純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

カテゴリ:グノーグレイヴ『入れ替わり』 > 粉薬『乱れ粉雪、月堕ちの寄生花』

「これで終わりじゃないですよね、先生?」

 一度放出した脱力感に襲われていた私を現実に呼び戻す声を聞く。
 理恵(武)のブルマが目の前にあった。大胆に突き出されたブルマ尻が視線を釘付けにし、眼福極まりない光景を目に焼き付かせる。

「な、なに、その格好!?」
「だって、先生一人でイってしまって、私満足してないんですもの」
「もう、いい加減して!先生はあなたでしょう!私じゃない!私はそんなイヤらしい女じゃない!」
「くすっ。どんなに否定したって、この身体も、先生(あなた)も、えっちが大好きな人じゃない。この二週間、私のカラダで毎日ヌいていたくせに」
「違う!わたしじゃない!あなたの肉体のせいで――!」
「それで自分の身体は俺の精神のせいにして、きみの精神は俺の身体のせいにして、きみ自身の風紀を守っているんだね。なんだか最強の理論だね。きみ自身汚れることないなんて――それは、俺の求める答えじゃないんだ」

 スリスリ――

「くひぃ!」

      スリスリ

 肉付きが良く大きく張り付けた尻肉に敏感な亀頭が食い込む。そのむっちりとした柔らかさをより強調していて、白い肌と紺色の布地のコントラストに欲望を煽られる。

「ほらほら、先生の好きなブルマを穿いたお尻ですよ。スケベなケツとの相性が抜群ですね」
「ひぃう・・・うぅぅっ・・・!いやぁ・・・こんなの・・・」

 理恵のお尻に扱かれる亀頭は、吐き出したばかりだというのに、勃起して硬さを取り戻していた。私は耳を塞ぎ理恵の声を嫌がりながらも、両手が勝手に逸物をお尻の谷間に宛がい、左右から肉を寄せて挟み込んでいた。
 逸物から伝わるブルマ越しの尻肉の感触。生暖かい体温と小刻みに震える脈動。
 モチモチとした尻肉に包まれる心地が亀頭に染みこみ、ブルマのざらついた感触も合わさって気持ちいい。

「ううぅぅっ・・・!いやなのに・・・こんなの、いやなのに!どうして身体が言うこと聞いてくれないの!?」

 気持ちとは裏腹に取る行動。明らかに私は自分でお尻扱きを進めている。

「先生のせい・・・こんなの、わたしじゃない!」
「もぉ誰のせいでもいいわ。お互い気持ちよければそれでいい。わからないの?」
「わからないよ!こんな、・・・あんっ!・・・こんなもの!!」
「あううっ!お、おしりに、硬いの擦りつけられて、やあっ、あっぃ・・・ひやああぁぁ!!」

 しっかりと尻肉を寄せながら腰を振り、ムチムチとした肉感を味わいながら逸物を力強く押し付けていく。
 どっちが犯しているのか分からない。まわりから見れば武(わたし)が理恵(武)を犯しているようにしか見えない。
 私自身が風紀を乱してるんだ・・・。
 お尻で扱かれることが想像以上に気持ちいい。お尻肉が自分の逸物に馴染んでいるみたいだ。
 蒸れるブルマと汗ばむ理恵のお尻。
 否応なく想像できるア〇ルセックスのDVDの記憶を呼び起こされ、ヤりたい衝動すら駆り出される。
 エッチなのはいけないことのはずなのに、目の前にいる理恵(わたし)を人と思えなくなる。
 理恵の所有者は私なのだと分からせるための二、さらに谷間に強く逸物を食い込ませ、力強く腰を振り乳肉との擦れ合いを堪能する。

「ひぃいいん!熱いぃ・・・!押しつけちゃ、イヤぁ・・・!んぅううううっ!!」

 亀頭が我が物顔で前後し、尻穴に先端を力任せに押しつけると、ブルマの布地が圧迫されて菊の皺が浮かんでいた。愛液が染み込むブルマがどんどん濃く変色しているのを見て、心が躍進していく。
 亀頭がめり込んでいた辺りに大きな窪みが出来ている。これだけお尻にブルマが食い入っていれば、肛門にもかなり亀頭が埋まっていたに違いない。

「はぁ・・・はぁ・・・」

 私は理恵(武)の身体を持ち上げ武(私)の身体に座らせる。
 私の行動の意図に気付き、理恵(武)は不敵な笑みを浮かべていた。



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「先生・・・ハァ・・・ハァ・・・約束の期限ですよ。ハァ・・・」

 乙成先生の言いつけ通り二週間が経過し、風紀委員の定例会議を終えて誰もいなくなった教室に二人は残った。
 私は、北河理恵が乙成武によって浸食されていく様をなんとか耐えきり、ぎりぎりで自我が残っていることに成功した。
 自分の身体に戻れたら私はまた元の北河理恵に戻れる。
 性癖も悪趣味も、私の知る世界じゃない。
 私は私の帰るべき場所がある――。
 日常、風紀委員として職務を全うする健全な生活。それこそが私の幸福。
 北河理恵のあるべき姿。

「――さあ、早く元に戻しなさい!!」

 口調を強く、人差し指を彼に向け、私は高らかに宣言した。

・・・・・・・・・・・・フッ」

 そんな私を見て、理恵(武)は歪な笑みを浮かべた。私の表情で浮かべるには下卑た邪推な笑みだった。

「まだそんなことを信用してたのか。どこまでお人好しの無垢なガキなんだよ」
「なっ!」

 先生が発した言葉は、今まで聞いたことのない下種な声だった。その声色が私の声というだけで悍ましい。

「おっと、今更二面性とか疑うなよ。そんなこと最初から分かっていたことだろう?」
「だとしたら・・・・・・今までのことはすべて演技・・・」
「なかなか楽しませてもらったぜ。おまえの私生活から学園生活まで。『女子高生』っていう時間はそれだけで勝ち組だよなぁ。それはもう、『先生』なんていう負け組なんかよりはよ!!!」

 まるで、今まで『先生』でいたことが不満だったように、口から語られる罵詈雑言。
 不満。不平等。不条理。結果の謝罪と土下座。
 生徒からからかれ、教頭から怒られ、PTAから叱責され、
『先生』は理解不能の趣味と趣向を不満の捌け口にした。
 すべていけないのは社会のせいだと、乙成先生が私に教える最後の授業だった――。

 そんなこと、この二週間でイヤでも知っていた。
 乙成武の人生をすべて知っていた。
 辛いこと、苦しいこと、泣きたいこと、嫌われていること、怒りたいことを我慢すること。
 爆発したいこと。発狂したいこと。
 すべて粉々になってしまえばいいと思っていることを。

 でも――、それでも、私は――

「あなたのような人が先生を名乗るなんてこと許されません!」
「はぁ?」
「あなたの勝手な都合で巻き込まれた私に何の落ち度もないじゃないですか!先生は自分のためなら罪もない人を傷つけて良いと言うんですか!?」
「いいとも。いったい俺がどのくらい君たちを守ってきたと思っているんだい?何も知らずに平々凡々と生きているお前たち生徒が、俺を助けない義理はないと思っているのかい!?」
「義理は強制じゃないわ。先生はそれが義務じゃない!責任転嫁なんて恥ずかしくないんですか?」
「・・・はっ!俺の人生が恥ずかしいかどうかなんて、今更じゃないか」
「先生・・・あなた――!」

 私は口籠ってしまう。この人は子供だ。とても先生と呼べる人じゃない。でも――

「そう。とても先生と呼べない人なんてごまんといる。そして、これからもそんな大人たちは増えていくだろう。その中で北河さん。きみは自分の信念を貫く生徒だった。俺には眩しすぎるくらい率直な人柄だった」

 一体、乙成武という人物に北河理恵という生徒はどのように見えたのだろう。
 落ちぶれた先生が見つけた最後の希望だというのでしょうか・・・。
 そのために、自分の持つ全てのものをかなぐり捨ててでも手に入れることが、先生は正しいと言うのだろうか。

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「先生。私の身体でヘンなことしてないでしょうね・・・?」
「勿論です。あなたの屈強な精神は肉体にも宿っているというのでしょうかね。私の思うようにいきませんよ?」

 私は先生入れ替わってからというもの、毎朝それを確認してきた。私の身体を変態の先生に預けることに不安を拭いきれない人。毎日が不安だけど、それを自分の肉体で押え込めているということが自分を安心させる。
 信じられるのは自分だけ。そう、それが私のプライドであり、自分であり、私なのだ。

「当然です!なんたって私は風紀委員ですから!」

 そう、私は風紀委員。学園の風紀を正す良き生徒の見本。変態や不純、凌辱、暴力とは一切無縁で関係のない人間だ。
 そうでなければいけないのだ。・・・そうでなければ私じゃない・・・私じゃなくなってしまうのに・・・。


 入れ替わってから帰ってくる場所は、北河理恵の部屋ではなく、乙成武の部屋。
 暗い部屋の中で成人男性特有の加齢臭が漂う部屋の中で私の価値観が汚染されていく。
 北河理恵が乙成武に慣れてしまうというのだろうか。潔癖さを見せつけ、拒絶反応を示していた私の価値観が少しずつ揺らいでしまっていた。
 先生は学園に居てはいけない存在だったはずなのに、入れ替わっている間に先生の趣味、趣向が私にも分かるようになってしまった。
 つまり私は、今も先生秘蔵の隠し撮りDVDを捨てることが出来なかった。それどころか――

「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

 私は先生のDVDを選定して、自らの手でDVDを再生して見始めるようになっていた。
 同じ学園の女子生徒達の放尿シーンを見て何が面白いのかが分かるようになってしまった。
 盗撮という行為を犯して手に入る女子生徒の誰にも見せたくない秘密の花園。緩んだ表情。迸る放尿・・・そんな生徒達をレンズ越しに眺める非日常的な光景。日常からの脱却。見つかったらどうしようという恐怖や極度の緊張感が味わえる至高の駆け引き。スリルを楽しむ快感。それが男性なんだって理解した。
 なんて愚かなんだろう。そんなことに人生―しょうぶ―を賭けていただなんて――

 次のDVDを取り出し、観賞する。

『ねえ、本当にここで大丈夫なの?』
『大丈夫だって、安心しろよ。この教室は放課後になると誰も近寄らなくなるって噂あるだろ?』

 男女のカップルが画面の中に登場して何か言っている。もちろん、この教室もなんら他の教室と変わらない空き教室の一つで、部活をやっていたり談笑していたりで放課後とはいえ生徒達が校内外にいないわけではない。しかし、男子生徒は学園七不思議に謳われた学園の噂に便乗して女子生徒を連れてきたのである。そして、男子生徒の言われた通りに女子生徒は従い、教室の中でキスをし始めた。

『んっ・・・ふぅん・・・はぁぁ・・・もぉっ、乱暴なんだからぁ・・・んっ、ちゅっ・・・ちゅっ』

 満更でもない女子生徒も、男子生徒の首に両手を回し、二人熱いキスを交わし続けた。

『んちゅ・・・れりゅ、れろれろ・・・ふっ・・・ふっ・・・ちゅくりゅろ・・・』
『よぅし・・・んっ、んくぅ・・・あぁぁ・・・うまいぞ、フェラ』
『んはあぁぁ・・・しゅっご・・・先っぽくちゅくちゅされてこんなにビクビクしちゃってる・・・ね!感じてきたでしょ?溜まってるんだよね?』
『ああ。毎日でも亜久里とヤりたいぜ、俺は」
『キャハッ!そんなぁ・・・鬼頭くんにそんなこと言われたら・・・頑張るしかないじゃん』

 女子生徒がスカートを脱ぎ、陰部を露出させる。

『鬼頭くんのガチガチおち〇ち〇・・・欲しいよぉ。私のおま〇この穴、キュッキュしてるの。はぁ・・・んっ・・・挿入れたいって、身体の奥が疼いて仕方ないのぉ・・・はぁ・・・』
『もう濡れてやがる。ビラビラが開いてるし・・・どんだけ淫乱なんだよ、おまえ』
『どうしよっ。挿入したら絶対気持ち良いやつだよね、これ。こんなおっきいのいきなり挿入れたらさすがにおま〇こ裂けちゃうかも・・・いやんっ、こわぁい・・・でも、こんなに濡れてるし、きっと耐えてくれるよね?』
『壊れてやがんぜ、おまえは。いいぜ。俺も一緒に壊れてやるよ』
『はぁんっ!優しい鬼頭くん。大好きだよ!』

 女子生徒が馬乗りにの体制をより、男子生徒は両手をつかんだ。後は女子生徒が腰を下ろしていけば、男子生徒の逸物が女子生徒の膣内に呑み込まれていくだろう。
 そんな――学園で行われている本当の光景に私は目を奪われているのである。
 平和な街に警察官が配備されても、事件事故がなくならないように、風紀委員の監視を忍んで風紀を乱す生徒が少なからず存在している証拠。空き教室の中で繰り広げられる現存する生徒達による未成年同士の性行為を、先生が録画し保存していたのである。
『放課後になると現れる空きの教室』の噂を広めたのは乙成武本人だ。それは噂に便乗して教室内に隠していたビデオカメラで未成年の不純性行為を録画するため。まんまと生徒たちは先生の思惑通りに動いているのである。
 まさか誰かが自分たちの性行為を録画しているとは思わない。生徒たちは性行為を自ら愉しみ没頭していく。

『んあぁ・・・途中までしか入らないのに・・・熱くて・・・キツい・・・柔らかいまん肉とヒダヒダが・・・締め付けてくる・・・』
『はぁ・・・はぁあ・・・おっきぃ・・・なかぁ・・・ぎっちぎちに広げられてく!』
『お、おおぉ・・・子宮の奥に、どんどん引きずり込まれる・・・』
『お、奥までぇ・・・おち〇ち〇挿入れるかんねっ!ンッ・・・くぅう・・・ンンッ、んふぅううぅッッ!』
『あ、あぁ・・・いいぞっ!お、おふぅ・・・うぐぅう・・・っ!』
『んッ・・・あはぁあ・・・おっきいの・・・全部、はいったぁ・・・ハァ、ハァ・・・』
『せっ、狭すぎ、亜久里の膣内ぁ。力抜いてくれなきゃ動くことも出来ねえし』
『ふっ、ふっ・・・動くのはあたし。こんなすごいのはいって・・・ナカの気持ち良いところ全部当てられてるんだから。・・・ほら、子宮の入り口・・・先っぽ当たってるの分かるでしょう?』

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『や、やべ、うごくなぁあ。絞るなぁあ!』
『あぁ、あ、ヤバ・・・きもち、いい・・・抜くの、引っかかって・・・ヤバいって・・・!』
『き、気持ちいい・・・こんなゆっくり出し入れしてるだけなのに、ずっと膣内がギュウギュウ締め付けてくる。こんなの初めてだ』
『あ!あ!擦れる!カリが一番感じるところ擦ってりゅ!』
『ハァ・・・ハァ・・・あっ・・・あぐぅっ・・・』

 盗撮したシーンで二人の感度なんてわかることないのに、この二人は自身が感じることを説明するようにお互いに語り掛け合いながら性行為をし続ける。まさかそれを録画して聞いている私がいるなんて夢にも思っていないだろう。
 先生がどこに仕掛けたらわからない盗撮は丁度女子生徒しか映らない構造になっており、まるで本当に自分が彼女を犯しているかのような錯覚にさえ陥っていた。画面の中で喘ぎ涙を零して感じる女子生徒を見て、私の手は自然と先生の逸物を扱きあげていた。

『あぁん、あっ!あっ、ダメ!これ、ダメぇ!あたし、いっちゃう・・・もぉイっちゃうッッ!!!』

 連結した部分から溢れだす愛液。乱れる髪。響く喘ぎ声。
 私から見ても――彼女は感じすぎて壊れるほど愛されていた。
 女性って凄い・・・こんなに感じるんだ。こんなに感じられるんだ。おかしいな、私だって女性なのに・・・女性・・・だったっけ・・・?

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 盗撮したAVさながらのDVDを観賞しながら、一人人目を忍んで逸物を扱き続ける私の姿は――中年太りしたお腹と老化が進行している頭を隠そうともせずにランニングシャツというお粗末な姿を気にも留めない乙成武と同化していくのだった。

『はぁ・・・はぁあ・・・ぁはっ・・・イっちゃった・・・はぁぁ・・・』
『おいおい、早くないか?これで果てるんじゃねえぞ。このまま第二ラウンドに行かせてもらうからな』
『うん。うん。鬼頭くんに突かれる度におま〇こも頭の中もダメになるんぅう・・・しゅき、しゅきぃい、鬼頭くん・・・もっとシてッ。ゴリゴリって私をもっとダメにしてぇええ!んひああぁぁああぁぁああああ!!!』

 私もまた彼女の声と供にイってしまった。限界まで達したことのなかった自分の快感がさらに開拓されて今まで感じたことのなかった絶頂から噴き出した精液を大量に手に付着させていた。
 これが私の知らなかった学園の風紀――私一人がどんなに正義感を振り翳そうと、学園の風紀を守れなかった事実がありありと突きつけられた。
 空白になった私の頭の中に、さらに先生の邪念が入り込んでいくのに気付いても、私は拒む気力を失っていた。


 
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「先生。私の身体でヘンなことしてないでしょうね・・・?」

 北河理恵は入れ替わってからというもの、理恵は俺の動向が気になるらしく毎朝それを確認してきた。

「勿論です。あなたの屈強な精神は肉体にも宿っているというのでしょうかね。私の思うようにいきませんよ?」
「そ、それは当然です!なんたって私は風紀委員ですから!」

 そう言い聞かすことでまるで自分を納得させているようだ。それが彼女のアイデンティティーであり、彼女が自分の身体を安心させる唯一の方法だからだ。
 自分の身体を他人に預けることに不安を覚えない人間などそうそういないだろう。彼女でさえ不安を覚えているに違いないが、自分の肉体の安否を毎朝確認することが彼女を納得させ、余計な不安を与えないことで彼女を一先ず安心させることが、俺に対しても、そして彼女に対しても余計な手間を増やさないことがこれから重要になってくる。
 今にして思えば、入れ替わりの効力が切れるまでの月日はとても早かった。


 ――今まで入れ替わりによって行動を制約されていた俺の行動範囲は飛躍的に伸びていった。

 当然、学園生活では北河理恵を演じなければならず、下手なことをして計画を潰したくない俺にとって、学園では静かに身を潜め、肉体が記憶している理恵の行動に任せていた。そうすることで、俺が理恵と入れ替わっていることを見破る生徒はいなく、生徒の一人として普段通りの生活を過ごしている。おそらく理恵もまた学園生活は俺と同じように行動し、お互い入れ替わっている事実を黙秘しているみたいだが、それはそれで俺にとって好都合である。

「ただいま。・・・はぁ、今日も疲れたわ」

 そして一日の授業を終え、帰宅してから俺は肉体に語り掛けるのだ。

『お疲れさま。今日は体育の授業があったね。汗に濡れるくらい頑張っていたみたいだね。それじゃあもう一回運動服に着替えてみようか』

 理恵の精神(俺)が肉体に語り掛けるのだ、理恵は黙って俺の言う通りに制服を脱ぐと、鞄の中から汗で濡れた体操服を取り出すと、再び身体を通し始める。
 まるで催眠術にかかったかのように、理恵の身体を体操服に着替えさせることができるようになった。これが一週間の成果であり、肉体はいつでも俺の意志に動く人形のようになったのだ。

「あれ?なんで私体操服に着替えてるのかしら?うくっ。つめた・・・」

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 やれやれ。それでも精神と肉体の疎通は出来てはいない。これは一方通行の命令だ。理恵の肉体は俺のいう事を聞きたいとは思っていない。それほど彼女の意志は強いという事だが、そのおかげで今の俺にとっては都合のいい環境が出来上がっている。
 肉体は意志がなければ動くことができない。普段の習慣で動いているに過ぎない理恵の肉体に、少し指令を出してやれば彼女は素直に遂行する。俺がわざわざ動かしているわけじゃない。彼女の肉体が進んでそれを行ってくれるのだ。
 俺の手を汚すことなく。こんな楽なことはない。

「私ったらなにやってるのよ、ぼうっとして。早く着替えないと――」

 意味もなく着替えた体操服を再び脱ごうとする理恵だが、それは俺の意志に反する行為だ。

『ちょっと待つんだ』

 俺の声を聞いた瞬間、身体の動きが止まる。ダメダメぇ。誰の目にも映らなくなったんだ。俺が前面に上がってきた以上、理恵の身体は俺が支配させてもらうよ――。

『せっかく体操服に着替えたんだ。自分の汗のにおいが香ってくるだろう?』
「くんくん・・・・・・はぁ・・・」

 理恵が鼻を鳴らして自分の匂いを嗅いでいく。その匂いは俺にまで香ってきて、彼女の汗臭い匂いが俺を刺激した。

「すんすん・・・・・・私ったら・・・自分の匂いを嗅いで・・・くんくん・・・ハァ・・・」
『うわ・・・くさ、臭い!このにおいはたまらない!たまらないぞぉぉ!』
「こ、これは汗臭チェックです。体操服も汗で黄ばんでいたら風紀委員として最低ですから。くんくん・・・ハァ、ハァ」

 理恵が如何に理由を付けようと、自分の匂いを嗅いで欲情してきているのがわかる。息を荒くして蒸れる体操服の中の匂いを嗅いでいる様子を鏡越しに見ることが出来た。
 ――北河さん。きみがどんなに意志が強くても、少しずつ肉体は俺に似てきているようだ。
 さあ、その手で肉体の欲求を膨らませていこうか。

「ン・・・・・・あぁん!」

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 彼女の手が自然と、乳房を揉みしだく。そのやり方は手慣れたようで、自分の感じるところを的確に弄っていく。

「やぁ・・・乳首、擦れちゃう。ぅん・・・こんな時間に、やったことなかったのに・・・」

 汗で濡れた体操服は透けて高揚した乳首をのぞかせている。理恵もそのことに気付いているようで、鏡を見ながら顔を真っ赤に染めていた。

「私ったら、最近毎日欲情しています。そんなこと知られたら、学園の風紀は守れないのに・・・」
『悩んだところで仕方ないよ。そういうサイクルが女の子には来るんだよ。だから今は快感を味わうことに集中しよう』
「・・・そうね。そんなことより、今は自分のことを心配しましょう。ン・・・んふぅ・・・」

 他人の心配に気を使うより、自分の快楽を優先させる。そんな堕落を見せる彼女はゆっくりとブルマに包まれた自分の秘部に指を擦りつけた。

「あんっ!あっ!あっ!あっ!ああっ!」

 きゅっと内股になった状態で指を動かしていく理恵。少しずつブルマが指に押されて、愛液を含ませて濃く変色していった。
 汗に濡れた体操服が、その豊満な胸に、肉付きの良い尻と股座に、これでもかと食い込んでいる。その肢体を鏡に映しながら、理恵は恥ずかしそうにブルマに食い込む股間をもぞもぞと動かした。

「んくぅ・・・胸が、なんだかドキドキしてる。こんなことして・・・恥ずかしいのに・・・」

 少なからず俺の影響が彼女を蝕んでいるのは事実だ。理恵が恥ずかしいことをすれば俺が喜ぶのだから。
 勃起した逸物があればこの光景を見て間違いなく扱いているだろう。

「んあ・・・もっと、もっとよく見て・・・この胸も、・・・この太腿も、ぜ、全部・・・浩平くんのものよ」

 蕩けた目で片想いの彼を妄想する理恵はブルマの上から性器の周囲をゆっくりと撫でまわし始めた。

「ん、んく・・・あはぁぁ・・・だ、だめぇ・・・きもちいい、んあぁ・・・ココ・・・気持ちいい」

 その言葉通りに、ブルマの股間部分がさらに濡れてくる。その濡れた部分に触れ、指先で擦り続ける。理恵は鼻息を荒くすると、股間のシミをさらに大きく色濃くしていった。

『そうだ。目の前にいる彼に対して、自分がどんなイヤらしいことをしているか実際に言ってみようか』

 理恵に対して自慰行為を実況させるなんてどんだけ変態なことを思いつくのだろう。しかし、いまの理恵は俺の思ったことを忠実に遂行してくれる。

「・・・・・・ま、まずこうやって・・・胸を・・・撫でまわして・・・んあ、こうやって・・・優しく、んふぅ・・・何度も、弄ってぇ・・・浩平くんの、んっくぅ・・・大きな手を想像しながら、胸を・・・ゆっくりと・・・・・・んんっ・・・何度も弄ってぇ・・・・・・はぁ・・・そして、徐々に、激しくしていってぇ・・・あ、くぅ~」

 しなやかな手が理恵の胸の表面を撫でながら、撫でまわす手の動きが徐々に荒々しくなっていく。

「んく、んふぅ・・・そうすると、こ、こんな風に・・・乳首ぃ、痛いくらいに勃起してぇ・・・あ、ぃゃぁ・・・すごい、硬くなってる・・・」

 理恵は体操服の下から浮かび上がってきた勃起乳首の先端を、コリコリと刺激した。

「ハァ、ハァ・・・それでぇ・・・勃起した乳首を・・・浩平くんにぃ・・・弄られたいのぉ。こうやって、乳首を押し潰すように擦りつけてぇ・・・んひぃ・・・んく・・・んふぅ・・・」


 恥ずかしさを興奮剤に変えて、理恵は心の中まで曝け出している羞恥心に身震いを覚えていた。肌を桜色に上気させてますます鼻息を荒くしていた。

「浩平くんに・・・胸を弄られたら・・・その、指を、胸から・・・んふぅ・・・腰へとゆっくり降りていって・・・」

 理恵の指が流れるように太腿の内側を撫でながら股間へと滑らせていった。

「そして・・・わ、私の一番大切なアソコにぃ・・・ここに、触れるのぉ」

 理恵は股間のシミの中心を指で押さえつけた。ブルマの上から股間をグリグリするだけで、愛液が溢れてブルマから染み出していた。

「あ、ああん。やっ、そんなぁ・・・だめえ、少し弄っただけなのにぃ・・・止まらない。とまらないよぉ!」

 感じやすい理恵は想像以上に濡れており、恋する乙女の妄想は全開に濡れるのかと驚くほどにイきやすくなっていた。
 股間を少し触っただけで、理恵は――

「あん、ああぁん!もう、もうだめぇ!いく、いく!あ、あ、ああぁん!いくいく、いく、いくぅうううううう!!!!」

 ――理恵は自分の指で絶頂を迎えた。身体を小さく震わせながら、絶頂の余韻を浴びていた。体力を回復するまでしばらく時間が掛かりそうである。
 これでようやく、主導権を握ることが出来そうだ。



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 先生と身体が入れ替わって、先生として生活しながら家に帰ってくる。
 北河理恵としてではなく、乙成武としての家には、家族の温かさもなければ、大層な家の中で一人で生活しているのだから寂しささえ覚えてくる。
 帰ってきて「ただいま」って言っても、お母さんの「おかえり」という声は当然聞こえない。照明の明かりをつけて家中を照らして、初めて家の中に人がいると外部に知らせることができる。当然、だからといって周りが気にかけるような素振りはない。赤の他人で、近所付き合いの皆無の引き籠りな人――それが私の学校で先生をやっていることを改めて思い知る。
 先生というにはあまりにも尊厳はなく、尊敬できるかといえばそうでもない。私たち生徒が先生として敬っていることが、乙成武としてのアイデンティティーは生徒が作り、生徒が崇拝した彼の人格は、歪んだ理想像へ変わっていった――それが、彼の奇行の趣味趣向。唯一彼が捻出したお遊戯――盗撮という犯罪行為。
 信者(生徒)の行動を逐一確認し、自分の崇拝が弱まっていないということを撮影する奇行。生徒の自由を束縛し、生徒の思想を拘束し、自身を尊重させ続けるよう強制する彼の犯罪行為。自分で何が間違っているのか分からず、そして誰も間違いを教えないまま成長した大人の姿。
 捻じ曲がった性格はもう元には戻らない。伸びてしまった月日は大量のDVDを部屋の中から見つけ出すことが出来た。
 あとはこれを処分するだけ。彼には絶対に出来ないのなら、私が変わりに目的を達成させる――。

「こんなものがあるからいけないのよ。歪んだ性癖はすべて断罪しなければならない」

 風紀委員として私が正す。学園の風紀は家庭内の空気から変わらなければならない。彼が出来ないのなら私が処罰を下す。それが乙成武という一人の男性を治す第一歩になると信じて。
 故に、DVD一つたりともこの部屋に証拠を残してはならない。一つでも残したら奇行を思い出し、また元の生活に戻ってしまうに違いないから。

「本当にもうどこにもありませんよね・・・?」

 私の探せる場所は全部探した。想定している箇所を探したとしても、本当に全てのDVDを見つけたという確証はないのだから。それを確かめるには、本人以外に成し得ないから――

「・・・・・・仕方ありません」

 ため息を一つ吐いて私は覚悟を決めた。
 正義感故に、私は乙成武の記憶を少しだけ自身に取り込もうとした。それはつまり、彼の性癖、趣味趣向を自ら知ろうという愚かな行為。理解する必要のない性癖に理解しようとする、風紀委員として矛盾した行為。
 だけど!そんなの許してはいけない。風紀を乱す彼の行為を止められるのは私しかいないじゃない。
 ・・・大丈夫。彼なんかに私は負けない。本当に、ほんの少しだけだから。彼の記憶から、DVDの隠し場所を掴む程度のものを取り込んだところで、私に支障はないはず。現に彼の生活リズムを知るために記憶を取り込んだ時には、現に特に変わったところはなかったのだから。

「―――――――」

 私は目を閉じ、少しずつ彼の記憶の引き出しを開けていった。知られざる彼の私生活を重点を置き、彼の記憶を覗いていく。
 ほんの少し・・・
 あと少し・・・
 ・・・・・・。

「・・・・・・・・・・・・わかったわ」

 彼が隠していたお気に入りのDVDの場所を見つける。それは、私の想定の届かない、ベッドで隠してある引き出しの奥に隠されていた。
 さらに大量に出てくるDVDの山。彼が溜めた宝の山を見て私は吐き気すら覚えた。

「・・・・・・最低です。あの男は・・・・・・」

 全ての男性が悪いわけではない。しかし、女性を欲求の目で見ているという男性が一人でもいる限り、男女平等ではないと私は思う。
 学園の風紀を正すために一刻も早く捨てるべきである。ゴミ袋に包み、彼の秘蔵コレクションを翌日には清掃業者に持って行ってもらうことが学園のためになるはずだ。

『それは違うよ』
「・・・ダレ?」

 私の頭に直接語り掛けてくる彼の声。乙成武の最後の説得が聞こえてくる。

『きみは学園の風紀のために男女の愛を否定するつもりかい?学園にカップルがいないと信じているわけじゃないだろう?いや、きみの言う学園の風紀に、男女の仲は存在するのかい?』
「黙りなさい!私を口説こうって言うの?語り掛けるしかできない貴方が!!?」
『君は認めたくないだけなんだ。恋人という関係に嫉妬していることに。学園の風紀のために男女の愛を否定しなければいけないことに』
「黙りなさい・・・」
『学園の拘束を破る生徒を見て嫉妬している。化粧品を持ってきて女子力を高めている生徒を妬んでいる』
「・・・だま、れ」
『まじめに生活している自分に対して悲しんでいる。校則を破りたいという想いが我慢できなくなっている』
「黙れ、黙れ、黙れ、黙れ!」
『俺のDVDに目を通しなさい。そうしたらわかるはずだ。どれだけ自分が他の生徒より劣っているか。女子生徒の普段の生活が見えるはずだ』
「・・・面白いこと言いますね。私が?他の生徒より?劣っていると??」

 彼の挑発で乾いた笑いが出た。彼が私に説教できる立場にあるとも思えない。そして、彼のDVDが私の人生を変えるとは到底思えない。そんな彼が私を馬鹿にすること自体滑稽で、愉快で、嘲笑を買った。

「いいでしょう。たった一度だけ、3分だけ見てあげます。こんな下らないものを私が見てあげるんですから、感謝してくださいね」

 売り言葉に買い言葉。私は彼のお気に入りのDVDをつかみ、プレイヤーに入れて再生した。

『・・・・・・・・・・・・』

 彼はこれ以上何も言わず、それでも私を冷笑していた。続きを読む

 やれやれ・・・ここまで予定を崩されるとは思わなかった。
 北河理恵という女性は正義感が強い。風紀委員として活躍している時から他の生徒よりも躍起になっているのは、それが彼女の生き甲斐になっていたかもしれない。
 心に染みついた体制は身体にも伝染するのか、身体が”入れ替わった”にも関わらず、乙成武の意識は北河理恵が言っていた通り、”入れ替わり”から三日経過した現在も思い通りに動かすことは出来なかったのだ。

『当然です。先生の意志なんかに私は負けません』

 まるで北河理恵という生徒が身体に宿っているように、私の意志に反して身体が勝手に彼女の習慣をなぞっていく。朝6時に帰宅し、早朝ランニングで目を覚まし、部屋の掃除をした後で朝ごはんを食べて、占いを見てから制服に着替え、友達と供に学校へ向かっていく。
 変わらない日常をなぞるように繰り返される毎日。学校から帰ってきては一時間勉強した後、お風呂にゆっくり入って、制服の皺を伸ばし、翌日の学校の準備を整え、10時には就寝する。
 規則的な生活、純粋無垢な性格。まるで俺の意思は埋まる隙がないほどに組まれた生活リズム。
 俺の意識は北河理恵の生活を盗撮しているに留まるしかなかった。まあ、それはそれで満足であるのだが、面白くはない。せめて、俺の意志が少しでも関与でき、『オナニーしろ』と頭に訴えかけてその通りに身体がオナニーを始めてれればまだ楽しめたものを。意識が齎す関与すら遮断しているせいか、今のこいつは五感を失っているはずである。ただ生活リズムの通りに時間に沿って行動する空っぽの器だ。

「なあ、俺に身体を洗わせてくれよ」
『触らないでください。汚らわしい』

 よほど俺のファーストキスがトラウマなのか、絶対に俺に身体を洗わせてくれない。

「そうは言っても、今は俺がきみの意識なんだよ?仲良くしようじゃないか」
『結構です。私は私で勝手にやりますー』

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 目上のいう事を聞かないのは今時の女子高生か。苦々しい表情を浮かべながら黙々と身体を洗い続ける理恵のギャップが鏡に映し出されている。綺麗に洗うと言ってもスポンジで簡単に擦って終わり程度のものだ。泡が身体に付着すれば汚れが落ちたと思う典型的な初心者だ。

「俺が洗ってやるって。全然綺麗に洗えてないぞ。そんなものじゃ一日の汚れは落ちないんだ。爪の間や指の隙間もちゃんと擦らないと洗ったうちには入らないんだぞ」
『うるさい!そうやって私の胸を揉むつもりでしょう!』
「洗う為じゃないか。胸の谷間にだって汗が溜まるし、腋の匂いだって気にかけないといけなくなるんだよ?実際、いまの君からは――」
『うぇぇ・・・さすが、そういう部分に異常に執着するマニアね。変態がまじめに私に指図しないで、フン』

 お湯を被り、泡を洗い流してすぐに浴室から出ていってしまう。やることはきっちりすると思いきや、思いの外自分のことに対して雑な印象を持つ。スポンジを滑らせるようになぞっただけで胸を洗ってしまった行動を見て、俺はある一つの可能性を思い描いていた。
 それまで俺は何も言わず、ただ好機を待つ。それが何時なのかは分からないが、二週間以内――”入れ替わり”期間が終わる前でなければ俺の負けだ。

『ふぁ・・・・・・そろそろ寝ようかしら』

 何も出来ずに”入れ替わり”が終わるのを指を咥えてみているしかないのか――残念ながら今日もまた一日が終わろうとしている。布団に入る理恵が就寝すれば、俺もまた嫌でも眠らなければならないのだから――

 ・・・・・・・・・
 ・・・・・・
 ・・・

「・・・・・・・・・ん?」

 おかしい。俺の意識はまだ眠っていない。時刻はとっくに定時を過ぎている。規則正しく就寝する理恵が夜更かししているという事だ。
 いったい、なにが起こっているのか?自分の意識を少し下に動かしてみる。そこで目にしたのは――

『んふぅ・・・ん・・・ん・・・』

 なんと、このカラダ。自分を慰めているじゃないか。

『はぁ、んっ・・・!んあ、ああ・・・・・・ダメ、なのに・・・・・・あぁっ・・・』

 頭ではそう思っているのに、手が止まってくれない。パジャマの上から胸を揉み、何度も何度も身体をビクつかせる。

『はやく、終わらせないと・・・・・・明日に支障でちゃうからぁ・・・』

 そう言いつつ彼女を覆う布団の一部がもぞもぞと動いていた。パジャマ越しにふっくらとした乳房とやんわりとした肉の感触が合わさるように、胸元と股間からは、細い指先がパジャマ越しに当たってくるのが感じられる。
 何をしているのかなんて言うのは聞くことが野暮だ。そして、それこそ俺が待ち続けた瞬間だ。そう、彼女自身が来る定期的の自慰行為を待ち望んでいたのだ。

『ああっ!?』

 抗えぬ欲求に負けて手がクリ〇リスに触れ、思わず声を上げてしまう。

『あっ・・・あぁ・・・・・・・・・こんなに・・・・・・少し擦るだけでイヤらしい水音がして、恥ずかしい。こんなことをしては、ダメなのに・・・・・・んんぅ!』
「よぉっ」
『ヒッ!?見てたんですか!?』

 俺の声を聞いて驚いている。当然だ。いま俺は北河理恵の秘密を知ってしまったのだ。
 理恵の身体は意識がない。つまり感覚もなく、ただ同じ周期を繰り返す器だ。いかに誤魔化したところで、その身体は感じてなんかいない。
 見えていない視点でいくら胸を揉みしだいたたところで、水音なんて聞こえやしない。感じてなんかいないから、自慰行為は永遠に終わらない。
 しかし身体は馬鹿正直に定期的に自慰行為を始める。俺が見ていたとしても身体を慰め、感じるまで身体を弄り続ける。模倣的に自慰行為をしたところで、精神と身体が繋がらない限り、快感は得られない。

「感じたいだろ?」
『別に、感じたくなんかありません』
「あ?」
『これは周期的に来る性的な処理です。別に感じなくたって乳首は勃ちます。別に気持ちよくなくたって、イけばいいんです』
「・・・なるほどな」

 どおりで彼女は性に対して開拓が弱いはずだ。今まで愛撫していた刺激はすべて俺に流れていたにもかかわらず、全然気持ちよくはなかったのだ。女子高生にしては疎いその刺激にもどかしさを覚える俺がたまらず声をかけたのだ。彼女にとって自慰行為は快楽を得るものではなく、処理するものという認識ではこの先いくら経っても快感は得られないだろう。
 故に――俺が理恵の身体に付け入る隙はこの瞬間しかない。

「俺に任せろ」
『えっ・・・』
「俺がきみの身体を開拓させてやる。そんなもどかしさを味わうのはもう辞めにしろ」
『冗談じゃありません。結構です』
「こういう事は俺の専門職」
『先生・・・保健体育の先生でしたか?』
「いや、国語教師だ」
『そうじゃなくて、反語表現!』
「むしろ、誰かに教わりたくても教われるものじゃない」
『教わる必要があるものとは思えませんが・・・』
「確かに。でも、決して損はない知識だ」
『・・・・・・まあ、そうかもしれませんが・・・』

 彼女の意志が少し揺らいだ。あと少しか――

「北河さん。もう意地を張るのは止めにしないか。いまの俺はきみの意志できみ自身なんだ。精神と身体が一つになれば、きっと今より得られるものがあるはずだ」
『そんなこと言ったって・・・』
「第一、今の北河さんは――腋から匂いが出てるんだよ?」
『う、ウソ・・・』
「本当なんだ。毎日走っているのに、身体を雑に洗うから匂いが発生しているんだよ。今のきみには分からないけど、俺にはずっと分かっていたことだ。きっと、まわりのみんなも気付いていたはずだよ。それなのにきみは誰の言葉も聞かず、自分の意志を貫いて迷惑かけている。風紀委員が風紀を乱していることに気付かない――」
『そんな・・・先生。本当ですか!?わたし・・・なんてことを・・・』

 ショックを隠せない。理恵の声が弱々しくなっていくのに対し、少しずつその傷を埋めるように優しく慰める。

『だから、ほんの少しでもいい。心を開いて。俺を受け入れて。お互い感じる自慰行為を教えてあげる。心も身体も満足する、そんな気持ちいいオナニーを――五感がなければ快感は得られない。身体が満足できない自慰行為は本当に救われるのかい?』
「・・・・・・・・・・・・わかりました」

 理恵の身体が俺を受け入れた。少しずつ、俺は理恵と混ざり合っていくのを感じた。

「ありがとう。理恵さん・・・」

 この時、身体は五感を手に入れ、俺は彼女の身体が持つ北河理恵の主導権を少し手に入れた――。



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「生徒会の持ち物検査です。皆さん。校門をくぐる際、鞄の中を見せて下さい」

 朝の通学時間。校門には私、北河理恵―きたがわりえ―の声が突如響き渡った。そこで待っていた生徒会の一員に動揺し始める生徒達。風紀委員の私たちの突然の持ち物検査で慌てて引き返そうとする女子生徒達――。

「あなた。そこで何をしているの?」
「あっ、ちょっと。これは・・・」

 鞄を取り上げて中を覗けば、お化粧やら携帯電話等校則違反の物品の数々が教科書と一緒に乱雑されていた。私はそれを取り上げて酷くため息をついたのだ。

「こんなものを持ってきて。うちは校則で化粧禁止です。これらは生徒会が没収します」
「そんなぁ」

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 最近では一年生からも化粧を始め、学園の風紀が乱れが一段と激しくなる。携帯依存している生徒も多く、風紀委員では多くの校則違反の商品を回収することが出来た。しかし、私の心は晴れることはなかった。

「はぁぁ。風紀委員が活躍すればするほど悲しくなるわ」
「お疲れ様だったね。これは先生が預かるよ」

 風紀委員の担任である乙成武―おとなりたける―が生徒から回収した物品を取り上げようとする。私は先生にそれの入った箱を預け、先生が両手を塞ぎ鞄を地面に置いたのを確認した。

「先生。あなたもです」
「・・・・・・えっ?」
「当然でしょう?先生ともあろう方がまさか学校の規則に外れたモノを持ってきてはいないでしょうね?」
「ちょっ、ちょっと待って!北河さん――開けないで!」

 普段はしない生徒から先生への持ち物検査。それは断っておくと私が独断でしていることではない。
 少し前から、学園ではある噂が持ち上がっていたことが発端だった。

 ”女子生徒を盗撮している人がいる”

 その噂は一件や二件だけではなく、数多くの問い合わせが来るほどの事案であり、風紀委員の最重要課題と位置づけた。犯人はネット動画で盗撮をあげ、視聴者の多さで多額の返戻金を貰っているようだった。罪なき生徒達を撮影しネットで全国の晒し者にする悪しき違法者を断じて許すわけにはいかない。
 私は遂に犯人の目星をつけ、そして辿り着いた。

「――やっぱり、あなただったんですね。乙成先生」

 先生の鞄の中に入っている小型カメラと小型SDカードの予備。それは撮影用の道具以外の何物でもない。小型ながらにしっかりとマイクが装備されており、様々な音を高度に拾うことが出来るだろう。気にしなければカメラとも分からない、ペンシル型の盗撮カメラ。それは既に常習さえ思える悪態の正体だった。

「・・・・・・・・・・・・」
「そんな・・・人があろうことか私と同じ、風紀委員会の中に潜んでいただなんて・・・・・・!」

 悔しくて全身が震えてくる。今まで優しい顔で助けてくれた先生が・・・裏では生徒達を売買していたという事実を受け入れることが出来ない。しかし、押収された証拠が物語っている。私が追い求めていた犯人がこうして目の前にいることを。

「勘のいい子供は嫌いだよ」
「――――先生ぃっ!」

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 信じたくなかった。疑いたくなかった。人が変わってしまったように下卑た醜悪な表情で嗤う先生を犯人だと認めたくなかった。

「じゃあ、やっぱり先生が・・・・・・」
「違う。違うんだよ。北河さん」

 私に向けて先生は普段と変わらない優しい声で語り始める。

「これは病気なんだ」
「えっ・・・」
「君たちが何気なく過ごす日常はお金になるんだ。女子高生というだけで一日の動画を撮影し、動画にするだけで視聴者は集まり、君たちの生活の一日をつい見てしまう。俺にとって君たちは商品であり、売れる材料なんだ」
「私たちはあなたの商品じゃない!そんな勝手な理屈言ったところで、侵害以外の何物でもありません!」
「だから病気なんだ。この病は治らない。君たちが理解してくれないし、俺を理解してやくれない。俺だって悪いと思っていても、この行為を止めたくても止めさせることができない。習慣、趣味、趣向・・・もう身体が勝手に動いて抑えることが出来ない身体になってしまったんだ」
「ふざけないで!そんなのあなたの心が弱いだけじゃないですか。身体が勝手に動く?そうやって仕向けて心にブレーキを掛けないあなたの心が促しているだけじゃないですか!!」
「そうかな?悪いと思っていてもついやってしまうことは多いんだよ。心と身体はお互いを映す鏡のようなもの。どちらかが変わればもう一方も自然と変わってしまうものだよ」
「なら、あなたの心がもう少し強ければ、身体を止めることだって出来たじゃないですか!今からでも心を入れ替えて悪趣味を止めることだって出来るのに、それを諦めて私たちに危害を及ばせているのを黙認して悦んでいるじゃありませんか!私は風紀委員として見過ごすわけにはいきません!やっぱりあなたは屁理屈を言っているだけの変質者でしかありません!!」

 警察にすぐ連絡したいけど、私は携帯を持ち歩いていない。別の先生にこの事実を伝えに職員室へ向かうつもりだった。

「ふぅん。君の言っている更正はそんな簡単なことじゃないよ?」
「はぁ?」

 何はともあれ、先生の鞄はここにある。素手な先生が襲い掛かっても対応できるように十分な距離を取っている。しかし、先生は突然うずくまり、苦しそうな表情を浮かべた。

「ごめん。鞄の中にある『粉薬』を取ってもらえないか?」
「『粉薬』?」
「鞄の中にあるだろう?ハァ・・・ハァ・・・水と、薬が」

 確かに、先生の鞄の中には盗撮用道具だけじゃなく、教科書や資料、常備薬が入っていた。もとは真面目でまともな先生。決して悪い面だけじゃなく、生徒に好かれる一面を併せ持っていた人物だ。だとしたら、先生が病気というのは本当で、病気さえ完治すれば更正できるのではないかと思ってしまう自分がいた。苦しそうに息を絶え絶えに吐きだす先生を見過ごせない私は、最後の情けで先生の言われた『粉薬』と水を先生に差し出した。
 すぐに『粉薬』を飲んだ先生は水で流し込む。苦しそうな表情をしていた先生の顔がすっと安堵を浮かべていた。

「・・・ありがとう。北河さん」
「い、いえ・・・」

 ペットボトルに入った水を何故か返される。それを無意識というか、何気なしに受け取ろうとする私。しかし、それは失敗だった。伸びた私の手をつかんだ瞬間、物凄い力で先生は私を手繰り寄せた。

「な、何をするの!?」
「うっぷ・・・へへ。もうすぐ来るぞ・・・。もう少しできみの身体を・・・」

 先生が気持ち悪い独り言をつぶやき、私の顔を覗いている。暴れる私を先生は羽交い絞めにして身動きを取らせない様に固めていた。先生は私の口に自分の手をつっこみ、無理やり開かせて閉じさせないようにした。

「あ゛か゛か゛か゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!?」
「北河さん。これから面白いものを見せてやる。くふぅぅ・・・お、くる。くるぞ。・・・うえっ、こみ上げて、くるっ!」
 先生は私の鼻を摘まみ、無理やり口を開かせた。嫌な予感がした私は最後まで息を止めたのだが、酸素がなくなり補充しようと大きく口を開いた瞬間、先生が私の唇を自分の唇で奪ったのだ。
 ファーストキスのことなど考えも及ばず、今は目を見開き先生とのキスにただただ硬直するだけだった。

「ん゛ふ゛ぅ゛・・・ん゛ん゛ーーっ!!?」

 先生とのキスの間に、何かが口移しに私の口の中にどんどんと押し流されていくのを感じた。それは水であり、先程先生に渡した薬の味が私の舌で感じ取れた。
 どうして先生が薬を流し込んでくるのか分からない。それでも私は鼻を塞がれたせいで薬を口移しで飲み込んでいくしかなかった。
『粉薬』を飲み、喉に落としていった私に、先生がようやく解放する。先生は満足そうな顔をしていた。

「ぷはぁ。ごちそうさま。北河さんの唇はとっても美味しかったよ」
「キモい・・・先生。その顔見たくない・・・」

 先生が私にした残虐非道な行為に涙が流れる。キスを奪われたことも、口内に先生の薬を無理やり流し込まれたことも、先生の口移しから良からぬ黴菌が入ったんじゃないかというテロ行為も、あまりのショックに一瞬のことながらに気持ち悪さを覚えてしまった。
 先生としてあるべき人ではない。先生の皮を被った変質者という認識になってしまった私は、乙成武という人物に拒絶反応を見せるようになってしまった。

「いやいや。もう、俺の顔は嫌でも見続けることになるんだよ?」
「けほっけほっ・・・なにを、言ってるの・・・?」
「ほらっ。君も感じるだろう?もうすぐ、きっと・・・」
「なにを言ってるの・・・・・・うっ・・・、・・・なに?」

 急に襲ってくる吐き気。吐き気も気持ち悪さも体調不良もあったが、今襲っているのは先生に対してではなく、自分の体内に関しての気持ち悪さだ。

「うぅっ!」

 思わずその感覚に顔をしかめるも、手のひらで口に抑えて表情を隠すようにした。体内からこみ上げてくるものを必死に押し留めようとするも、水分が先に零れて私の体力を急激に奪っていく。

「ダメダメダメダメ。そうなったらもう手遅れだよ。あ~あ。きみの零した体液が勿体ないじゃないか」

 弱々しい私の手の平をつかみ、零れた水分をペロリと一舐めする。私は既に意識も朦朧としており、先生は再び私の唇を自分の唇に押し当てた。

「いつでも来なさい。先生が全部受けとめてあげるから♡」
「(だめ、だめだめだめ。おねがい、でないで!いや、で、でちゃうぅ!)」

 私は体内の吐き気を押さえることが出来ず、先程の先生と同じように自分の嘔吐物を先生に口移しで流し込んでいた。口の中いっぱいに広がる薬の味を、先生は自ら吸い取るようにして喉に流し込んでいった。
 目の前が回るように気持ち悪さで意識を失う。先生との嘔吐物の交換だけでなく、キスすら望んでいない状況が夢であったらいいのにと、薄れゆく意識の中で私はそう思っていた。




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