純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

カテゴリ:グノーグレイヴ『体内変化』 > ファスナー『かわりになって』

「お兄ちゃん」

 美玖が邦広の部屋を訪れる。以前のように愛想のなかった美玖が一変し、今では邦広ににこやかに話しかけてくるようになっていた。

「私、魁人くんの家に行くんだけど、お兄ちゃんも一緒に行かない?」
「ほぉ」
「ほらっ、お兄ちゃんって魁人くんと仲いいでしょう?お兄ちゃんと一緒の方が色々話を切り出せるし」

 恋のキューピットのように美玖の恋愛の成功を手助けしてほしいという意味で美玖は声をかけたらしい。なるほど、邦広は合点がいったように頷くと、やれやれとため息をつきながら椅子から立ち上がった。

「仕方ないな、妹の為だ」
「やったぁ!私があとでなにか奢ってあげるからね」

 腕を組みながら家を仲良く出ていく兄妹。以前とは比べ物にならないほど美玖が懐いてきたことに、表情を歪めて嗤う邦広だった。


 あれから――


 邦広が記憶を弄ったこともあり、美玖が進んで邦広に新城家との関わりを持たせてくれるようになっていた。
 玄関から顔を出した魁人に赤面する美玖の後ろを、邦広は静かに見守っていた。

「こんにちは、魁人くん」
「よく来たね。お兄さんもいらっしゃい」
「またお邪魔するぜ」

 玄関を通されてリビングまで行くと、そこに待っていたのは明と妃月。

「あっ、お兄ちゃん来てくれたんだ!」 
「おう!今日もまた遊んでやるぜ」
「明ったら・・・。すみません、ゆっくりしていってください」
「お気使いなく、おばさん」

 邦広がソファーでくつろぎながら明とじゃれあい始める。
 明の衣服を脱がせてブラもしていない胸を露出させて好きなだけ覗いて堪能していた。

「恥ずかしい・・・」
「触ってもいいな?」
「は、はい・・・」

 明は邦広の言うことに頷き、自分の身体を差し出してきた。邦広の手が明の胸を揉み、乳肉の柔らかさを味わっていた。

「はぁっ、はぁっ・・」
「んっ、おい。乳首コリコリしてきたぞ」
「はい・・・だって、気持ちいいからぁ」
「そうか。俺に触ってもらって気持ちよくなってるのか?」
「ん・・・はぁ・・はぃ・・・はぁ~」

 明の感じるところを責め立てて、敏感になった部分を執拗に責める。明の身体はあっという間に火照り、陰部からは甘い蜜を滴りだしていた。
 ショーツを脱がして秘部も曝け出すと、邦広は明の秘部に舌を付けて舐め始めたのだ。

「じゅるじゅる、ず、ずずずぅ~~!!」
「はぁん!はぁ・・あああぁぁ!」

 舌で舐めれば舐めるほど、明の愛液が溢れてくる。イヤらしい味が邦広の口の中に広がり、唾液と供に喉の奥へと流れ落ちていった。

「ふあぁぁぁっ、あ、ああん!きもちいい~!あ、アソコが・・とてもいいよぉ!」
「アソコってどこ?」

 敢えて知っているのに隠そうとしている明を逃さないように聞き返す。

「おま〇こ!おま〇こ、気持ちいいのっ!」

 叫びながら狂うように喘ぐ明。舌の動きを速め、ぴちゃぴちゃと愛液を啜る音を響かせる。ビクンと跳ねる明の身体に、絶頂が近いことを知らせていた。

「ああっ!あっ、あっ、イク!イクイク!!いっちゃぅぅうぅ!!ああああ――――っ!!・・・きゅぅぅぅぅっっっっ!!!」

 高音の声がしばらく途切れ、天井をみあげながら明は潮を噴いた。過呼吸のように息を絶え絶えに吐き出しながら戻ってきた明の意識は、既に疲れこむようにとろんとした表情で邦広を見つめていた。
 今までで一番濃い味を喉に流し込んでいく邦広。絶頂にイったばかりの少女の愛液は、とても美味であった。

「明ったら、先に行ってしまうなんて邦広さんに失礼でしょう」

 明の行動を見ながら妃月がダメ出しを言う。妃月が衣服を脱ぎ、美しい裸体を見せつけると、邦広の上に跨り首に手をまわして絡みついてきた。

「娘の失態ですから、おばさんのおま〇こで許して下さいね」
「いいんですよ、俺は気にしてませんから」
「懐が大きいんですね、ますます気に入りましたわ」

 腰を振りながら、逸物を刺激する妃月。目の前で揺れる乳房に噛みつきながら、妃月とのディープキスで快感を高める。ズボンを脱いで勃起した逸物を取り出した邦広は、濡れ始めたばかりだというのに、妃月のおま〇こに自分の逸物を宛がった。

「あああっ・・・おち〇ち〇入ってくる。はぁっ、大きい」

 濡れていなくても、大きな膣の中で泳ぐことのできる逸物は、挿入した瞬間に快感に襲われる。痛みはなく、にゅるんと飲み込まれて愛液に濡れる逸物は、突く度に快感が増幅していった。

「はぁ、ああん・・・あん、あん」
「デュフ・・デュフ・・おばさん。俺のち〇ぽどうだ?」
「はぁん・・いいわ・・・。邦広さんのおち〇ち〇、とっても気持ちいいわ」
「おれもだ・・。あ・・うあああっ!で、出る!」

 妃月の重みと締まりにあっけなく爆発させる。たまらず吐き出した精液が愛液と絡みつき、イヤらしい音をリビングに響かせていた。

「ああっ!明も!明も!」 
「あらっ、それは順番よね?」
「ハハハ・・・満足いくまで何回でもやってやるよ」

 邦広の言葉に親子が満面の笑みで応えていた。

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 邦広は明に『皮』の使い方を教えた。
 明の帰ってくるのを待っている邦広は既に魁人の『皮』を脱いでスタンバイしていた。

「デュフフ。ロリは好きだけど、貧乳だと面白くないもんね」

 巨乳の方が大好きな邦広である。すると、ガチャリと扉が開き、母親の妃月がやってきたのだ。

「待っていたぞ。さあ――」
「ひゃあ!だ、ダレ!?」
「・・・・・・へっ?」
「人の家に勝手に上がり込んで、破廉恥なものを出して・・・どこの人なの!?」
「なにを言ってるんだ、・・・明?」

 明が妃月の真似をしているのかと思っていたが、その雰囲気は殺伐としていた。むしろこのまま放っておいたら、本当に邦広は不法侵入で逮捕されてしまうかのような勢いであった。

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「うちの娘を知っているの?ああ、怖い・・・。きっとストーカーなのね」
「・・・おいおい」
「警察に連絡を――ひぅ!」

 妃月が今にも警察を呼ぼうとしていた時、小さく悲鳴をあげてぶるぶる震え出した。 身悶える妃月がしばらくして落ち着きを取り戻すと、先程のような険しい表情が一変してにこやかに微笑んでみせた。

「・・・おにいちゃん」

 妃月の口から発せられると違和感があるものの、どうやら明が妃月の意識を抑え込んだみたいだった。ほっと胸をなでおろした邦広が再び椅子にすわりこんだ。

「はぁ、やっぱり明か。びっくりさせるなよ」
「びっくりしたのはこっちだよ。お兄ちゃんから脱いで裸になってるんだもん」
「そりゃあ、早くやりたいからな」

 椅子に座っている邦広が胸を張る。股間から生えた逸物もまたテントを張っていた。

「そうなんだ・・。私もおにいちゃんをびっくりさせてあげようと思って準備してたんだけどな」

 妃月(明)の発言に耳をピクリと動かす。サプライズがあるのならと邦広は自分の楽しみよりも明の楽しみを聞きかえした。

「ほぉ、それはいったいなんだね?」
「それはね・・・ジャーン!」

 ニコリと笑った妃月(明)。そして、後ろに隠した手から持ち上げてみせたのは、自分の使用している小さなスクール水着だった。





 
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 明を溺愛にさせた魁人(邦広)は、兄妹など関係なくやりたいことをするようになった。妃月にばれないように兄妹でセックスすることは当たり前で、時々妹の方から襲うことも忘れない。

「お兄ちゃん!一緒にお風呂はいっていいよね!」

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 そう言いながら裸になって浴室に入ってくる明。凹凸はないが、きめ細やかな綺麗な肌が視覚を刺激する。欲情した魁人(邦広)は早速明に身体を洗ってほしいとお願いした。

「明の手で俺のペニスを綺麗にしてくれよ。その小さな手で撫でてくれ」
「うん、いいよ」

 すぐさま魁人(邦広)の逸物を洗おうと小さな手にボディソープを塗っていく。そして、逸物を包み込むように横側を擦りながら洗って―しごいて―いく。

「ああん、どんどん硬くなってる・・・。びくびく脈うってる・・・」

 ボディソープに塗れた小さな手が滑るように逸物を撫でていく。ヌルヌルになりながらもはちきれんばかりに硬くなった魁人(邦広)の逸物は、既に限界間近になっていた。

「明の手が気持ちいいから・・。で、でそうだ」
「うひゃああぅん!」

 顔にかけられる精液にびっくりする明。しかし、それは魁人の精液なので最高のご褒美をもらったように満面の笑みを見せる明に魁人(邦広)は悪い気はしなかった。

「ごめんよ、精液かけちゃったよ」
「いいよ・・・お兄ちゃんの精液だもん。もっと欲しいくらいだよ、お兄ちゃん」 
「明は可愛いな。もうちょっと大きくなったら俺と結婚しようね」
「嬉しい!明、お兄ちゃんのお嫁さんになるぅ!そしたら、おち〇ぽ今以上にじゅぼじゅぼしてくれる?」
「もちろんだよ、毎日してあげるよ」

 邦広の感情が高ぶっているせいもあり、兄妹が会話するには不自然な言葉が飛び交う。それでも浴室の中で兄妹でセックスすることに、なんのためらいもいなかった。
 だが、その声を聞いて飛んできたのだろうか、妃月が扉の前で魁人の名を呼んだ。

「魁人!まだ上がらないのかしら?ご飯食べちゃうわよ?」
「ひっ。おかあさんだっ!」
「シーっ・・・。わかった、今でるよ・・・はぁ。せっかくいいところだったのに・・・」

 まるで妃月に邪魔された様に不完全燃焼に終わる兄妹のセックスに不信感を露わにする魁人(邦広)だった。そして、これ以上、妃月に邪魔されないよう恐ろしい計画を魁人(邦広)は持ち込んだのだった。


 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・

 明の部屋に入りこみ、魁人(邦広)は真実を話す。

「どうしたの、お兄ちゃん」
「明。落ち着いて聞いてくれ・・・。実は俺・・・おまえの本当の兄ちゃんじゃないんだ」
「えっ・・・」

 『皮』を剥ぐようにして顔を捲ると、魁人の顔の下から不細工な邦広の顔が出てくる。肌の色も違えば体型も一目瞭然で違うその姿に、明は絶句していた。

「俺は三國邦宏っていう、明の兄ちゃんの彼女の兄だ!ずっと兄ちゃんの皮を被って潜んでいたんだ!」

 声も魁人と違ければ、魁人の顔は邦広の前に萎んでいた。悲惨な兄の姿を見て、さぞ明は衝撃を受けたかと思っていた。

「・・あっ、そうなんだ」

 あっけらかんと明はその事実を簡単に受け入れた。しかし、それは至極当然である。その事実を受け入れるように邦広は夜のうちに明に潜んで記憶操作を行っていたのである。

『これからお兄ちゃんの言うことは素直に受け入れよう!』と、それだけで明は兄の言うことに従う妹奴隷に生まれかわったのだ。

「じゃあ、邦広さんは明のお兄ちゃんでもあるんだね!」
「そうだよ。明をずっと見守っていたのは俺なんだよ」
「あはっ、そうなんだ!じゃあ私、邦広お兄ちゃんのお嫁さんになる!それなら結婚出来るもん!」
「もちろんだとも!俺もそのつもりで正体を明かしたんだから」

 不敵に笑いながら邦広は面白いように明が自分の思い通りになっている事に気分を良くしていた。
 協力者を名乗り出た明に、邦広は『皮』の存在をあかした。
 それこそ、明を利用した妃月に対する復讐の幕開けであった。

「そのためには、明のお母さんが絶対結婚に反対するよ?」
「えーヤダヤダ!明は邦広お兄ちゃんと結婚したいの!」
「そうだよね?だったら、今から俺の言う通りにするんだよ。そうすれば、お母さんはきっと『明ちゃんの言うことに従う』はずだからね。デュフフフ・・・」 

 『皮』の仕組みを明に教え込む邦広。そして、明に『粘土』と『ファスナー』を手渡したのだった。


 
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 邦広が明の記憶に植え付けた、兄の魁人を襲いたいと言う願望は、翌日から目に見えるようになっていた。
 朝起きた魁人(邦広)を見る明の目がどこかおかしい。まるで兄ではなく、男性として意識している目で見るように、頬を赤らめて恥じらいながら視線を逸らしている明に、魁人(邦広)はほくそ笑んでいた。

「どうしたんだ、明?おまえ、なんかおかしいぞ?」
「ふえ?な、なにが!?」
「なにがというか、全部」
「そ、そんなことないもん!普通だよ!?」

 近づいただけでさらに顔を赤くしている。まるで憧れのアイドルを目の前にしているファンのように、見たいはずなのに、真っ直ぐ見れないじれったさに手をもそもそと弄ってみせていた。

「でも、明?おまえ、熱があるんじゃないか?」

 頬に手を置いて体温の差を比べてみる。「ヒッ!!?」と、明が呼吸を止めて固まっていた。

「うん、熱があるかもしれないな。熱冷ましのタオルでも後で持っていってやるよ」
「あ・・あ・・・っ!」

 感極まって言葉が出ない。 ダッシュで魁人(邦広)から間をとった後に――、

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「誰が、お兄ちゃんの好きなスク水で過ごすもんか!!!」
「誰もそんなこと言ってない・・・」
「魁人も明に変なことを教えないでほしいわ」
「えっ、俺が悪いのか!?俺が悪いのか!!?」
 
 家族で過ごす暇な休日。
 その中でも少しずつ、兄妹の関係が変化し始めていっていた。 



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 魁人になりすまして美玖とのセックスを堪能した邦広は、そのまま魁人の家にまでやってきた。
 そして何食わぬ顔して扉を開けると、 「ただいま」と言って家の中にあがったのだった。

「(当然だろ?俺は新城魁人なんだからよ)」

 自分の家に帰るのは当然だと、魁人本人になりすますことに決めたのだ。モテる男の人生を手に入れた邦広は、人生が変わったかのような興奮を覚えていた。

 ドタドタと走る音が聞こえてくる。そして、玄関に顔を出したのは、魁人の妹の明―めい― だった。

「おかえりなさい、お兄ちゃん!」
「お、おう」

 ぎゅっと抱きついてくる妹の健気さに逆に驚いてしまう。邦広の時に美玖は絶対に抱きついてこなかったのだ。

「(くぅ、これだよ、これ!妹って言ったら可愛さがなくちゃウソだよなぁ!)」
「い、いたいよ、お兄ちゃん~」

 心の中で涙を流しながら感動する魁人(邦広)は、自ら明を抱き締めに行ってしまう。小さくて柔らかい女の子の身体に触れながら、兄妹の仲睦まじさを表していた。

「いい加減にあがりなさい、魁人」
「あっ」

 いつの間にか背後で見ていた母親の妃月―ひづき―が冷ややかな目で兄妹を見ていた。

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「仲良くするのはいいけど、明もいつまでもお兄ちゃんって言ってないで友達の一人くらい作りなさい。もう中学生になったんだから友達くらい作らないと困るでしょう」
「いいわよ!私にはお兄ちゃんがいれば誰もいらないもん!」
「魁人も明を甘やかさないで頂戴ね。これだからいつまでたっても明は一人で自立できないのよ」

  家庭内で繰り広げられる悩みもありそうだ。中学にあがったばかりだというのに、未だに明は誰とも友達を作ろうとしていなかったのだ。いじめられていたこともあり、不登校になっていた明が中学に入ったら変わると思っていたのだが、実際は未だに変わっていなかったのだ。

「学校なんか行かなくても勉強はお兄ちゃんが教えてくれるから平気だもん!」
「それじゃあ学校がつまらないでしょう?いつまでもお兄ちゃんがいると思ってたら大間違いよ」
「ぶぅ~。明が泣いていたら、お兄ちゃん中学校まで飛んできてくれるよね?」
「お、おう」
「ね?」
「はぁ~。いつまで口約束で明をごまかすのよ。まぁ、いいわ。いずれ明も知る日が必ず来るでしょうし。お兄ちゃんも明のお守りは楽じゃないってことをね」 

 リビングで食事を用意している妃月が兄妹に食事を済ませるように促す。

「お兄ちゃん、ご飯食べたら勉強教えてね。明、将来お兄ちゃんのお嫁さんになるからね!」
「お、おぅ(すごい、ブラコンだなぁ・・・)」

 その気迫に圧倒されながら、魁人(邦広)は明と一緒に食事を済ませた。この勢いでお風呂まで付いてくるのではないかと予想していたが、明は先に勉強の予習のために一人二階へと上がっていったのだった。



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 美玖になりすまして学校へと登校した邦広は、教室の中で美玖を待っていた男性を発見した。

「おはよう」
「おはよう(・・・こいつか)」 

 美玖の記憶を見ると、彼が美玖の彼氏だった。邦広の脳裏にもうっすらと浮かんできた顔がはっきりと明確になった。
 新城魁人―しんじょうかいと―。クラス随一の誠実で真面目な人柄で、誰からも好かれる人物だった。そんな美玖が実に惚れ込む理由もわかる。美玖のことを気遣い爽やかな笑顔を見せる彼に表裏はなかった。

「(でも、残念だけど今日限りでこいつとの関係は終わりだ、デュフフ・・・)」

 口元を釣りあげ、彼氏彼女の関係をぶち壊すことの快感を楽しもうとしている邦広。美玖の顔が歪むと魁人が気付いた。

「どうしたの?今日は具合が悪そうだけど?」
「そうかも。今日はちょっと虫の居所がよくないの?」
「何かあったの?」
「・・・私たち、別れましょう」

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 機嫌が悪いと言う美玖の話を聞こうとする前に、美玖の口から別れの話があがった。魁人の表情がかたまり、教室のざわつきが聞こえなくなるくらい静まりかえった。

「な、ナンダッテー!!」
「仲良しカップルの二人が遂に破局!?」
「なにがあったの?」
「ナニをしたんだ!?自分の胸に手を置いて考えてみろって」
「そんなの、俺にだって分かんないよ!・・・どうしたんだよ、美玖!なんでそうなるんだ!?」

 魁人にとっては別れる素振りもなかった美玖から切り出される別れ話。いったいどういう風の吹きまわしなのか分からずに困惑するだけだった。

「そういうことだから。わたし達、きっと合わなかったのよ」
「じゃあ、もっと合わせるようにするよ。きみの言う通りにするように俺は自分を変えていく。好きなんだ、美玖のことずっとずっと、好きだった。告白して美玖が受け入れてくれた時、俺はすごい嬉しかった。だから、俺はまだ別れたくないんだ」

 自分の胸の内を明かしながら、本心を語る魁人に思わず涙が込み上げてくる。良い人すぎる人を振るのはとても辛いもの。だけど、これは美玖に対する復讐なのだ。

「ふぅん。だったら、私を本当に満足させてくれるのか試していい?」

  美玖が目を細めて魁人をせせら笑う。その表情は普段の美玖とは違い、自分の私欲を満たそうとしていることに気付き、魁人は背筋が寒くなった。


 
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 俺、三國邦宏―みくにくにひろ―が部屋でパソコンをしていると、妹の美玖―みく―が俺を大声で呼びつけた。部屋へ入ると、表情を強張らせた美玖が高らかに叫んだ。

「お兄ちゃん!私の彼と会ったでしょ!」

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 彼・・・?男性の三人称?He?・・・食べもの?
 頭の中で思い返すと、今日の帰りに美玖の彼氏を見たくなって教室まで見に行ったことを思い出した。
 なかなかのイケメンだった。ブサメンの俺とは住む世界が違うくらい、爽やかそうな少年だった。

「部屋でこそこそパソコンやってるお兄ちゃんの空気が淀んでるに決まってるじゃない。やっぱり堂々と会ってるんじゃない!」
「おまえと釣り合うかどうか兄自ら足を出向いて見にいくのは当然だろ?堂々とじゃないぞ。コソコソと言ったんだ。結局ばれて軽く会釈を貰っちまったがな」
「やめてよね!私とお兄ちゃんが血縁だって知られたらデキる彼氏も出来なくなるわよ!」
「んあああ!!おまえに彼氏ができないのは俺のせいだって言うのか!?」
「ブサメンランクの上位に名を残すお兄ちゃん以外、他に何があるのよ!」

 カチンと、頭の中の堪忍袋の緒が切れそうになった。

「お兄ちゃんはな、今ものすっごく悲しいぞ!ブサメンだっていいじゃないか、ブサメンにはブサメンの良いところがあるんだぞー。優しさを見せない、見た目とのギャップ萌え~」
「優しさがないからそんな顔になったんでしょう。綺麗になる努力をしないからブサメンになったのよ!ブサメンを正当化しないで!」
「ぬあああ!!そこまで言うか、お、おまええぇぇぇ!!」

 プツンと、堪忍袋の緒が完全に切れてしまった。
 売り言葉に買い言葉。既に会話が成り立たない兄妹喧嘩である。

「もう二度と私の彼氏と会わないで!」
「バーカバーカ!アホアホアホ!俺は認めないぞ!認めたくないぞー!!」
「うるさい、出てけ!!」
「言いたいこと言ったら出てけかよ!俺はおまえの起き上がり小法師じゃないっつうの!!」

 でも、結局部屋から出ない限りは喧嘩しか生まないのである。俺は美玖の部屋から出ていくも、俺を怒らせた美玖にはどうしても復讐をしたくなった。
 それこそ、美玖が大事にしている彼氏との関係なんて、完膚なきまでに叩き壊したくなった。

「美玖めぇ、俺を怒らせたことを後悔するがいい・・・デュフ、デュフフフフ・・・」

 扉の奥の相手をせせら笑いながら、俺は美玖への復讐を心に誓うのだった。



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