純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

カテゴリ:グノーグレイヴ『憑依・乗っ取り』 > 飲み薬『ひょうい部ZERO』

「ン・・・ン・・・」

 義也の目の前で、裕香がパイズリを始めていた。しかも、チアリーディング部の衣装を借りて――

「生徒会はな、部室の鍵一つ一つすべて管理してるんだよ。だからよ、誰もいない部室から衣装を一つ失敬させてもらったんだよ」

 裕香に憑依してから義也のもとに来る前にちゃっかりしている貴明である。そんな誰のものかもわからない衣装を、生徒会長である裕香が自分の身体に通して着替え始める。

「ジャーン!どうだ、生徒会長のレアチアガール姿!」

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 上半身は赤い長袖のインナーシャツと上から着るノースリーブのトップス。下半身はプリーツタイプのミニスカート。スカートの中では青のショーツが見えず白のアンスコに穿き変わっている徹底ぶりである。ソックスと靴だけは会長のをそのまま使っているが、両手にボンボンを持っているその姿は粉うことなき会長のチアガール姿である。
 普段は人目につかないように清楚な服装、清潔な身だしなみをして眼鏡の奥から表情も読み取れない毅然とした態度で振る舞う生徒会長である裕香が、チアガール姿に変身すればなんて明るく可愛い印象を持つのだろうか。
 出来ないと分かっているのに懸命に跳ねながら足を大きく上げようと頑張っている。Y時バランスをやろうとしているのだろうが見栄えは決して綺麗ではない。その度に胸が踊り、アンスコが見えていることを義也は黙っていた。

「フレ!フレ!ひょうい部!頑張れ!頑張れ!ひょうい部!」
「なんだよ、その声援?」
「えへへ。生徒会長たる私から憑依部のみんなへの応援じゃない。あなた達の活躍をこれからじっくり見守ってあげるわけなんだからしっかりやりなさい」
「(生徒会長がそんなこと絶対言うわけないだろ、いい加減にしろ)」
「ーーーーーー」
「・・・・・・ん?」
「ジーーーーーー」
「・・・そう言って見てるものが違うんだけど」

 裕香(貴明)の顔はまっすぐ義也を向いているのかと思っていたが、実は視線は義也の股間を捉えていた。珍しい会長のチアガール姿を見たせいで、学生服の上からでも分かるくらいテントを作っていたのだった。

「早くあなたの粗チンを出しなさい。私が直々扱いてあげるなんて二度とあり得ないわよ?」
「い、いいのかな・・・?」

 迷惑とか道徳とか背徳感とか、義也にとって常に正しい道を歩いている人生。その半ばの高校生活において岐路に立たされているなんてこの時義也が考えているわけもない。転落人生になるかもしれない甘い罠や落とし穴に人は自分が落ちるなんて夢にも思わない。人生の成功者を夢見て常に人生を賭け戦っている。そういう概念がない者にとって流される人生が最も幸福な人生であり、他人に流されることで他力本願にも幸福を得られるのだから、労せず楽に成功を収められる。
 故に、義也がこの時裕香(貴明)に流され性行為することは、義也が必然の選択を選んだことと同意であった。
 初めて他人に見せる暴君の逸物。会長の顔に届きそうなほどいきり立つ逸物は、直立不動の佇まいをお見舞いしていた。

「義也くんったらもうこんなにバキバキになってる。欲張りなおち〇ち〇ね」

 生温かい会長の息がかかる。それだけでも敏感な義也の逸物は早く触ってほしいと言わんばかりに脈打っていた。

「熱いわね。義也くんのおち〇ち〇」

 初めて触れられる肉棒。熱く滾った血液が皮を隔てて亀頭の中で集まっていく。裕香(貴明)の手が触れる度に逸物が硬くなり、擦れば擦るほど逸物は敏感になっていく。敏感な亀頭を労わるような愛撫。義也自身の手で扱くよりもしなやかで柔らかい逸物の扱い方は、どんな男でも瞬殺されそうな手腕だった。

「あ・・・あ・・・会長・・・ダメ、です。僕、もう」
「早すぎるわよ。もうちょっと頑張ってもらわないと」

 盛り中の高校生真っ只中の義也に我慢させるのは酷の話である。しかし、それに見合った報酬があれば我慢は辛くなくなる。
 手コキを止めた裕香(貴明)は、自らの持つ豊満な胸に義也の逸物を宛がった。インナーシャツとトップスの上からだったが、彼女の持つ二つの柔肉で逸物を挟みこむと、服の上から深い谷間が描かれ、そのくぼみに逸物がストンと嵌るように落ちていった。まるでフランクフルトのウインナーのようにパンズのように乳房に挟まれて亀頭の先と竿の付け根がはみ出している。二人は身体を密着させて互いの熱を相手へ伝え合った。

「ああっ・・・ぅっ・・・会長の胸にみっちり挟まれてる・・・」
「ふふっ。本当に大きい。私の胸でも収まりきらなくて頭の先がぴょこって出てる・・・んふ」

 裕香の手が両胸を押し寄せるように動き始める。途端に逸物から乳肉の圧迫感と重圧感が一斉に襲い掛かってくる。しかし、どんなに締めすぎても苦しくなく、乳の中で亀頭の大きさに形を変えて優しく包み込むように波うつ乳房を目の前で体感させてくれる。
 こんなことを覚えていいのだろうか。こんな快感を義也は今まで知るはずがなかった。

「あぁあ。なに、これ。会長のおっぱい、気持ちよすぎて、腰が浮いちゃうよ」
「うふ。本当に気持ちよさそうな顔してるわね。でも、これだけじゃないんだから。んふ・・・れろ・・・」

 裕香が舌を出し、口から透明な涎を垂れ零そうとしていた。その光景は義也にとってスローモーションで流れ、舌の先から伝って伸びる夕夏の唾が自分の亀頭めがけて降りかかっている光景が瞳孔を縮小させた。

「う、ぁあっ!会長のよだれで、冷ぇ・・・っ」
「じゅるっ・・・んっ・・・気持ちいい?」
「あっ・・・ハイ」

 堪えず滴り落ちてくる唾液にチア衣装が変色してきていた。だいぶ溜まった涎の中で裕香は再度両胸を揉み始めた。

「うひゃぁあっ!か、会長に扱かれて・・・・・・ひぅっ」
「あんっ。あぁ・・・おち〇ち〇が脈打ってるぅ。胸の中心がどんどん熱くなってくるのがわかるわ」
「やわらかいおっぱいが・・・僕のち〇ぽをしごき上げて・・・」
「む、胸の中でビクビクって、動いてる・・・・・・ンんんっ!」

 膨張し続ける肉棒に何度も乳房を擦りつける裕香。余裕がなくなる義也。裕香の熱い吐息がぱっくりと開いた鈴口にも当たる。

 ――ニチャヌチャ。ヌリュヌチュ――

 形の良い裕香の乳房がムニュムニュと変形し、衣装に皺がつく度、涎の湖が卑猥な音を奏でていく。摩擦熱にしっとりと絡みつく涎まみれの乳房。まるで裕香の乳房全体が義也の逸物に吸い付いてくるようだった。

「うぁ。ぁああ・・・パイズリってこんなに気持ちいいのかっ。すぐにイっちゃいそう・・・」

 天にも昇る義也に思わず笑みを浮かべる裕香。

「待って。これも使ってあげるわ」

 そんな義也に見せつけるように、裕香は『飲み薬』の瓶よりも少し大きいローション入りの瓶を開けた。

「本当はチア部の靴擦れのために用意してあったんだけどね。全部使ったら怪しまれちゃうかも」
「それも黙って持ってきたんだ・・・」

 瓶を絞り、ローションを垂らしていく。涎の時よりも粘液が強く、手のひらの中でトロトロと溜めると、両手いっぱいに馴染ませて自分の両胸をその手で揉みし抱いた。

「うわぁ」

 ローションがチア衣装と交わり、衣装との隙間にローションが塗りたくられた場所からは裕香の豊満な乳房がくっきり浮き出ていた。胸の谷間に溜まっていたローションが少しずつ零れて床に落ちていった。

「んっ、んんっ・・・・・・あぁ・・・・・・んっ・・・・・・」

 裕香が動くたび、胸全体にヌルヌルが広がり、乳房の滑りがさらに良くなっていった。

「あんっ、んんっ・・・・・・すごい、おち〇ち〇で、擦れる・・・・・・くぅ」

 ローションに塗れた乳房が逸物を擦る。裕香が身体を揺らすたび、逸物と乳房の間からちゅくちゅくと濡れた音が響いた。

「すごく、気持ちぃいです・・・・・・あっ」

 裕香の乳房の押し包んでいた熱の感触とはまた違う快感だ。ヌルヌルのローションのおかげで滑りは凄くよく、ヌルンと滑る義也の逸物が暴れ、回る熱感が二人をさらに火照らせる。

「あぁ・・・義也くんったら。そんなにおっぱいの中で暴れないで」
「あ、暴れているわけじゃなくて、勝手に滑っちゃって・・・ふぁ!」
「んんっ・・・ダメだって。逃げないで・・・ん、ふぅぅ」
「あ、ま、待って。会長!これ以上動くと・・・・・・あ、ああぁ!」

 裕香は義也の逸物を抑えようとするのに必死だった。多方面に当たる乳房の肉感が義也の我慢を限界に誘う。

「だ、ダメ・・・!会長っ、もう、出ますよっ・・・!あああぁぁああぁぁぁ!!!」

 裕香の逸物全体を搾るように圧迫する乳房の感触を味わいながら、義也は欲望を解き放つ。

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「んなあぁぁっ!出てるっ・・・顔に・・・っぶぇ!」

 胸で受け止める裕香であったが、義也の暴発の勢いは止まらず、亀頭の先から発射された精液は裕香の顔面に多く降りかかった。

「ぉぶぇっ・・・・・・精液すごぃっ・・・あつい・・・身体中にぃ、チ〇ポ汁出されてるっ・・・!」

 びっくりした裕香が胸から手を放し逸物を解放し、髪の毛にかかった精液を掬い取って口にいれて飲み込んでいった。そんな光景を見ながら敏感になっている義也の逸物はまだまだ溜まっている感覚があった。

「くうぅっ・・・まだ、出そうっ・・・」
「ええ・・・・・・もぉ、しょうがないな。私のカラダもまだ疼いちゃってるし・・・一人で勝手にイって義也くんだけズルいものね」

 精液塗れのチア衣装を脱ぎ、全裸になった裕香。そして、机に両手を置いてお尻を突き出すように持ち上げた。ローションは裕香の至る所に流れており、滑り潤う身体が義也を誘う。

「それじゃあ、私の後ろから・・・ぶっといおち〇ち〇差し込んで」

 お尻を両手で持ち上げ、開いた肉襞の先には、裕香の光沢ある神秘の蜜部が広がっていた。


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 貴明の飲んだ薬というのは、他人に”憑依”する力のある不思議な薬――だという説明を聞いて、果たして人はどれほど信用の持つというのだろうか。”憑依”というオカルト用語に興味を示す人が現れたとしてもそれで信用を得られるわけではない。貴明ほどの大馬鹿者でなければ決して妙薬を飲もうという発想にはならないはずだ。
 だがしかし――説明を聞いて目の前でその効力を見た後で、それでも信用できないというのはただの馬鹿者だ。百閒は一見に如かずという言葉が状況を表している。義也の目の前で生徒会長の伊澤裕香に貴明が”憑依”している事実が否応なく証明されていく。

「おい、義也。これをお前が渡してくれ」

 裕香(貴明)が一度部活申請書を義也に手渡す。そして、教壇に椅子を置いて腰を下ろすと、カメラを回し始めた。

「はい、なんでしょうか?」

 貴明が裕香の声を真似て義也に問いかける。カメラは裕香を映すように設置されているので義也は映らないように部活申請書を裕香(貴明)に渡した。

「ああ、憑依部・・・はいはい。えっと・・・・・・大丈夫ですね。特に記載の不備はありませんでしたので、学園で正式の部として認めましょう」

 裕香(貴明)が義也にウインクを投げる。それがカメラを停止させるサインだと気付き、義也はカメラを一時停させたのだった。

「はい、オッケーです。これで我ら憑依部は正式な部となった!」
「いいの!本当にいいの、これで!?」
「いいっていいって!放課後空いてる教室ばっかだし、一つぐらい埋まってても平気だろ?」
「そうじゃなくて、これ、完全に作ってるよね!捏造だよね!?」
「ばれなきゃ大丈夫だって。おまえは部費の月30万が欲しくないのか!?」

 誰だってお金には弱い。義也の正論も金の前に霞んで消えていった。

「・・・なんか、企業が国を騙してお金を貰っているみたいで居た堪れないのだけど・・・」
「貰えるものは貰っておく。ばれたら金はありませんと自己破産しよう」
「完全に闇会社そのものじゃないか!お母さん、僕、闇の部活に入部されられそうです!!」
「今のうちに連帯保証人になってくれって言っておけよ」
「お母さんの知らない間に親を売ろうとしてます!!ごめんなさい、お母さん!生まれてきてごめんなさい!!」
「そうならない為に、こうやって証拠を作っているわけじゃないか。生徒会長が何か言ってきても、『いえいえ、ちゃんと生徒会長が直々承認した正式な部活動です』と胸を張れるようにな!」
「だから、これがねつぞ――」
「んっ?そうか?証拠物件にしては少し弱いか。SDカードじゃ加工修正されると難癖をつけられる可能性があると、そういうわけか。やっぱりカセットテープが定番だよな!」
「(貴明、裁判沙汰に詳しくないか・・・?)そうじゃなくて、これは貴明が生徒会長に成りすました演技じゃないか」
「ええ?義也君ったらなに言ってるの?」
「っ!?」

 急に裕香の喋り方から仕草まで一変する。いや、今までがおかしく、元に戻ったという方が正しいのかもしれない。今の口調や仕草は貴明が憑依しているということを疑わせるほど、伊澤裕香本人に聞こえたのだった。

「クスクス・・・私のこと、どこからどう見たって伊澤裕香だよね?」
「あ、ぁぁぁ・・・(成りすましっていうより、その身体は本人なんだから当然じゃないか・・・それに、そんな口調されたら・・・・・・貴明だと思って会話していた自分の方が寧ろ疑ってしまうよ)」
「・・・・・・おまえ、本当に容易いな。ちょっと裕香本人の性格を強めにしただけで挙動っちまうなんて」
「あ、じゃあ・・・(やっぱり貴明なんだ・・・)」
「確かに俺には女の仕草やら口調なんて出来ないけど、こういうやり方が『飲み薬』には出来るんだ。だから、本人に成りきることなんて簡単なんだよ」
「もうそれって犯罪だよね?軽じゃなくて、重度の・・・」
「憑依だから無罪!」
「法をすり抜けた!?」

 まるで貴明に合わせざるを得ないほど感情の起伏が激しい義也。それはまるで今までの生活にはなかったほどの新鮮さで、義也自身、自分がこれだけ喋る人間だったのかと疑うほどの突っ込みをしていた。
 憑依部の恐ろしさの片鱗を義也も体感しているみたいだった。

「でも、そっか。まだ証拠として弱いか。日和見主義の俺からすれば出来れば揉め事を控えたいんだがな・・・」
「裕香さんにごめんなさいしてからその発言してね。そして生徒会長に復讐するって言ってたよね?それのどこの日和見主義なの?ねえねえ」
「仕方ないからカメラに生徒会長の秘密を抑えて、今度はそれをカードにこっちが優位に立つとするか」
「真面目な人の思考とは思えない逆転の発想だよ・・・」

 義也と裕香(貴明)は早速打ち合わせにとりかかった。続きを読む

「憑依部?」

 生徒会室で現生徒会長である伊澤裕香―いゆざわゆうか―を前に千村貴明は堂々と「はい」と断言した。
 二人が対峙する構図のなか沈黙が流れる空間に唯一取り残される部員、布施義也は後ろめたさを感じざるを得なかった。

「へえ~。憑依部。・・・なにをする部ですか?」

 会長の顔は笑っていたけど声は笑っていなかった。そんなことを知ってか知らずか、貴明ははっきりと明言した。

学校で色んな憑依かんさつして遊ぶりあじゅうする部です
「へえ~リア充ぅ~」
「(貴明・・・本音をルビで隠した)」
「なに言ってるんですか?こいつ・・・」
「(生徒会長。本音が漏れてる!!!)ち、違うんです、生徒会長。貴明はこう言ってますが結構まじめな性格で、成績は優秀で、人望は厚くて――」
「私を前に選挙演説やってる・・・」
「――と、言うわけで彼の言う通り、色んな生徒を観察して遊ぶ部です」
「へえ~、遊ぶ・・・舐めてる?」
「(義也、てめえ!俺の本音と建前を50/50にして会長に飲ませてるんじゃねえよ!!)違うんです、生徒会長。俺たち、真面目な部です!」
「――――」

 裕香が軽く書類に目を通す。義也が懸命に作った書類を眼鏡に視線を隠して最後まで流し読みしていた。

「・・・真逆のオカルト部って感じですね?」
「なに?アダルト部?まさか会長、俺の心を読んだだと?!」
「貴方のことは怪しくて卑しい人だということがわかりました」
「か、勘違いです生徒会長!もっと俺のことを知れば素晴らしい部だということが分かるはずです」
「(貴明、それ逆効果!!!)」
「そうですねぇ~~・・・・・・――お家でやりなさいよ。プライベートなら誰も何も言わないから」
「ぁゃιぃわーるど!!」

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 裕香の棄却に貴明が涙交じりに訴えかける。

「それじゃダメなんです!それだとお金が足りなくなるんです!な、何が望みですか?肩でも揉みましょうか?それとも足?胸?いえ、それが望まないなら床を舐めましょうか?それとも足?胸?」
「触らないで、汚いからぁぁ!」


 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・

「うぇぇぇん。申請が棄却されたぁぁ」

 廊下に響く貴明の泣き声。本気の悔し涙を滲ませているだけに義也は慰めるように肩を貸すことしかできなかった。

「こんな部活名じゃ活動内容が不明瞭になっても仕方ないよ。(・・・本当は貴明の本音を隠す言葉を見つけることに手いっぱいで、僕が見てもよくわからない部活内容になっているもんな)」
「部活申請が通れば部費として30万支給される筈だったのに」
「高っ!」
「これで『飲み薬』を調達する予定だったのに・・・」
「始まる前から破綻してる!?」
「薬・・・買えなくなっちゃうぅぅ!!!」
「その発言は完全にヤバい人!?」

 部活申請が通らなかった二人にとって、部活に入らないは実質死に繋がる。
 高校生という水色時代――自分の好きなことに打ち込める時間もあり、人と協力する力や目標に向かって努力する力を身に付けることに繋がる部活動。興味のある物を通して特別な友達を作れる絶好の機会。協調性、社会性、人間性の向上。それはつまり、一生の趣味を通じてクラスメートとは一味違う、特別な友達を見つける機会でもある――

「(憑依部ってそんな奥深いの!!?)」

 クラスメイトでありながら全然話もしたことなかった義也に貴明が持ってきた一枚の部活申請書。それに乗っかり貴明と憑依部を開設しようとしたが、初手でつまずく散々な結果になってしまったのは残念である。
 だがしかし、深い思い入れがない分あっさりとした別れが出来ると、この時義也は思っていた。

「どうするの、貴明?(と、聞いてるけど結果は出ている。これはもうどうしようもない。また僕たちは元通りただのクラスメイトなんだ)」

 しかし――貴明は違った。既に貴明は泣くことを止めていた。そして拳をプルプルと震わせて、感情を爆発させていた。
 これは怒り。自分の意見が通らなかったことに対して起こる反逆の感情。

「生徒会長ぅぅ・・・俺がどれだけ真面目な人間なのか教えてやる!そして、いずれ俺がすべての部活動の頂点に立つ男になるんだ!!!」

 発言は貴明のままであるにも関わらず、義也と違う逆境精神。
 抗い、もがき、苦み、茨の道だと提示されても己の信念を貫き通す。
 山は高いからこそ登り甲斐がある。脱出不可能迷路を攻略してしまう。その信念は奇跡すら呼び起こす――
 それは義也の持たざる粉骨砕身の極み。まさに主人公の片鱗――。
 そのことを二人が知るのは、まだ先の話・・・

「貴明・・・ひょっとしてどこかの部活と揉めたのかな?」
「貴明!!」
「茜音ぐえぇ!?」

 教室から飛び出してきた茜音が貴明の顔面に学生鞄をクリーンヒットさせていた。

「さっきからあんたの泣き声や叫び声が大きくて部活に集中できないでしょう!どれだけ他の生徒に迷惑かければ気が済むの」
「うるせえ!世界は俺を中心に回ってるんだ!悔しいときは思いっきり悔しみ、笑う時は思い切り笑うのが俺だ!!」
「時と場合を考えなさいよ!大体あんたはいっつもいつも子供みたいな良い訳ばかり繰り返して――」

 二人の痴話喧嘩が始まる。教室でも何度も見たこともある二人のやり取りは喧嘩というよりむしろじゃれ合いだ。それを見ながら義也は――

「(貴明って十分現実―リアル―が充実しているよね・・・)」

 義也が白目を剥いていた。続きを読む

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