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 古泉杏南―こいずみあんな―は普通の女子高生だ。
 普通に学校に行って、普通に友達と仲良くして、普通に彼氏を作って、普通に学園生活を謳歌して――

 
 そんな普通のことをしている女子高生だからこそ、普通とは一線外れた兄の敏則―としのり―には厳しく当たっていた。

「敏則。いい加減にそのガラクタ集めやめてよね!」
「ガラクタ・・・?これはフィギュアであり、ドールであり――」
「一緒よそんなの!」
「ひ、ヒドイ・・・」

 学校を不登校になってから引き籠り、ニートになった兄に対する軽蔑な視線。なにか買ったと思ったら大抵ドールを買っているのだから、杏南にとっては怒りの対象である。

「これから彼氏がきて、アンタと鉢合わせなんかしたらと思うと最低よ!オタクの兄がいるなんてバレたらフラれちゃうもの。家族の汚点よ!アンタなんか一生部屋から出てくるな!」
「そんなこと言ったって、ご飯食べないとしんじゃ――」
「死ね!!!」

 この言葉を聞いた瞬間、敏則の溜まりに溜まった恨みが爆発した。兄妹だからと耐えてきたが、兄に対する死刑通告を軽々しく言った罪は万死に値する。

「今まで妹だから我慢してきたけど、杏南がそんな態度をとるなら仕方ないな」
「なによ?うじうじ言ってないで言いたいことがあるなら言いなさいよ!」

 不穏な気配を見せる敏則に臆することなく強気に責める杏南。しかし、敏則は懐からガラクタと呼ばれた一体の『人形』を杏南に突きつけた。

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「杏南、てめえを俺のフィギュアにしてやるよ!」


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