久が退院した日。母親が病院まで迎えにきたが、そこに妹の真昼の姿はなかった。
気になった久が真昼の部屋を訪れる。そこはもぬけの殻で、真昼の姿はなかった。
「・・・まっ、いつまでもお兄ちゃんって言われても困るか」
真昼はブラコンだが、久はシスコンではない。妹に甘いだけだ。
いつも久とべったりしていた真昼だけに、友人関係がうまくいっているのか心配でもあった。休みの日まで友達より兄を優先していた真昼だけに、少しでも兄妹として離れなくてはいけない時期に入っただけのこと。
足の怪我は真昼を久から離れさせるきっかけであっただけに、こうして兄の退院に真昼が病院に現れなかったことは成功を意味していたような感覚があるのだが、どうもひっかかる。
「それにしてもあいつはどこにいったんだ・・・?」
久が真昼の部屋を訪ねてくるのを計算していたかのように、テーブルの上に置かれた一枚のDVDを発見した。
ご丁寧に、『お兄ちゃんへ』と、真昼の字で書かれた置き手紙と一緒だ。
久はDVDを見るためにDVDプレーヤーを開いて再生を始めた。
そこに映し出されたのは、どこかの薄暗い部屋のベッドの上でくんずほぐれず取り乱れる一組の男女の姿だった。
裸のふたり。男性が後ろ姿で一心不乱に腰を振っており、おま〇こに逸物を何度も挿入させていた。膣口から愛液が溢れており、くちゅくちゅと卑猥な音をマイクが拾っていた。ベッドの上に倒れている女性が腰の打ち付けに合わせて喘ぎ声を響かせている。
その声――幼い、甲高い声で大人顔負けの蕩けた表情を浮かべている女性が、ビデオカメラのレンズに見え隠れする。
『あん、あん、いい・・・すごい!きもち、いい!ああん!』
『はぁ、はぁ・・そ、そうかい?』
『うん!またぁ、またいっちゃうぅぅ!いっくぅううう!!』
絶頂を知らせる女性の感極まった声。その表情を映すレンズはまるで、久の瞳のように女性の姿を目に焼き付かせていた。
「真昼!!?」
ビデオに映っている女性は妹の真昼だった。股を開いて男性の精液を膣内に浴びながら痙攣している姿を、録画で収められていることに兄として驚愕していた。
そして、真昼の相手をしている男性が、ようやくカメラの正面を向く。そいつもまた、久の親友だと思っていた、最悪の裏切者だった。
「臨――!」
なんということだろう。久にとって妹の真昼と、親友の臨のセックスシーンが映像で送られていたのだ。
どういう理由でなんて考えたくもない。最低の行為に怒りがわいてくる。
拳を握り、震えが止まらない久に、映像の中の真昼がくすりと笑っていた。
『お兄ちゃん』
「っ!?」
真昼に呼びかけられたのだ。これもまたびっくりすることである。そこまで久は真昼の掌の上で踊らされているのだ。
『見てくれた、お兄ちゃん?私のセックスシーン。お兄ちゃんがいなくなってから私、ずっと臨さんに身体を弄られていたんだよ?おかげで私の身体、こんなに感じるようになっちゃった!すごいでしょう?まだおま〇こヒクヒク疼いてるの?お兄ちゃんも入れてほしい?私のセックス見て欲情しちゃった?くすくす・・・でも、ダメ。お兄ちゃんなんか絶対入れてあげない!だって私はもう、臨さんにメロメロなんだもん!』
久にとって、真昼の告白は一種の敗北感を覚える発言だった。臨は親友であり、真昼は妹だ。素直に二人の幸せを祝福できるならそれに越したことはないのだ。
しかし、久は臨に劣っているとは思っていない。身体も鍛えているし、見た目だって整えている。だらしない姿の臨に対していつでも優っているという優越感を常に持っていた。それが、真昼の告白によって完膚無きにぶち壊されたのだ。
男として敗北したのだ。
そんなこと、黙っていろというほうが無理だ。
久は戦ってもいない。
臨と戦ってもいない。映像を見せられて、戦うこともできずに敗北するだなんて、納得できるはずがない。
「のぞむううぅぅうぅぅぅ!!!!」
久は治りかけの足で全速力で走った。
悪魔のような笑みを浮かべる、親友だった奴との絶縁をするために。
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気になった久が真昼の部屋を訪れる。そこはもぬけの殻で、真昼の姿はなかった。
「・・・まっ、いつまでもお兄ちゃんって言われても困るか」
真昼はブラコンだが、久はシスコンではない。妹に甘いだけだ。
いつも久とべったりしていた真昼だけに、友人関係がうまくいっているのか心配でもあった。休みの日まで友達より兄を優先していた真昼だけに、少しでも兄妹として離れなくてはいけない時期に入っただけのこと。
足の怪我は真昼を久から離れさせるきっかけであっただけに、こうして兄の退院に真昼が病院に現れなかったことは成功を意味していたような感覚があるのだが、どうもひっかかる。
「それにしてもあいつはどこにいったんだ・・・?」
久が真昼の部屋を訪ねてくるのを計算していたかのように、テーブルの上に置かれた一枚のDVDを発見した。
ご丁寧に、『お兄ちゃんへ』と、真昼の字で書かれた置き手紙と一緒だ。
久はDVDを見るためにDVDプレーヤーを開いて再生を始めた。
そこに映し出されたのは、どこかの薄暗い部屋のベッドの上でくんずほぐれず取り乱れる一組の男女の姿だった。
裸のふたり。男性が後ろ姿で一心不乱に腰を振っており、おま〇こに逸物を何度も挿入させていた。膣口から愛液が溢れており、くちゅくちゅと卑猥な音をマイクが拾っていた。ベッドの上に倒れている女性が腰の打ち付けに合わせて喘ぎ声を響かせている。
その声――幼い、甲高い声で大人顔負けの蕩けた表情を浮かべている女性が、ビデオカメラのレンズに見え隠れする。
『あん、あん、いい・・・すごい!きもち、いい!ああん!』
『はぁ、はぁ・・そ、そうかい?』
『うん!またぁ、またいっちゃうぅぅ!いっくぅううう!!』
絶頂を知らせる女性の感極まった声。その表情を映すレンズはまるで、久の瞳のように女性の姿を目に焼き付かせていた。
「真昼!!?」
ビデオに映っている女性は妹の真昼だった。股を開いて男性の精液を膣内に浴びながら痙攣している姿を、録画で収められていることに兄として驚愕していた。
そして、真昼の相手をしている男性が、ようやくカメラの正面を向く。そいつもまた、久の親友だと思っていた、最悪の裏切者だった。
「臨――!」
なんということだろう。久にとって妹の真昼と、親友の臨のセックスシーンが映像で送られていたのだ。
どういう理由でなんて考えたくもない。最低の行為に怒りがわいてくる。
拳を握り、震えが止まらない久に、映像の中の真昼がくすりと笑っていた。
『お兄ちゃん』
「っ!?」
真昼に呼びかけられたのだ。これもまたびっくりすることである。そこまで久は真昼の掌の上で踊らされているのだ。
『見てくれた、お兄ちゃん?私のセックスシーン。お兄ちゃんがいなくなってから私、ずっと臨さんに身体を弄られていたんだよ?おかげで私の身体、こんなに感じるようになっちゃった!すごいでしょう?まだおま〇こヒクヒク疼いてるの?お兄ちゃんも入れてほしい?私のセックス見て欲情しちゃった?くすくす・・・でも、ダメ。お兄ちゃんなんか絶対入れてあげない!だって私はもう、臨さんにメロメロなんだもん!』
久にとって、真昼の告白は一種の敗北感を覚える発言だった。臨は親友であり、真昼は妹だ。素直に二人の幸せを祝福できるならそれに越したことはないのだ。
しかし、久は臨に劣っているとは思っていない。身体も鍛えているし、見た目だって整えている。だらしない姿の臨に対していつでも優っているという優越感を常に持っていた。それが、真昼の告白によって完膚無きにぶち壊されたのだ。
男として敗北したのだ。
そんなこと、黙っていろというほうが無理だ。
久は戦ってもいない。
臨と戦ってもいない。映像を見せられて、戦うこともできずに敗北するだなんて、納得できるはずがない。
「のぞむううぅぅうぅぅぅ!!!!」
久は治りかけの足で全速力で走った。
悪魔のような笑みを浮かべる、親友だった奴との絶縁をするために。
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