純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

カテゴリ:グノーグレイヴ『肉体操作』 > 人形『『強制操作』舞編』

 凛に呼び出された。放課後二人で会いたいそうだ。
 一体何の用だ?俺達の間で密会なんてするなよな。たくっ、
 水臭いやり方だが、俺は言われたとおり一人で音楽室へ訪ねた。

 ・・・・・・凛で音楽の先生やったんだよな。今思い返せば、馬鹿だなあwwww!!!って思う。
 まあ、初めてフェラしてくれた相手が凛なんだし、そう悪い気分じゃなかったからいいんだけど。

 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・

 それにしてもあいつ遅くないか?人を呼んでおいて忘れて帰ってるんじゃないか?と、ようやく扉が開いて凛が現われた。

「あれ?純」
「遅いぞ凛。呼んでおいて何やってるんだよ」
「・・・・・・私、呼んだっけ?」
「はっ?」

 恍けているのか、俺は呆然としてしまった。

「じゃあ何しに音楽室に来たんだよ?」
「え?うん。なんとなく・・・」

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 会話の途中で凛は服を脱ぎ始める。無意識なのか、脱いでいることを指摘した方がいいのだろうか……。

「おい、なに脱いでるんだよ?」
「ええ!ちょっと、やだ!?」

 いきなり慌て始める凛。顔を赤くして目くじらを立てる。

「見るなあ!」
「見せてるんだろ?」
「ち、違うわ!操られてるのよ!」
「なあに!?」

 俺はまわり見渡すが誰もいるはずもない。一体どこで誰が凛を操っているんだ?
 俺に凛が抱きついてくる。これも『人形』にされたというのか!!?――許す!!!俺は全力で許したぞおお!!

「助けてよ、純!」
「いや、助けてと言っても――」

 ぎゅっと強く抱きしめて動けないんですけど。って、凛は俺のズボンから逸物を取り出すと、しこり始めるじゃないか。くあああ!凛に逸物を握られるだけで十分心地よかった。

「ああ、そこ良い。もっと強くして」
「純!あんたねえ!!」

 ぎゅううっと逸物を締めつけてくる。いててて!!!どうなってるんだよ!?

「弱くしてくれ」

 すると、俺の命令どおりに凛の力がふっと弱まった。なんだ?『人形』を使っている奴は律義に俺の言うことを聞いているのかよ。ひょっとして凛の『人形』を使っているのは俺の分身じゃないかと思ってしまう。
 そうに違いない。だったらこういう命令も今の凛ならできるはずだ。

「舐めてよ」
「な、なんですってえ!?」

 凛が怒り狂う。いままで凛には丸めこんでフェラをしていたとか、無意識にフェラをさせていたとかで、凛の意識を殺していた。だが、今回は違う。凛はしっかりとフェラという行為を自覚しながら、俺の逸物に唇を近付け――
 咥えこんだのだ。
 達成感が込み上げる。凛の口の温かさが今までの中で一番気持ち良かった。
 もうポークビーンズとは言わせない!既にはち切れんばかり膨らんだ俺の逸物は口内の大半を埋め、凛は苦しそうにしていた。悔しそうにして上目で見る凛に俺は不敵に笑って見下した。
「こんにゃの、噛み千切ってやる!!」

 大きく口を開けた瞬間――

「イラマチオをするんだ」
「フゴーー」

 凛の思惑は失敗して、俺に快楽だけを与えてくれていた。凛はひたすらしゃぶってくれる。気持ち良くて何もする気が起きない。
 そんな俺を見て凛はちっと睨んだような気がした。我慢の限界とばかりに突然フェラを止めてしまったのだ。

「なんであんただけ気持ち良くなってるのよ?」

 なんだなんだ?何故凛が怒っているのかわからない。『人形』に操られて嫌々フェラをしていたのじゃないのか?じゃあ、凛は何をしてほしいのか考える。

 ・・・・・・・・・。

「挿れていいの?」
「い、良いわけないじゃない!飛躍しすぎよ!もう」

 凛がため息をついていた。バカバカしくなったかのように凛はふっと我に返ったような気がした。

「・・・あんたには、久美子がいるじゃない」
「そうだな」
「そうよ。やれる訳ないでしょ?私は久美子を裏切れないわ」

 そう言う凛の表情はどこか悲しげに見えた。
 そういえばそうだ。俺は久美子と付き合っているのに、凛と繋がることなんて出来るはずがなかった。
 それを分かっていながら、凛は俺にフェラをしていたのか?
 どうして言わなかったんだ?どうして凛は俺に黙ってた?凛は本当は――

 都合のいい考えかもしれないけど、凛が俺を呼んだ理由が分かった気がした。

「でももし『人形』を使われたら、凛の意志なんて関係ないだろ?」
「――!?」

 凛が息を呑んだ。目を丸くしていた凛が全てを理解したかは分からないが、俺の言おうとしたことが分かった気がした。
 再び俺の首に手をまわして抱きつくと、ショーツを脱いでおま〇こをそそり立つ逸物の上に構えた。

「あっ、いやあ!」
「凛?」
「ち、ちがうわ!私は、『人形』に操られているのよ!別に、純とやりたいだなんて、思ったこともないんだから」

 口でそう言っても、凛は腰を下ろして、俺の逸物を膣の中へ飲み込んでいった。 

「あんんんん!!大きい」

 苦しそうに顔をしかめる凛の表情が目の前にある。目を合わせた凛の眼は潤んでいた。

「凛、おまえ――」

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 顔を赤くして、それ以上は何も言わない。
 言葉はいらない。これは誰にも言う必要のない秘密の行為。凛に罪があるのなら、俺も同罪だ。『人形』に被ってもらう。それで俺たちは救われるのだから。

「はん!あっ!ああん!!」

 行動も大きくなる。凛は俺の上で跳ねて、奥まで突かれていた。時々、子宮口がこつんと当たった感覚がし、その都度俺は絶頂へ行きそうなくらいな刺激が全身を襲った。

「おっきい。純の、気持ちいい」

 ――凛。お前の本心を受け取った。決して人には明かさない凛の気持ちを、俺は確かにこの手で掴んだ気がした。
 凛を想う気持ちが俺の中で爆発した。

「あああああああん!!!!!!」

 同時に俺の逸物も爆発した。凛の子宮に俺の精子が流れ込んだ。



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  絶頂を迎えて壁に寄りかかる舞。安心したのか、手から凛の『人形』がポロッと落ちた。

「今だ!」

 凛が俊敏にとある場所へ駆け出す。その方向の先には、同じく絶頂を迎えた純の姿が――

「え?」

 バキィと純を蹴り、純はフル〇ンのままグランドのフェンスを飛び越えていた。

「ぐあああああああああぁぁぁぁぁぁ―――――!!!!」

 純の叫びを無視し、凛は置き去りにされたある物を手に取った。

「お姉さま、それは――」

 舞ははっとした。凛の手には『人形』が握られていた。

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「そう。舞の『人形』よ」

 凛を巧妙に騙す為にわざと作らせた舞の『人形』だ。

「ああん。お姉さま!!」

 舞が飛びかかる。凛は舞の『人形』をくいっと方向転換させると、舞もくいっと方向を変えた。

「ひ、ひどい」

 凛がニヤリと笑う。これで互角の勝負。いや、八割がた凛の勝ちは決まったのだ。凛に触りたい舞と舞に触られたくない凛だ。

「あなたが私を前に動かせば、私があなたを後ろに下げる」
「い、イケズですわ~」

 舞が悔しそうな顔を見せる。二人の距離はざっと3m。凛が対応できるぎりぎりの距離だが、その距離は思っている以上に遠い。

「極めて近く、限りなく遠い距離ですわ」

 舞がぽつりとつぶやく。

「さあ、どうする?私に絶対触れられないわよ?」

 凛の挑戦的な態度に舞は考えた結果、くいっと凛の『人形』を操り、舞に飛びかかるように走らせた。

「なら、私はこう」

 凛は対照的に舞の『人形』を操り、凛から放れる様に背後に逃げらせる。二人は再び校舎内に入っていった。
 二人の熾烈な追いかけっこ。同じ速さで走る凛と舞の距離は全く変わらない。どこを目指しているわけでもなく、ただ校舎内を走り続ける二人。
 舞が角を曲がる。
 続いて凛も角を曲がる。

「――――」
「久美子!!?」

 ぶつかりそうになる所で凛は回避する。曲がった角に久美子がいたことは偶然だったのか、それとも計算に入れたのかわからない。距離が少し離れたが、舞の長い髪の毛が見えなくなるほどでもない。支障はなく舞を追い続ける凛。
 舞は走り続けた先、袋小路に入り足踏みを余儀なくしていた。引き返そうとした矢先に凛がやってきてしまい、舞は追い込まれてしまった。足を止めた舞に合わせて凛も足を止めた。

「どう?これであんたは『人形』を使うしか逃げ場がないわよ。『人形』を渡しなさい」

 この状況での打破は『人形』を使うしかないのだ。私以外の誰かに助けを求めるには、人形を使うしかないのだから。
 だが、舞はこの危機的状況でもフッと鼻で笑った。

「オホホ。袋小路に入ったのはどちらか、まだ分かっていないようですわね?よほど一生懸命走ってらしたのね」
「……なにを言ってるの?」

 凛があることに気付く。
 舞は所持していると思っていた『人形』を持っていなかったのだ。

「どういうこと?」

 訳が分からない凛だったが、次の瞬間、自分の身体が意思とは関係なく急に動き始め、自分の胸を揉み始めたのだった。
 舞は凛の『人形』を持っていない。でも、私の身体は自分の意思と関係無く胸を厭らしく揉み始めた。

「なに?どうして身体が勝手に・・・あん!!」

 自分で乳首を抓んで声を荒げる。校舎に響いたと思うと恥ずかしくて死にそうだった。舞はうっとりしながら私を見ている。いったい誰が私の『人形』を持っているのかわからなかった。
 そこに、第三者が現れた。私の『人形』を持った人物は、笑みを浮かべながら私の『人形』の乳首を優しくいじっていた。
 
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「久美子!?」

 私の親友の久美子だった。先程の角でぶつかりそうになったのも、舞の計画通りだった。

「ここへ向かったのも、久美子さんがいらしたからですの。既に久美子さんは私の人形。私の意志を代弁して下さりますわ」

 もはや1体2。人形を使われ危機的状況にあるのは紛れもない私の方だった。

「久美子!正気に戻って!」
「さあ、久美子さん。『人形』を奪い取りなさい」

 私の声を無視して久美子は私に近づいてくる。完全に久美子は舞の下僕と化していた。私の手は嫌でも久美子に舞の『人形』を差しだそうとしていた。

「あんたなんかに奪われるくらいなら・・・」

 なんとかして打開策を考える。すると、

「イテテ・・・」

 久美子の奥に中庭から顔を出した純を発見した。

「純!!」

 最後の力を振り絞って純に舞の『人形』を投げ飛ばす。純は舞の『人形』を確かに受け取った。

「純!『人形』を守って!」
「久美子さん!『人形』を奪って!」
「・・・・・・は?」

 私と舞が純に叫ぶ。純は目を丸くしていたが、状況を理解すると、久美子に目で相槌を打った。何故だろう。操られているはずの久美子も純と同じ視線を投げかけた。

「ハハァン」

 純が舞の『人形』を弄ぶ。

「えっ?」

 すると、舞のぺチャパイを知りながら、まるで見せつけるように前かがみになってポーズをとった。

「なんですの?」

 舞が顔を赤くする。と、私もグラビア雑誌で見る姿勢をとって二人で純と久美子を見ていた。

「駄目ですよ。二人仲良くしないと」
「安心しろって。俺と久美子がお前たちを安全に管理してやるから」
「そ――」

『そんなああ!!』

 私と舞は珍しく声を揃えた。



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「ごめんなさい、大丈夫だった?」
「誰かさんのせいで殴られなれてるっていうの」

 そう言っても凛は俺の介護をしてくれる。ハンカチを取り出して出血を止めようとする凛の姿を初めて見る。
 可愛い。思わず手を伸ばし、凛の頭を撫でてやる。あれほど伸びる手を拒絶していた凛が俺の手だけはなんの疑いもなく頭にのっけてくれた。それだけで俺は救われた気がした。

 ――プツン。

「いた!」

 凛が声をあげる。俺は何が起こったのか分からなかったが、俺の手に凛の髪の毛が握られていた。

「オホホホ、今度こそ手に入れましたわ」

 後ろを向くと舞が現われた。俺は舞に髪の毛を届けなくちゃいけないと思い、思わず立ち上がって足を前にだす。

「純!あんた――」
「さあ今度こそ私にお姉さまの髪の毛を渡すのです」

 舞が『人形』で俺の足を動かす。気を抜けば全速力で駆けだしてしまう足を、俺はぐっと踏みしめて耐え続ける。

「・・・・・イヤだ」

 唇をグッと噛みしめて、苦しみながらも吐き出した。

「純!」
「なんて強情なの?早く差し出すのです!!」

 舞は眉を吊り上げ『人形』の足をばたつかせる。俺に足は糸が付いている様にふわりと浮かんでしまうが、そのまま地面におろしてしこを踏むポーズを取った。
 俺が凛の髪の毛を掴んだのは、舞に渡す為じゃない。

「この髪は俺の宝物にする!くんかくんか臭いを嗅いで凛をおかずにするんだ!そしてそのまま宝トミー社に持っていって大量生産の発注をかける!!商品名はリンちゃん人形!!税込3,360円。すぐさまブログを開設し、リンちゃんの個人情報を掲載!後々家族や友達も増やしていき、当然リンちゃん電話も設置し、声優には佐藤利奈を置くんだ!!!みんな協力よろしくね!!!」

 俺の夢の暴露に凛は固まり、舞は目を輝かせた。

「なにそのパルフェの様に甘くて魅惑的な商品は・・・?これでいつでも放れずに済みますわって、それではお姉さまは私一人だけのものになりません!!独占が出来ないのでしたらあなたへの援助資金は差し控えさせていただきます!!――早く髪の毛を渡しなさい!穢れるでしょう!」

 『人形』に痺れを切らした舞が俺の手から髪の毛を奪おうと食らいつく。俺は絶対に放さない様に身体を丸くして舞の攻撃を耐えしのんだ。

 だが、何故だろう。ずっと無言になっていた凛から熱いオーラを感じてくるのは。

「・・・・・・・・純。そのままの体勢でいなさいよ」
「へ?」
「え?」

 凛が駆け出し、丸くなった俺の身体を舞ごと――

「この、変態がああああぁぁぁぁぁ――――!!」

 ――蹴りあげた。宙に浮く俺と舞。身体はフェンスを軽々超えて――

「ちょっ!ここ、屋上!?」

 ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ――――――――――――!!!!!!!!!

 俺と舞は地面に真っ逆さまに落ちていった。
 
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 地面に落ちるかと思った俺と舞は、運よく木にひっかかり、葉っぱがクッションとなって一命を取り留めた。

「イテテ。マジ死ぬかと思った」

 「あのやろう」と凛のいる屋上を見るが、今はそれよりも舞の方が心配だった。葉っぱに寝そべる舞に近寄ると、舞はぶわっと涙を流して泣き叫んだ。

「ああん!どうしてお姉さまは私に振り向いて下さらないの?あなたや久美子さんには振り向いているのに」

 漫画の様に両目から半円を描くように流れる涙。耳を塞いで子供をあやす様に舞をなだめる。

「普通にしてたら普通に対応してくれると思うぞ」
「普通じゃイヤ!お姉さまとディープな間柄になりたいのです!」
「ダメだこりゃ」

 しかし、凛も凛なら舞も舞だな。屋上から落ちたことより、凛に嫌われて涙を流すんだからな。はぁ~あ……

「おまえが人を使うのがいけないんだろう?正々堂々、正面からぶつかっていけよ」
「それではお姉さま、さらに警戒しますわ」

 よく分かっている。自分で撒いた種だからか、今の凛は舞に人一倍敏感だ。舞がぶつかりに行っても逃げるだけだろう。

「しゃーねえな。俺が力貸してやるよ」

 俺が舞に言うと、舞はきょとんとした顔で俺の顔を見たが、その意味が理解するとパッと笑顔で微笑んだ。「ありがとうですわ」と、泣き顔も子供のままだが、笑顔も子供そのままだった。
 そうと決めたら凛には復讐してやらなければならない。
 今まで俺が溜めた怒りボルテージがここぞとばかりに沸いてくる。
 拳を握りしめ、凛に負けない熱いオーラが込み上げてきた。

「俺の受けた屈辱、今こそ晴らさでおくべきか!!!」
「こ、怖いですわ」

 舞が俺の様子に怯えていた。
 

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「ハァ・・・ハァ・・・」

 精神的に追い込まれた。授業さえ出ていけず、休み時間は屋上に姿を隠す。
 誰とも会えない。誰とも会いたくない。

 どうしてこうなったのかもわからない?私が悪いんじゃない。でも、目に映る人物すべてが敵に見えて仕方がない。舞の手下、『人形』によって操られる下僕。

「怖い・・・」

 かつて私も『人形』を使って早乙女聖に仕返しをした。あの時は自分が楽しめればなんでもよかった。その日の夜はぐっすり快適に熟睡できたことを忘れない。
 でも、聖はどうだっただろうか?その日の夜から眠れなくなったのではないか?またいつ『人形』で操られるかわからない。自分の身を案じ、不眠症になったりしていないだろうか?

 ・・・・・・・・・。
 
 私のせいだ、私の罰がやってきたんだ。
 きっと私は自分の罪に殺される。いっそ、舞の下僕になった方が楽になれるのではないだろうかと考えてしまう。

「あはは・・・私ももう末期だ・・・」

 一生『人形』のまま操られるのなら、最後まで私は望月凛でいたい。残りの学園生活を一人でいることになっても、そう決めたからには覚悟を持って生活し続ける。

 ・・・・・・・・・。

 そう思うと、名残惜しいのが純と久美子の三人で食べたドタバタの昼食だった。私が騒ぎ、純が受け、久美子が笑うことで三人だけでも十分楽しく昼食を食べることが出来た。私がパンを奪っても純が泣けば久美子が慰めてくれる。
 きっと私たち、バランスのとれたチームだったと思う。
 でも、久美子が操られた。ひょっとしたら純も既に操られているかもしれない。次に会った時には久美子も純も、私の知っている二人じゃないかもしれない。
 それがとても怖い。私を安心させて裏切るんじゃないかと、心の底で思ってしまう。

「裏切られるくらいなら、最初から期待なんてしなければいい」

 二人は敵。思い出も消して、次に会った時には冷酷な視線で突き放してやる。
 今はその練習をすればいい。
 大丈夫、
 涙が枯れればきっと、私の視線は二人だって殺せるようになるんだから……。


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 かって咲く花は、収穫前に枯れてしまう。
 それが、自分の意志ならばなおさら。舞は純聖百合学園に一礼した。
 お別れに生徒会長の聖が正門の前で立っていた。生徒会として、そしてプライベートも一緒に過ごした四か月がまるで走馬灯のようによみがえる。
 だが、自分の選んだ道に後悔はない。舞は聖に正面から顔を向けた。

「ごきげんよう、聖さん。今までお世話になりました」

 聖はさようならも言わず、門から去っていく舞を見届ける。

「禁断の果実を食べたアダムとイヴは楽園から追放されたのよ」

 冷たく投げかける聖の言葉に舞は足を止めた。

「ならば私は、自分の意志、自分の足で、次の楽園を探しましょう」

 顔を合わせない。門を出た舞はもう、聖にとって他人なのだから。 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 凛は学校を抜け出して、商店街のカフェでコーヒーを飲んでいた。時々さぼることがある凛はこうして時間を潰している。お気に入りの場所、お気に入りのキリマンジェロブレンドを飲む至福の一時。
 そんな凛の前に、影が堕ちた。顔をあげると、凛の表情が歪む。

「なんであんたが此処にいるのよ?」

 白い制服、ショートヘアーの凛の知っている人物。純聖百合学園の生徒会長、早乙女聖だった。

「おかしいでしょう!?生徒会長さんが学校さぼっちゃダメじゃない?私の分まで勉強しなさいよ」
「会いたかったですわ」

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 凛は寒気がした。聖とは決して仲がいいと思っていない。しかし、聖が笑顔で再会を喜ぶなんて想像も出来なかった。

「私が此処に来たのは、先日の一件を謝りたくて」
「・・・・・・マジ?」

 散々凛が『人形』で聖を弄び、ボンテージ服まで着せて面白がった。逆に謝罪を要求されるのではないだろうか?しかし、聖は否定する。

「ええ。この度は誠に申し訳ありあせんでした」

 頭を下げて謝罪する。凛はどうしても腑に落ちなかった。

「会長、本当に謝りたいと思ってるの?」
「・・・」
「ここになんとなく来て、私がいたから、謝らなくちゃいけないっていう目標を持っただけじゃないの?」

 聖は顔をあげた。その表情は驚きを露わにしていた。

「そ、その通りですわ」

 凛は確信した。聖は『人形』に操られている。まわりを見渡して純の姿を探す。

「あのバカ!会長さんまで使ってなにを――」

 そこで凛の思考が止まる。『人形』の存在を知っているのは、純と久美子だけ。でも、この二人は聖の存在を知らない。

(もう一人いるじゃない。聖を知っていて、なおかつ『人形』の存在を知っている人――)

 先日、正式に転校してきた女性。

「まさか、舞!?」

 テラスから出て商店街を見回す。昼近くに向け賑わいを見せてきた商店街。

「いるんでしょう!出てきなさい、舞!!」

 凛が叫ぶ。だが、返答は帰ってこない。聖が凛を止めさせようと飛びかかる。

「お姉さま、ダメ!」
「気色悪いでしょう、会長が言うと!」

 聖の手に力が加わる。苦しくて身動きが取れなくなる凛に、髪の手を触ろうと聖の手が伸びる。

「手を伸ばすなあ!!!!きゃああああああ!!!」

 寸でのところで解放された凛は、急いで商店街を後にした。


 ・・・・・・・・・・。 
  外から凛が帰って来た時はちょうど休み時間になっていた。汗だくになった背中が気持ち悪い。でも、外の方がもっと気持ちが悪かった。

(舞がいつ誰かを操って私の髪を狙ってくるか分からない。それなら教室にいて、皆が席から動けない授業に出ていた方が安心よ)

 そういう結論に達したから凛は学校に戻ってきたのだ。しかし、念には念を入れる。

「純。席代わりなさい」

 純の席は誰もがうらやむ窓側一番奥。後ろから狙われる心配もなければ、前と横の二人にだけ気を回せばいいのだ。

「嫌だ!俺の運を使いきって手に入れた最高の席だ。そう易々と――」
「いいからどきなさい!!」

 純を引き剥がして席を奪う。

「うわあああああん!しどい!!」
「良かったですね。私の隣ですよ」
「俺、そっち行く!!!」

 久美子のフォローに助けられ、凛は恰好の席を手にを手に入れる。退屈な授業が始まるが、気が休まると思えばそれほど苦ではなかった。 

「この問題、誰か分かる奴?」

 先生の話なんて聞いていない。凛は違うことで頭をいっぱいにし、警戒心を最高潮まで上げている。いつも寝ている授業だけど眠気なんて無い。

「(来るなら来なさい。逆に『人形』を奪ってやるんだから)」

 凛はただただ舞を睨みつけていた。

「仕方ない。・・・望月。答えてみろ」

 突如笹瀬川先生が凛を指名する。

「(普通一番後ろの席を当てる?)」

 嫌な顔をして席を立つ。チョークで式を書いていく凛を、先生はじっと見つめる。

 ――ブワッ
 
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「――っ!?」

 先生が凛に手を伸ばしたことに驚いた表情を見せて振り向いた。

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「なんだその顔は?埃が付いてる。女の子たるもの綺麗でいなさい」

 そう言いながら手を伸ばしてくる。凛は先生の手を払いのける。

「じ、自分で取ります」
「そうか?」

 余りの反射に普段冷静な笹瀬川先生も驚いていた。凛が舞を睨む。

「くーくー」

 机に突っ伏して眠っている舞。

「(じゃあ今のは、本当に先生の意志?)」

 だとしたら悪いことしたと凛がしょぼくれる。先生がふっと笑みを浮かべた。

――ブワッ!!
 
「えっ――?」

 先生が伸ばした手は惜しくも凛の髪をかすめた。先生が悔しがっていた。

「せ、せんせい?」

 笹瀬川先生の表情が舞の表情と重なる。

「いやあああああああああ!!!」

 教室を飛び出していく凛。クラス中が騒ぎ出す。

「いったいどうしたんだ?望月の奴?」

 笹瀬川先生も唖然としている。
 純と久美子が顔を見合わせた。

「な、なんだ?」
「私、見てきます」

 追う様にして久美子は教室を一人飛び出していった。


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※この物語は、GG『人形―『強制操作』凛編―』の続編となっております。話が前後する場面がありますので、こちらを先にご覧ください。


 ザワザワ……
 ホームルームに一人の転校生が担任の笹瀬川先生から紹介される。

「今日から、みんなと一緒に勉強する宝塚舞だ。よろしくやってくれ」
「皆さん、どうぞよろしくお願いします」
 
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 純聖百合学園の生徒会をしていた舞が、神大中学校というなんの取柄もない平凡な学校に転校してきたのだ。
 凛が驚いた表情のまま固まっていた。

「ウソでしょう……」

 ホームルームが終わったと同時に、舞は飛んでくるように凛に飛びついた。

「お姉さま!会いたかったですわ!!」
「毎日来てるじゃない!?」
「今日からは肌身離れず、お姉さまと一緒ですわ!」

 舞の喜びに男子からざわつきが止まない。

(百合学園からの転校って、やっぱあの学園はあったんじゃねえ?)
(なにせ、百合だしな……)
(男子のいない飢えた美女は、同性を落とす)
(なんでも凛もお忍びで行ったっていう噂だぜ?)
(じゃあその時に――)
(こりゃあ同人で売り出すか?)
「うるさい!!!」

 凛の叫びで男子を一掃する。俺や久美子も一歩引いて生温かい目で凛を見送る。

「よ、よかったじゃねえか……」

 凛の睨みが普段に二倍増しで怖い。

「リカたん系の男!早く助けなさいよ!」
「誰がだあ!!」

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 確かに、グラフィックは俺に似ているかもしれんが……
 できれば俺は後姿のレッドになりたい……金・銀での格好良さは異常……
 って、何故挿絵が俺の思い通りになっているんだ?皆が思い浮かぶほど、俺の姿は統一されていたのか、それはないぜ……

「いやあああああ!!!」
「お姉さまあああ!!!」

 俺の横で暴れる二人。凛のドタバタに巻き込まれるいわれはないと思っていた。俺はなるべく久美子と静かにしていたいんだが・・・

「結局、俺は凛から逃げることはできないのでした」

 昼食、凛、久美子と一緒に食事を取る。羨ましいと思ってはいけない。延々凛の愚痴を聞かされるはめになるのだ。拷問だった。

「だから、どうしたらいいのよ!」
「良いじゃねえか、可愛がれば」
「愛されてるのよ!!」
「うおっ!おまっ、大声を出すな」

 身体に響く。話を聞いている久美子は云々と頷いて見せる。

「そうですよね?凛ちゃんは私といれば嬉しいんだもんね」

 久美子。笑顔で怖いことを言わないでくれ。それじゃあ舞と変わらねえじゃねえか。
 ジュボジュボ……
 凛の音が俺の限界を知らせていた。

「ん、ん・・・。ほらっ、私がシテあげてるんだから、なんかいいアイディア出しなさいよ」
「ちなみに、なにしてるか分かってるか?」
「分かってるわよ。フェラでしょう?昼休みに相談する時は、一回抜いてあげるって約束したでしょう?」

 そんな約束した覚えはないが・・・。今日も『人形』は絶好調だった。
 フェラを促し凛の『人形』を弄んでいるのが、横で笑っている久美子なのだから末恐ろしい。背中を見せたら撃たれるのではないかと最近思い始めている。
 久美子、恐ろしい娘。二人を知れば知るほど気苦労が絶えない。
 だが、その分良い思いをさせて貰っているのだから仕方がない。今回のフェラも甘んじて受ける!!
 っていうか、受けさせて下さい!

「んん!」

 凛の口に精子を吐き出す。凛は一滴たりとも零すことなく、口に含んだ精子をごくっ、ごくっと飲み干していった。

「ぷはあ。・・・さあ、飲んだんだから助けてもらうわよ!」
「あ、あはは・・・」

 何も考えていないのだから目を逸らすしかない。すると、

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 物凄い形相で睨む舞の姿があった。
 駆け出したかと思うと、俺をさらって消えていく。
 その手際の良さと速さに二人は目を丸くしていた。
 
「な、ななな、なんですの今のは!あなた、お姉さまのお口に、ふぇ、フェ!」

 ハァといって項垂れる舞。貧血か?今どき漫画でも見ないぞ。
 一応、間違いがないうちに伝えておかなければならない。

「いいか?俺は被害者だ」
「あんな良い思いして被害者ぶらないでくださいませ!」

 あっ、分かるんだ。うん。正直気持ち良かったよ、凛の口マ〇コ、いやぁまいったね、こりゃどうも!

「きいい!!その表情むかつきますわ!お姉さまは私のものですわ」
「無理だろ?おまえ、嫌われてるじゃねえか」
「照れているのです。ああ、お姉さま。呼んで下されば私はいつでもこの身を差し出しますのに」

 幸せな奴。

「ですから、私がお姉さまを後押しして差し上げますわ。ああ、前から引っ張るのも私、後ろから押すのも私。お姉さまはさぞ幸せでしょう」
「胸はねえけど暑苦しそうだな」
「おだまり!今の文面に胸は関係ないでしょう!」
「そうか?」

 最後まで話がかみ合わない俺に、舞は横を抜けて歩いていく。しかし、あいつに凛を好かれる要素は全くない。何をしてきたかは知らんが、凛が怯えるほどの相手だ。今さら凛が振り向いてくれるとは到底思えなかった。
 そんな俺に舞は口元を綻ばした。
 
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「『人形』を持っていらっしゃるのは、あなただけだと思わないで下さいまし」

 決め台詞を残して俺の前から姿を消す。物凄く嫌な予感がしてならなかった。
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