純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

カテゴリ:グノーグレイヴ『他者変身』 > 粘土『粘土で作る皮部品』

 我が家に帰ってきた。一週間ぶりだけど、とても長い間家を開けていたかのような心持ちだ。

(むしろ心が放れてしまったことへの裏返しなのかもしれないけどな)

 今回で柳沢家に帰ってくるのは最後だと決めている。心残りの輪廻の顔を一目見たあと、少女として一から人生をやり直す。
 扉を開けて家に入る。時刻は深夜0時過ぎ。真っ暗闇の家の中で物音一つしない。まるで時が止まったような静けさだ。
 先日の件で、慎介と入れ替わった少女は警察に捕まり身柄を拘束されている。ようするに今、家の中にいるのは輪廻だけだ。
 そのせいもあってか、家がやけに広く感じた。自分が少女として目線が小さくなったと言うのもあるとは思う。
 二階へあがって輪廻の部屋に入った。『時計』で時を止めるか迷ったが、あえて時を止めることはしなかった。
 がちゃりと扉を開けると、輪廻は既に規則正しい寝息をついていた。ショートヘアーの髪の毛を布団から覗かせてすやすやと肩を上下に揺らしていた。

「ただいま、輪廻」

 小声でささやいてみるが輪廻は眠っている。元々低血圧の輪廻は眠ると中々起きないのである。

「元気だったか・・・?」

 布団をゆっくりはがしてその寝顔を盗み見る。しかし、その表情を見て俺は驚いてしまった。
 目の下に隈ができていた。目頭に涙を溜めて眠る輪廻の寝顔に、言葉を失った。
 そうだ。一週間前から輪廻にとって兄は不在の状態が続いていた。
 家族が欠けることの淋しさは、俺の想像していた以上の衝撃を輪廻に与えていたのかもしれない。

「おにいちゃん――」

 ドキッとした。輪廻が起きたのかと思った。しかし、それは単なる寝言だったようで、輪廻は再び規則正しい寝息をついていた。だが、今の一言で輪廻が俺に対してどう思っているのかようやく気付いたような気がした。

「すれ違いだったんだ」

 家に帰っても会話がない。夕食時に時々会話をしたと思ったら兄妹なのに会話が続かない。部屋に籠ってしまったら最後、扉を開けるようなこともお互いしない。
 男と女だから一緒に遊ぶこともしてこなかった。何時しか兄としての威厳もなくなり、中学になると輪廻は俺を避け出し、話しかけてこないでと厳しい口調で俺を突っ返したこともあった。

「・・・嫌われていると思ったんだ。でも、そうじゃなかったんだな」

 輪廻にとって唯一の兄妹だ。家族の中で一番相談しやすい存在になれていたのかもしれない。難しい年頃、水色時代だ。好きにはなれなくても、嫌われてなければそれで良かったんだ。俺は輪廻を信じられなかったのかもしれない。

 もし輪廻が高校生になって、恋の話ができるようになったら俺と輪廻の関係は誰の目にも仲睦ましい兄妹に見えたことだろうと、今更ながらに後悔する。

「・・・ごめんな。もう引き返すことはできないから、輪廻にこれを渡しておくよ」

 先程手に入れた加奈子の『型』。とても綺麗で抜群のプロポーションを持つ理想的な体系。妹の幸せを願う為、兄のできる唯一の方法だ。
 輪廻が子供ながらに体型を気にしていることを知っていた。だからこそ整形でもなく、根本的として輪廻の身体を変化させることにしたのだ。

「この人の身体なら寄りつかない男性はいない。きっとおまえに素敵な男性が現れるはずだ」

 布団を剥がして輪廻に加奈子の『型』を嵌めていく。身長差はあってもなにも支障がないことは体験済みだ。
 服を脱がして裸にすると、片足ずつ『型』に通していく。輪廻の足をいれるとすぐに『型』に変化が起こり、膨らみを取り戻し足の重みを感じることができた。輪廻の足よりも少しばかり重い加奈子の足。細く長い足をゆっくり下ろし加奈子の足を見事に象―かたど―った。
 左右非対称の足。バランスをよくするためにもう片方の足も『型』を通すと、輪廻の足は15cm程長くなっていた。
 足だけでも子供らしさがなくなったと分かる。成人を迎えた美脚に思わずときめいてしまう。
 このまま下から上へと昇っていくように、加奈子の『型』を輪廻に当てはめていく。アンダーヘア―に隠れた恥部。引き締まったウエスト、特にバストの変化は著しく、AAAサイズの輪廻のバストがDカップまで一気に成長すれば感動すら覚えてしまう。
 色っぽさ、艶やかさ、全てを兼ね揃えた輪廻が完成した。
 首から下は完全に成人女性の輪廻。今すぐ抱きしめたい衝動に駆られ、触って胸の柔らかさを確かめたいという男性本能の誘惑を耐え凌ぐ。

「輪廻。おまえはこんなに綺麗になれるんだな。俺の妹であるなんてもったいないくらいだ」

 子供ベッドの上で眠る大人の輪廻。兄でも欲情できる今の輪廻なら、きっとこれから幸せが数多く待っているはずだ。
 俺の、輪廻にやりべき仕事は終わったのだ。

「じゃあな、輪廻。幸せになれよ」

 眠る輪廻の唇に、そっと俺は唇を合わせた。

「ん・・・んふぅ・・・」

 突然唇に湿った感触があったのだろう。不快な表情を浮かべた輪廻もしばらくすると元の穏やかな表情に戻り、俺との長いキスを交わっていた。
 唇をゆっくり放して余韻を味わう。柔らかかった輪廻の唇と温もり。妹でありながら一人の女性であったことを教えてくれた。
 静かに俺は輪廻の部屋を出ていった。翌日身体が変化した輪廻の感想を聞くこともないだろう。翌朝から他人なのである。
 そう思うと俺はようやく、この『粘土』を持ちはじめて以降悲しくなった。

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 少女の姿になって一週間経った。少女の家は俺の元家に比べられないほど土地が広く、大きい。家族と三人で過ごしている為、親は俺(親にとっては少女なのだろう)がなにか頼めば全て揃えてきてくれた。住みやすく、居心地の良い家だ。手放したくないとすら思えてしまうほど今の環境は素晴らしい。

「まったく、良い身分だよな。暮らしが違うだけで大分生活が楽になる」

 勉強なんて小学生レベル、バカな俺でも解ける足し算引き算のドリルを五分でさっさと終わらせてしまう。親は「全問正解・・・天才だ」と褒め称えて賞賛してくれていた。

「こんな子供だまし簡単。私、もう大人の仲間入りよね?」
「まぁ、この子ったらなまいきな口して」

 なにも知らないことが幸せなことがあるとはまさにこのことだ。もし娘が今や別人に成り変わっていると知らされたら、幸せが一瞬でどん底まで叩き落とされることだろう。

「お母さんもお父さんも、あまり私を怒らせない方がいいと思うよ」
「ハイハイ。今日は亜実―つぐみ―ちゃんの大好きなハンバーグにしてあげるわよ」

 警告を本気に取らない幸福な親たちだ。まぁ、いい。幸せを壊したくないのは俺も同じ。不幸は誰もなりたくない。
 ただ、幸せになるために誰かを不幸にしなければならないのであれば、進んで俺は他人を不幸にさせていくけどね。
 幸せになれるのは勝者だけだ。人はみんな幸せになれるわけじゃない。全人口の一握りが勝ち上がり、六割が敗北し破れ、三割が戦うことすらせず勝利の余韻も敗北の悔しさも知らずに現状に満足し、残りがその構図を見ながら嘲笑っている偽善幸福者。
 当然俺も偽善者だ。自分『だけ』楽しみ、自分『のために』精を出し、自分『のみ』幸せになりたいと思っている。
 そうじゃなきゃ、『グノー商品』には手を出せないだろう。誰かの為なんかを考えたら道具は持ち腐れ、使えなくなってしまう。

 ――私欲のために犠牲にしていい幸せがある。それがたとえ、他人であれ、元々あったはずの俺自身の幸福であれ・・・


「ごちそうさま。二階いくね」
「もう行くのかい?お父さんと話そうじゃないか」
「いや。絶対入ってこないでね」

 両親との会話を断ち、二階に上がって部屋に戻ると、身につけていた服を脱いだ。
 全裸になった少女の身体をベッドに預け、柔らかいクッションの感覚を背中に感じながら少女の乳房を揉み始める。

「・・うんっ。少しずつ、感じやすくなってきてる……」

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 触ってもピクリとも反応しない身体を、一週間でここまで感じるようにするのは大変だった。しかし、一度覚えてしまった刺激に、次回からは身体が逆に求めるようになっていた。
 小学生として開花した大人の快感。病みつきになる少女の感情。

「こんなこと、男じゃ絶対に味わえない・・・。うふぅん」

 乳房を揉み、乳首をつねると、下半身がキュッとときめき熱くなってしまう。蒸気する少女の身体。自分の身体を撫でているだけで気持ち良く、安らぎすら感じられる。

「絶対、得よね・・女性の方が、ひゃあ――!」

 乳首をいじる手の力が強く入ってしまったせいで、声が漏れてしまった。しかし、そんなことだって少女は自分でできる。指の強弱、力の優劣、リズムの上げ下げ、声の高低・・・たったそれだけでも全然違う快感を少女の身体は味わえる。自身を興奮させることができるのだ。そして、身体も気持ち良さを証明するように濡れてしまう。

「うふぅ、ちゅっ・・・はふぅ・・ちゅむっ・・ううぅ」

 中指を口の中で唾液と絡ませて、よく濡らしてから大事な場所を触る。傷つけるにはまだ時期早々。お楽しみは大事にとっておく。何年か経ち、少女が高校生を迎えて熟した頃には素晴らしい身体つきになっていることだろうと確信しているのだ。
 スジをなぞってくすぐる程度に済ましておくが、それだけでも十分快感を味わう事ができるのだ。

「うはぁ・・・キモチイイ」

 指を擦ってスジを広げていく。油断してしまえば少女の指は入ってしまいそうなのだが、俺はグッと我慢して、スジと乳首をいじることを愉しんでいた。

 男性では絶対味わえない二つの感覚。・・・ああ、これが今の俺の幸福だ。

「イクっ!」
 
 ブルブルっと小さく震えた少女の身体。きっとこの程度の絶頂しか今は味わえないのだろう。それでも体力を使って疲労を感じたので天井を見上げて大の字に寝ころんだ。

「ハァ・・ハァ・・。まんぞくしたぁ」

 環境がガラッと変わった俺の生活。金銭的、性的、精神的にも俺は戻るつもりはないのだが、それでも気になるのは一人残した妹、輪廻のことだ。
 小学生と入れ替わった俺に、輪廻は困惑していないだろうか。元々仲が良かったというわけではないが、血の通った妹である以上心配しないわけがなかった。
 輪廻も中学生とはいえ子供である。俺に頼る一面があったのも事実だ。兄として最後になにか形に残るものを送りたい。

「・・・そうだ。それこそ『道具』の出番じゃないか」

 俺だからこそ出来る異形―いぎょう―ではあるが、やってみる価値は十分にある。
 女の子を探しにいこう。
 輪廻の今後に役に立つ、身体の部品集めを始めよう。


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 少女の『型』を持ってにやつく俺。少女が脱皮したように、背中にある大きな亀裂から空気が抜けてしまったように萎んでいる『型』だ。自分の皺だらけの身など見ることができない。貴重な体験だ。少女は自分の『型』から目が放せなかった。
 服を脱いで裸になった俺は背中の裂けた部分に両手をぐっと中に入れて大きく広げると、中にごそごそと手を差し込んだ。

「きみは小さいね、本当に入れるのかな?」

 入れることは先日から十分承知している。しかし、少女をあっと驚かせる為の演出を兼ねながら知らない口調で話す。

「よいしょっと」

 ぐいっと、太い左足を少女の『型』に差しこんだ。少女が呻いた。自分の身体になんということをしているのかと言おうとしているのだろう。うーうー喚いた少女の声が、俺にとっては快感だった。

「きみの足がパンパンになっちゃってるね。でも、若干ぬくもりを感じるよ?ムフッ」
「うううぅ~~!!うーうー!!」
「黙って見てなよ。すぐ終わらせるからさ。うー、キツイキツイ」

 愚痴を言いながらも少女の『型』の中に身体を入れていく。右足、両手と、身長も体型も違う身体をむりやり『型』に押しこめていく。
 細くて華奢な少女の身体が、俺を通じてゴツくて太く膨らんでいく。さらに『型』は粘土のように柔軟性もあり、伸ばして着ているので、今や少女の面影はどこにも無かった。俺が少女の『型』を着ていることを証明するように、未だに下半身は男性の性器を彷彿とさせるシルエットがこんもり見えていた。
 少女の『型』も無残な状態であったためか、少女は拘束されている状態だというのに笑っていた。
 きっと少女は俺が何をしているのか分かっていないのだろう。

(前回と違って変化が起こらないのは、ひょっとして演出をアシストしているのだろうか。・・・道具が?まさかな)

 あとは顔を残すだけだ。ぶらんと垂れさがった少女の顔の『型』を被り始める。少女の無表情の顔が俺の頭をすっぽり隠した。
 ぎゅうぎゅうと少しずつ少女の小顔が俺の頭に入っていく。おでこから順に目、鼻、口と少女の顔の中に入り込んでいく。
 すぽんと完全に収まり完了。輪郭は俺のままだ。大きく膨らんだ少女の顔が出現していた。
 美少女からは想像もつかない醜悪なもの、大きな顔とごつい身体に少女は違った意味で驚愕していた。

「うがが!うんがが!ふがあ!」

 わたし、そんなにひどくないか。ナルシスト少女である。自分の醜い姿を見せられて怒るとは呑気なものである。
 しかし、俺もいつまでもこんな姿でいたくはない。

「ふむぅ、ちょっとずれているのかな?」

 手で顔をずらして微調整に入る。『型』に全部を収まるイメージを持ち、全てが合わさった時にようやく変化が始まった。
 身体がどんどん小さくなり始めたのだ。顔も小顔になり、ごつくてパンパンだった手と足が細くて華奢なものになっていった。筋肉のついた胸回りも脂肪のついた腰もどちらも落ちてなくなっていく。性器のシルエットも次第に見えなくり、少女のつるつるな恥部に変化していく。背も低くなり、あと少しで便座で座っている少女と同じ視線の高さにまで落ちたところで止まった。

 少女が俺の姿を見て言葉を失っていた。俺は自分の姿を確認することもなく、少女にニコリと微笑んで見せた。少女の笑顔だった。

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「お待たせ。俺の姿どう見えるかな?」

 少女の声で喋る俺。彼女の声をしっかり聞いたのはこれが初めてだった。

「ふうう・・・ごうひへ・・・」

 少女が認める俺の姿。少女そのものとなった俺を前に気落ちする元少女にと逆に気分が上がってきてしまった。

「アハハ。すっかり俺たち姿が入れ替わっちゃったね。今日から男として生きるんだよ」

 そう、『時計』によって少女の着せた俺の『型』はもう剥がせないまで硬くなってしまっている。俺は脱ぐことはできるが、少女はもう俺として生きてもらう事にしたのだ。
 手錠は付けたままだが、口を塞いでいたガムテープを剥がしていく。

「私の身体、返して!」
「野太い声で可愛いこと言わないでくれる?騒いで警察なんかこの場に来たらどうなると思う?お互い裸だし、間違いなくきみは現行犯逮捕だよ。「わたしが、手錠で身柄を拘束してました」って言えば俺は表彰されるかもしれないな。アハハ・・・・・・!」
「ヒドイ・・・」

 俺の姿で涙をこぼし始める少女。今となっては見るも無残な姿となったのは少女の方である。
 入れ替わりが完了した今、俺はいつでも外に出て良かったのだが、せっかくだから最後に楽しいことでもしていってあげよう。

「なにするの――!?」

 少女が発狂した。俺は少女の足で俺の逸物を思いっきり踏みつけたのだ。 

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 あれから夕方まで何度彼女の身体で逝ったのか覚えていない。小股のジンジンと擦り切れてきたところで俺は彼女の『型』から外に出て元の姿に戻った。当然、俺の身体にはまったく支障はなく、絶頂で溜まった疲労もまるで嘘のようになく頗る元気になっていた。
 残ったのは、俺が何度も彼女の身体で逝ったという感覚。女性の身体で逝ったという実体験を思いだし、自分の身体でオナニーをした。
 
 今まで以上に気持ち良く感じたオナニーだった――。

 妹は俺が下りてくると飛んできて、「さっきの女性は誰?お兄ちゃんの彼女?」と、好奇心旺盛なところを見せつけた。

「ウソだぁ!お兄ちゃんが女性の人、うちに連れてくるなんて・・・私より早いなんて!!」

 それは妹に負けるわけにはいかないだろう。五年も先に生まれているだけに、五年間のハンデを貰っているようなもの。いったい妹は俺のどこに勝てる要素があると言うんだろうか。その絶対的自信、鼻をへし折るがごとく木っ端微塵に切り崩してやった、ガハハ・・・・・・・・!!

 ――――実際、連れてきてないんだけどね(笑)。妹が悔しがっているのが気持ち良いので内緒にしておこう。

 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・

 翌日。
 再び俺は家を出て、新たなターゲットを探しに町を歩く。昨日と同じように遠出して都内に出るのもいいかもしれないが、今日は昨日の『一件』から、俺の中でターゲットを夜のうちに決めていたのである。

 家から歩いて十分。駅と家のちょうど真ん中くらいにあたる公園。昨日、彼女の『型』を着た、例の公園である。

「いた」

 やっぱり、いた。昨日の少女・・・。
 まだ俺に気付いていないのか、笑顔でブランコに座り、揺れながら遊んでいた。これは好都合だ。俺は早速『時計』を取り出して時を止めた。

 公園中といわず、町すべてから音が消える。動きが止まっているせいだ。普通なら左右に揺れ続けるはずのブランコすら、空中でピタッと止まり彼女のスカートの奥を俺にマジマジと見せつけていた。
 慣性の法則すら無視する時の制止の概念。俺はブランコから彼女を抱きかかえながら下ろし、昨日と同じようにトイレ(障害者用)に駆け込んでいった。
 便座にそのまま彼女に座らせることができ、足を投げ出し座っているので服を脱がすことも思ったほど難しくなかった。
 今日はちゃんと服を脱がした。ツルペタな裸体を披露する少女が笑顔を向けているだけで微笑ましくなってしまうが、時が動き出したらきっとこの表情が一変するのだろうと思うとゾクゾクしてしまう。

「はやく、事を済ますとするか」

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 鞄から取り出した『粘土』を、昨日と同じように少女に塗りつけていく。昨日と違い肌に直接張りつけていくので、少女の体温を感じながら作業をすることになる。
 ペタペタな少女の肌。これがもうすぐ俺のものに・・・・・・。

「おっと、ちゃんと小股のところも張りつけないとね」

 裂け目があって大事なところが男性のものだったらどうしよう。身体に似合わずフ〇ナ〇になったらそれはそれで面白いけど、今回はもう一つやりたいことがあるので、そっちをメインにさせてもらおう。
 全国の〇タ〇リファンのみなさん、スマン!この件に関して俺は開き直ることにします!

「やっぱり、女性の快感は病みつきになるんだって!」

 彼女の身体全体に貼り付けた『粘土』。やはり昨日と同じように、真っ黒だった『粘土』が次第に肌色に変色していき、皮膚を浮かび上がらせた。もうそろそろだと思い、少女に貼った『粘土』を勢いよく引き剥がす。

 ベリベリベリ――!
 昨日の彼女より一回り小さい少女の『型』が取れていた。広げてみるとバッチリ目の前に座る彼女と同じ体型の『型』であった。

「ようし、そしたら次は――」

 フフフ、今回はもう一つ、鞄の中から『型』を取り出す。
 昨夜のうちに作っておいた俺の『型』である。少女とは違い縦も横も大きい『型』である。気になるお腹に乗っている脂肪が伸びきっているだけに良く分かる。

 そんな俺の『型』を少女に着つけていった。軽い少女を着替えさせるのも別に苦ではない。むしろ、着つけて逝く度に少女が次第に重くなっていくのがよくわかった。

「『粘土』がそのまま脂肪になるって、どういう原理だよ・・・」 

 怒りを通り越して笑えてくる。目の前には俺と同じ顔、同じ身体つきの俺そのものがいた。裸だから、なおさら目に付く逸物。俺が今日のことを思い描き、興奮していた状態を物語っているように、半勃起の状態で止まっていた。
 俺は少女の口をガムテープで塞ぎ、さらに手を後ろに組ませてトイレのパイプに繋いで手錠をかけた。これで動くことも口を外すこともできない。

「準備は完了。さあ、地獄のカーニバルの始まりだ」

 『時計』を持ってニヤリと嗤う。スイッチを押した途端、全ての時は動き出した。

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  電車を降りて歩いて帰宅する。彼女と会う事は絶対にない安心感が、俺の表情を少しずつ氷解させていく。口元を歪ませ、ニヤリと不気味に笑ってしまう。それを見て驚く子供がいた。後日、警察に通報されてしまうかもしれなかった。

「・・・・・・もう、いいよな?」

 家まで我慢できなかった。公園のトイレを見つけて走りこんだ。男女一体どちらに入るか考えたが俺の向かう先は決まっていた。障害者専用だ。個室で鍵もかけられるからである。
 鍵を閉めて広々とした空間に一人佇む。背負ったリュックサックを降ろして中身を取り出す。

 戦利品、彼女の型どった『粘土』が無事傷一つなく取りだすことに成功した。

「よかったぁ。大事に仕舞えてあって」

 彼女が脱皮した抜け殻のようになっている『粘土』。 中身が入っていない状態なので顔も皺くちゃだ。 
 中身を埋めてあげないとこの皺は取れないだろう。
  
「もう我慢できない!今入ってあげるからね。この『粘土』の中に入ればきっと俺は――!」 
 
 息を荒くするしながら俺は服を脱いで裸になった。
 明らかに体型が釣り合わない俺と彼女。しかし、そんなこと一向に構わないと、俺は右足を差し出した。

「まずは足から・・・」 
 
 はぁ……はぁ……はぁ…… 
  
 脈も鼓動も最高潮。長ズボンを穿くような感じで、背中から首の辺りまで割けているので、まずは足の方からゆっくりと彼女の型の中に入れていった。 
 するとどうだろう。足を中に入れたはずなのに、ミシミシという音すら聞こえることもなく俺の足は地面をついた。
 足の太さも違うはずなのに、まるでぴったりとはまる様に彼女の足にくっついているような感覚だ。振ってもずり落ちることのない靴のように、俺の足は彼女の細い足と一体化した。
 それを物語る様に、俺が右足をふるうと、彼女の右足は俺の動きに合わせるようにつま先を震わせたのだ。

「うおおおっ!すげええええ!」

 左右で足のバランスが崩れる。しかし、そんなことはお構いなしだ。左右で男女の足が生えているようなものだ。足の綺麗さも白さも段違いだった。
 
「完全に女性の足だ。あはっ、ハイヒールなんか履いちゃったよ」

 靴の大きさも全く違う。ハイヒールなんか履いたことないので立っているのが大変だった。
 楽しみながらも少しでも展開を早めるように、同じように左足も彼女の中に入れた。 
 便座に腰を降ろし、太ももの辺りまで両足が入った状態だ。彼女の型に入った膝から下は何処から見ても女性の足にしか見えなかった。 
 手で触ってみると、まるで自分の足を直接触られているような感じだ。 それはつまり、この足は俺のものだという証明である。
 
 「このまま腰まで穿くぞ・・・!」
 
 自分でもわかるくらい声が震えている。
 変化していく自分の身体。スカートのきれ端が既に空中に浮かんでいるのだ。このまま腰を上げればスカートを穿くだろう。そうすればきっと、男性の象徴はなくなり、女性の証明が浮き上がるのだろう。
 予言ではない。断言である! 

「よっこいしょ!」 

 腰を浮かせた瞬間に一気に『粘土』の裂け目まできっちり入りこむ。太ももを包み込み、股間、お尻まで着込んでしまった。 
 ドスンと便座に座るまで一秒。俺の男のしての象徴は完全に消え失せていた。変わりに女性用のスカートを着こなしていた。
 滑らかで美しい曲線を描いているストッキングに包まれた足。柔らかいお尻の感覚。 そして興奮しているにもかかわらずのっぺりした下半身と疼き。 

「やべえ。ショーツの奥が濡れてきてるのが分かる。触ってないのにぐちょぐちょじゃないか」 

 興奮だけだ。男性なら外に出ているから我慢ができるけど、女性は中に仕舞ってあるから我慢できずに濡れやすい。お尻が濡れている感覚が気持ち悪いけど、濡れる原因を作っているのもまた彼女の液だと思えるだけでさらに興奮が増してくる。

「あとで家に帰ったら何度でも触ってやる、へへ・・・」
 
 気持ち悪さすら快感に変換している今の俺。これで下半身の変化が終わり、上半身の変化を進めていく。今度は自分の手を彼女の腕に通し、指先までしっかりと入れ込む。足と同じだ。彼女の型に合わせて自分の身体がそれに合わされるように変化していく。 肩まで入れると、自然に胸板も張ることになる。明らかに巨乳の彼女だ。俺の胸板がぶつかるはずがないのに、彼女の衣服は不思議なことにピンと張ったように崩れることなく着こなしていた。

「ってことは・・・・・・あっ!」

 服の中から彼女の胸のあたりをなぞる様に擦ってみると、乳房を撫でられている感覚があった。

「じゃあ、これ、俺のおっぱいなんだ・・・・・・うほっ、でけええ!」

 両胸を弄ぶようにがっつく俺。服の上からでも感じてしまう乳房。男性の時には全く感じなかった乳房が、彼女の手に揉まれて柔らかいという感覚の気持ち良さにたまらなくなってしまう。
 今や身体を見下ろすと、女性の身体があった。スーツ姿に身を包んだ、名も知らない彼女の身体。 他人の、異性の身体だ。

「ハァ・・・!ハァ・・・!ハァ・・・・・・!」 

 これが最後だ。彼女のぶらんと垂れさがった首から上。顔の部品のみ。髪の毛を掻きわけ、首の亀裂に顔をつっこみ、自然と残った彼女の顔に部品が繋ぎ合わさっていく。目は目の位置へ。鼻は鼻の位置へ。口は口の位置へ。 
 全ては彼女の型へと変化していく。全てが繋がったと感じた瞬間、俺はゆっくり目を開けた。 

 眼鏡から通る視界は今までと別次元の世界を見せてくれていた。
 視力の良かった俺が眼鏡を付けて同じ視力に戻っている。それはもう、俺の視界ではなかった。 
 
 「終わった・・・あっ!声が変わってる」 

 自分の出した声に驚く。聞いたこともない声であったが、これが彼女の声だと思うと興奮する。至って普通の、落ちつきのある聞き易い彼女の声だった。便座から立ち上がると視界は元の俺の身長より低くなっていた。これが彼女の身長なんだ。10cm以上低かった。 洗面台の上に飾られている一枚の鏡に姿を映す。映っているのは、先程出会った彼女の姿であった。声もなく驚いていた彼女の表情が、俺の心と供に徐々ににやけ出す。 

「よっしゃああああ!!」 

 まるで男性のような雄叫びをあげて彼女は歓喜した。
 次の瞬間、扉を強く叩かれた。ドキッとして振り向くと、「すみません!」と扉の向こう側で声をかけられた。
 急いで荷物をまとめてリュックサックに自分の着ていた衣服を詰め込むと扉を開けた。
 
 警察官が目の前に立っていた。

「な、ななな・・・!」

 声を震わせて驚く。悪いことをしたわけじゃないのに、捕まる様なことをしている気がする。頭の中では彼らは時空警察―タイムパトロール―ではないかと疑ってしまった。
 警察官が口を開けた。

「あれ?女性?」
「ここのトイレににやけた男性が入りこんだと言う通報があったから調べに来たんだけど、障害者トイレ以外誰も使っていないみたいだし、どうやら逃げられたのか」

 後ろの方で先程出会った少女がいた。彼女が連絡主だろうか、本当に通報しやがった。
 つうか、警察よりも一番腑に落ちていない様な表情を浮かべていた。
 移動型通報兵器『児童』、マジこえええ・・・。

「きみ、ここのトイレは障害者以外使っちゃだめだよ」
「は、はい。どうも失礼しました!!」

 その場を全速力でひた走る。
 この場を逃げ切るため、そして家に一秒でも早く帰るために――。


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 翌日――
 俺は一日眠っていた・・・・・・・・・。

 しかし!ただ眠っていたわけではない。泣く泣くして高いお金を出した俺は、『粘土』だけではなく、『時計』をも購入することにした。
 結果、『時計』は商品を注文して二日後に手元に届いた。家に居ながら買い物ができる。現代のネット注文は恐ろしいほどヤバイ。

 俺の手元にある『時計』と『粘土』。これを組み合わせれば―――

 ――時を止めた世界で好きな娘の部分型―パーツ―を取る。
 ――それを俺につける。
 ――オナニーをする。
 ――また新たなターゲットを探しに行く
 以下無限ループ。

 なんてことができるのではないか。

「完璧だ・・・俺、完璧だ」

 考えた俺、マジヤバイ・・・・・・。



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 柳沢慎介―やなぎさわしんすけ―の元に送られてきたグノー商品『粘土』。
 普段はカチンカチンの『器』としても送られてくる人気商品だが、今回、慎介は火にかける前の状態で送ってくれるよう頼んだのだ。
 その結果、『粘土』はまだ固まっておらず、手で捏ねれば形を様々に変えるくらい柔らかく、打ちつけても壊れることなく弾力に強い。
 まるで、スライムのようだ。

「へえ。しかし、この状態じゃ特別な力はないのかな?」

 今まで誰もやったことのない未知の挑戦ではないだろうか。 少しでも火にかければ心に移し替えることもできる粘土だ。では、その前段階、火にかける前、捏ねれば捏ねるほど柔らかくなる『粘土』にはいったいどのような効果があるのだろうか。
 動物に形作っては見たものの効果はなく、心に押し付けてもまったく入っていく気配はない。
 当然、髪の毛からDNAを読み取り『器』になることはなかった。

 普段とはまた違う『粘土』。高い金出して要求しても未完成の可能性は十分にある。
 そうなったら最悪だ。クレームの一つでも入れることにしよう。


 ・・・まあ、時間はいっぱいあることだし、ゆっくり考えながら遊びを見つけていこう。


 手持無沙汰で粘土を捏ねながら、時折伸ばしたりして生地を伸ばしていく。
 伸びる粘土の生地は気付けば俺の腕にまで伸びていたのだった。

「うおっ?なんだ?そんなに生地を引っ張った覚えはねえぞ?」

 まるで粘土に襲われるかのような感覚。驚いた慎介が粘土から手を放したが、ブチッと重さで切れた『粘土』の切れ端が、俺の右手にべったり付着していた。覆うほどの『粘土』の量。そんなにあったのかと驚くほどこびり付いた粘土を、俺はゆっくりと剥がし落としていった。
 ベリベリと、接着剤を使って一瞬にして固まったかのような音と供に、俺の目は驚くものを見てしまった。

「俺の手が、剥がれていく・・・」

 粘土を剥がしたはずなのに、俺の手が綺麗に抜け落ちて、ゴロンと床に転がった。
 太い手や筋肉の付き方、それに腕毛の生え方は間違いなく俺の手だ。
 うわあああああ!!!っと、叫びそうになった俺の心だが、右手に痛みもなければ血が出ている感覚もない。

(落ちつけ、冷静になれ、俺のハート!)

 一回深呼吸を置いてバッと右手を見てみると、相も変わらず俺の右手は元気に肩から生えていたのであった。
 無事だったと安心した半面、よかったと歓喜した自分がいた。

「・・・じゃあ、この右手はいったい――」

 恐る恐る床に転がる右手を掴んでみる。ずしりと重い筋肉の重量感。血が通っているみたいに温かい血液の循環、そして脈まであった。この右手は生きていた。

「ウソだろ?なんだよ、これ?」

 驚きを隠せない。文化祭でお化け屋敷をやることになった時に作った張りぼての手なんかじゃない。
 本物だ。『粘土』が本物の手を作りだしたのだ。俺の手を模倣した手である。

「まさか、俺の体温で固まったのか?」

 興味本位でもう一度『粘土』の手を右手にはめてみる。すっぽりと覆い被り、ものは試しと手の平を握ったり広げたりして見ると、俺の動きに『粘土』は対応してグーとパーを作りだしていた。いや。むしろ、これが本物の右手なんじゃないかと思うくらい違和感がない。本当に『粘土』に包まれているのかと疑いたくなくくらいスムーズに対応していた。

「じゃ、じゃあ、今度は痛覚だろ?」

 痛みや感覚に対応できるのだろうか。所詮は『粘土』だ。引っかいたり抓れば削り落ちるに違いないと高を括り左手でおもいっきり抓ってみた。

「イッテ!」

 痛かった。左手で抓られた感覚がまるで本物の右手さながらにリンクし痛さを脳に送り出していた。

「ほ、本物かよ。じゃあこれって、本当に俺の手じゃねえか!?」
「なに言ってるの、兄ちゃん?」

 ハッと気付いて扉の前を向くと、妹の輪廻―りんね―が顔を覗かせていた。

「さっきから部屋でぶつぶつ独り言喋っていて、なにしてるかと思えば粘土遊び?兄ちゃん、退化したか?」
「進化だろ?!」

 俺は断言してしまった。輪廻が呆れていた。

「ヘンな方向に進化しないでね。私は寝るからね気持ち悪い声出さないでネ」

 ようは黙れということを伝えに来たのか、一応返事を返しておく。

「あっ、輪廻。ぱっと見て、俺のどこか変わったところあるか?」

 眠そうに眼を擦る輪廻を最後に呼びとめて第三者の目線で見てもらう。はたして輪廻に『粘土』の正体が分かるだろうか。

「・・・・・・右手が――」
「ドキッ」
「――6本」
「早く寝ろ!!」

      ae029041.jpg

「うん」と言って 部屋を出ていく輪廻。完璧だ、『粘土』完璧だ。
 良く見ると『粘土』と皮膚の境目にわずかばかりの切れ目が見えた。先程『粘土』が取れたのも二の腕当たりだったことを思い出し、剥がす様に二の腕をひっかいてみると、ベリッとうまく『粘土』が取れたのだった。
 ひっくり返っているがまったく問題ない。『粘土』を丸めると手の形は完全になくなり、元の『粘土』の塊へと戻ってしまった。

「すごい……これはおもしろくなってきた!」

 新しい『粘土』の遊び方を見つけたことで、俺の思考はフル回転を始めたのだった。


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