純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

カテゴリ:悪魔 > 悪魔『御持成の宣教師』

 イったばかりの早織の乳首を念入りに舐める。吐き出したばかりの早織の母乳は濃い目で美味だった。

「あ・・・んっ・・・やぁあ・・・やめて・・・・・・あっ・・・はっ・・・そ、そんなに・・・ち、乳首ばっかりされたら・・・んあっ・・・ああっ・・・やっ、あっ、あっ、あっ、あぁあぁ・・・・・・」
「早織はわたしの人形なんだから。恥ずかしがらなくていいよ。感情なんて欠落していいんだよ」
「ああっ、はぁん・・・・・・恥ずかしくないなんて・・・・・・んっ、ふ、ふああぁ・・・・・・」
「ん・・・ちゅばちゅば・・・・・・でも、早織の恥ずかしい顔とても可愛いね・・・・・・とてもそそられる表情が見れるなら、その感情は生かしてもいいかもしれないわ」

 赤らんだ顔が淫らに崩れ、豊かな身体がいやらしく踊る。抵抗するかのような声をしながら、求めるかのような瞳がわたしを見つめる。

「いいよ、その表情・・・・・・んちゅ、あむっ・・・・・・ちゅば、ちゅるる・・・・・・」
「うく、ああっ、ダメぇ・・・・・・そんなに強く吸われたら・・・・・・ち、乳首も、搾られたら・・・・・・いやあぁぁあああ!!!」

 ひときわ高い嬌声の後、隆起した乳首から滲み出てきた母乳。まだまだ出てきそうだ。

「うふふっ。いっぱい出たね。どう・・・・・・連乳は気持ちいいでしょう?」
「んんっ・・・・・・はぁっ!くぅっ・・・・・・んぁあぁぁあああ――――っ!!」
「ほらっ。もっとイかせてわたしの奴隷にしてあげる」

 母乳射精を続け、体力をなくさせるまで早織の精力を飲み干していく。身体の奥から湧き上がる興奮とみるみる元気になって行く肉体。快感と性欲で生きることが出来るんだと、この時のわたしはそう理解したことを悦んだ。

「ふふっ。ミルクごちそうさま・・・」

 魔力が満ちたり、尻尾の形状を変化させるように意識する。すると、お尻に生えていた尻尾は正面に伸びると、まるで男性の性器と同じ形へと変貌させた。かつてわたしが持っていた男性の逸物と同じ脈動を感じ、軽く擦っただけでも快感という神経は繋がっていることが伺えた。
 これで、早織を犯せるんだと――口の中で涎が溢れて止まらなかった。

「そろそろこっちも欲しくなってきたんじゃない?」

 まだまだ、されるが侭のぐったりとした肢体を引き寄せて、力任せに腰を突き上げていく。ねっとりといやらしく早織を起こし、硬くなった亀頭をグイグイのめり込ませていく。
 力の抜けた肢体にビクンと力が入ったように感じられた。

「っ!!そこは・・・・・・」

 さんざん弄られたせいで、すっかり蜜が溜まっていた。グチュッと濡れた音が湧いた。

「敏感になってるのにそこ挿入れられたら・・・・・・い、痛っ、痛ぁあああっ・・・・・・!!」

 グググッと力の入った本格的な挿入が始まる。叫びも虚しく、無防備な姿で押え込まれた早織の膣穴めがけて、いきり勃つち〇こがずどんと深く押し込まれていった。
  ズググッ、グチュううぅぅ――!

「ああああああああああ!!!」
「き、きつきつおま〇こ・・・・・・まるで処女穴みたい・・・・・・へへへ!!」

 どんなに叫ぼうとも、先程の行為で早織のま〇この中はもうグチョグチョ。どれだけ力んで抗っても、わたしを止めることなんてできやしない。

「うぐっ、ひぐぐっ、突き刺さるっ・・・んぉお!!そんな、お、お腹の中ぁ・・・・・・ふぐっ、うぐぐぅう・・・・・・!」

 わたしのち〇こは好きな形状に変形できる。長さだって自在で太さだって変えられる。それってつまり、早織の好きなところを弄れるってこと。
 痛みや苦しみを超えて、すぐによがり狂わせてあげる。

「おま〇こが・・・・・・快感で焼けちゃううぅぅう!子宮が、勝手におりてきて・・・・・・んわぁあああっ!」
「早織・・・気持ちいいよね!?いま、おま〇こがきゅんって締まったよ・・・・・・イったんでしょう?素直になってよ・・・・・・ねえ、さおりぃ・・・・・・」

 グッチュ、グッチュ、ヂュグッ、ズチャ、ズグチャッ!

「んぅ、あはぁぁあっ!!そんなっ・・・・・・イヤなのに・・・・・・感じて・・・・・・きちゃう・・・・・うああ!!」

 ビクビクといやらしい反応をみせる早織に対してさらにち〇こを貫き掻き回して、膣内をえぐり摩擦し続ける。

「あ、あっ、あっ・・・・・・いやぁ・・・・・・ああっ・・・・・・そんな・・・・・・ひぃ、はぁ、はぁ・・・・・・、私・・・あ、いやぁあああ・・・・・・!!」
「早織。わたしも・・・気持ちよくして」
「ンーっ!ンンー!!」

 唇を奪い、エナジードレインを行う。早織の抵抗もしだいになくなり、わたしと同じように瞳を蕩けさせて快感に従僕する。
 わたしの手の動きと同じように早織の手が動き、母乳を吹き出す早織と同じようにわたしの乳首からも母乳を噴き出させる。
 手だけじゃなく、わたしと同じように早織の腰もぶつけ合わせる。貝合わせのように腰通しをぶつけさせ、ち〇こを咥えた状態で出し入れする早織の動きもしだいに早くなっていった。

「ダメ・・・身体が勝手に求めちゃう」

 クチュクチュ、グチュゥゥゥ――――

 ドスドスと上下に子宮を押し上げ、痙攣する膣襞に纏わりつかれるち〇こは、もう限界に達しようとしていた。早織の膣の中に吐き出したいという想いが込み上げてきた。感情が暴走し、早織を壊す勢いで全能力を解放する。闇は乳首を吸い、クリ〇リスを刺激し、子宮を叩き、唇を奪う。

「あはぁっ!きたぁ――――――っ!!あんっ、はぁっ・・・んんぅっ・・・んっ・・・やんっ・・・あ・・・あっ」
「そんなに吸われたら・・・おっぱい壊れちゃうぅぅぅっ!」
「はーっはーっ。早織ったらクリトリスもビンビン。すっごい、えろえろだよぉ・・・・・・」
「ンンン゛―――――――っ!」

 膣道をきつく蠕動させて、わたしを引きずり込んでいく。その快感は悪魔と化したわたしでさえ、耐えられるものではなかった。

「や、あ・・・・・・すごっ、痛いくらい、締まるぅ――――!」
「お、おち〇ぽ・・・・・・根元から膨らんでるぅ・・・・・・わ、わたしの子宮に刺さってるぅ・・・・・・!だめぇ、も、もう、イきます!イクなんて、いや、いやぁ・・・ああっ、精液、ダメ、ダメぇええ・・・・・・!!」
「イ、イク・・・イクっ・・・・・・イっちゃううぅぅ!!」

 ドピュルッ!ビュグルルルッ!ビューーッ!ビュッ!ゴビュグルルルッ!!

「あっ!ああああああ!入ってくるぅ!!わたしの膣内に・・・・・・せいえき・・・・・・」

 未だに体内から精液を吐き出しながら、身動きできない早織の意識を眠らせた。
 早織から生気は消え、今度こそ部屋の置物の一部となり、その場にちょこんと佇んでいた。

「美味しい魔力ごちそうさま。じゃあね、早織。またすぐ帰ってくるからね」

 わたしは新たな下僕を探しに外へと飛び出していった。続きを読む

「えっと・・・・・・わたし・・・・・・」

 堤早織は午後の記憶がなかった。衣服を買いに来た学生ほどの女の子を接客した時から記憶を失い、そして現在、帰宅してから我に返る。
 いったい今日一日何をしていたのか覚えていないし、自分の身体に何があったのかさえ覚えていない。

「いったい・・・・・・どうして・・・・・・」

 茫然としたまま鏡を覗いている時に突如来客を告げる呼び鈴が鳴った。
 普段の生活に戻ろうと、意識を覚醒させようと首を振った早織が玄関へと向かった。

「はぁい?」

 甲高い女性の声で鍵を開けようとする。しかし、相手は鍵を開ける前に自力で鍵を開けてドアをあけてしまった。その光景を目の当たりにした早織は足を止め、思わず一歩後ずさりを見せた。
 その空間を埋めるように、玄関に現れた悪魔が顔を出す。

「ただいま戻りました、主様」

      現れた悪魔

 一見女性に見える相手だが、女性にはない角と、羽根、そして尻尾を生やした悪魔が立っていた。
 その悪魔は早織が記憶を失う前に見たその女性に間違いなかった。

「あなた・・・・・・その格好・・・・・・」

 早織はその後言葉が出なかった。尋ねたところで正解だろうが不正解だろうが自分になにも関係がなかった。
 許しが欲しいわけでも、助けを請うわけでもなく、逃げなければならないと全身が警告を鳴らし、来た道を引き返して部屋に閉籠もる。しかし、悪魔は扉という障壁を通過して、早織の部屋まで寄ってきた。

「わたし・・・あなたに憧れていた・・・一人の人間としてではなく、一人の女性として・・・・・・」
「あ・・・あああ・・・・・・」
「・・・・・・艶のある髪・・・・・・黒くて大きな瞳。その瞳に落とす睫毛‐まつげ‐の影。白い肌。透き通った長い指・・・・・・」

 それはまるで悪魔の告白だった。好きなものには傍にいてほしいという契約にも似た永遠の君主。

「主様はわたしに必要な存在なの」

 悪魔による契約。使い魔だろうが本人が望む一方的な告白。

「いやよ!いやよ!」

 早織は断った。悪魔は唖然とした表情をしていた。

「どうしてそんなこと言うの?ようやく見つけたのに・・・・・・運命の人なのに・・・・・・わたし・・・・・・男の姿で出会っていたら、きっとあなたを好きになっていたわ」
「ひぃぃ!」

 悪魔の契約を断ること。悪魔を仕えるのではなく、人間としてまっとうな人生を望むことを願う早織が理解出来なかった。
 ただ一つ分かったのは、告白は失敗したのだ。悪魔‐ちひろ‐の想いは彼女には届かなかった。

「でもわたし・・・・・・好きになる人は一途だけど、嫌いになるのも一瞬なの。どんなに好きでも、手に入らないのなら、目障りなだけでしかないじゃない。だから、あなたのことを好きになって、愛して愛して捨ててあげるわ」
「いや、やめ、てぇ!」

 千尋の眼が光り、早織の身体が意思に反して勝手に動き出す。
 早織は半狂乱になって騒ぎ立てるが、響く声とは対照的に身体は千尋が用意した衣装を手に取り勝手に着替えを始めていた。

「やっぱり、女の子になったらお人形遊びよね。お着替えして綺麗になりましょう」
「ああ・・・あああ・・・」

 スーツ姿を一変させ、白い肌に着替える衣装は、まるでゴスロリチックなメルヘン衣装だった。

「いやぁ・・・・・・こんなの、着たことない・・・・・・着られない・・・・・・」
「うふふ・・・・・・女の子はいいわよね。色々な衣装が着られるから」

      ドールタイム

 三十路を超えている早織にとって、女性であってもこの衣装を着ることに抵抗がある。しかも、これは早織の意志で着替えているわけではない。着替えさせられているのだ。目の前にいる悪魔によって。
 自分の身体が衣装経験によって難なく着替えていく。白い手袋もピンクのフリルのついたスカートも、大きく胸の開いたドレスも、頭に付けるカチューシャもすべて早織にとって抵抗のある。
 恥ずかしさが身体を火照らし、白い肌もピンク色に染まっていく。

「かわいぃ・・・・・・可愛いよぉ、お姉さん。くびれた腰回り、大きくて形の崩れていない胸、ぷっくり膨らんだお尻。すべて、すべてが可愛いよぉ・・・・・・」
「やめてぇ・・・・・・もぅ、満足したなら・・・・・・勘弁してぇ・・・・・・」

 悪魔の力によって抵抗を出来ない早織が絞り出すように慈悲を請う。キャッキャッと嗤う悪魔にとって、早織は許すものでも許さないものでもない――

「お姉さん。勘違いしないで。お姉さんはわたしのモノなの」
「あ・・・・・・」

 スゥーーーーー

      愛しの人形

 再び早織の焦点が合わなくなっていく。意識は朦朧として、悪魔‐ちひろ‐の操り人形になっていく。

「今度はお姉さんの意志はいらないわ。私の言う通りに動いて、私のやりたいように感じてもらえばいいわ」

 人間としての尊厳も、早織としての感情もいらない。早織の意識も奥へと沈められ、やがて深い意識の底へと押し込められてしまった。
 糸の切れた人形となった早織を椅子に座らせ、部屋に飾られたクマのぬいぐるみのように早織も部屋の置物の一つにされた。

「どんなに嫌がっても、もうアナタはわたしの虜。この館はわたしの人形の館」

 千尋は早織の部屋を奪い取ってしまったのだった。続きを読む

「あんたの・・・それ・・・・・・貸してもらってもいいッスカ?」
「・・・は・・・い・・・・・・?いいっすよ?」

 わたしは、男性の滾ったち〇こを持ち、自ら秘部へ咥えこんでいく。
 もう我慢できない。

「いいよな・・・?男性を犯す分には犯罪にならないよな?あんただって、俺を犯したくて仕方がないって顔してるもんな」
「くうう・・・・・・あっ・・・・・・挿入れられて・・・・・・くうぅ・・・・・・」

 わたしは男性のモノを包み込む。そして、あっさりと処女膜が破られる。

「んんっ・・・・・・ああっ、破けてる・・・・・・!はぁ、ううううううっ!」

 わたしは悲鳴に近い声をあげるも、男性を受け入れていった。相当な苦痛があるにも関わらず、それでも構わないと、身体が男性を欲していた。

「・・・ぅっ・・・・・・ぁっ・・・・・・せ、せまい・・・・・・」
「はぁ、はぁ、わたしもきつい・・・・・・あんたのが、大きすぎるんだよ・・・・・・」
「へ、へぇぇ・・・・・・大きいと言われると悪い気はしないな・・・・・・」

 ジュブブ・・・にゅぷぷ、にゅぷんっ。
 そして、動き出す。

「それじゃあ、いくよ・・・・・・わたしのこと、孕ませてくれるわよね・・・・・・」

 わたしは上下に動く。身体を揺らして男性に快感を与える。

 ズブブ・・・ぬぷぷ、にゅぷっ、ずぶぶっ、ずぶぶぶ!

 濡れている膣部からはイヤらしい音が響いてくる。わたしは思っている以上に快感を受けてはいる。でも、それ以上に苦痛が大きい。

「はぁあああっ!う、うぅぅっ・・・き、気持ちいい・・・・・・!指じゃ届かないところまで来てるっ」

 喘ぎ、歪み、怯み、激しく動く。動いているのはわたしの方なのに、寝ているだけの男性が呻くくらい締め付けているのがわかる。

「ううううっ、ふうぅっ、はぁ、あああああっ!」
「ううっ・・・・・・もっとゆっくりしないと、痛いんじゃないか?」
「うぁああああっ、はぁああああっ。んんぁああああああぁぁあああ!」
「どうなんだ?おまえ、辛くないのか?」

      男性はただ寝ていればいいのよ

 男性がもう一度聞くが、その返事はない。わたしの耳には聞こえず、男性のものを貪る。

 ズググ・・・にゅぷっ。にゅぷぷ、ずにゅにゅっ。

 ひたすら身体を動かし、腰を振るたびにイヤらしい水気の音をくぐもらせる。
 劣情を高めているように、男性の身体を包み込んでいく。

「す、げえ・・・さっき処女だったと思えない・・・・・・いやらしい・・・・・・女だ」
「ううぁああああっ、はぁ、ああうううう、はぁあうううううっ」

 喘ぎ声をあげ、余裕がない。

「もう我慢できない・・・・・・精液、欲しいっ」

 男性を求めるように抽送を早くする。

 ぐちゅ!ぐちゅっ!ぐちゅっ!ズンっ!ズンっ!ズンっ!

 乱暴に身体を動かし、男性を求める。

「よほど欲情しているんだな。・・・・・・ぅっ・・・・・・もっと、もっとだぁ・・・・・・」

 ぬぷぷ、ぐぷぷ。にゅぷぷっ。ぐっちゅぐっちゅ。

 血の滑りが良くなっている上、愛液が出てきているよう。
 だんだん射精が近づいてきている。わたしの膣内で男性が膨らんでいくのを感じた。

「んんんんんんぅっ、ふううぅっ、はぁ、あああううううううぅっ」
「はぁ、もうそろそろ・・・・・・でそうだ」
「はぁあああああ、うぁあっ、んんんっ、はぁぁああぁぁぁああぁ」

 限界を迎えても身体をゆすり、何度も男性を求めてしまう。
 欲望をぶつけていく。それが男性の欲望と呼応する。
 互いの劣情が高まり合う。男性が敢えてなにもしなくても、私は動き続けていた。

「はぁ、はぁ・・・・・・いいのか、中に出しても」
「はぁああっ、わたしの子宮に、精液注いでっ・・・・・・妊娠させてほしいっ」

 積極的過ぎて、そんなことまで言ってしまう。
 妊娠してしまったら大変だけど、妊娠したい気持ちはあった。元男性なのに嫌悪感はなく、理性や理屈なんて関係なく、感情で応えてしまうくらい、動きは止まらなかった。
 時間とともに射精が耐えられなくなってくる。男性はもう我慢できない表情になっていた。

「うっ、出る・・・・・・!出そうだっ」
「うっくうううぅぅうううううううううっ・・・・・・はぁ、ああぁ、イきそうっ・・・・・・」

 男性のモノを強く締め付けながら、何度も上で跳ねていく。
 本当に限界だった。
 そして――

「はぁあああああっ、イク、いくううううっっ!はぁ、ああああぁぁぁ!!」

 気を緩めた一瞬、男性はわたしの外に放っていった・・・・・・!

「ううぁあああああああああああああっ!!」

 びゅるるううぅぅっ!どぴゅどぴゅううううぅっっ!びゅるるるるうううううっ!!

 快感に打ちひしがれて身体が震える。
 苦痛よりもイった感覚が上回っているようだ。
 これがセックス。男女で交わる、共有する快感・・・・・・。

「はあああああぁぁぁぁああああ・・・・・・はぁ、出てる・・・・・・はぁぁあああああ」

 まだ男性は出し渋っていて、抜けた瞬間にわたしの身体に吹き出していた。
 熱い・・・精液・・・・・・。そのにおいが全身に染まる・・・・・・。

「はぁ、はぁ・・・・・・ああ・・・・・・」

 満足気に男性はベッドの上に大の字になった。わたしとのセックスに満足したかのように。

「ああ・・・・・・あっ・・・あああっ・・・・・・はぁ、あぁううぅぅぅっ。こんなに・・・・・・だして・・・・・・見てるだけで孕んじゃいそう・・・・・・」
「そしたら俺が責任を取ってやるよ・・・なんちゃってな・・・・・・」

 終始なごやかに終わろうかとしている一連の行動。もう終わってしまうことが、わたしには耐えられない。
 この快感を味わっていたい。
 快楽に溺れたい。

「・・・・・・まだ硬いっスネ」

      おや、雰囲気が変わりましたね

「いや、もう無理。もういいよ。俺も仕事に戻らないといけないからな。あんたみたいに遊んでいるわけじゃないんだ」

 男性の上でおち〇こを弄ぶわたしを、少しだけ面倒くさそうに下ろそうとしている。
 こんな楽しい遊びを強制的に終わらせようとしている・・・・・・。
 そんなの、イヤだ・・・・・・。

「・・・・・・そんなこと許されるわけないよね?」

 わたしの中で、なにかが弾ける。

「・・・ん・・・・・・?あれ・・・・・・?」

 男性から力が抜ける。そして、両手は愚か、全身が脱力した様に一切動かなくなる。筋肉だけではなく、脳まで影響を彼に与える。

「頭がぼーっと・・・・・・」

 それは媚薬にかかったように、身体は勝手に火照り、敏感に思うだろう。
 それは麻薬のように、思考が停止し、本能のままに動くだろう。
 わたしの思考が、今後の彼に影響を及ぼすだろう。

「・・・・・・効いてきたんだね。これからお兄さんには私のために精力を提供していただきます」

 その声はまるで別人のように。私自身も何者かに喰われるように――。
 もう一人のわたしが欲望のままに行動を始めようとしていた。 続きを読む

 早織の目がなくなった。
 女性になって初めてイかされた羞恥と屈辱を、発散するかのように与えられた一時の解放だった。
 逃げるなら今だと分かっているのに、身体は彼女を求めるように動いてくれない。心が彼女に縛られて、精神まで女の子になっちゃうのも時間の問題だった。
 まさに、道化・・・捨てられると分かっているのに、早織の人形で在り続けたいと思ってしまうなんて・・・・・・。
 男尊女卑だなんて言葉を信じ、社会の中でいつか俺も女性を扱うことができるようになることを望んでいたんだ。服従させ、手となり足となり、甚振り、その姿勢を貫くことで、社会的に満たされると思っていた俺が、こんなに現代社会つまらなくなった理由がここにはあった。
 女性が強くなったのではなく、俺が弱くなったわけでもない。
 俺自身が甚振り崩れ落ちていくその姿を共感していたのだ。
 自分じゃないもう一人の自分が望んでいる。社会競争の中で負けることの許されない状況の中で、心の中で何処かに誰かに負けたいと思うワタシがいた。
 泣いて、泣き崩れて、顔がグチュグチュになって、どうやっても勝てないと身体に浸透してなお、感極まって味わえる敗北という感動。
 この人なら敗北けたいと、自ら勝利を差し出す姿勢。自己破壊衝動こそ俺の存在価値だった。
 社会に絶望するのが間違いだった。社会に適応していないのは俺の方だった。
 負け・・・
 敗け・・・
 それで・・・?なにか不都合でもあるの・・・?
 男性のように余計なプライドなんか要らない。素直に受け止めたい俺の本心。女々しさ。乙女心。
 誰かを支え、誰かに努めたい。
 これが服従、これが重臣。俺が貴女にこの身を捧げたいと思う心情なのか――。

「早織・・・・・・さまぁ・・・・・・」

 また俺にご褒美を与えてくれるだろうか。
 また俺をいじめてくれるだろうか・・・。
 また俺は、女性の身体でイかせてもらえるだろうか・・・・・・。

 ダメ、そう思うと、不安になってくる。
 彼女に嫌われたくないって、心からそう訴えてくる。
 彼女の望みを叶える自分になりたい。自己破壊衝動からの再構成で新たな自分に生まれ変わろう。
 だから・・・・・・・・・・・・わたしは・・・・・・

「・・・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・はぁ」

 いかなくちゃ。
 重い身体を引きずりながら、衣服を着替えて、でかけないと。
 この商店街の誰でもいい、わたしの操を奪ってくれる相手を探しに。
 モット、ステキナワタシニナルタメニ・・・・・・

「・・・・・・ねぇ、おにぃさん・・・・・・」

 わたしの声に振り向く若い成人男性を標的にする。

      小悪魔ちゃんかな?

「わたしと・・・・・・セックスしません・・・・・・?」
「はっ・・・・・・?セックスって、おい・・・・・・マジかよ・・・・・・」

 急に声をかけられただけじゃなく、まさかの逆ナンからの円光。
 お互いの納得してれば許されるものではない。それくらい、社会に生きている男性ならわかっている。
 だからこそ、彼を巻き込んで叩き落としたい。

「えっ・・・?・・・・・・あっ」

 男性の逸物をズボン越しに撫で上げる。その仕草や動作はまるで早織を真似た手法だった。

「おにぃさんなら、わたしの処女あげてもいいよ・・・・・・お互い、気持ちよくなりましょう・・・・・・」

 法は破るもののためにある。黙っていればばれない。社会とは底が深く、闇は沈殿している。
 社会に長くいたわたしにとって、男性の小気味良くなる言動、行動など、手に取るように分かってしまう。
 一緒に堕落しましょう――。

「まったく、しょうがねえな。ちょっとだけだからな」

 やれやれと、男性は携帯の電源を切り、わたしの肩に手を回してきた。
 おにいさんは悪魔の囁きに流されて、わたしと一緒にホテルに入っていった。
 もともと男性だったわたしとだ。
 あーあ・・・。男って本当に、単純でバカ。


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「ひゃあ・・・!」

 ソファーに横になると同時に早織は俺の乳房に手をかけ、愛撫する。
 剥き出しになった俺の胸がソファーの軋みに合わせてブルブルと上下に揺れた。

「いいわぁ。思ったとおり、おっぱいも凄く綺麗・・・・・・張りもあって形も大きさも凄くイイ・・・・・・」
「・・・・・・てん、いん・・・さん・・・・・・」

 ギシギシとソファーを揺らしながら、瞳をらんらんと輝かせた早織が俺の上にまたがるように乗ってきた。

「ねえ、丸居さん・・・・・・おっぱいでイったことある・・・・・・?」

 早織が唐突にそんな質問を聞いてくる。乳房・・・胸でなんか男性の時感じるほどでもなかった。そもそも、女性ホルモンがなかったのだから、贅肉のように弛んだ脂肪の塊だけでしかなかった胸を自分で触ろうなんて思ったこともなかった。
 張りを持ち、綺麗なお椀型の美乳を自分が持っていることが、今でも信じられないくらいだ・・・・・・。

「そ、そんなこと・・・・・・」
「・・・・・・そうだったわね。経験ないんだものね・・・・・・あるわけないわよね・・・・・・」

 早織は楽しそうに声を震わせ、期待に胸膨らませる様子で丁寧に胸に置かれた手に力を加えていった。

「おっぱいでイクって案外難しいんだけど・・・・・・あなたみたいな恵まれた身体ならすぐにイケると思うの・・・・・・」
「あっ・・・・・・」

 早織の言う通り、彼女の手の動きに感化されて、乳房がもみくちゃにされる。その味わったことのないくすぶったさに顔が熱くてむず痒かった。
 指と指の間に挟んだ乳首を圧迫し、コリコリと硬くなっていく感触を彼女自身楽しむ。

「うふふ・・・・・・それにね・・・・・・私の手にかかってイカない女の子なんていないのよ・・・・・・」
「店員さん・・・・・・もう・・・・・・許して下さい・・・・・・ふあっ・・・・・・」

 クニクニと、乳首を指肉で圧迫するだけで、また込み上げてくるものが感じてくる。乳腺に流れる違和感を覚えつつ、早織によってどうすることもできない状態になすがままにされていた。

「おっぱい張ってたまらないのね。吸い出してほしいのね・・・・・・」
「ちがいます・・・ちが・・・・・・あっ・・・・・・ひゃうっ・・・・・・」

 早織の顔が乳首に近づき、口を開けて赤ん坊のように乳首を咥えこんだ。彼女の口の中で転がされる乳首が、ビンビンに感じてしまっていた。

「いいわよ。たっぷり吸い出してあげるわ・・・・・ん・・・・・・れるぅ・・・・・・」

 閉ざされた空間の中で舌で舐められる。乳首の敏感な部分に彼女の唾液が塗りたくられていて、精神的にも反射するように身体がビクンと動いてしまうのを、早織は必死になって留め続けた。

「ほらっ、ちょっと・・・・・・れろぉ・・・・・・吸っただけで・・・・・・もう、こんなにヌルヌル・・・・・・。ね、気持ちいいでしょ・・・・・・?」
「あっ・・・・・・あんっ・・・・・・ダメぇ・・・・・・」

 秘部を舐められた時もそうだったけど、早織の舌はまるで生き物のようだ。絡みつくように吸い付いてきて、気持ち良いところを分かっているかのように激しく刺激してくる。同性のことだとなんでもわかると言わんばかりに、早織は俺の乳房に大きく吸い付き、美乳の形をいやらしく変形させていった。

「ひぁぁ・・・・・・!ダメぇ・・・ダメぇぇぇ・・・・・・!おっぱいが、なくなっちゃうぅぅぅ・・・・・・!!」
「んっ・・・・・・チュッ・・・・・・んはっ・・・・・・ミルクたくさん出てきてる・・・・・・チュッ・・・・・・チュバッ・・・・・・はんっ・・・・・・あったかくて、美味しいわ・・・・・・」
「あっ・・・・・・ああっ・・・・・・あんんっ・・・・・・」

 スゴい・・・・・・気持ちいい・・・・・・おま〇こと同じくらい感じてる・・・・・・。
 乳首でこんなに感じることができるなんて・・・・・・。
 敏感な乳首を吸われて、乳房を弄ばれているのに、身体は喜ぶように俺の思考を真っ白にさせていく。身体が動かないのは、もう俺の思考が停止しているせいもあるのだ。

「あらあら。もうイきそうなのかしら?じゃあ仕上げは私の手で・・・・・・おっぱいミルク絞り出してあげる・・・・・・」
「ひあっ・・・・・・んんっ・・・・・・あんっ・・・・・・」

 早織は口を離すと両手で全体を激しく揉みし抱いてきた。痛いくらい強く揉まれているのに、それが余計に気持ちいい・・・・・・。

「あっ・・・・・・ほらっ、見える・・・・・・?母乳がこんなに飛び散ってる・・・・・・」
「あっ・・・・・・あっ・・・・・・あっ・・・・・・」

 ダメだ・・・・・・おっぱい、熱くて・・・・・・気持ちよくて・・・・・・
 もうわけがわかんないよ・・・・・・

「ああ・・・・・・ダメっ・・・・・・ダメです・・・・・・そんなに強くされたら・・・・・・あっ・・・あっ・・・ぃゃぁ・・・・・・」
「いいわ・・・・・・もっと強くしてあげるから・・・・・・感じて・・・もっと悶えるの・・・・・・ほらっ・・・このままイっちゃいなさい・・・・・・・・・!」
「あはぁぁああぁぁぁぁっ!!ダメぇぇぇぇぇぇぇ・・・・・・・・・イクぅぅぅううううぅぅぅぅううぅ・・・・・・・・・!!!」

      母乳射精

 熱い・・・・・・自分の乳首から撒き散らしたミルクが顔に付着しながら、俺の身体は感じたことのないオーガズムの波に堕ちていった。

「そうよっ・・・・・・いいわ。もっと撒き散らして・・・・・・母乳射精するのよ・・・・・・」
「ああっ・・・・・・あっ・・・・・・んああぁぁぁああああぁぁぁぁ・・・・・・・・・っっ!!!!」

 ――ビュッ、ビュッ、ドビュッ!びゅ~~~~!
 絞られたミルクが止め処なくおっぱいから噴射する。
 でてりゅ・・・・・・俺の中に溜まった白くて熱いの・・・・・・
 気持ちいい・・・・・・気持ち・・・、いいのっ・・・・・・

「んはぁっ・・・・・・ぁぁぁっ・・・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」

 何度となく女性の身体でイかされる。男性の時でも一回イけば体力が尽きた自分が、これ以上の絶頂を耐えられないと思って何度も早織にイかされる・・・・・・。
 女体だから耐えられるのだろうか・・・・・・男性の精神ながらに、快感に痺れる身体は動くことができないのに、思考だけはまだ働く気力があった。
 何度でもイクことのできる身体に苛まれる俺は、永遠とも思える快楽地獄から解放されることに渇望していた。


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※今回は放尿シーンがありますので、閲覧は自己責任でお願いいたします・・・・・・。


 早織は俺に寄り添い誘導するようにソファーに腰掛けると、太腿を優しく擦りながら段々と足を開かせていく。
 もはやされるがままの俺はその誘導に逆らうこともなく、べっちょりと濡れた股間を曝け出した。

「こんなに濡らしちゃって・・・・・・おま〇この形までくっきり丸分かりじゃない・・・・・・」

 小声で鼓膜をくすぐる早織の声や吐息がいまや俺の起爆剤になっているように、身体が冷たくなることなく再熱する。

「言わないでください・・・・・・恥ずかしい・・・・・・」
「恥ずかしい・・・・・・?触ってほしくないのかしら・・・・・・?」

 肌を滑る爪の引っ掻きが赤い線を描いていく。そして、俺のショーツパンツの目の前でピタリと止まって上目遣いで俺を挑発する。・・・・・・こんな恥ずかしいことされるなんて、嫌でたまらないはずだ。女性の尻に敷かれるなんて、男性の意地が黙っていない・・・・・・その、はずなのに・・・・・・。

「ほら、どうなの・・・・・・?ちゃんと教えなさい・・・・・・?」
「・・・・・・して・・・・・・触ってくだ・・・さい・・・・・・」
「よく言えました。お利口ね・・・・・・。今度はちゃんとイかせてあげる・・・・・・」

 淫らな身体に支配されてしまった俺の口からは、その気持ちとは裏腹の言葉が無意識に出てしまう。

「あっ・・・・・・ああっ・・・・・・」

 早織の柔らかな指先が濡れそぼった股間に添えられる。そしてパンツごと食い込ませるように躊躇なく割れ目の間に滑り込ませると、ジュクジュクになったおま〇こからは押し出されるように愛液が溢れ出した。

「うふふ・・・・・・おま〇こすごい熱い・・・・・・。ビクビクしてるの水着越しでもよく分かるわよ・・・・・・」
「あはっ・・・・・・イヤっ。ダメぇ・・・・・・っ!」

 今度はなんの躊躇いもなく声が出てしまう。

「そうだったわね。こっちがいいのよね。ほら、クリちゃんグリグリってしてあげる・・・・・・」
「あっ・・・・・・ああっ・・・・・・てんいん、さん・・・・・・それ・・・・・・ダメ、ダメぇ・・・・・・」

 指の肉がパンツを押し込み、圧迫されたクリ〇リスが悲鳴をあげる。その感じ方が痛みからくるものなのか、喜びからくるものなのかわからなくなってきていた。

「ダメって、どっちのこと言ってるの・・・・・・?ダメなら、またヤメちゃうわよ・・・・・・」
「あっ・・・イヤ・・・・・・はぁ・・・・・・んあぁっ・・・・・・」

 もうまともに言葉を返すことができないくらいに気持ちいい。女性に触られると、どうしてこんなに気持ちがいいのだろう。男性の時よりも全然、女性同士の方が気持ちいい。

「もう、しょうがないわね・・・・・・気持ちよくなりたいんでしょう・・・・・・?」
「はんんっ・・・あっ・・・んあぁあ・・・・・・あっ・・・・・・・・・」

 そう言うと早織は下着の中に手を入れて俺のおま〇こを直に触ってきた。パンツの中に忍び込む早織の指が、的確に滑り込み、膣の入口に飛び込んでいった。

「・・・・・・なんだ。まだ生理じゃないのね・・・・・・」
「あっ・・・あっ・・・あああっ・・・・・・・・・」

 もう何をされているかもわからないくらい頭がぼんやりしてきていた。
 ただクチュクチュと、おれのおま〇こから響くイヤらしい水気の音だけが更衣室に響き渡っていた。

「あっ・・・あっ・・・てん、いん・・・さん・・・・・・私・・・・・・私ぃっ・・・・・・」

 早織の指先がぴちょぴちょと叩きつけるようにおま〇この入り口をノックしてくる。

「イきそう・・・・・・イきそうなのね・・・・・・?」
「んっ・・・・・・あはぁっ・・・・・・あっ・・・・・・あっ・・・・・・ああっ・・・・・・・・・!」

 俺の体内を例えようのない快感が一瞬で駆け巡り、抑えが利かないくらい勝手に身体が痙攣してしまう。

「あっスゴい・・・・・・ビクビクしてる。指が吸い込まれそうよ・・・・・・」

 早織の指が膣の内部を引っ掻く。ビリビリと、痛いという回路が背筋を伸ばし、電流を送って涙を滲ませる。体内に侵入される感覚なんて味わったことは無い。いや、男性だったら味わう事なんてできない・・・・・・これが、女性の感度なんだ・・・・・・。

「あっ・・・・・・ひっ・・・・・・はぁ・・はぁ・・はぁ・・・・・・」
「ヤダ。もうイっちゃったの・・・・・・?今のピクピクがそうだったの?まだ手を入れたばかりなのに・・・・・・」

 膣が締め付ける指を抜いて、挿入れる前には付着していなかった透明な愛液を私の目の前で見せつける。

「ほら・・・・・・あなたのおま〇こ汁でこんなに指がベチョベチョ・・・・・・」

 早織の指に纏わりついた愛液を嫌らしく舐めまわした。

「んふっ・・・・・・ほんのり甘酸っぱくて、美味し・・・・・・」

 ちゅぱちゅぱと、イヤらしい音を立てながら自分の指を口の中に出し入れする早織。ひとしきり俺の愛液を味わった彼女の指は唾液でさらにまぶしく輝いていた。

「今度はもっといい事をしてあげるから」
「えっ・・・・・・」

 早織は嬉しそうに何やらゴソゴソと準備を始めると、まだぐったりしている俺をソファーの上に移動させて座り直した。



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 店員いわく、俺は「上玉なお客様」らしく、綺麗とか、美人に使われるより先に、整っている容姿が可愛いのだという。
 そう言われると、悪い気はしない。自分でも仕事で疲れた時の表情を思い出してもまだ幼さを覚える30代の容姿をしていた。女性になってから尚更顔だけは幼く見えてしまう。
 しかし店員は俺のことを気に入り、店員だけしか入ることのできない『スタッフルーム』へ案内していった。

「あの、ここ入って大丈夫ですか?」
「大丈夫よ。あなただけに来てもらい特注の衣装があるのよ」
「はぁ・・・」
「・・・・・・あなた、名前は?」
「?はい、丸居です」
「丸居さんね。うふふ・・・・・・」

 どうやら、店員が隠していた衣装をこれから着るようだが、別に持ってきて、試着室で着るのに問題ないだろう。どうして人の出払った更衣室にやって来る必要があるのかわからない。

「ジャジャーン。どう?私が特注のお気に入り水着衣装は」

 店員が見せる衣装はブラジャーに似たトップスと短いパンツの組み合わせによるセパレート型女性用水着、通称ビキニで、さらにビキニの上に巻き付けるパレオと組み合わせになった水着だった。
 確かに可愛い。可愛いけど、どこにでも普通の水着だ。それがどうして店員さんのお気に入りなのかよくわからない。

「ああ、この水着の生地が上質なものを使っているとか?」
「いいえ、ナイロンとポリエステルの普通の仕立てでございます」
「紐が切れにくくてお値段もお高いとか?」
「いいえ。外れる時は外れますし、お値段もお安く手頃に買い求め出来ます」
「じゃあ、どうしてそれが特注なんです?」
「それはね、これは貴女が着て頂ける水着ですから」
「・・・・・・きゅんッ!」

 俺はこの店員に胸が締め付けられる想いをした。いや、今まで一度も店員に胸をときめいたことなど無かった。
 一体何なんだ、この店員は――!

 店員にされるままに水着に着替えた俺は、自らの姿を鏡に映した。
 自分の人生一度たりともビキニなんて着るとは思わなかった。
 しかし、現に俺は鏡の前でビキニ姿を曝している。
 男性ではなく、女性の姿として。丸居千尋がビキニ姿を曝しているのだ。

「・・・・・・・・・・・・」

 まるで、自分ではない、もう一人の自分のような感覚だ。頭が真っ白になって、目に映る情報すべてが新鮮で、心地良い。
 全てを受け入れるというのはこういうことなのだろう。露出した肌の多い衣装に着替え、目の前に映る女性を男性視線で欲情している。丸居千尋が丸居千尋を欲している。
 お前は誰だと、言えば、私はわたしと、返ってきそう。
 女性になるって言うのは恥ずかしいけど、良いものだ。
 自由が其処にあった。

「あっ、お客様。もう少し自慢の胸を詰めて」
「えっ、あっ」
「暴れないでください、お客様。もう少し谷間のかたちを良くしましょう」
「んっ・・・・・・ふぅ・・・あっ」

      谷間くっきり

 ギュッ、ギュッっと、胸の肉をパッドの中に押し込まれ、窮屈で痛いとも思えるほどだ。
 しかし、最後に店員が手で胸の形を整え谷間を刻むと、さらに深く谷間を描いていた。先程よりもボリュームがあり、Eカップの胸がビキニから零れそうになっていた。
 スゴい・・・凄いぞ、自分の乳肉。男性の時には邪魔だった贅肉が、女性の時にはなんて魅力に変わるんだ。

「すごい・・・あっ!」

 思わず、声に出していた自分に慌て、店員はクスクス笑っていた。

「あなた本当に可愛いわね。ううん、お持ち帰りしたいくらいよ」
「ありがとうございます。貴方のおかげです」

 店員のおかげで、安物の水着が魅力的な、世界に一つのだけの俺の水着に早変わりだ。
 夏が来ることを楽しみに思いながら、早速会計をしようと店員に近づく。

「これ、買います。おいくらですか?」

      店員さあぁん!!?

「・・・・・・うふ、うふふ・・・」

 突如、響く。店員さんの笑い声。その声に違和感を覚えた私に、店員さんは押し倒してきた。

「店員さんっ!」
「お代なんかいらないわ。あなたが私のモノになるのなら」

 店員さんの滑らかな細い手のひらが私の身体を撫でまわしていった。

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 会社を無断欠勤することにした俺は、昼間の商店街へと足を運んでいた。
 真面目で通っていた俺が平日の商店街にいることなんて滅多になく、外で汗を流しながら走り抜けるサラリーマンだけじゃなく、学校をサボる高校生、夫が外出して息抜く妻たちと、老人たちの集いと、土日とは違う面子の商店街の賑わいを見せていた。

「へえ・・・みんな外に出てるんだな。って、俺が出ていないのか」

 最近では休みの日でも部屋に籠もりきりの俺。意欲を湧いて外に出てきたのが久し振りだ。
 なにしろ今の俺は見た目から体格まで全然違う。女体化してしまい、誰が見ても女の子になっているのだ。
 もとの男性の姿は微塵もない。筋肉の付き方も違えば顔の骨格まで変わってしまっている。そうなれば当然、服のサイズも変わってしまう。外に着ていく衣服が全く無いのだ。
 唯一俺の部屋にあったのは、去年の会社の忘年会のビンゴゲームの景品でもらったセーラー服のコスプレ衣装のみだった。
 皆が俺の景品を嘲笑っていたのを覚えている。俺すらも貰った時は何に使えばいいのか分からず、棚の上に置いたまま放置していたくらいだ。
 まさかそんな物を俺が着ることになるとは夢にも思わなかった。

      bdb27c06.jpg

 どこの制服を模倣して作ったのか分からないが、これは恥ずかしい。俺が高校生だったのは〇十年前の話だ。今更学生服が似合うとは思っていないが、すれ違う人の視線を浴びている気がする。
 男性では着ることがないセーラー服とスクールスカート。男性指定の学生服(学ラン)とは違い、露出する膝部分にひんやりとする冷たい風が撫でていく。高層ビルが立ち並ぶ一角にある商店街に強いビル風が吹き抜けると、スカートが捲れそうになり慌てて手で押さえるほどだ。

「ひえ、女子高生たちは恥ずかしくないのか?」

 スカートというのは全然慣れない。今まで穿いたことないのだから当然であるが、それにしても風がスカートの中に入り、股ぐらまでくすぐっていくのだから違和感だ。ジーンズやズボンのように下半身全体を守っているのとは違い、スカートは涼しい。涼しすぎるのだ。
 ズボンの中が蒸れることなく、下半身を露出しているのだから涼しさはあって当たり前だが、今まで感じたことのない涼しさに慣れるまで時間がかかりそうだ。スカートの魅力と魅惑は女性にならないと分からないだろう。男性はその魅力を見て楽しんでいるに過ぎないのだ。スカートから伸びる白い脚を見てニヤニヤする男性の視線もちらほらいる。
 つまるところ、今の俺にこの姿は落ち着かなかったのだ。
 商店街に来たのは新しい衣服を買う為だ。女体化した俺に合う衣服を買いに足を運んだのだ。

「いらっしゃいませ」

 若い店員が働く女性ものの衣装を扱うお洒落なお店。ここも男性だったころは入ろうとは思わなかった店。

「あの――」
「あらっ?うふふ・・・・・・」
「――えっ、なんですか?」

 笑われた。店員が俺を見てすぐに笑ったのだ。いったい、何が可笑しいのか分からずびっくりしてしまう。

「いいえ。なんでもありませんわ」

 店員ははぐらかしながら規律を正す。店員と客の距離がやけに近い気がした。
 女性同士だとこういうものなのだろうか・・・。

「あの、俺・・・私に合うような衣装はありませんか?」
「お任せください。お客様みたいな可愛い子に似合う衣装を取り揃えておりますわ」
「可愛い・・・俺が?」

 他人に言われると何とも言えない歯がゆさが背筋を駆け巡る。もと男性の俺が可愛いなんて言われて喜ぶべきだとすれば、女体化を受け入れるというようなものだろうか。

「でもお客様。自らが着てみたいジャンルはありませんか?」
「ジャンル・・・?」
「カジュアルからお姉系、きれいめ、ギャル系、B系・・・ひょっとしたらお客様なら姫系、ゴスロリも似合いそうですね、うふふ」

 簡単に言う店員の話に頭が回らない。そんなにあるのか。女性のファッションなんて全然わからないぞ。
 早くも失敗した。安直に、お店に行ったらなんとかなると思っていたのが裏目に出たと後悔し、言葉を失ってしまった。

「お客様」
「は、はい・・・」

 俺が困っていると店員が声をかけてくれた。

「大事なのはお客様がどういう衣装を着てみたいかですわ。お客様なら何を着てもお似合いですからご安心ください」
「そ、そうですか・・・!」

 まるで俺は店員の言葉に救われたような気分になった。服選びにおいて最も重要なのは、なにを着るかが重要じゃなく、自分が何を着たいかが重要なんだ。
 時代の流行も、雑誌の宣伝も、店内の広告も、ネットの評判もすべてはそれに集束する。モデルを真似るのも、他人の衣装を着てみたいと思うのも、自分が着たいという欲望の表現だ。
 恥ずかしがる必要もない、自分が一番着てみたいと思う衣装を買うのだ。格好つける必要もない、自分が一番になれると思う衣装なのだから。
 今着ているセーラー服にしてもそうだ。例えなにを買おうと、全ての衣装は俺に似合うのだ。誰が何と言おうと、恥ずかしくない衣装だと誇りに思おう。

「わかりました。じゃあ・・・ブルセラを着てみたいです」

 店員の顔が固まったのを見た。
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 俺の手は自然と、胸に伸びていた・・・・・・。

「あっ、んあぁ・・・っ!」

 今のが自分の口から出た声なのか。
 今のが、自分の胸から感じた刺激なのか。
 ビリッと、稲妻のような快感が走る。胸から甘い刺激が蕩けだしてくる。自分の胸から感じたことのない柔らかさを堪能し続ける。その手は止まらず、自分の欲望を自制できない。

「はぁ・・・っ、だめだ、止まらない・・・・・・んっ、んんっ」

 朝の支度を忘れてオナニーをしたいという欲求に駆られる。自分の身体でありながら初めて味わう快感に、未だに夢を見ている気分だった。

「やっぱり女になっている。ってことは・・・アソコもやっぱり、女になってるんだよな?」

 胸を弄り、興奮しているはずの俺の下半身は、普段感じるムスコの存在を感じることは出来なかった。パジャマの奥に隠れているアソコ・・・俺は見たいと思ってズボンを脱いでいった。

「お、おぉぉぉ・・・・・・」

 パジャマの奥から姿を現したのは、むっちりとした太腿だ。ムダ毛もなく、すべすべの素肌に包まれて、はちきれんばかりに肉感的な、それでいて健康的。自分の太腿とは思えないほどの青白さだ。

「こんなにすべすべなんだ。触っているだけで気持ちいい。はぁ、はぁ・・・・・・んっ、ちょっと触っただけなのに・・・ひぅ・・・・・・っ」

 手の平が太腿の上を滑るたびに、腰の辺りにぞくぞくとした甘い刺激が走る。胸や秘部だけじゃなくても感じやすいのが女性の特徴なのだろうか。太腿をなぞっていると、付け根にあるパンツに隠れた部分が熱くなってくるのを感じた。

「あぅ・・・ココ、やっぱりおち〇こなくなってる」

 パンツの奥から感じるのっぺりとした感覚。パンツの上から擦ってみると、やはりムスコの存在を感じることはなく、存在がなくなってしまっていた。男性としてではなく女性として確立された瞬間だ。普段ならショックを受けるだろう。しかし、そのショックよりもさらに上回る期待と興奮が俺を高めていた。
 擦りつけるだけでわかる女性の性器の感覚。白い布の奥からじわりと濡れてくる感覚。パンツに張り付いて性器の形を浮かび上がらせる。

「これが、女性の濡れる感覚なのか・・・。熱いのが染み出してきてる、んっ・・・・・・」

 擦りつける度に、じわりと、身体の芯が熱くなる感覚。身体の火照りを覚え、疼き出してくる。
 切なささえ覚えるこんな感覚、初めてだ。
 まるで焦らされているみたいに快感が欲しがる身体。訴えかえるように濡れる身体に我慢できなくなって、そわそわと太腿を擦り合わせてしまった。

「ん、いいよな・・・触っちゃっても・・・・・・俺の身体なんだもんな」

 もう耐えきれなくなった俺はパンツを脱ぎ捨てて、大きく脚を開いて鏡に剥き出しのおま〇こを曝した。

「はぁぁ・・・・・・これが、俺の・・・お、おま〇こ・・・・・・んんっ、すげえ・・・はぁ・・・っ」

 初めて対面する自分の女性の性器。興奮しているせいか、うっすら開いてて奥まで見えてしまう。ネットにいくらでも転がっているエロ画像とは違う、本物のおま〇こがそこにあった。鮮やかなピンク色しており、舌先で軽く触れれば溶けてしまいそう。綺麗すぎるほどの女性器だ。

「あっ、はぁ・・・はぁ・・・・・・はぁぁぁ・・・・・・っ!」

 男性として見てる感覚と、女性として見られている羞恥に同時に襲われる。自分の口から洩れる吐息がどんどん甘く激しいものになっていき、その声に興奮をしてしまっていた。まだ何もしていないのに、視線だけで感じてしまう。そんなこと男性の時にあっただろうか。
 足を少し開けばおま〇こもうっすら開く。鏡に剥きだしのおま〇こを映しては自分が女性としてのダイレクトな快感が生まれていた。

「もうこんなの・・・いじりたくなってきて・・・はぁっ、んっ、んぁぁ」

 自分の身体だからと・・・。他人の身体を傷つけるわけでもないにも関わらず、初めて見る女性器を見る背徳と辱められる女性の感覚を感じ、腰の奥から焦燥感にも似た甘い感覚が込み上げていた。
 じんじんと切なく嘆く身体の訴え。自分の手が自然に動くのを抑え込むことが出来そうになかった。

「ちょっと触るだけだから・・・ちょっとだけおま〇こ触ったら、それで終わりにするから・・・」

 これからする自分の行為の言い訳を発してしまう。
 これからする――女体でのオナニー。今までやってきた、男性の時と同じように、おち〇こを握るように手を持って行くのを、今回はおま〇こへと持って行くだけ。それだけでも
燃え上がった気持ちを抑えることが出来ず、自分の細い指先は戸惑いながらも次第に肉襞へと這い進んでいく。

「ふああぁっ!」

 触れた瞬間、ビリッと全身が甘く痺れる。今までお金を払っておま〇こを触れる機会を買っていた俺が、おま〇こに触れられる感覚を味わっているのだ。
 女性が味わっていた感覚を、自分も体験しているのだ。

「んぁぁ・・・っ!あっ、ここ・・・こんな感じるんだ・・・んっ、んぁ・・・・・・」

 自分が出している声なのに、女性の声で聞こえる喘ぎに耳が犯されていった。

「んっ・・・もう、ぞくぞくってしてきて、ん、ぁぁ・・・。こんなに凄いんだ。・・・おま〇こ触られるのって」

 自分の意志とは関係なしにひっきりなしに喘ぎ声が漏れてしまう。野太い男の声ではなく、聞いているだけでイヤらしさを際立たせる妖艶な女性の喘ぎ声だ。それが、今の俺なんだ。

「はぁ、はぁ・・・っ。自分の声で興奮するなんて、なんかヘンな感じだ」

 鏡には女性器だけじゃなく、自分の姿も映っている。女性になった俺の姿が映っている。俺ですら初めて見る、誰も知らない女性が映っているのだ。そんな彼女が痴態を晒しているように、下品に大股を開いてオナニーをしていく。その行為に俺は興奮し、快感も増していく。そのうえ、女性の身体からの刺激はつよく、おま〇こを触られる感覚は男性のそれとそう変わらないのに対して、おま〇この中に指が入って、ヌルってした感触はちょっと、すごい。

「あっ、あっ、んあっ・・・・・・んふぅ、くぅぅっ」

 指先が膣襞を引っ掻くと、自然と肩が震えた。ちょっと触っているだけなのに、腰の奥からじわりとした絶頂感が込み上げていた。男性の時とは違う、膣内が濡れていく感触に身体の疼きが収まらなかった。

「こんなの初めてだから。俺、興奮してるかも・・・んふっ、あああ・・・」

 性器のまわりをなぞるだけでも、先程よりも刺激が強くなっていく。敏感になっていく身体。ぷっくり膨らむ恥丘は唇みたいに指先に絡みついてくる。刺激はおま〇こほど強くないが、焦らすみたいに指先でなぞるのも結構きもちいい。

「ああ・・・頭の芯が、熱で蕩けたみたいにぼうっとしてる・・・・・・」

 朝起きたら身体が女体化していて、夢中になっておま〇このまわりをなぞり、次第に身体が疼いて脳が熱でやられている。これが夢だと思っても仕方ないくらい身体がふわふわしている。気持ちいい女体の身体を好きに弄ることができ、おま〇こ見放題の現実に完全にやられてしまっている自分がいた。
 男性に戻れなくなりそうだ。
 理性を抑えるなら、ここで踏み止まるべきだ。しかし、それを拒む様にジンジンと存在感を見せ始めてくる部分があった。


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 男尊女卑という言葉がある。男性を重んじて女性を軽視する態度や思想というのは、かつて常識まかり通っていた時代もあった。そして、それは現在でも少なからず社会の底に沈殿しており、中年世代から団塊世代では口を紡ぎ、女性を傷つけていることもある。
 女性の人権を守ろうという活動は増え、賛同する多くの者がその言葉をなくそうと頑張っている。社会が男尊女卑という言葉をなくす動きが活発し、関白宣言を歌った歌手でさえ、現在社会ではそれは間違いだと謳っている。

 電車の女性専用車両の設置、離婚した際の子供の親権、女性の社会進出など・・・

 現代社会において、女性はなくてはならない存在になりつつあるのである。

 対して――
 今まで尊敬の眼差しを向けられていた、男性の立場が危うくなっている。
 子供に尊敬しているのは父親か、母親か尋ねてみたところ、母親と答えた子供の割合は過去最高を記録している。仕事で活躍しつつ、家庭を両立している母親の姿を見ていることが伺える結果だ。母子の関係がより一層親密になっていることも影響しているのではないだろうか。
 専業主婦は既に女性だけに限った話ではない。専業主夫として、女性が働き、男性が家事をするのは既に稀ではなく、男性が家事手伝いをすることは当たり前の社会になっているのである。

 男性としての尊厳を削られ、女性としての尊重を優先された結果、立場は逆転しようとしている現代社会。
 男性として生まれても良いことはない。女性として生まれてきた方が楽だったのかもしれない。つまるところ、人権団体が現れ男女平等を謳う者たちが一番不平等を叫んでいた――俺、丸居千尋―まるいちひろ―はそんなことを思うのだ。

 都内の電車では痴漢冤罪を避けるように最新の注意を払い、セクハラパワハラ発言を気にするよう言葉を選びるまでは気が抜けない毎日を送っている。

「丸居さんってこんなことも出来ないんですか?何歳ですか?」

 仕事の良し悪しとはいえ、女性にこんなことをいわれてムスッとしない男性はいないだろう。それでも俺は歯を食いしばり、「申し訳ございません」と失敗に対して謝ることしかできないのだ。

「今まで何をしてきたんですかね?Excelでこの書類作るくらい一時間で終わらせてくださいよ」
「申し訳ございません」
「息臭いから喋らないでいいです。分かったら行動で示して下さい」
「申し訳ございません」
「はぁ・・・。私、あなたの書類の手伝いをするつもりはありませんから、終わらなければ残業してでも徹夜してでもやっていってくださいね」

 どうして、そんな時代になってしまったのだろう。実力社会――嫌なら辞めれば良いと、まるで俺を蔑む様に見る年下の女性に対して、時代の移り変わりを実感せずにはいられなかった。こんなこと、昔の社会では許されなかった。今では定時に帰れることの方が稀だ。仕事の出来なさが上からも露見した俺の立場は、出世コースからは逸脱して、窓際族としての簡単な仕事しか回されないようになっていった。簡単というのはエリートの人たちが言うだけで、俺からしてみればとても難しい仕事なのだが。
 当然、年下と言えど上の者の態度にならう為、俺に対する扱いは皆厳しいものになっていった。
 大人になれば泣きたいことだらけだなんて知らなかった。こんな社会の空気が辞めさせようとしても、他に俺を雇ってくれる職場はなく、会社に居られることでなんとか食いつないでいくことしかできない。
 髪は無くなり、ストレスから太り、中年おっさんというのが似合う体型に自分からなってしまっていた。
 誰も俺を尊重なんてしないのだ。この歳になって誰からも見向きもされず、誰からも疎まれず、誰からも近寄らず、誰からも愛されない――そんな、男の末路が俺なのだ。
 無様だと、自ら想った。

「俺なんか生きていたってなんの意味もないよな」

 生きるということは、誰かに認められること。誰かに愛されること。それが既に叶わない俺の人生はもう手遅れだ。

「死んじゃおうかな」

 そんなことを考えていた時だった――。

「生まれ変わってみる?」
「は?」

      eb395188.jpg

 俺の独り言に答える相手は、俺の目の前に立っていた。女性だった。現代社会では一際浮いた衣装を身に付けた、海外の踊り子のような格好をしていた。
 そんな人が俺に話をかけてくるなんて――異常だった。
 そんな女性に誰も気が付かないようなに素通りするその雰囲気が異常だった。

「貴女はいったい誰です?なんで、俺なんかに話をかけて来るんだ?」

 久し振りに声をかける女性に対して俺は疑惑の念を向けていた。

「うふふ。私は悪魔」
「あ、悪魔――っ!?」

 疑惑はさらに強まる。

「私が誰からも関心を見せないのも、貴方の心を読んだのも、悪魔の所業だからよ」

 異常な雰囲気、疑惑をすべて納得させる彼女に、俺は恐怖に似た関心を示した。
 悪魔だろうが何だろうが、それでも俺に声をかけてくれたことに素直に喜びを覚えていたのだから。

「そんな貴方にこれをあげるわ――『女の子サプリ』」

 彼女が手のひらに握らせたのは、薬にも取れる錠剤だった。

「これを飲めば貴方はきっとやり直せる。辛く苦しい社会にだって立ち直せるわ」

 そんな優しい言葉をかけながら、俺の手のひらを優しく包む。悪魔と言うには似つかない、女性の細い手だった。

「それじゃあね」

 それだけ言って彼女はどこかに行ってしまった。彼女が消えた瞬間にその異常さはなくなり、元の活気が戻ってくる。

「あ・・・・・・これ・・・・・・・」

 俺に残されたサプリメントのみ。中身の成分が何なのか分からないが、たった二錠渡されただけというのがまた淋しく映る。たったそれだけなら体内に支障は出ないだろうと、簡単な気持ちでその場で口に放り投げた。
 ――ゴクンと、喉に落ちた音を聞き静かに家路につく。

「はぁ・・・明日も仕事か、ふあぁぁぁ~」

 布団を出して床に就く。
 ここのところ、毎日起きるのが辛い。


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