純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

カテゴリ:グノーグレイヴ『体内変化』 > 粘土『のととん』

 人気のない路地裏。少女を誘いこんだ俺は、少女の隙をついて、首元に噛みついた。

「うぎゃあぁぁ!!?」

 まさか、女性に首を噛まれるなんて夢にも思っていなかった少女。放れるように懸命に押しのけようとしていたが、俺は少女に押されることなく首から血を吸い続けた。

「ぁ…ぁぁ……」

 少女の抵抗が弱まっていく。血を吸われ続け、そろそろ意識が朦朧としてくる頃合いだ。

「(それにしても、うまい……少女の血は美味だ)」

 喉を潤す純潔の血。濃度の濃い味。口の中を真っ赤にする、澄み渡る喉越し。
 ああ、こんなに旨い血は久し振りだ。

 血を飲みほし、路地裏に生まれる少女の死体。血を枯らし、餓死として診断されるミステリー殺人。
 警察官もお手上げの不可能犯罪。止まることのない連続殺人へ発展し、不可能を可能にする殺人で、昼の街を恐怖に叩きこんでやるのだ。
 俺がヤるのだ!!

 ――――ドクンっ。

「(……なんだ?)」

 おかしい。
 少女の血をいつまで俺は吸い続けている?
 いつまでなくならない?
 無限の血を製造するわけがないのに、この血はいつまで続く?

「………もう、満足か?」

 少女が声をあげる。先程よりも低い、大人びた声で。
 次の瞬間、俺の身体は、暗転した。少女に持ちあげられて背中から地面にたたき落とされたのだ。

「ぐはっ!」

 飲んでいた血が吹き出る。食事中のものがすべて戻るくらいの衝撃を受け、息苦しくなってしまった。
 それよりも、現実――。
 少女が俺を背負い投げだ?どんな現実だ?ありえない!おかしい!?
 目の前にいる少女はいったい、なんなんだ!!?

「私の血を吸うなんて、現代は変態を越える変態がいるものだな。いや、話によればこの程度、『変態』にも及ばないか。カッカッカ」

 先程から少女の様子が微塵もなくなっている。少女なんて幼い者じゃない。
 もっと非現実じみた、怪異のような存在だ。

「驚くのも無理はない。お前のおかげでこの時代の血を全部吸われてしまったのだからな。私に残った血は、昔、過去の存在だった私の血だ」
「過去・・・?」
「人は死んでも生まれ変わる、『輪廻転生説』。血は焼かれ、肉体は失ったとしても、再生し、血は蘇り、何度でも現世へ戻ってくる。私はな、前世で『吸血鬼』と世間を騒がしていた者だ」
「は・・・はあぁぁぁ!!!?」

 『吸血鬼』と名乗るだぁ。情報が作る『殺人鬼』ではなく、前世で実在した、生粋の『吸血鬼』だぁ!?
 ありえない!ありえない!
 それじゃあ俺は、この現世で吸血鬼を つ く り だ し た というのか!?

「ペロっ…。血をうまいと思ったことはないがな。でも、血を浴びるのは好きだ。・・・そうか、現代では『吸血鬼』は血を吸う鬼のような表現をしているが、前世の『吸血鬼』とはニュアンスが違う。・・・そう。私は、血を浴びるために肉体を限界まで強化した殺人鬼。その姿がまるで血を吸っているように見えたらしい」

 血を失って死ぬ餓死ではなく、暴力による出血多量死。
 静かに死ぬのではなく、泣き喚くまで叫びながら死ぬなんて、そんなの耐えられない。

 ・・・・ゲ・・ロ。

 俺の身体が警告を発する。少女から逃げろと、全神経が逆立つ。

 ・・・ニゲロ・・・。

「そうか。おまえが私を蘇らしてくれたのか。礼を言わなければいけないな。ありがとう、お母さん。綾波澪―あやなみれい―は帰ってきました。そして――」

 ・・・逃げろ!
 俺は少女から目を反らし、全速力で逃げだした。

「――さようなら!」

      
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 ――次の瞬間、路地裏から粉塵があがった。
 少女の脚力は風を作った。
 俺めがけて少女も駆けた。
 『人間』の脚ではない。あっという間に俺の背後に付き、強力な回し蹴りで背中を押した。

「うっ!!?」

 転ぶ、というよりも、飛んだ。
 地面を跳ね、転がりながらゴミ袋の山に激突した。少女の姿はどこにもない。
 変わりに俺を見る、大勢の観客が湧いていた。
 どこから飛んできて、いったい何があったのか不審な目で俺を見ていた。

「くそっ・・なんで……!……なんで!?」

 俺は脚が動くことだけを確認して脱兎した。

「俺は何故少女に惹かれてしまった?」

 俺が少女を選ばなければ、こんなことにはならなかった。
 運命なのか?世界の選択なのか?
 自業自得なのか?
 そのせいで、世界は破滅するのか?

「はぁ・・はぁ・・」

 こんなことなら三栖の『皮』を脱ぐべきだった。女の力じゃ実力の半分も出せない。
 こんなしっぺ返しを食らうだなんて、失敗だった。

「はぁ・・・でも、奴が『吸血鬼』だというのなら、陽の光が浴びれないはずだ!」

 そう、情報が錯誤していても、俺もまた『吸血鬼』。陽の光が苦手なことは少女だって変わらない。だから奴は追ってこれない。俺の背後にもう少女の姿はない。
 家に飛び入り、汗を拭う。
 熱い。シャワーでも浴びて汗を落としたい。
 少しだけ静かな時間が戻ったことに安堵し――次の瞬間、ドアを蹴り壊されると同時に平穏が終わってしまった。

「あ・・・あ・・・」
「ほぉ。ここがお前の部屋か。汚いな。まるで男の部屋じゃないか。っといっても、私も汚いから人のこと言えないな。お母さんに毎日怒られているからね」

 少女はやってきた。御丁寧にも着ていた服に付着していた血を全部払い落として。

「あんな状態で町中を歩く訳にも行かないからね。一回家に帰って洗濯して着替えてきたのよ!」

 なんという余裕のある行動。実に羨ましい。

「おまえ・・陽の光が大丈夫なのかよ!?」
「んっ?」
「『吸血鬼』なんだろ?なんで陽が大丈夫なんだ!?」

 『吸血鬼』は陽の光と大蒜がダメ。そんなイメージを持つのが大衆の声だ。少女はゲラゲラと高笑いをしていた。

「陽の光がダメな訳ないだろ!きっと『吸血鬼』のイメージを定着させるために大衆が作り出した虚像だろう。まっ、大蒜は臭いから苦手だが、食べられないことはないぞ!子供の嫌いなピーマンみたいなもんだ」
「そ、んな……じゃあ、俺は……」

 確立した実像が歪曲されているなど夢に思わない。本当のことは、本物にしかわからない。
 じゃあ、陽の光が苦手な吸血鬼は――――虚像なのだ。

「そう、おまえは……偽物なのだろう?」
「くぅ――!!?」

 少女に睨まれると、俺の身体はまるで石になったように動かなくなってしまった。
 金縛り……吸血鬼のイメージにある衝撃波。
 まさにサンドバック状態じゃないか。

      
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「おまえに二つの選択肢をやろう。今から蛸殴りにして出血多量で死ぬか、それとも内臓破裂で内出血で死ぬか」
「どっちも嫌だあああ!!!」

 目の前でシャドーボクシングをする『吸血鬼』。本気で殺そうとしている恐怖に俺はもう死を予感していた。
 これが死なのだ。
 目の前が真っ暗になり、そこから真っ赤な海が見えたら死期だ。
 現世からの旅立ち。間違いだらけの人生だった。来世で俺は本物になろう。
 殴られるのを待つだけの俺だが、少女は俺の着ている服をビリビリに破ると、白い肌を見た瞬間に目を輝かせていた。

「ん……ほぉ。おまえ、良いモノを持っているな」

 それは三栖の肌。俺のものではない、綺麗な肌だ。
 少女は殴るのではなく、優しく触れると、思わずくすぐったくて笑ってしまった。

「や、やめろ・・・」
「おほぉ!気持ちいいな、女の肌は。そうか、うん・・・お母さんより気持ちいいかもしれない」

 ぼそりと呟いた少女は物珍しそうに肌を弄っていた。その触り方がイヤらしくて、逆に恥ずかしくなってしまった。

「おまえ、男か?」
「男ではないが・・・そうか。言ってなかったな。私は肉体強化できると言っただろ?だから、こんなこともできるのだ」

 少女は突然、俺の目の前で服を脱ぎ始めた。
 殺すと決めた後の最後の一興なのか、少女の透き通った肌をみせ、恥じることなくアンダーヘアーも生えていないツルツルの秘部も見せつけていた。
 女性だからなのか、本当は俺が『男』だと知っていたら、少女はこんな行動とっただろうか。

「ふん・・・っ!んん~……んんんーー!んっ!」

 力を入れて踏ん張る少女は、何をしているのだろうか思っていたが、自分の秘部の変化が少しずつ見え始めた。
 なんと、女性の陰核であるクリ〇リスが膨張するように成長し、身の丈にあったサイズまで成長した、男性の性器に栄え変わりしたのだ。
 玉袋まで生やした少女だ。肉体強化で男性の性器を生やすなんて、そんなの現実味がまったくない!


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「ありえない!?」
「ふはぁ・・・。わかったか?吸血鬼は列記とした、男の娘なんだ」
「列記としてないって!!?」

 前世は男だが、現世は女。
 不釣り合いな身体を持つ吸血鬼が、俺の身体に襲いかかってきた。

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 三栖をダッチワイフにしてのセックスを何度も味わい、至高の幸せに満ち溢れていた。

「さ、最高だ・・・良いモノを手に入れたぜ」

 なにも言わないが、なにも抵抗しない、俺に犯される『皮』人形。
 三栖と何も変わらない身体なら、感じ方や濡れ方も本物なのだろう、俺は三栖に愛着を感じ、好意を持ち一つになりたいと想い始めた。

「これ・・着られるのか・・・?」

 空気しか入っていない彼女の皮。中は空洞だから持ち運びが自在に出来る。でも、もし、この空洞の背中に、俺が入ることができれば、俺が三栖になることができるのではないだろうか。
 憶測だが検証する価値は十分にあった。そんな上辺の論議より、俺は感情の方が上だった。

(着てみたい・・・彼女自身になってみたい・・・)

 愛情が歪み、彼女を着てみたいという衝動に駆られる。背中から空気を入れた穴に指を押すと、小さな穴が開いた。そこから空気が抜けて三栖の姿が再び萎んでいく。

「穴は最初、もっと大きかったはず」

 俺は穴を広げようと、背筋にそって指を下ろしていく。すると、穴は俺の指にあわせて広がり、亀裂のように三栖の背中がぱっくりと開いてしまった。
 俺の身体が入る大きさまで広げ、彼女の背中いっぱいまで穴を広げると、まずは右足から突っ込んだ。
 片足立ちになり、まるでジーンズを履くように右足を『皮』に通す。
 萎んでいる彼女の足に、俺の右足が入ると、異様にそこだけ膨らんでしまう。萎んでも不安だったが、膨らみすぎて破けてしまうのではないかという心配もあった。だが、突然俺の右脚は三栖の右脚の形に締まっていき、美しい右脚になった。

「うおっ!?俺の右脚が綺麗な足になっちまった!すげぇ!へえ・・・」

 右足に触れると、確かに触られている感触があった。毛の生えていない美しい白い足を手に入れ、これが俺の足なんだという実感に震えていた。

「じゃあ、全部いれたら・・・くぅぅ!」

 早速、左脚も入れてみる。、アンバランスだった両足が揃う用に、右足同様綺麗な女ものの足になった。
 ズボンのように、両足から腰まで『皮』を通す。ジーンズと違い、自分のサイズに合わせて締まらないことはなく、『皮』のサイズに合わせて自分の腰が細くなっていくので、お腹まわりの余分な肉もへこみ、まるでモデルのような細いウエストまで手に入れた。

「すげぇ!すっげぇ!!」

 股間の膨らみが無く、お尻を突き出せば張りのある美尻、くびれのある腰回り興奮は昂る。
 上半身は男性。下半身は女性という今の自分がとても不均衡でゾクゾクした。

「チ○ポが無い!それにこのでかいケツ・・・これがあの女の下半身か・・・」

 俺はこのまま着こんでいけば三栖になれることを確信した。完全に三栖と同じになった下半身に三栖を掌握した気分でお尻を撫で回し、薄いアンダーヘアをかき分ける。
 気分は上々だ。俺はさらに行為を進めた。

「次は上半身だな・・・」

 上半身の部位を持ち上げ、まずはだらんと伸びた両手を通す。右手を入れてみると、足の時と同様に三栖の細くて綺麗な右手に早変わりした。
 同じように左手も通していく。自分の身体がどんどん三栖に変わっていく。体重から身長まで、俺の情報が三栖の情報に塗り替えられていくように、小さくなっていった。

「不思議だな。普段なら絶対入ることのないはずなのに。収縮性があるからか」

 両手を通した俺に自然と胸が重なり、背中と胸がくっつき、三栖のサイズに戻っていく。
 首筋から背中に開けた穴が、自然と塞がり、俺と一体化していくのだ。締まるというより、自分の身体にフィットしていく着心地だ。まるで成長が変化したと思えないまま自分の身長が縮んでいるのだ。
 普段よりも低い目線で、視線を落とすと膨らみのある女性のような美乳が俺目線で眺められた。
 男性が覗くことのできない胸の眺め方だ。とても気分がよかった。

「これで、最後に残ったこれを被れば・・・!」

 だらんと垂れた三栖の顔(マスク)を持ち、後頭部をゆっくり押して穴を開けて、自分の顔が収まるサイズまで広げる。穴を左右に広げて、俺は彼女の頭部をゆっくりと被ったのだ。

「ん・・・真っ暗だぞ・・・光はどこだ?ん・・・?」

 よくわからないまま闇雲に目と鼻と口をみつけようとする。後頭部から被ったので間違えるはずがないと、まっすぐに突き進み、鼻の位置を合わせると、口と目の位置も自ずとそろうはずである。
 むしろ、顔部もまた俺の顔がフィットするように縮んでいく。急にしっくりきたと感じたと思ったら、目から光が戻ってきた。

「ん・・眩しい・・・!」

 思わず目がくらんでしまう。ゆっくりと、目を馴染ませるようにゆっくり目を開ける。
 すると、鏡の前で立つ自分の姿が、来海三栖と全く同じになっていたのである。手を顔に持っていき、骨格に添って滑らせる。細く小さな顔に瑞々しい潤いがあり、触られてくすぐったいという感じだった。

「あっ・・・うんっ・・・はっ・・・」

 発声の仕方も忘れるくらい、自分の声が甲高く、女性の声に変わっていた。聞いていた声と若干違うように聞こえたが、それは主観なのか客観なのかで違うようなもので対して支障はなかった。
 三栖の声であるのならば――。

「くすっ、あーっはっはっはっ!」

 思わず笑いが込み上げてきた。鏡の中の三栖がゲラゲラと笑っていた。

「女性になるってこんな感じなのか。うはぁっ、声まで女になってる・・・!」

 彼女が言わないであろう下品な男口調。鏡の前で裸で立つ三栖が、下卑た表情で喜びを見せていた。

「これが彼女の足・・・彼女の手・・・彼女の胸・・・はぁ・・・。すげえ、たまらないっ!」

 一つ一つ確かめる様になぞっていく。
 これが今の自分の姿。
 来海三栖として生まれ変わった姿なのだ。

「胸も大きい。たぷんたぷん揺れてる・・・。うんっ・・はぁっ・・、揉まれるときもちいい」

 鏡の前で、デへデへっと涎を垂らしながら胸を弄る三栖。自分の両手で胸の形を変えるくらい強く揉んでいる。

「はぁんっ!ヤバ、乳首、勃ってきた・・・こいつ、すごい・・感じやすい」

 セックスした時もそうだと思ったが、三栖は濡れやすく感じやすい。硬くコリコリとした感触ンもある乳首を摘まんで引っ張ると、頭のてっぺんまでビリビリとくる痺れに酔い、子宮の奥がキュンと締まった。

「ひぃんっ!ああ・・・女の声で喘ぐなんて・・想像もしてなかった。ぅ・・・ああ・・・駄目だ・・、こえ、でちゃう・・・」

 ソファーに座りこみ、濡れた秘部に中指を挿入して掻き混ぜながら、乱れる様に乳房と膣内を弄りまわす。あっという間に高揚する三栖の表情。
 愛液がくちゅくちゅとイヤらしい音を響かせ、ピンと勃った乳首に唾液を落として塗り込んでいく。

「うああ・・きもち、いい・・・イク・・・イっちゃう・・・っ!女のカラダで・・・ひぅぅ・・っ!イ、イク・・・いっくうううぅぅぅうぅうう!!…………………くふぅ!・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・これが女の・・・絶頂なの・・か・・・はぁ、はぁ・・・」

 肩で息をしている三栖(俺)。ソファーには少しだけ愛液が垂れた後があった。
 彼女に変身してすぐにイってしまった。
 彼女の悦びを知ってしまった俺は、息を切らしている中でも今まで以上の幸福を味わっていた。


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 今朝出会ったばかりの女子高生、来海三栖が目の前にいる。
 俺が作り出した『皮』なのだが、その姿は紛れもなく本物だ。

「すげえ、肌もモチモチしてる…。本人と変わらないんじゃないか……、いや、本人そのものか」

 マネキンの様に動かない三栖。俺が触りたい放題のダッチワイフ状態。
 下から持ち上げる様に乳房を弾ませて、彼女の胸の大きさを確認する。Dカップ以上はあるだろう彼女の胸は形も崩れておらず、見事なプロポーションを維持している。
 若さと美しさが俺を見た目にも触り心地にも楽しませる。本当に彼女が俺に髪の毛をくれたのが幸運だった。

「いいんだよな…?もっと見たって、たとえば……ココだって…」

 裸なのをいいことに、このままヤることだって出来る。先程まで萎れていた秘部もまた、彼女の膨らみと供に完璧に再現されているのだから。
 俺の女性に対する飽くなき欲求は絶えない。悪魔のような下種な表情を浮かべながら、彼女の大事な部分を勝手に覗きこんでしまう。
 両手で陰裂を広げ、中からクリ〇リスと膣口を覗きこむ。

「これが……彼女のヒダか。綺麗な色してらぁ。やっぱり処女なのかな」

 微妙にアンモニアのにおいが鼻につく。本当に生きているかのようだ。
 でも、実際は実体のない空洞なのだ。空気を送っているだけの彼女は、俺が持ち上げてみると、ひょいと軽々担げるほどだ。移動にはまったく困らないことが分かったが、逆に人間味がなくなってしまったのは虚しかった。

「まあ、いいや。これはこれで楽しめそうだし」

 俺は三栖(皮)をソファーに座らせ、彼女に俺の理想的な体勢にさせるように身体を動かした。なにも抵抗もしない彼女に俺は容赦なく要求するように、両足を両手で抱えてもらい、まんぐり返しをして自らの秘部を思う存分見せつけてもらった。

      
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 身体を小さく丸めているせいか、三栖の身体がムチムチしているのがたまらなくイヤらしい。まるで彼女の方が誘っているように自分で秘部を広げているので、興奮冷めやらない。

「こうしてみると、本当にただのダッチワイフだな。…いいぜ。おまえがなにも言わないんだから、俺は早速おまえの処女を貰ってやるよ!」

 着ていた衣服を脱ぎ、三栖(皮)と同じように裸になった俺は、自らのいきり立つ逸物を、彼女の膣の中へ沈めていった。

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 寒くなる季節、一肌恋しくなる季節。
 しかし、毎年、毎月、毎日変わらない朝の光景がやってくる。
 学生たちは学校へ。社会人は会社に。
 早朝ランニングで町を駆ける老人の姿もかわらない。

 まるで、ニートの俺だけが日常から脱却しているようだ。
 繰り広げられる朝の景色を知らなかった俺、堤紘―つつみひろ―が一晩寝ずに明かした朝の陽ざしを浴びている時の話だ。

「うわ、眩しい。太陽が俺の体力を奪う。日陰はないか?控えなければ……溶けちゃうよぉ~」

 道端にビルはなく、日差しが容赦なく顔に照りつける。
 普通の人には痛くも痒くもない冬の日差しと寒さにやられるくらいなのだから、俺の血には吸血鬼の素でも入っているのではないかと思いたくなる。
 バスの停留所に見つけた雨よけの屋根に飛び込み、日差しがなくなるまで隠れていることにする。

「…しまった。これから日差しは強くなるんじゃないか?」

 このままでは半日も身動きできない硬直状態。日差しに照らされ、身に火傷を負ってでも走って帰った方が有意義な時間が作れるというものではないだろうか。
 曇り空が広がることを待つべきか、雪が降るのを待つべきか、
 そもそも俺は、なぜこんな朝早くに外に出ていたんだっけ・・・?

「……の。……あの」
「ん?」
「バス、行ってしまいますよ?」

 俺を気遣ってくれているのか、確かに停留所にはバスが一台やってきていた。目的地へ向かい各々乗り込む乗客に、俺は目を背けて行くように合図した。

「発車オーライ」

 停留所から出発するバス。俺と彼女たち数名を残してバスは出発した。

「きみ達、乗らなかったの?」
「私たちは次のバスですから」

      
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 制服に身を包んだ彼女たちは女子高生だとわかった。
 落ちついた容姿は気品高く、制服は数ある名門の女子高校だったことを思い出した。

「具合悪そうですが、大丈夫ですか?」

 俺に声をかけてくれるのは一人だけで、他の生徒は近寄り難そうにしている。
 俺の雰囲気がそうさせるのは分かっている。何故なら俺は悲しき吸血鬼…。

「なにか、パンでも食べますか?」
「……ち、血をくれ…」
「乳……牛乳ですか?」
「ちがう…」
「乳……すみません。わたし、まだ出ないんです……っ!なんてこといわせるんですか!?あなた、変態ですか?」
「聞いてねええ!」

 何故、会って早々の女とコントをしなければならないんだ。

「きみの血をくれえぇぇ!!」
「血?……やっぱり、変態ですね!警察呼びますよ、悲鳴をあげます」
「…もう、いい。あっちいけ。確認している暇があったら逃げてくれ」

 大きなため息が出る。疲れと眠気が最高潮に達する。

「……ごめんなさい」
「なんで謝ってるんだ?」
「あなた、優しそうな目をしてるから」
「それは褒めてるつもりか?」
「はい、女性にとって優しい男性はモテますよ?」
「優しそうな目をしててもホイホイついていっちゃ駄目だぞ。今の世の中はきみの考えているより物騒なもんだぞ」
「そういうところが優しいと思います。優しい気遣い」
「……」

 そんなこと言われたこと一度もないから逆に言葉を失ってしまう。
 なんだ、この流れは?ギャルゲー突入か?
 世間知らずの箱入り娘と自称、吸血鬼の二人が繰り出すどたばたラヴコメディ、『深淵の魔王と木箱と子猫ん―nototon!―』

 …………。
 ないな。うん、ない。

「バスきたよ!三栖―みすみぃ―!」
「はーい」
「Good night―グナイ―!」
「まだ起きたばかりですよ?」

 手をあげて、これっきりの出会いを惜しむように手をあげる。
 顔を向けていない俺だったが、俺の元に放れる気配のない彼女(三栖って言われたっけ?)に顔を向けると、最後に彼女は俺に微笑んで見せた。

「バス来ただろ?早く行けよ」

 俺が乗りそうにもないことを察した彼女は、何を思ったのか髪の毛をかき分けて、抜けた髪の毛を一本差し出してきたのだ。

「血はあげられないけど、はい」
「髪の毛?」
「これで飢えを凌いでください」
「俺はゴキブリかなにかか?」
「髪の毛についた栄養で一週間持つそうです」
「俺はゴキブリかなにかか?」
「さらに私の髪の毛長いから、きっと一ヶ月持ちます」

 ああ、俺は変なことを言わずに彼女からパンを食べさせてもらっていたら、一年はきっと生きられたと思う。
 彼女の中で俺は超人の胃袋を持つ男らしい。
 ……ねえよ。

「三栖。来海三栖―くるみみすみ―。一ヶ月後にまたお会いしましょう。食料をあげます」
「髪の毛だったらぶっ飛ばす」
「ばす……バス!?危ない!乗りますー!」
「おぉい!!」

 急いで消えていく三栖。俺だけを残して停留所には誰もいなくなる。バスが発車していく後ろ姿を、俺は何故か消えるまで目で追いかけていた。

「髪の毛……どうするか?」

 三栖から貰った髪の毛。ふと力を緩めれば、風で吹かれて飛んでいきそうなほど細かい赤みがかった茶色の毛。
 食べるわけにもいかないので、鼻にもっていってにおいを嗅ぐ。

「クンクン。高級のシャンプーを使っているフローラルな香りが食欲を注ぐ……って変態か、俺は……」

 寒い、寒すぎる。静かすぎる朝は俺のテンションに合わない。ココにいれば俺はもっとダメになると察し、日差しに当たるのを最小限に、俺は全速力で家まで駆け抜けていった。


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