金城茂―かねしろしげる―はクラスの男子をまとめるリーダー的存在。しかし、クラスの女子をまとめるリーダー、笠谷理枝―かさたにりえ―と衝突が絶えなかった。

「金城くん。男子の分任せていたアンケートの統計出来てるわよね?」
「それがねぇ、うちの男子ってまとわりないし、忘れ物多いし、言っても聞かないし」
「結局、できてないの?」

 声を落として迫る理枝の鬼気迫る態度に縮こまる。

「明日には提出しなくちゃいけないんだけど、居残りやってくれるのよね?」
「うん、分かってる。居残りしてやるつもりだよ。だから、手伝ってくれるかな?」
「イヤよ。こっちだって忙しいのよ。あんたが男子をまとめないで好き勝手させただけでしょう?リーダーとして責任もってよね」
「リーダーっていうのやめてくれるかな?俺、リーダーって柄じゃないし、リーダーなんて押し付けられた委員長となんら変わらないし、かといって言うこと聞いてくれると思ったら全然話聞かないし!千村に限っては俺のこと見下してるし!!」
「押し付けられてもやるって言ったら責任持ちなさいよ。断らなかったのあんたでしょ?」

 ぐうの音も出ない正論です。 イヤなことには『NO』とはっきり言えるようになりたいと思う茂だった。

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「だから手伝ってよ。お願いだから見捨てないでよ」
「イヤ!部活もあるし、やることいっぱいなの。今日は終わるまで学校帰っちゃダメだからね」

 そういって会話を終わらせてクラスの女子の輪の中に消えていく。

「くそ。俺に対する嫌がらせか。部活があること告げて、俺を学校から帰らせないつもりに違いない。なんで俺がこんな目に合わされるんだ」

 散々、男子をまとめられない無能ぶりを指摘され続けた茂のストレスは最大値を超えていた。震える拳を抑えきれず、怒りで我を忘れて殺意のある視線を理枝に向けている。
 協力できない役立たずならば仕方がない。強制的、強硬手段に出るしか残っていないと考えた茂は、学校の引き出しから『接着剤』を取り出したのだった。


 
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