインに仕上げていただきました!
 千村拓也だけではなく、握出紋にも感情移入できるようになってもらいたいという想いを含んでおります。

 営業一本で働いてきたオジさまって、立派ではないでしょうか!!!
 正直言ってキュンキュンします。比べるのは失礼かもしれませんが、営業って大変ですよね。

 皆さまも営業という職場に立ったと思いながら、握出紋とどう絡んでいくのかを是非、ゲームでプレイしていただきたいです。
 夏コミケに向けて、今後も紹介を続けていきたいと思います。よろしくお願い致します。

 
・机の上 ・自分の顔 ・自分の心 ・会社のトイレ


 営業になったら一番綺麗にしておきたいものは何処でしょうか?
 会社に勤めているうえで4つ
のなかからお選びください。
 アンケートが取れないので、コメントでぜひ教えて頂ければ幸いです。

前回のキャラ設定から大きく変更した、グノーグレイヴのキャラ設定を公開。

 

何が変わったか、ブログではさらに細かく解説していきます。ここでしか読めない裏話もあります。

第一回は主人公の千村拓也です。
営業として『エムシー販売店』に新卒で採用された4月から物語は始まります

      今風のイケメンに!

 今風のイケメンに大変身です!!
 しかし、営業として見てくれが悪い格好をしております。
 新社会人はそんなものではないでしょうか(爆)、誇張し過ぎてますけどね!!

 ・社会人としてのノウハウは分からない。成長していく部分を残したい。
 ・髪は黒髪。
 ・大学も進学しているけど、高校生のようにも見える性格にしたい。


 そのすべてを残しているデザインに仕上げていただきました!
 彼女を作りたいなら高校生の設定にすればいい。高校生の層に合っているのではないでしょうか。

 しかし、今作の主人公は社会人!18歳~24歳の方に受け入れられる主人公を目指しました。

 営業として表に出ない部分と、それでもしっかりと自分の意見を持つ。
 今時の新社会人を千村拓也に投影しました。
 実家暮らしなので、先が不安ですけどね!!一人暮らしにする予定はございません。
 妹、芽朶と両親の4人で住んでいる、ごく普通の家庭です。

 皆さまも新社会人を思い出して、そして、新社会になったと思いながら、是非、ゲームをプレイしてほしいです。
 夏コミケに向けて、紹介を続けていきたいと思います。よろしくお願い致します。

 
・休暇 ・人間関係 ・給料 ・やりがい


 会社に勤めているうえで4つのうち一番重要なものはなんでしょうか?
 アンケートが取れないので、コメントでぜひ教えて頂ければ幸いです。

前回のキャラ設定から大きく変更した、グノーグレイヴの設定を公開。



何が変わったか、ブログではさらに細かく解説していきます。ここでしか読めない裏話もあります。

なにが変わったかと言うとそれは――

全年齢対象を目指して制作したということに尽きます

      gnow

もとを辿れば『E=MC^2』の投稿作品から始まった今作は、いかに設定を残しつつ全年齢を描くかという新たな挑戦に挑んだ作品であります。

かつて、エロシーンすら作品の一部に取り込んだ泣きゲーの元祖から学び、エロ要素を残し作品の一部に取り込んだゲームを作りたい

『グノー』の商品の特徴は色褪せることなく作品に取り入れて投稿し続けて参りました。それはこれからも変わることはありません。

TSFが誰でも使える、MCが誰でも使える。そんな夢ある販売を目指している会社が『エムシー販売店』です。

不可能を可能に、無理を通し、奇跡を起こす――。
リアルじゃないけどリアルっぽい。サウンドノベルだからできる作品を。
自信を持って紹介していく作品、『グノーグレイヴ』の裏話を少しずつ解説していこうかと思っております。

『純粋とは矛盾色』お越しの皆さま、エムシー販売店総支配人の村崎色です。


 まず一つお伝えすることがございます。

 ライブドアブログからDLsiteブログへ移動して私小説を掲載していた『純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-』は、DLsiteブログ閉鎖に伴い、今後私小説、同人誌告知は”Ci-en”になります。同人誌発表までの経緯がより皆さまにお伝えしやすくなると考えております。そして私もCi-enの仕様を覚えてブログを開始したいと思っております
 まだ先の話になりますが、三度の引っ越しによる御迷惑をお掛け致しますことを御了承ください。よろしくお願い致します。

 また、これを機にブログ一筋ではなく、pixivTwitterをメインに活動の幅を増やしていこうと思っております!今後交流の機会を増やしていき、自分の同人活動を改めて見つめ直し、皆が納得いく同人作品を手掛けていきたいと思っております。

 Twitter、pixivの村崎色(紫木いろ)のフォロー
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 是非よろしくお願い致します!

      エムシー販売店一同御挨拶


 来年の抱負みたいになっております。
 これからの『エムシー販売店』の活躍をよろしくお願い致します!



 『グノー』を手に入れれば何でも願いが叶う。
 願いとは大きく二つに分類できる。
 自分の為に願うか、人の為に願うかである。
 『グノー』はこの二つを叶えられるのである。よって、なんでも願うを叶えることが出来るのである。
 総次朗は願いを叶えてもらった。
 巨額の富と心の至福。この二つが手に入ることは、世界を手にすることと同じ。
 自分の描く小さな世界を買う事が出来るのある。

 ――自分の世界に生きるもの全てを支配できる。

 そのせいで、総次朗はおかしくなった。
 昔と別人のよう。恥ずかしさを隠すような初々しさはどこにもない。
 隠すことをしない。ありのままに醜態をさらけ出す。それが許される世界であり、非日常の十人であり、常軌を逸しており、常人とは逸脱した存在と呼ぶのなら、まさに総次朗はこう呼ばれるのではなかろうか。

 ――――王様と。

「……そんなの、ダメ!!」

 遥は最後の決戦に足を運ぶ。『失われた財産』を盗みにきた。
 『グノー』によって奪われた、頭領総次朗そのものを取り戻すために。


 中庭に降り立った遥を迎えたのは、吟醸が告げたように万全の態勢で足並みを揃えた警備の軍勢だった。

「なによ。本当に多いじゃない!」
「いたぞ!ツインテールだ!」

 警備員がツインテールを見つけて一声にかけ出す。ツインテールは跳躍力を生かして警備員を飛び越えていく。華奢な身体を大きく動かし、警備員との距離を放していき、前に立ち塞ごうとするのなら身体を細めて間を縫ってすり抜けていく。

「くそっ、追うんだ!」

 遥は懸命に廊下を走り続ける。大勢で迫りくる警備員の動きを止める為に、貴賓室の一室へ駆け込んだ。

「はっ、その部屋は――!?」
「おいこめええええ!!!」

 警備員が部屋の中へ押し込み。ツインテールを囲い込む。しかし、部屋に入った警備員の表情が一変する。
 その目に飛び込んできたのは、ツインテールが『時計』を握りしめた光景だったのだから。

「ゲッ――!!」

 ツインテールが勝機を見出したように微笑んだ。

「お勤めごくろうさまでした!――警備員、一時停止!」

 カチッと『時計』を押した瞬間、空気が凍りついたように、空間全体から音が消えた。警備員全員の動きが一斉に停止し、微動だにする者はいなかった。
 『時間停止』による危険回避。ツインテールにも息を整える時間が出来た。だが、

 ――コツッ、コツッ

 扉の奥で、靴音を鳴らしながら近づく影にツインテールの身が強張る。空間を支配して時間を停止しているはずなのに、ツインテール以外に動ける者がいるというのだ。
 驚きと供に整えたはずの息があがる。

(いったい、ダレ……?)

 ツインテールは影の正体が現れるまでその場でじっと待ち続けた。そして、影は現れた。

「時間停止も同じ『空間支配』だったね。でも、それは俺のつけている『眼鏡』と同じ。『時計』と『眼鏡』じゃランクも俺の方が上なんだよ。だから、俺には効かない。俺だけは動けるように空間を歪めておいたから」

 『眼鏡』をかけた総次朗が警備員をかき分けながら前に出た。遥を見る総次朗の目は憐れみも怒りも期待も見えない、ただ無関心と言うような、興味を示さない、冷えた視線であった。

「総次朗くん」
「ようこそ俺の城へ。歓迎するよ、ツインテール。『もう脱出することはできない』」

 総次朗の声に空間が震えた。今の一瞬で、遥が家から逃げようと中庭へ引き返そうとしても、廊下は無限回路となってしまい何時までたっても中庭へ引き返すことも、ましてや玄関に辿り着くことすらできなくなっていた。
 窓の外も然り。つまり遥は総次朗の『眼鏡』を奪わない限り逃げだすことが出来なくなった。
 怪盗が逃げられないことを意味するもの、それは、逮捕と言う二文字だ。

「っ!」
「きみはもう翼をもがれた鳥と同じということを理解した方がいいよ」
「お生憎さま。そんな似合わない眼鏡なんかつけてバカみたい」

 逃げられないと知っていても強気に喋るツインテールを見て可笑しく思う総次朗。

「そうだな。おまえもそんなフリフリの服は似合わない。脱いだ方がいっそ楽じゃないか?」

 総次朗が命じる。空間を従わせる『眼鏡』の催眠。貴賓室そのものを浴室に変えるように、『この場に服を着てはいけない』という指令を出す。

「『服を脱げ、ツインテール』」
「あっ・・・、くっ……」

 遥が自らコスチュームを脱ぎだす。白いグローブから外し、黒のタイツ、緑のスカートを外していく。一着一着脱いでいくにつれ、ツインテールの正体が浮かんでくる。
 総次朗は先日突きつけた。本人も認めた。それでも目の前に現れている間、ツインテールは綾波遥と別人であった。別と割り切ることで楽しみを一つ増やしていた。 
 正体を知らせないことで期待を膨らませていた。
 そして、その期待が高まった箱を開けたのだツインテールは総次朗の目の前で、綾波遥かの姿に戻ったのだった。

「……これが真実か。『怪盗ツインテール』は……『嘘の根源』は、お前だったのか、遥?」

 変えることの出来ない真実。総次朗の救いはどこにもなかった。面白味はどこにもなかった。でも、総次朗は思う。

「――それでいい。それが俺の望みだった」

 遥以外が怪盗であったら、ここまで追いかけることをしなかっただろう。
 『グノー』で追いつめ、吟醸に身柄を譲り渡していただろう。
 総次朗は思う。『嘘の根源ー怪盗ツインテールー』を憎みながら、ツインテールを追い求めていた自分がいたのだと。


「――楽しかったよ、遥」


 総次朗は優しく目を閉じた。現実から覚めて、夢の住人へと再び舞い戻る。
 『眼鏡』をかけ直すと、部屋の空間が蠢いた。
 裸になって未だ遥は総次朗に睨みつけていた。その鋭さは強がりではなく本物の強さを示しているようだった。

「総次朗くんになら、見られたって恥ずかしくない」

 男なら飛び上がるほど喜びそうな言葉を、総次朗は冷ややかに受け取った。そう、遥と総次朗は今や恋人同士ではない。敵同士なのだ。色気も茶目っ気もいらないのである。

「嘘だと思いたいだけでしょう?でもね、総次朗くん。これが真実よ。もう、遊びの時間は終わったんだよ。……だから、もう戻ってこようよ、私たちの世界へ。『グノー』のない、――素晴らしい世界へ」

 夢から覚めて現実と闘えるように――
 総次朗も吟醸に殴られて垣間見えた素晴らしい世界。未だ子供なのだと知らせてくれた吟醸の一撃は、総次朗の思い描く世界を歪めるほどの一撃を与えていた。
 修正、修復にも時間がかかった。そして総次朗は夢に生きた。

「世界が素晴らしいのは願いが叶うからだ!この世界ではすべての夢がかなう!全ての願いが成就する!裏切りも横取りもされない、皆が自分の好きなように生きられる世界だ!遥!おまえが怪盗をやれるのも、『グノー』のおかげだと言う事に何故気付かない!?」

 現実から覚めて夢に逃げられるように――
 人でありながら常人以上の跳躍力を持ち、吟醸含めた警備を赤子のようにねじ伏せてみせた。それは、総次朗と絡んだ遥に『グノー』が知らずうちに力を授けていたに他ならない。
 知らずうちに『グノー』の恩恵を受けていたにもかかわらず、遥は現実に生きた。

 二人の生き方は元は一つだった。しかし、すれ違っていってしまったのだ。
 どこからすれ違ったとすれば、それは――

「影響を与えている、人がより進化するために、道具に身を預ける。それで良い。それこそ道具に価値がある。自分の身では限界がある。でも道具は無限大だ!」

 どんなに頑張って努力しても、叶わない願いがある。挫折も徒労も人だからする。だけど『グノー』にはない!『グノー』に頼れば願いは全て叶う。
 ――そんな理想論を遥が首を振った。

「総次朗くんが縋る世界じゃ、私の願いは叶わなかった」
「ウソだ!『グノー』は全ての願いを叶えてくれるんだぞ!」

 全ての願いが叶う世界で、遥は涙を浮かべた。

「ほんとうなんだよ……私の願い……」

 『グノー』ですら叶えられない遥の願い――



「総次朗くんは……帰ってきてくれなかった」



 そんな、簡単な願いは叶わなかった……。

「っ!」
「『グノー』は道具のフリをして、善悪の区別がつくんだよ。総次朗くんの都合の良い世界を見せて誘惑した。

 右は『グノー』を信じる強き敗者。
 左は『グノー』を拒む弱気敗者。
 ――笑うは『グノー』を生みだす社長のみの愚能社会。
 狂言を好み、快楽を舌鼓し、惨劇を愉しむ『グノー』の力。

 そんな社会を両断するには、総次朗は人を信じることを思い出すしかないのだ。
 この世界に生まれた人は皆、尊い。
 誰も無闇に傷つけてはいけない。
 傷つけて良い権利なんか誰にも無い。
 当然、『グノー』にも――

「……ねえ、総次朗くん。私はもう何も持ってない。なにも着てないよ?これでもまだ疑うの?」

 名前のない『あす』を『未来』と名付けてはしゃいだあの頃、
 名を残した『きのう』を『過去』と名付けて敬意を表したあの頃、

 『きょう』という『現在』に縛られて、それ以外を信じられなくなったのは総次朗本人だった。
 だから総次朗は簡単に奪われた。『グノー』に心を奪われ、他人を傷つけることに関心を示さなくなった。
 すでに『グノー』の虜。常連客。『グノー』だけを信じる愚か者になり下がったのだ。

「疑っているんじゃない!」
「縋っているんだよね?自分の都合の良い夢に」
「こいつ――!」

 遥がすかさず前に出る。無防備に一歩前に出ると、総次朗を包み込むように手を広げていた。

「一度浸かったら抜け出すのは大変かもしれない。でも、総次朗くんならきっと抜け出せる。苦労を知って初めて生を実感して、苦痛を知って初めて人に優しく出来るから。……私待ってる。総次朗くんを、ずっと待っているから」

 遥が優しく諭す。夢の住人が夢から覚めたらなにが待っているだろうか?儚く消える存在かもしれない夢うつつな身体が、つらい現実に耐えることが出来るだろうか?
 『グノー』の蜜を啜った総次朗も然り。遥はそれでも待っていると言うのだ。
 総次朗にとって最後の、遥が救いの手を差し伸べているような状況だ。ここで手を掴まなければ、総次朗は孤独な王として生きることになる。
 社会に生きつらい現実と闘うか、それとも孤独に生き夢と快楽に生きるか―― 
 総次朗の答えは固まっていた。

「おまえの言う事は嘘っぱちだ」

 遥の手がぴたっと止まる。
 遥を拒絶する総次朗の声。遥が総次朗をどんなに想っても、その声は本人に届かない。『嘘』と思っている限り、真面目に聞いたら馬鹿を見るからだ。

「だけど、『グノー』は違う!俺との信頼がある。人の夢を叶えられる実績がある!」

 社会とは数字。社会とは繋がり。――ほらっ、総次朗は『社会』に生きている。
 苦労なんかしなくても、楽に生きられる社会が存在するのなら、誰だって後者を選ぶだろう。
 賢い生き方をする総次朗。対して過去を美化する遥。
 だからこそ総次朗は語る。

「旅立とうじゃないか!夢の世界に――」

 現実と背いて夢に生きる疑似世界。総次朗はもう片道切符を手にしていた。遥が行かせないように強くひきとめる。夢の世界、その響きのベールに隠れたいんの姿を遥が引き剥がす。

「願いはそんなに叶うものじゃない、だから夢は尊い!総次朗くんは夢が叶いすぎて、幸せの重さを忘れてしまっているだけだよ。そんな、偽りの世界に浸っているんだよ!」
「あっ……」

 夢の世界。総次朗が縋っている世界の真の姿は、『グノー』の謳い文句に聴き惚れた理想郷を連想させ、現実とはかけ離れた偽りの姿を想像させる。
 総次朗は現実を見ていない。全て総次朗の言葉は一歩先の不安定な『グレー』から話をしていた。
 希望的観測、憶測。それが総次朗の弱さ。だから総次朗は『グノー』と言う夢に縋ってしまった。

「うそつき呼ばわりしているのに、一番のうそつきは、総次朗くんじゃない!!」

 二人の生き方は元は一つだった。しかし、すれ違っていってしまったのだ。
 どこからすれ違ったとすれば、それは――

 遥と総次朗が対峙しているということは、どちらかが『ウソ』を言っているから。現実を直視できないのだから『ウソ』を言うしかないのである。

 そう、遥と総次朗がすれ違ったのは――総次朗が現実を『ウソ』をつき通し、遥を拒み始めたからだ。遥と付き合うのが面倒になり、『グノー』というものに縋って逃げて、遥に全ての罪を着せてしまった。
 こうして、『嘘の根源―怪盗ツインテール―』は誕生した……。
 それが事の発端。総次朗は罪よって怪盗ツインテールに襲われるという処罰、遥が現実に実行していたから救われていたのだ。
 もし、遥がいなければ、とっくに総次朗は壊れてしまっていただろう。
 罪と罰によって殺されていただろう。
 延命処置とも思える遥の付き合いが、総次朗の目に光を取り戻させる。

「…………そうか、君は始めから真実を言っていたんだね、遥」
「そう、じろう……くん……」

 総次朗が遥に微笑む。遥が久しぶりに見た総次朗の笑みは、付き合っていた頃と変わらない屈託のない笑みであった。
 総次朗が戻ってきたと遥は今すぐにでも駆けつけたかった。でも、遥にはできなかった。――総次朗の手に、『グノー』がある限り。

「俺と供にグノーに誓おう。供に幸せになろうと」

 ――俺を欲するのなら、『グノー』に願おう。と、

 総次朗には『グノー』によって夢を叶えられる力がある。

 自分の為に願う夢と誰かの為に願う夢、その両方が叶えられるのなら、それはすべての願いが叶えられると同じ。だから『グノー』に叶えられない願いはないのだ。

「―――――」

 遥に強要する総次朗。『グノー』は怪しく輝き始める。遥の願いを聞き入れようと、力をそれぞれ解放しているのだ。

 『鏡』は人への変身を――『人形』は人への宿しを――
 『手帳』は人へ呼びかけを――『電話』は人へ声かけを――
 『時計』は人を差し止め――『粘土』は人を引き留め――
 『石』は人を操り――『眼鏡』は人を動かす――

「……そうね。じゃあ、私は『グノー』に一つ願いを託そうかしら」

 8色の輝きを照らす『グノー』に、遥はなにを願う――総次朗も遥の答えをしかと聞き入っていた。
 遥は告げる。遥の願い。遥の一番叶えたい夢――


「わたしは、『グノー』が生まれる前に戻って、『グノー』そのものを消し去りたい」


 ――グノーが生まれる前まで、何気なくあった日常の幸せを、皆が気付いていた時間を取り戻したい。



 それが、遥の理想だった。総次朗は血相を変えた。

「遥!おまえは――自分の為じゃなく、誰かの為に自分の夢を叶えるのか?そんな願いが叶うとすれば、それは願いを叶える、『グノー』に対する冒涜!偽善だ!!」

 時空干渉というレベルじゃない。『グノー』で築いた社会を崩壊させる願いであり、これから一世代を築くであろう『グノー』をなかったことにしようという、『グノーキャンセラー』。
 そんなことが許されたら、『グノー』に喜ぶ者達が黙っていない。本物の犯罪者だ。

「偽善者でも犯罪者でもいい。私は怪盗。奪うことしかできないなら、人を不幸にしてきた『グノー』を奪い去りたい。ウソッパチと呼ばれても、嘘を真実に変える理想郷へ導いてあげたい」


 誰もが生まれてきて良かったと思えるような社会を作りたい、今はできないけど、有言実行で将来きっと遥は自らの力で理想郷を作り出す。
 たとえ嘘に騙されようと、たとえ偽りに馬鹿にされようと、
 人生を素直に生きる人々が笑える未来が訪れますように――。
 誰も、『グノー』に頼ることのない世界へ――

 『グノー』が一段と光り輝く。遥が脱いだはずのツインテールのコスチュームにドレスアップしていた。
 総次朗が遥に駆け寄る。


「私が全ての罪を受け持つ。皆にはいつも笑っていてほしい。――さあ、叶えて!グノー・グレイヴ!!」


 『グノー』が弾けた。空間は光りに包まれた。

続きを読む

 吟醸は教会を訪ねていた。
 一度だけ訪ねたことのある教会に再び足を向けたのは、ツインテールの予告状の暗号を解いたからに他ならない。

「『GtoG』。これは外人が使う常用区。『吟醸警部へ』。つまりこの文章は一度英語にする必要がある」

 今宵、『奪われた財産』+αを取り戻しに参上します。

 これを英語に直すと――、

I come to see you to steal
 gknow + a(lpha) tonight.

 この文章で必要な部分、つまり『時間』と『場所』を読み解くヒントが隠されているはずである。
 そこでもう一度、キーワードとなる言葉、『GtoG』に戻るとしよう。
 『GtoG』。……この文章で頭文字『G』が使われているのは、『Gknow(グノー)』のみである。ここからもう一つの『G』までに答えが隠されているのである。
 もう一つの『G』。それはきっと『Goal』。終わりまでという意味だ。つまり、この文章で必要な個所を抜き取るとすれば、

 ――gknow + a(lpha) tonight.

 ここだけである。幸運にも、『GtoG』全てが入っている文章になっている。さらに暗号を解き明かしていこう。

 つまり、この文章に場所、時間が描かれていることになる。まずは場所を読み取っていこう。
 順番から行けば場所を示すものは……記号は……『+』になる。そう、プラス(Plus)という記号だ。
 何故これだけ英語表記にしなかったと言うと、もとの手紙の中で『+』記号だけが初めから半英語表記になっていた為である。つまり、この記号だけは残しておけと言う意味で使われている。
 そう考えると、『+』という記号とそれが示す場所という関連性が見えてくる。

 『+』という記号……これは地図で調べれば教会の地図記号だ。つまり、ツインテールがあらわれる場所は、町内で唯一の教会、純聖月光蝶―セントルイス―学園の教会ということになる。


 そして最後に時間である。
 当然、吟醸がひもといた方法で進めていけば、時間を表しているのは『α(lpha)』の部分ということになる。
 αは既に一字で完結している文字だけに、紐解くのが苦戦した部分である。今でも吟醸が『この時間』に教会へ訪ねたと言う確証はない。なんとなく、刑事の勘と言うもので行動しているにすぎない。

 ツインテールの予告状、それは電子メールで届けられたものだった。今までの予告状は手書きで届けられていたものが、今回に限って電子メールであった(『電話』の回の偽メールは除かれたことになっている)。
 つまり、打ち込むキーボードを眺めて見ろと言っているのではないか。alphaの順で打ちこむと、一つの数字が浮かび上がってくる。数字の『6』である。
 これは『α』は『G』から数えて『6』番目の数字であることにも一致しており、偶然なのか分からないが、印象深い数字として吟醸の胸に留まったのである。

 改めてツインテールの予告状を整理すると、

 ――夕方6時、純聖月光蝶―セントルイス―学園の教会にて『失われた財宝』を盗みに参上する。という文章が出来上がるのである。



「あらっ。刑事さん。お久し振りです」

 吟醸は30分前に訪れた。シスターの彼方が来客を出迎えた。
 既に辺りは闇に染まっており、参拝に訪れるものは一人もいない。五月蠅い社会の中でここだけ切り取られたかのような静けさに包まれており、教会と言う空間がいつ、何者かがおり立っても不思議はないと言う空気を醸し出している。

「外は寒かったでしょう。眼鏡が曇ってますよ?」
「お、おおぅ……すまんの」

 彼方が吟醸の眼鏡のくもりを拭う。

「今、暖房をつけて温めますね」
「気遣いは結構。できれば静かなままにしてほしい」
「……そうですか。わかりました。なにかありましたらお声かけください」

 彼方は吟醸を残して裏に入ってしまった。吟醸にとっては好都合。誰の目も触れずに待ち人が来るその時を迎えたかった。吟醸は待った。見張りはお手の物。音をたてないように張り込みをする自信は持ち続けていた。
 だからこそこれは我慢比べである。いつ、どちらが先に相手に根負けするかの持久戦である。


 6時。吟醸に緊張が走る。推理した時間を知らせる鐘の音が響いた。
 ――辺りの静寂を壊さぬよう、怪盗ツインテールは静かに地面に降り立った。

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「こんばんわ。グノー刑事さん」

 まるで仲の良い間柄のように気軽に声をかけるツインテール。吟醸はすっと椅子から立ち上がり、ツインテールに歩み寄った。

「とうとう追いつめたぞツインテール。観念しろ」
「あらっ、私はまだなにも盗んでないわよ?」

 未遂という言葉を知らないのだろうか。それとも今までの犯行をすべて水に流せと言おうとしているのだろうか
吟醸は素直に笑ってしまった。

「ふん。おまえが次に盗もうとしている『モノ』も既に分かっておる――」

 吟醸が勝ち誇ったようにツインテールに詰め寄る。

 ツインテールの予告状、『失われた財産』の箇所である。『財産』とはつまり、『お金』のこと。英語にすれば『money』である。この単語を使う諺がある。

 time is money――(時は金なり)

「お前が次に盗もうとしているのは、『時計』だ。既に警備も『時計』を重点においている。お前に出来ることはないぞ」

 『失われた財産』だけでは警備に人員を割くことが出来ない。さらに+αと記されればなにを目的としているかもわからない。だからこそ吟醸が紐解き、次の目当ての『グノー』を一つに絞る。
 今や頭領家の警備たちは『時計』の貴賓室に集められていた。ツインテールも室内への侵入も難しく、また出ることも簡単ではないほどだ。

「……へえ、あんな短い予告状でそこまで解いちゃったんだ。刑事さん。案外頭いいのね」

 ツインテールが敵ながらも吟醸を褒め讃える。吟醸がここまで必死になるのは、これ以上の犯行を行わせたくないと言うツインテールを想ってのことだという一面も確かにあった。
 怪盗ツインテールとしてベールを被る少女にも『動機』がある。誰も好き好んで人のものを盗もうなどと考えたりはしない。犯罪を犯すということは苦渋の決断を責められたということだ。誰かが許しを与えて入れば、少女にはもっと違った道があったのではないかと吟醸は今にして思う。

「なにがあったのか聞くつもりはない。しかし、ワシは長年の経験からしてこれだけは言える。お前が取り戻そうとしている『過去』はもう戻りはしない。足掻くように怪盗を繰り返すくらいなら、これから悔いて反省しながら未来を歩いて見せろ。そしておまえが本当の意味で前を向いて歩けるようになった時、神さまはきっとお前を見守ってくれる。だから、上を向いて生きろ」

 ツインテールが息を飲む。そして、吟醸が言うように天を仰いだ。
 ステンドグラスに映る神さまの姿が、ツインテールを優しく見守ってくれていた。
 綺麗で美しい肖像だ。心が洗われるように一粒の涙を流し、もう戻れないと頭を下げた。

 ――主よ。これから犯す罪をお許しください。

 ツインテールの口がそう呟いたような気がした。

「刑事さん。あの予告状の本当の意味を読み取ったんでしょう?ここで会うのは、刑事さんと話をしたかったから。それが終われば私はすぐにでも盗みに行く。時間も場所も記す必要なんてなかっただけ。時間は刑事さんとお話しする時間が終わり次第だったし、場所は頭領総次朗くんの家。記すのがもう飽きちゃったから省略しただけ。そんな、単純な犯行予告なの」

 吟醸が必死に解いた暗号に意味がなかったことを教える。別に会話をする時間がなくても犯行は強行される、ツインテールの強い意思。

「ワシと話をするって、いったいなんの話をするつもりだ?」

 いったい何を告げようとしているのかを訪ねると、ツインテールは今まで浮かべたこともないような笑みを見せた。

「イ・イ・コ・ト・!」

 冷たい空気に乗せた甘い声が、吟醸の耳をくすぐる。急に色気を見えるツインテールが、突然衣服を脱ぎ始めた。

「刑事さん。私の処女を奪ってほしいの」
「な、なななななな!!!!!なんだとおおおおおおおおおお!!!???」

 近づいた距離を一気に後ずさる。ツインテールの告白に吟醸は顔から湯気が出るほど慌て出した。

「い、いかんぞ!ツインテール!お、おお、おまえが、いくら若いからと言って、おじさんをそうからかうものじゃないぞ!」
「本気じゃないと思ってるの?」

 パチンと、背中にかけたブラのフックが外れた音がきこえたと思ったら、ツインテールの衣服が一気に脱げ落ち、ツインテールの裸体が吟醸の目に曝された。
 夜の月光に映えるツインテールの白い肌に、神々しささえ感じられた。

「う、うわ!うわああああああああああああ!!!」
「慣れてないの?よかったぁ。私もなの。可笑しいわね。怪盗の方がお手の物なんだから」

 ツインテールが吟醸に近づく。足が全く動かなくなり、あまりの驚きに腰が抜けたようにその場に倒れこんでしまった。ツインテールが吟醸の元まで辿り着くと、剃り残したひげをなぞる様に顎を撫でると、ゴツイ吟醸の顔に口づけを交わした。
 額に――、頬に――、まるで吟醸をすべて愛するかのように唇を交わすツインテール。そして、潤いを残したツインテールの唇が、最後に吟醸の唇に重なった。
 柔らかくて甘い口づけだった。

「……おまえ、なぜ……?」

 ツインテールの突然の申し出。物事を始めること全てに『動機』が必要であるなら、きっとツインテールの行動に説明がつかないのも無理はない。

「刑事さん。いま私が処女を奪ってほしい理由も、総次朗くんの『グノー』を奪う理由も、答えは同じかもしれない。
 ――理由なんて何もない。ただいらないものを誰かに盗んでほしかった。奪ってほしかった。そうすれば私たち、もっと別の未来があったんじゃないかって、そう信じられるから――」

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