純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

カテゴリ:グノーグレイヴ『憑依・乗っ取り』 > 柔軟剤『セイント・ペイント』

「メリーX’マス」
「・・・・・・」

 相手が俺と分かっているのだろうか、外に飛び出した咲(正雄)に対して、少女は横に並んで歩いていた。

「それと同時に、もうお正月だね。We Wish You a Merry Christmas. We wish you a Merry Christmas, We wish you a Merry Christmas, We wish you a Merry Christmas, 『And a Happy New Year』って言うように、クリスマスは既にお正月と一緒なんです。セット販売なんだよ」
「・・・別にいいじゃないか。気分が浮かれる日が立て続けに続いているんだからさ」

 楽しい日は長く続いた方がいいに決まっている。そう告げた俺に対して、少女は苦悶な表情を浮かべた。

「はっ!」

 鼻で笑いやがった。

「きみは本当に馬鹿だね。これがセット販売の恐ろしさだよ!」
「どこがだよ」
「それに気付かないことがだよ。ほんとうに『人間』は愚かだよ」
「人間否定とはでかくでだな。一体なにが悪いのか言ってもらおうか」 
「そうだね。じゃあまずクリスマスとお正月を一緒にされることに対して、きみたち素人童貞くんはカップル同士の特別な聖夜が一週間続くことになるんだよ」
「・・・・・・・・・こわっ!!」
「一週間もやりまくりだよ。カップル盛りまくりだよ。野獣なんてもんじゃない。聖獣というより、性獣だよ」
「ケダモノぉぉぉ!!?」
「今この時も、路地裏では見てはいけないカップルの破廉恥な醜態が繰り広げられているんだよ」
「テンションだら下がりだ!知りたくなかった・・・って、おい!」

 野獣ならそうかもしれないが、人間には知性があるし、羞恥心がある。
 人目があると分かっているのなら、隠すところは隠すだろう。少女が思っているほど人間は愚かじゃないんだ。
 カップル同士、二人で内緒に楽しめばいいんだ。それがカップル同士の楽しみでもあるんだ。
 勝ち組の特権だ、ちくしょおぉぉぉ!!!

「『セット販売』って売り方は好きじゃないんだよ、僕は」
「営業者ならセット販売でお得にしてくれよ。購買者は楽しみにしているんだぞ」

 買い物とは需要と供給の中で神の見えざる手に導かれるダンスの様なものだ。必要だと思った時に購買者は買い物をし、値段が高いと思った時には買い物を止める。
 神に敷かれた経済事情に人間の思惑が入ることで市場は動く。クリスマスや正月というおめでたい日にも無情にも働き続けるメカニズム。――現実。
 販売者として、購買者の心に介入して財布の口を軽く開ける方法の一つとして、『セット販売』という手法を取る方法もある。例をあげるなら福袋がそうじゃないか。服やゲームが10点はいって一万円だ。セット販売じゃなければ出来ない、破格の買い物だ。でも、そこにはちゃんと購買者が足を踏み外す落とし穴が掘られていたりする。そう、10点セットということを謳っているだけで、その中身に何が入っているかは公言しないのだ。
 10点はいっている服やゲームのうち、本当にほしいと思う商品が入っているのなんて、せいぜい、2点だ。あとはタンスの奥に仕舞われたり、中古ショップ、古着屋に売られたりするのが関の山だ。
 でも、それでも俺たちは買ってしまう。『福』袋だからだろうか、一年の運だめしと心で決めてしまいながら、買い物を楽しんでしまうのだから。

「――それこそ、販売者にとっての計画通りなんだよ。そうやって毎年、後悔から始まる年初めになるんだよ」
「ぐぬぬ・・・。正論だけど、正論だけがすべてじゃない」

 正論を言えば角が立つ。社会は正論―せいぎ―だけじゃ生きていけない。

「はぁ・・やっぱり、おまえに営業は向いてないよ」
「そんなことないよ。セット販売大好きだよ。ハンバーガーにはポテトは必須だし。むしろ、ポテトだけ食べればいいのに、ハンバーガーまで一緒に注文するくらいだし」
「いや、それなら単品でポテトだけ買えよ。無理して買うなよ」
「味なんてどこも一緒のラーメン店も、無料で半ライスが付いてくるっていうだけでその店の常連客になるくらいだし」
「味はどこも一緒じゃない。ラーメン通に怒られるぞ」
「店長にも怒られるかも。アハハ、セットで怒られるぅぅ!」
「笑い事じゃねえ」
「しかしアイドルにボケを突っ込んでもらえるなんて感激だよ。本当に嬉しいよ」
「あ・・」

 そうだった。俺はいま藍田咲なんだった。少女とのやり取りだけは俺に戻ってしまう。
 まったく、こいつは子供かよ。こいつの前だけは『柔軟剤』だろうが『飲み薬』だろうが、誰かになりすまし、化けようとしても全てを無効化されてしまうんだろうな。

「藍田咲 feat. 及川正雄」
「勝手にセット販売にするんじゃない」
「コラボだよ。ほらっ、お得だろ?」
「殿様商売かよ」
「きみだけの(魅)力じゃ売れないからね。だから藍田さんに付き合ってもらっているわけだ」
「どうせ俺にはなんの魅力もありませんよ!」

 ええ、認めますよ!俺は引きこもりですよ。友達いませんよ。彼女いませんよ。素人童貞ですよ! 

「せめてきみを主演させてあげるんだから物語くらいは面白くしてくれよ」
「おまえは監督か?そして俺は俳優かよ?」
「僕は『宇宙人』だよ。きみは、AV男優だよ」
「誰がAV男優だ!!!」
「及川正雄がAVに出演 feat. DV」
「出たくねええええ!!!」
「聖夜だがなんだか知らないけど、若い子は間違いを作らない様にセックスを正しく行うんだよ?」
「そんな綺麗なまとめ方があるかよ!」 
「汚くまとめていいの?僕、ばら売りが好きなんだよ。官能小説に会話文なんかいらないくらいエロエロが大好きです」
「お腹いっぱいだ!」

 そもそもこの会話自体否定しないでくれ。この会話もまたセット売りなのかよ

「本当は『人間』の身体も17に解剖して、一つ一つ解明していきたいんだけどね――」
「怖いいい!!」

 正月早々に事件を起こす気じゃないだろうな。
 大丈夫だろうか、エムシー販売店。
 やっぱりこいつは、『人間』の心がわからない・・・『宇宙人』だ。




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 鏡の中で映っている小柄で華奢な少女。
 今をときめくジュニアアイドル、藍田咲。 

 彼女に『寄生』した正雄。 いや、『憑依』といってもいい。眠っている彼女にとって、眠っている間に身体を乗っ取られ、正雄に使われているなど夢にも思っていないだろう。
 正雄が笑えば咲が笑顔をつくる。表情をころころ変えて遊んでいる姿は少女そのものであるが、ときおり、悪魔のような笑顔を浮かべるのであった。

「可愛い。咲ちゃん可愛いよー。えへへ・・・、嬉しいなあ、咲ちゃんになれるなんて」

 咲に『寄生』したせいか、頭の中まで幼児化したのか、普段言わない様な笑い方をしている正雄である。
 
「えへへ・・・咲も逢いたかったんだ・・・。正雄お兄ちゃん」 

 咲を妹の様な扱いである。鏡の中で瞳を潤ませ、まるで兄妹の再会のような状況を作らせていた。

「ねえ、キスしてもいい?・・・ン・・・・・・ちゅっ」

 唇を尖らせ、鏡の中の咲と唇を交わす。アイドルとキスしている自分に照れ笑いを浮かべる咲(正雄)だった。

「いまはアイドルじゃなくて、正雄お兄ちゃんの彼女だよ。わたし、ずっとお兄ちゃんのことが好きだったよ」

 アイドルに告白されるシチュエーションも、男の夢である。
 一夜限りのクリスマスプレゼントを堪能する正雄。行動も次第に大胆になる。ゆっくりと咲の身体に視線を落とした。

「服脱いでほしいの?恥ずかしいな・・・」

 照れ隠ししながら、咲(正雄)はパジャマの上着を捲っていく。白くて余分なお肉のないお腹と通り過ぎて、胸を隠すピンク色のブラジャーが顔を出す。

「(ジュニアアイドルでもブラジャーするんだな)」

 〇学生でもブラをする時代である。

「(〇学生でアイドルのブラジャーなんて最高じゃないか!)」

  それを見ただけで咲の顔が高揚していく。そして、これから外すんだと思うと、小さな心臓が昂っていくのを感じていた。ドキドキする胸に触れながら、中央で止めるフックを外すと、咲の胸がぷるんと振れた。

「・・・よいしょっと、外れた・・・。わあぁ・・・おっぱいだ・・・」

 目で見て、鏡で見て、あらゆる方向から好き放題見る。
 可愛い胸である。誰にも触られたこともない胸だろう、乳首も勃起することもしらないようにちょこんと尖っているだけで反応は示さないが、乳輪の形と言い色と言い、乳首を染める小さな淡い桃色はそれだけで綺麗という感想を受けた。

「すごい・・・プニプニしてる・・・・・・あっ、揉んでる」

 無意識に咲の胸を揉んでいた。いや、本能的に正雄の潜在意識が咲の胸を揉めといっていたに違いないのだ。それに従っただけ、従わざるを得ないだけ。
 目の前に揉みたい胸があるのに、揉まずにはいられないっ!

 もみもみ・・・・・

「ん・・・くすくす。・・ちょっと、くすぐったいかも」

 感じるにはいかず、胸を触られてくすぐったいと言うのが本音。やはりまだジュニア。アダルトの魅力は知らない、と・・・キュッと両方の乳首を軽く摘まんでみた。

「ンン・・・」

 刹那、咲の身体にビクビクっと電流が走る。乳房はそれほどでもなかったが、乳首は感じるみたいだ。咲(正雄)は自らの両手で、親指と人差し指で円を作ると、乳首を掴んでくいくいっと引っ張ったり捻ったりして感度を高めていった。

「ああっ・・もぅ、ぃゃ・・・恥ずかしいよぉ」

 咲の声に興奮し、身体がどんどん熱くなっていく咲(正雄)。咲の身体が次第に性に芽生えるように、乳首がコリコリと固くなり、乳房が揉まれる度に柔らかくなっていく。

「はぁ・・はぁ・・、身体があついよぉ・・・。こんなに早く感じるんだ・・・しかも、気持ちよさが持続して、変な気持ちになっちゃう」

 下の口からとろりと零れる液の感覚。尿意とは違うが、足に伝う濡れた液の感触に、咲(正雄)は我慢できなくなる。先程咲が眠っていたベッドに戻ると、仰向けになってベッドに寝転んだ。
 そして、足を開いてスカートを持ち上げると、咲の秘部を惜しげもなく晒した。

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 咲の花弁である。正雄が弄り、侵入した秘部は、自分からは見ること出来なくなってしまったが、ソコはじわりと粘液で濡れているのが感じ取った。
 視覚を失った代償として得られた感覚。先程まで得ることが出来なかった咲の感覚。
 気持ち悪いという心と、気持ち良いという心が半分に分かれていて、触りたいという想いと触りたくないという抵抗が半分あった。
 でも、それが咲の気持ちであるなら、そこに正雄の気持ちが入り込むことで、均衡は破られる。

「俺しか知らないアイドルの秘密・・・フヒッ!・・・触ってるんだ、咲ちゃんのアソコ・・・」

 ヌルヌルと、小さな指にまとわりつく透明なお汁含ませながら、恥丘から大陰唇へと撫でおろしていく。プニプニと、乳房よりもさらに柔らかい感触に触れると、乳首よりもさらに身体が熱くなっていく。お股のあたりがジーンと痺れて、甘い吐息を震わせる。

「はぁ・・はぁ・・はぁ・・ん・・・」

 おま〇こを弄る咲(正雄)。小さくて柔らかい感触を何度も味わう。指が吸いつき、指を吸い込み、さらに卑猥な行為を進めていく。

 クニュクニュ・・、クチュクチュ・・

「あっ・・あっ。ん!・・・あぁん!」

 我慢できず、辛抱できず、咲の甘い声が自然と漏れる。咲の指だが、正雄の指テクで咲を快感へ誘っているのだ。

「(通用する!俺の指テクはアイドルにだって負けてないぞ!)」

 変なプロ意識を覚醒させる正雄である。そのまま陰核を剥いていく。

「あっ!?ああぁっ!!?」

 一際大きな声を荒げた咲。鋭くい強電流が身体を駆け巡り、咲の身体を一瞬で硬直させた後、凄まじい快感の余韻を身体に残していった。

「(フヒっ、アイドルの弱点発見!咲ちゃんの弱点は、クリ〇〇ス!)」

 正雄の指テクで咲のクリ〇リスを果敢に責める。初めての快感に咲の身体が目覚めていく。不安がっていた身体が快感の味を知ってしまうと、お汁は止めどなく溢れ出した。

 クチュクチュクチュクチュ

 ビショビショの咲の秘部。指の先が渇くことなくお汁を掻き混ぜる。ビクッ、ビクッと身体を震わせる咲は、人生初となる絶頂を味わおうとしていた。

「ハァァ!ハァァ!だ、だめぇ・・きもちよすぎて・・・なんか来てる、ああ、うそっ!こんなの初めてっ!ああっ!いっ、いっちゃうぅぅぅ!!あはぁぁ・・・ッッ」

 全身を硬直させる咲。激しい絶頂が身体を走り抜け、弄っていた秘部からさらに大量の愛液が滴りおちた。 
 
「はぁ・・はぁ・・すごい・・・まだ疼いてる・・このカラダ・・・はぁ・・・」

 咲の身体も一度覚えた絶頂はすぐには静まらない。たまった疲労感を超えるほどの快感を生みだしたことに、自ずと表情をほころばせていた。


 
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 及川正雄―おいかわまさお―にとって、一年で一番億劫な一日がやってきた。
 それはもう外出するのも嫌になるほどで、一人の人間として、生きていることが既にダメなんだと世間から言われる様な一日で、一人で出歩いている人間を、『なにあれ、可哀想』、『あっち見んなよ』と冷ややかな上から目線で蔑むカップル姿を見たくはない。
 つまりは、今年もクリスマスを迎えたのであった。

「いいんだ。どうせ俺を訪ねてくる奴なんているわけないし、家の中で幸せな家族計画を築かせてもらうんだもんね」


 新作PCゲーに勤しむ俺に、玄関チャイムの鐘がなる。一階から母親の声が聞こえると、俺のもとに誰かが来たと告げていた。
 部屋から閉じこもるはずの俺の計画がすぐに打開する。人が訪ねてくると言う期待と不安に、階段を下りて玄関に顔を出す。

「はい?」

 そこにいたのは、一人の少女であり、懐かしい顔であった。

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「エムシー販売店だよ」
「・・・・・・」
「あれ?どうしたのかな?キャッチセールスに突然声を掛けられて立ち尽くしているOLのような顔をしているけど?」

 確かに顔は母親に似て色白で美肌と言われているが、キャッチセールスに引っ掛かったら立ち止まらずに全速力で逃げろ。立ち止まったらそれは関心を示して話を聞く態度になっているじゃないか。

「いよぉ、久し振りだな」

 クラスメイトのように、友達のように、まるで親しみのあるように声をかける。
 俺だって、少女とは二回しか会っていないのだけれど。でも、二回しか会っていなくても、それは回数ではない。印象が強すぎて、俺にとっては忘れられない記憶になっているのだ。
 それは、少女に再会したかった俺にとって神さまが用意したプレゼントのような気がした。
 恋・・・なのかもしれない。

「今までどこ行ってたんだよ?随分音沙汰なかったな」
「仕事だよ」

 うわ、リアルなこと言ってる・・・。
 少女が仕事と言ってもリアリティはないのだけれど。

「慣れないことはするもんじゃないね。毎日心身ボロボロだよ」
「全然見えないけどな」
「毎日毎日。日を跨いで職場に帰って来たって、寝るだけでしょ?」
「うわ、なにそのブラック企業。辞めちまえ」
「そのおかげで、1ヶ月で100万溜まったけどね」
「すっげええええええええええええええええええ!!!」
「人間、なにを目的にして働くかだよね?お金のためなら我慢して働かないとね」

 お金は人間が幸福になるための目的であり手段だ。お金がなければ心に余裕ももてなしい、幸福が始まらないのは事実だ。
 そのためには、長期間働ける職場で、信頼と信用を勝ち取ることをしなければならない。それもまた人生と言えるのではないだろうか。

「サービス、SE、土方、水商売と、毎日違ったことをやったねえ」
「僕あるばいとぉ!?」
「それでも、僕はもう辞めるけどね。だって僕は『人間』じゃないし」
「そうなのか。もったいねぇ話だな。みすみす100マソ稼げる場所を手放すなんてよ」
「いいんだよ。そろそろお店を開業しなくちゃいけなくなるんだし」
「・・・・・・え?」
「・・・・・・え?」

 こいつ、今さらっとありえないこと言ったぞ。
 失言じゃねえか。こいつに信用も信頼もできねえ。
 なんだか、一瞬でも信じてしまったこいつの話が、全部『嘘、偽り』の気がしてきたんだが・・・。

「エムシー販売店だよ」
「話を最初に戻した?!」
「今日はクリスマスだよ。外に出て冷ややかな視線で僕を見るカップルをやっつけよう!」
「それだと犯罪のにおいがするぞ」
「硝煙反応だね」
「どこの海外だよ!?」

 血のクリスマス・イヴ事件かよ・・・。間違えた。今日は血のバレンタインじゃなかった。

「それにしても、『サンタクロース』っていいよね?」
「なんで?」
「1年に1回しか働かなくて」
「・・・・・・」

 既に少女の発想が負け組である。

「僕も働きたくないのよ。ブログの更新も1年に1回でいいよね?」
「二ヶ月近い休みの理由がこのネタの仕込みだったらと思うと悲しくなるんだが」
「そうすれば、きみの大好きなオナニーの回数も減ると思うんだよ。立派な少子化対策だよ!」
「なんという上から目線!?下衆な俺を頭の先から踏み潰されているかのような発想だ!」
「僕にそんなSっ気はないよ。それとも、それがきみの大好きな妄想なのかな?」
「上げてない足を取るな!俺にもそんなMっ気はない!」
「赤鼻のトナカイをプレゼントを大量に乗せたソリに繋いで、空を飛ばせるなんて、動物虐待じゃない?」
「虐待じゃない!赤鼻がチャーミングな人気者なんだぞ!」
「煙突から入ってきてロリ、ショタにプレゼントをあげる小太りのおじさんなんて、普通に考えたら立派な犯罪だよね?」
「普通に考えるな!それで許されるんだよ!」
「『フォッフォッフォッ。おじさんからのクリスマスプレゼントだよ』って台詞は一歩間違えれば犯罪だよね?」
「クリスマスが白に染まるうぅぅぅ!!?」
「メリークリ〇〇ス!!!」
「意味もなく虫食いにするんじゃない!底に入る言葉なんてクリスマス以外ないだろ?・・・ん?・・・ない、よな?」

 少女の発言はどうして聖なる夜のイメージを性犯罪に向かわせるのだろうか。少女と言うより、娼婦じゃねえか。 
 水商売やったって言ってるし。

「『サンタクロース』がそこまで『人間』のイメージに定着したっていうのは凄いことだよね。僕も見習わないとね」
「急に真面目なこと言いだしやがった」
「信頼と信用があれば、見えないモノが見えてくるようになるんだ。『愛』だって見えるかもしれないね!」

 ・・・そうか。俺にも人から信頼と信用が得られたら、『愛』が見えるようになるかもしれない。
 そう考えると、なんだか来年は彼女が出来そうな気がする。
 人との付き合い、人との信頼、それは社会に出る上で切ってはいけないもの。信用が強固になれば、ひょっとしたら他人が彼女を紹介するなんてイベントが起こるかもしれない。自分で彼女を探すより、誰かの力を借りて彼女を見つけてもらった方が、出会う機会は格段に高い。だとしたら、俺がまずやらなければいけないのは、部屋に閉じこもることなんかじゃない。外に飛び出て、カップル達と対面しても動じない勇気を出すことだ。クリスマスだからなんだ。イベントだからなんだ。他の日と何も変わらない、平凡な1日じゃないか!
 そのことを俺は少女から教えられたのだった。

「正論すぎてぐうの音も出ないな」
「だって、『サンタクロース』は僕と同じ宇宙じ――」 
「わああああああああああああああぁぁぁぁ!!!!」

 前言撤回!
 こいつが『サンタクロース』のようにイメージが定着するのは無理だ。
 薄い内容のブログの登場人物が、サンタクロースと同じ土台に立つことがおこがましい。
 頭が高い。

「きみ、髪の毛が薄いね?」
「薄いからって髪の毛の話につなげるな!俺はまだまだ髪のことで心配いらない高校生だ!」
「いい加減、このブログを官能ブログと勘違いしている奴まぢうぜぇ。エロブログじゃないし。『TS・TS』や『Teiresias』、『おなにっき』の方がよっぽどエロいもん!」
「エロブログじゃなかったらなんなんだよ?」
「人生・・・かな」
「・・・・・・泣いた」
「エムシー販売店は人生」

 うわぁ(どん引き。これが社畜なんだろうな。

「あいたたた」
「仕方ないな。このブログが軽いとか薄いとか言っているなら今こそ告げるしかないみたいだ。僕の半生をね。あれはね、僕がまだ――」
「そんな重くする方法があるか!」

 いや、少女の半生には凄く興味があるが、今話すときじゃないだろ?それはまだ先の話にとっておけ。
 こんな前途多難で大丈夫か、エムシー販売店?
 そんなタイミングでさらに二人、玄関前に姿を露わした。センリとブリュンヒルドだった。

「お、多いな。どうした?どうした?!」
「いえ、フェルミさんだと話が脱線がして全然進まないのです」
「確かに」

 本題にいかない少女に痺れを切らした二人が入ってきたってことか。つまり、この寒空の下でずっと待機していたのか。よく見れば二人は肩を震わせている。暖をとっている家の中とは違い、外で待っている二人にとって、待ち時間は過酷だったのはよくわかる。
 正義とはいえ、薄着だし。

「と、いうわけでエムシー販売店からのクリスマス企画ですぅ!今回は無料で『柔軟剤』を使ってもいいですよ!」
「ど、どうも・・・」

 販売員(正義)の達に拍手で歓迎されながら『柔軟剤』を受け取る。確か、身体を一時的に『スライム』にして相手に浸食や寄生が出来るアイテムだったはずだ。
 こう言っては贅沢かもしれないが、『飲み薬』がよかったな・・・。

「ん?こちらから選ぶわけにはいかないのか?」
「サンタさんは欲しいものをくれないのです」
「泣いた・・・」

 そんなところでリアルはいらねえんだよ!!
 俺の心の中の怒声を聞くこともなく、三人は営業スマイル全開の表情で――

      dd7cfcee.jpg


「それでは、エムシー販売店、再始動ですぅ!」

 ――高らかに明るく宣言していた。


 
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