純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

カテゴリ:グノーグレイヴ『他者変身』 > 鏡『フォーミラー』

「敢えて言おう。お、俺は決して、おおお化けなんか、怖くないぞ!」
 
 誰もいなくなった教室で、身を隠して待っていた藤島裕。

「だいたい、幼馴染の名前を偽って差し出すくらいシャイな相手だ。夜の学校に本当に待ってたら、大変じゃねえか」

 相手のことを想って差出人に会うことを決めた裕。もし手紙が嘘であり、誰もやってこなかったとしてもそれはそれで面白いネタになり、眞子との会話に花を咲かせよう。

「・・・そろそろ、やってきてもいい時間じゃねえか?」

 時刻は8時になろうかとしている。寒くもなってきたし、すっかり夜も更けて校内の暗さが増していく一方だ。学ランの男子生徒にとって人がただの棒人間にしか見えなくなっていく。

「そろそろ帰らないと、お母さんが心配して警察に電話しちゃうんじゃないかなぁ~?」
「裕のお母さんはそんなマザコンじゃないでしょう?」
「はっ・・・?」

 裕が顔をあげると、同時に教室の電気が点く。入口に立っていたのは他ならない川澄眞子だった。とっくに帰ったと思っていた裕にとって眞子が教室に残っている方が、お化けに遭遇するより怖いことのように思えた。

「なんでお前がそこにいるんだよ?」
「なんでって、手紙通りじゃない」
「は・・・・・・はぁ?」

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 放課後で話した内容と意見が食い違う二人。突然の眞子の矛盾である。全然知らないと言っていたはずの眞子はやっぱり手紙は自分が書きましたと白状し出したのだ。いったい、放課後の会話はなんだったのかと裕は唖然とする。嘘を付いて、筆跡まで隠す必要があるまで裕に隠し事があったの言うのだろうか・・・。

「ごめん、川澄。話が見えない。いったい、この時間まで俺を待たせてなにをするつもりだったんだよ?」
「・・・そっか。やっぱり、気付かないんだね。裕って」
「はっ?」

 なにかを匂わせながら裕にゆっくり近づいてくる眞子。香水の匂いだと気づくのに裕は時間がかからなかった。そして、眞子は裕に近づきながら、おもむろに制服のボタンを外し始めた。そして、制服を脱ぎ、スカートを外すと、既に下着を外しておいたために、一糸纏わぬ姿を裕の前に曝しだしたのだ。

「お、おまっ――!?」
「すきだよ、裕」

 まるで金縛りにあったように、眞子の手が裕の頬に触れ、そのままお互いの唇を重ねた。全身が麻痺した様に痺れる裕。恐怖ではなく興奮で硬くなる裕に、眞子の方から積極的に舌を差し入れる。

「んぅ・・ちゅぶ・・・ちゅぱ・・、レロ、レル・・ン・・んふぅ・・・」

 眞子が懸命に舌を絡めて唾液を流し込む。眞子の舌の嫌らしさに口の中が犯され、今まで味わったことのない甘い香りが口内を蕩けさせてしまう。
 好きという告白を貰った裕が、返せる言葉は見つからず、しかし何かしらのカタチで答えなければと思い始めたときには、今度は裕の方から熱い口づけを交わすのだった。

「ンンン・・・れる・・れろ・・ちゅぶちゅぱ・・・」
「んはぁん・・ひろぉ・・・ン・・ちゅぱちゅぴ・・・」

 幼馴染から恋人に。まるで段階を踏む様に一歩ずつお互いの身体を確かめるように優しく裕が眞子の身体を触り始める。
 柔らかい眞子の乳肉が裕の両手に纏わりつく。

「この大きさ、Dカップ?」
「・・・Eカップ」
「凄い・・・形崩れてないし、綺麗だ」
「ありがとう・・。本当は恥ずかしいんだけどね」

 夜とはいえ、学校で裸になっている眞子に今更恥ずかしさを問う必要はない。見る相手がいるのなら見せつけてやろうと、裕も一人ズボンを脱ぎ始めた。
 トランクスからはみ出した逸物が、裕が興奮していることを顕著に示す。勃起した逸物を見ながら眞子もまたゆっくりとその手で触れた。

「・・熱いね。それに、硬い」
「興奮してるから」
「それに、硬い。こんなの挿入したら、痛そう・・・」
「それって・・・うっ!」
「ぢゅるぢゅるぢゅる・・・ちゅむ・・ちゅぶくちゅっ、れろれろ・・・はぁむ」

 眞子の口の中で亀頭を刺激される。男の弱点を知り尽くしているようにカリ首を舌で扱き、舌の先を窄めて海綿体をほじくろうとしているようだ。
 唾液で充満する口の中を窄めてギュッと絞り出す。初めて味わう眞子のフェラに思わず腰をひく裕だった。

「じゅぼぼぼぉ・・!ぢゅむ・・ぢゅるるるぅぅ!!」
「うわぁ!ま、待て!川澄!これ以上はマズイ!」

 普段見せない積極的な眞子に完全にやられてしまっている裕。先走り汁が溢れて噛みしめる眞子は、唾液で亀頭を十分に濡らすと、慎重に吐き出したのだった。

「私・・・もう、濡れてるの」

 告白したからか、それともその前からなのか。
 裕が気付いたときには眞子の秘部は愛液でびしょ濡れになっており、普段よりも赤く火照っているのが伺えた。このまま挿入したい、裕の中から男性の本能が動き出した。

「いいのか?」
「・・・うん。いいよ。滅茶苦茶に犯してほしいの」  

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 床に倒れて股を広げた眞子が、裕の逸物を物欲しそうに誘っていた。喉を鳴らした裕が挿入する準備は既に万全だった。爆発寸前だった。

「好きだ!川澄!」
「はあぁああああん!!挿入ってくる!裕のおち〇ぽぉっ・・・」

 まるで眞子のおま〇こが欲しがっていたように、挿入した瞬間に膣襞が裕の逸物に纏わりつてくる。その気持ちよさがたまらない。
 蕩けた水飴のように熱く濡れそぼる眞子のおま〇こは、裕の逸物を容赦なく締め付け、挿入した先から意識ごと蕩けてしまいそうだった。

「はぁっ・・はぁっ・・か、川澄のおま〇こ、熱くて・・・ヌルヌルで、スゲー気持ちいい」

 ジュブジュブと、おま〇この中を逸物で掻き混ぜるように腰を振って突き上げる。

「あぁあんっ!ふぁ・・ぁぁっ・・・んん、ンッ!ふぅうん!はぁ、あああんっ!」

 ピストンの度に眞子の巨乳が揺れている。裕と同じように感じていることを伝えるように、乳首がツンと起立している。
 見た目にも刺激する眞子の感じている表情に、膣の中でさらに逸物が膨らんだ。

「あぁあんっ!ぁぁっ・・・ふぁっ、あぁあんっ、ンッ、ンンッ・・・!」

 眞子が感じる度に膣の中が震えて蠢く。無数の襞が逸物を撫でくすぐり、その快感をもっと味わいたくなってしまう。

「フンッ!」
「ひぁあああんっ!」

 力強く一突きした裕の逸物が、さらに深い場所へと挿入っていった。まるで眞子のおま〇こに、逸物が飲みこまれていくように、逸物が一番奥の部分へと当たっていく。亀頭が硬い子宮口に当たり、淡い疼痛が先から根本まで一気に駆け抜けた。
 小さな陰唇を広げて裕の大きな逸物を奥へと飲みこむ姿に、臨界点はすぐそこまで来ていた。

 じゅぶじゅぶ・・じゅぶりっ、じゅぶぶぶっ!

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・」
「あぁ、ン・・ふひゃぁああっ!らめっ、らめええぇっ・・ろれつが、まわらなくなって・・・うぁぁ・・」

 涎を垂らしながら喘ぎ声を漏らす眞子もまた激しく膣内を轟動する。ラストスパートをかける裕が全力でピストン運動を続ける。

「しゅごいのっ・・・きてりゅうぅぅっ・・・こんなのぉぉ、っわ、わたひ、変になっちゃうぅぅっ・・・おま〇こぉ・・おま〇こぉお・・・」
「い、イクぞっ、眞子!・・・俺のち〇ぽでイケっ!」

 子宮口に亀頭をねじ込ませ、思い切り精液を子宮内へとぶちまける。

「あああぁぁぁぁあああぁぁ!!!?しゅ、ごっ・・・あああんっ!らめええええぇぇぇ!!!!」
「うごぉ・・おおおおぉおおお!!!」

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 びゅびゅびゅうううぅぅっ!!どぴゅっどくううぅっ!ぶぶぶぶっ!
 耐えていたものが一気に解放され、目の前が眩しくなる。腰が浮かび上がるような開放感を覚えながら、腰を突き出し、子宮口に密着させたまま精液を眞子の膣内に吐き出していた。
 
「あついぃぃっ!子宮の中、精液で掻き混ぜられてええっ・・・はぁぁああんっ!」

  大量に吐き出した精液は一度逸物を抜いた瞬間に眞子の膣から噴きだしてくる。眞子の体内では収まりきれなかった精液を吐き出した裕と、それを受け止めた眞子は、お互い体力が回復するまでその幸福感に包まれ指一本も動かすことが出来なかった。

 
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 誰もいない教室に入った眞子に『変身』した将紀。眞子の身体になった自分を舐めるように見つめた後、ゆっくりとその手を身体になぞらせていった。細く白い指先がスカートから出ている太腿や制服の上から押し上げる乳房を滑らせていく。スカートの奥に隠れるお尻にも手を回して、最後に自らを抱きしめた。

「ほんと、良い身体付きだよな。出てるところは出てるし、くびれはちゃんとあるし。男子に人気があるのは当然よね」
『い、言わないで!』
「いったい誰を彼氏にするのかな?・・・うふん。せっかくだから、このまま眞子のオナニー姿でも見せつけてやろう」
『なにするつもり・・・?』

 誰もいない教室だけど、このまま眞子(将紀)は机に座り、オナニーを始めるつもりだ。将紀がやりたいように腕が動き、眞子の声でオナニーの開始を宣言する。

「私は川澄眞子。今日はみんなに私のオナニーショーを見せてあげる。私の恥ずかしいところ、全部見せてあげる」 
『えっ・・・えっ!?』

 手始めに制服の上から乳房を弄る。揉みながらその大きさを確かめるように優しくつかむ両手の動きは女性の細くしなやかな手つきと合わせてイヤらしい。眞子自身、自分がオナニーするときの姿をまじまじと見ているわけもなく、自分の姿がオナニーする様子をみている唯一の観客だけあり、その動揺は隠せなかった。

「どお?興奮する?・・・うっふん」

 制服のボタンをはずし、帯を外して、ブラジャーを見せつける。素肌が露出し、ブラの間にくっきり見せる谷間が綺麗に見える。白のブラが清楚な印象をさらに際立たせながらも、自らの指で弄られた乳首が二ヶ所勃起して上からボッチを見せていた。

「私のおっぱい、生で見たい?」

 誰かに訪ねるわけでもなく、眞子の声で将紀の言いたい台詞を言わされて、応えるようにブラを外される。白のブラジャーの奥に淡いピンク色の乳首がはっきりとした存在感を見せながら現れた。露出癖もなく、オナニーも数える程度しかしない眞子の身体には、教室でオナニーをするという状況には興奮を覚え、普段は白い彼女の肌が、既に火が付いたように赤く染まり始めていた。

「みんなに見られてると思うと、すごい興奮しちゃう。ふぅん・・。乳首、硬くなってきちゃった」

 その身体を使っている将紀が興奮すると、眞子の身体もまた興奮してくる。両手の人差し指で両方の乳首を同時に転がす眞子(将紀)に、さらに乳首は硬く勃起してきていた。

『やめてったら、坂井くん!!」
「どお?私の生おっぱい・・・。うぅん・・・。私の乳首コリコリするぅ・・ん・・うぅん・・・ふうんぅぅ・・アン・・・。私のイヤらしい姿、みて欲しいのぉ・・・」

 『鏡』を叩き割ろうとする眞子を尻目に眞子(将紀)のオナニーは止まらない。観客は眞子一人だけだというのに、まるで『鏡』をビデオカメラのレンズに見立てて大勢の男性にビデオ中継しているかのような視線を投げつけてくる。眞子の身体を弄りながら、全身を味わう様に机から降りた眞子(将紀)はお尻を突き上げてスカートを捲る。

「お尻もみてぇ・・。私のお尻、すき?」

 ショーツの上からお尻を掴んで揉みし抱く。力強く揉んでお尻の柔らかさを堪能する眞子(将紀)が挑発的にお尻をあげて誘う様な体制を見せていた。

「あぁん・・きもちいい・・・。みんなに見られてると思うと・・・どんどん気持ちよくなっちゃう」

 我慢できなくなり、ショーツの上から眞子の秘部を弄り始めた眞子(将紀)。人差し指でマン筋を引っ掻くと、ショーツがおま〇この形に食い込んでその部分だけ愛液を染みらせる。その声は先程よりもさらに甲高く、快感を味わう雌の表情を浮かべはじめた。

「はぁん・・。あっ、アァン・・・すっごい気持ちいい・・・ぉん・・ン・・あはぁん・・・」

 ショーツをお尻に食い込ませ、生のお尻を触りながら大胆も卑猥な仕草を見せつける。普段と違う眞子の淫艶な様子は、この場に男子生徒がいたら逸物を勃起させているだろう。

「私のイヤらしいところ、いっぱい見てえ。私のイヤらしい姿見て、いっぱいシコシコしてぇ・・」
『私はそんな声喘げない・・・そんなイヤらしい女じゃない・・・』
「じゃあ、私の生マンコ見せてあげる」

 机に再び座った眞子(将紀)が遂にショーツを引き剥がしてしまう。大事なところから染み出た愛液を吸ったショーツを太腿に引っ掛けたまま、両足を広げて眞子の陰部を曝してしまう。キラキラと輝く蜜に溢れた眞子のおま〇こは、今まで待たされた分だけ我慢できない涎で濡れていた。

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「どお?ちゃんと見えてる?」
『きゃあああ!?!?』
「うぅん・・はぁん・・・あっ、ああぁ、すごい・・・。気持ちいい・・・私の恥ずかしいところ、全部見せてあげる。あぁん、しゅごい・・・。」

 右手の指肉でおま〇こをかき混ぜて左手で空いている乳房を揉みほぐす。乳首の強い刺激とおま〇この濡れそぼった柔肉の刺激が合わさり、男性では味わうことのできない快感が眞子の身体に走り抜けた。
 徐々に動きを速めていく眞子(将紀)が、このまま眞子の身体でイク様子を窺わせた。甲高く弾む眞子の喘ぎ声が教室に響きわたる。

「私の恥ずかしいところ、みてえ!ああ、ああぁん、いくぅぅ・・いっくぅううう!っっっっああああ――――!!・・・はぁん・・・はぁ・・」

 感極まった眞子(将紀)の身体が痙攣し、徐々に動きが遅くなっていく。脱力した眞子(将紀)が絶頂を迎え、右手の指に大量の愛液を付着させていた。

「ふぁん・・はぁ、はぁ・・・いったぁ。気持ちがいい、女のカラダって・・・アン・・ちゅぶちゅぱ・・・ちゅぺ・・・しょっぱい・・・ふあぁぁ」

 イった後に自分の手に付着した愛液を見ながら満足げに微笑む眞子(将紀)は、この後のこと考えてさらに子宮が疼くのを感じていた。


 
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「おい、川澄」

 授業がすべて終わった日の放課後、川澄眞子―かわすみまこ―に声をかける藤島裕―ふじしまひろ―はお互い幼馴染同士で仲が良い。そんな裕が眞子に声をかけたのは、手に持っている手紙の内容によるものだった。

「これ、なに?」
「はぁ?知らないけど」
「知らないって、おまえの名前が入ってるじゃないか」

 眞子が裕から手紙を奪うと、確かにその文面の最後に眞子の名前が入っていた。しかし、その手紙はワープロで打たれたものであり、筆跡はもちろん眞子のものではない。

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「なに、これ?嫌がらせ?怖いんだけど・・・」
「だよな。『夜に教室で会いたい』って書いてあるけど、俺たちならそんな必要なく帰りにクレープでも買いながら話せばいいだけだろ」

 意味もなく夜の学校まで残って話を聞く必要がないのである。裕が眞子に打ち明けたのは、その内容があまりにも妖しすぎたからである。
 罠のにおいがプンプンである。

「ハニートラップか!?俺のことが愛して愛してやまない後輩の女の子が、イケナイと思いつつ幼馴染の名前を偽って手紙をよこしたに違いない!」
「脳内お花畑ね。どうせ坂井くんの嫌がらせでしょう?そうやって喜んでやってくる裕のだらしない顔でも写真に収めながら冬の肝試しでもやろうとしてるんじゃないの?」
「・・・ありうるっ!?」

 実際、坂井将紀―さかいまさのり―は裕の悪友でありながら油断ならない相手でもある。万引きを度胸試しと言ってやろうとしたことのある人間だ。裕がいなければ何度停学させられることをやったかわからない。それだけに裕が眞子と会って話の辻褄を合わせたかったのだ。

「いいんじゃない。騙されたと思って夜まで残ってあげれば?薄ら寒い学校に夜まで残りたいとは私は思わないけどね。・・・ああぁ、そういえばこの学校、出るって噂もあるみたいだし」
「や、やめろよ・・。おおお、おばけなんて、いるわけ、わけねえだろう」
「あらっ?なに、裕ったらお化けが怖いの?」
「バカぁ!リスクのあることを犯さない人生を歩んできたんだよ。なんで冬に肝試しなんかやらなくちゃいけないんだ。バカらしい、たくっ」
「あらっ、絶世の美女が待っているかもしれないでしょう?いいの?こんな奇跡は裕には二度とないかもよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あっ、考えた」
「お・・・男は、騙されるくらいが丁度いいよな」
「お金も騙されてしまえ」

 雄叫びを上げながら走り去っていく裕。とにかく、手紙の内容は眞子とはまったく関係のない偽物だということは伝えた。明日、何があったのか聞くことを楽しみにしながら、眞子は帰宅しようとしていた。

「あれっ?」

 眞子が廊下の角を曲がると、床には目立つように『コンパクト』が置いてあった。
 誰かの忘れ物だろうか、『コンパクト』を使うなんて大抵女性である。中を開けて『鏡』に自分の顔を映しながら、落とし物を発見した眞子は周りに『コンパクト』を探していそうな女性がいないかを見渡した。

「落とし物かしら。・・・仕方ない、先生に預かってもらおう――」

 帰る前に一つ仕事が増えたことにため息をつく。
 しかし突然、その『鏡』から不思議な光が漏れだす。

「な、なに――っ!?きゃあああぁぁあああぁああぁぁぁ――――!!」

 まるで『鏡』が映しだした眞子を捕らえるように、光は眞子に降り注ぎ、覆い隠す。誰も見ていない中で眞子は『鏡』の中へ消えていき、再び『コンパクト』はカツンと音を立てて床に転がった。

「っっしゃらぁ!大成功!」

 すかさず『コンパクト』を手中に収める男子生徒がいた。彼こそ『コンパクト』の所有者であり、眞子に対して罠を敷いた張本人であった。

「裕が川澄の元へ一番に行くことなんて計算に入ってるんだよ。俺は川澄をいかに学校から出すのを伸ばせるかが勝負だったわけだ。おかげで誰もいない廊下で人目に気付かれることなく川澄を確保出来たのだった!」

 坂井将紀が満面の笑みでせせら笑っていた。『鏡』の世界へ閉じ込められた眞子が覗き窓のようにこちらの世界で笑う将紀に何かを言っていた。

『なによ、これ!?坂井くんの仕業だったの!?出しなさい!ここから出して!』
「残念だけどなにを言ってるのかを聞くことは出来ないけど、川澄の言おうとしていることは分かるぜ。慌てふためく様子を見せるのは愉快なものだねえ」
『さ、最低!』

 眞子には将紀の声が聞こえるため、将紀が何かを企てているのが分かる。しかし、手も足も出ない閉鎖空間へ閉じ込められた眞子は、『鏡』を叩き割ることしかできない。

「さて。時間はあるけど俺も少しは愉しみたいからな。そろそろショータイムを見せてやるぜ」
『なにをするつもりなの?!』

 将紀が眞子の前でニタリと嗤う。『鏡』に向かって笑っている自分の姿を見ているのだ。
 それ故に、眞子に向かって将紀が笑っているのは矛盾している。その矛盾を修正するように、『鏡』の前に映る将紀の様子が次第に変化していくのだった。


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