純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

カテゴリ:グノーグレイヴ『憑依・乗っ取り』 > 飲み薬『絶望の青、その向こう側へ』

「さて――」

 裸のまま琉花が話を切った。

「このまま放っておけば俺はこのカラダから出ていくけど、まだ憑依出来る時間が残っているんだ。まだこのカラダの快感を味わいたいんだよね」
「そんな勝手なことしないで!琉花を返してよ!」
「そんな口出していいと思うの?この身は俺の好き放題にできるって言っただろう?もちろん、このまま命を断つことだってできるんだよ」
「――っ!?」 

 琉月が息を呑んだ。事態が最悪の状況を飲み込み、どこの誰か知らない男に琉花を人質に取られたことを察してしまったのだ。

「そう。・・・きみは俺の言う通りにしないと、大好きな妹を失うことになるよ?」
「あなたって・・・琉花だけじゃなくて、私までも操ろうとしてるの?」
「操るだなんてしていないじゃないか!きみが俺の命令に従うかどうかなだけだろ?・・・きみの意思で選ばしてあげるよ」
「強制じゃない!!妹を人質にとって、私の意思を尊重することなんて――」
「できるじゃないか?きみが妹を見捨てれば簡単なことだ」
「そんなこと・・・・・・」

 唇を血が出る勢いで噛みしめる。唯一の肉親を見捨てることなど、琉月にできるはずがなかった。

「(やらせたくない、琉花を好きにさせたくない・・・そう思いながら、私に選択肢は残ってないの・・・。ごめん、琉花。どうしようもないの!」

 脱力して、涙を止めて琉花に従う。琉花がニヤリと笑っていた。

「・・・なにをさせるつもりなの?」
「さっきまでの強気な発言が嘘のようだ。でも、今きみが俺をとても憎いと言う 感情が伝わることが出来るよ。いいよ、その表情。その顔に免じて、今は大好きな妹のカラダを弄ることは止めにしてあげる」
「えっ・・、それってほんと?」

 犯人に命乞いをするように、一瞬だけ這いあがった希望の目で琉花を見つめる。しかし、それはすぐに分かる事だった。琉花が琉月を持ち上げたのは、希望を与えるためではなく、絶望への落差をあげる事だったのだと。

「今日はこれから買い物に行ってきてよ。俺が言うものを明日までに買っておいてくれよ」
「これからって、深夜じゃない!お店なんかとっくに閉店してるよ!」
「安心して。ちゃんと夜にしか開いてない店で揃えられるものだから。いいかい? ち ゃ ん と お 店 に 行 っ て く る ん だ よ」

 紙をとってペンを走らせる琉花。琉月はそのリストの内容を見て、目を見開いて驚愕したのだった。


 
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「お姉ちゃん」
「ん?なに?」

 安達琉月―あだちるな―と琉花―るか―は双子の姉妹。仲睦まじい双子の姉妹は近所の噂になっており、両親がいなくてもしっかりしている姉の琉月と、姉を支える妹の瑠花はみんなに可愛がられていた。

「わたし、もう寝るよ?お姉ちゃんはまだ寝ないの?」
「このテレビを見たら寝るよ」
「じゃあ、先にいってお布団温めておくね」

      62525c04.jpg

「ありがとう・・・って、それただ寝てるだけじゃない!」
「えへへ。ばれたか」

 おやすみなさいと、最後に笑顔で消えていった琉花を見送り、琉月はしばらくテレビを見ていた。
 ・・・・・・・。
 やがて時間が遅くなり、 欠伸を噛み殺して眠い目を擦り始めると、琉月は頃合いというように、バラエティ番組が終わり天気予報が始まったと同時にテレビを消した。

「私も寝ようっと。明日も早いし」

 琉花のようにパジャマではなく、ラフなスタイルで眠る琉月は、私服の格好で琉花の眠る部屋へ向かっていた。
 部屋まで共有しているせいか、琉花に対する意識は姉一倍敏感な琉月。起こさないように静かに部屋に向かい、そっと扉を開けた。
 普段なら琉花の規則的な寝息が聞こえてくるはずだった。安定する寝息に合わせて布団に向かうはずの琉月の行動が、今回に限って躊躇してしまったのだった。

「ぅっ・・・はぁ・・・」

 琉花の寝息が安定していなかったのだ。

「(琉花?・・・起きてるの?)」

 コソコソと、扉を半開きしたまま部屋の中を覗き込んだ琉月。暗闇の中、もぞもぞと布団の中で動いている琉花様子を微かに見つけることができた。

「(――――っ!!?)」

 琉月が息を飲んだ。琉花はパジャマを脱いで上半身裸になっていて、乱れる様に自らの胸を淫らに揉んでいたのだった。


 
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