純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

カテゴリ:グノーグレイヴ『憑依・乗っ取り』 > 飲み薬『大雨の中の告白』

「(これぐらい出れば十分だろう。未央の抱くの恋心と供に吐き出されて、夕菜先輩を忘れて次の相手を探すだろう)」

 フェラをした夕菜(美弥)が口に吐き出された精液を飲みほして身なりを整えた。

「ありがとう、未央くん。私を好きになってくれて」

 これが叶わぬ恋だとしても、すっきりとした気持ちのいい別れをしたい。
 全てを出しきってやり尽くしたと思った未央に、夕菜(美弥)はくるりと踵を返した。
 火照った身体に雨がちょうどいい。冷たいというより、熱くなった身体を心地良く涼してくれる。濡れた制服が渇くまで夕菜には迷惑をかけるけれど仕方がない。
 これで、親友の未央の暴走が止められるのだ――。

「……まだだ、まだ終わらんよ」

 背後で唸る未央の低い声が耳に入る。振り返るよりも先に、夕菜(美弥)の身体に未央が抱きついてきたのだ。
 男の美弥の時よりもしっかりと放さないように、まるで夕菜にしがみ付くように強い抱擁だった。

「お、おいっ!?」

      
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 首だけ後ろを向けば、未央が夕菜のにおいを嗅ぐように目を閉じて鼻をヒクヒクと動かしていた。髪から流れる露を舐め、味とにおいで堪能しながら制服の上からゆっくりと身体を弄りだす。

「先輩……ハァ…こんな、ことしてくれて、先輩は何もしなくていいんですか?」
「はっ、あぁぁ……」

 濡れた制服は夕菜の身体のラインに張り付き、浮き彫りにさせていた。冷たくなった身体は触覚を敏感にさせており、未央が触る場所に異様なほどに反応してしまっていた。

「先輩だって、こんなに感じているじゃないですか?」
「や、やめ……ひゃあっ!」

 未央が夕菜の乳房を掴む。鷲掴んでブラの中から乳房をはみ出させると、器用に乳首を掘り起こして制服越しにゴリゴリと擦り潰しだしたのだ。
 ビリビリと夕菜の乳首から放たれる刺激が心地いい。夕菜(美弥)の動きが次第に硬くなっていった。

「ん・・・乳首、こんなに硬くしてるじゃないですか。先輩、イヤらしいですね」
「そ、それはお前の触り方がイヤらしくて……んふぅ!」
「俺、そんなに先輩を気持ち良くしてるんですか?だったら、もっと先輩を気持ち良くしてあげますよ」

 まるで解き放たれた猟犬のように、夕菜の身体を弄りまくっていく。フェラをしてしまった手前、頭が沸騰して暴走を犯してしまったのかもしれない、未央の様子が今までよりも怖い。

「やめ、ふあっ……みお!」
「先輩のにおい…先輩の生足……そしてここが、先輩のアソコ……」
「あっ!」

 生足を滑っていた手がスカートの中に忍び込み、夕菜の秘部をショーツの上からノックしていた。雨で濡れたとは思えない、生温かな液体をショーツ越しに感じ取り、未央の鼻息を荒くしていた。

「ふっ…ハアァ……先輩、濡れてますよね、これ?」

 下着越しに恥丘に手を這わせる。ふっくらした感触を未央は堪能しながら指先を伸ばして陰唇をそっとなぞった。

「ふぁぁぁ!!」

 それだけで夕菜(美弥)は身体を震わせて、未央の手に自分の指を重ねてきた。陰裂をなぞる指を必死に抑えつけるようにして、それ以上の事をさせないように拒絶の意志をみせていた。

「ダメ……これ以上は……ぁぁっ…」

 意志を見せてもそれ以上に未央の先を促す行為に身を委ねそうになる。乳房を捏ねるように愛撫し、硬く勃起した乳首を指先で転がすと、夕菜(美弥)は熱い吐息を零した。
 水に濡れて張り付いた下着越しに、さらに熱く火照った淫裂の感触が伝わってくる。

「気持ちいいんでしょう?」
「ぅ……っくぅぅん……」

 きもちいい……首を縦に振って同意したい衝動を、美弥は必死に繋ぎとめる。
 夕菜の身体でこれ以上のことをしてしまったら可哀想だ。憑依していることに罪悪感がないわけじゃない。でも、それは未央のためを想ってのことだ。
 未央の振られた傷を最小限にするため、そして夕菜が振った傷を最小限にするため。
 少しだけしか関わっていない美弥が夕菜を想う気持ちは、長く親友として付き合ってきた未央と同等の感情を抱くために爆発的な感情を昂る計算になる。
 
「(そうか……俺、夕菜先輩のことを守りたいんだ)」

 例え親友であったとしても、彼氏がいたとしても、美弥の許可なしに夕菜の身体を傷つけさせはしない。
 やりたいと盛っている犬のような未央に、犯されるわけにはいかない。
 調子に乗って逸物を回復させいきり立たせ、今にも夕菜の膣内に挿入しようとしている未央を一瞬で萎えさせる。
 大雨の中で夕菜(美弥)は心の内を打ち明けた。


「いい加減にしろ、バカ野郎!!!!!!」


 未央の目が点になる。なにが起こったのか分からないと言わんばかりに表情が曇っている。

「……………………はっ?」
「おまえ、まだ分かんねえのか?」
「……ハイ……ハイ?」

 急に男口調になった夕菜に未央の思考がついていっていなかった。二重人格、別人。実は男…。
 様々な可能性を想い浮かべては雨に流され消えていく。
 正解が分からず、空気がぶち壊れたことを確信した夕菜(美弥)は小さくため息をついて告白した。

「俺だ、未央。美弥だよ」
「……………………はあああぁ!!?」

 信じられない、という言葉を「は」と「あ」だけで表現した未央。まだその答えの意味が分かっていなかった。

「いつから?」
「最初から」
「最初は先輩だった!口調が全然ちげえじゃん!」
「記憶を読めばそれくらい朝飯前だ。第一、おまえ先輩と話したことないじゃねえか。先輩の話し方なんか分かんないだろ?」
「ぐぬぬ、何故それを知ってる………はっ!き、記憶を読んだのか」
「そういうこと」

 少しずつ美弥との喋り方に変わってくる未央。目の前にいるのが夕菜であっても、美弥と話をしているように気兼ねなくバカな話ができるようになる。

「じゃあ、本当におまえは……みや。なのか?
「そうだよ」
「……まんまみ~や」

 相当ショックだったのか、それとも告白のショックが変換したのか、足の力が抜けたように崩れ落ちていた。
そしてその後に出てくる苦笑い。よほど緊張していたのがわかった。

「あは、あはは……なんだか、告白したけどどうでもよくなった。振られたけど気にすることなかった……」
「よかったな、プラマイ0だな」
「その代わり、俺の中に、怒りが湧いてきてるんだが……なんだよ、それええええ!!!」
「雨の中五月蠅い奴だなあ」
「理解できても納得できるはずがねえ!!俺の先輩を返せ!!」
「お前の先輩は初めて会話を交わした後輩に会ってすぐフェラをする淫らん女なのかよ?」
「うぐぐ……ぐ、あああああああ――――!!!!」

 まるでテレフォンセックスで現実を知った時に味わう奇声をあげたみたいだ。
 現実とは非情である。
 泥の中で蹲りながら頭を抱えて転がる未央がみるみる茶色に染まっていった。



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「・・・イヤ」

 放課後、もう一度頭を下げに行った美弥に、夕菜ははっきりと拒否をした。

「だよな・・・」

 雨の中、誰が好き好んで外に出たいというだろうか。しかも見ず知らずの未央の告白。時と場合を選ばない未央に既に告白の答えが見えている気がしてならない。

「告白せずに振られるなんて……未央、おまえはすげえよ」

 始まってもいないのに終わっていた。

「あ、いえ。……できれば、日を改めてほしいとだけ伝えてくれませんか?」

 それでも話を聞いてくれるという健気な態度をとる夕菜にほどほど感心する美弥。
 無理をさせることは出来ないと、美弥は静かに夕菜の前から立ち去った。

「さて……どうするか……」

 告白に躍起になっている未央に今更日を改めろというのは心苦しい。しかし、相手の立場にとってみれば、夕菜の言い分の方が正論だ。
 クラスからよく思われていない美弥と未央。常識とは縁もゆかりもなかったからこそ悪目立ちをしてしまったところが多々あるのだ。

「(…いや、俺はどっちかって言ったら未央の暴走に付き合っただけなんだけどな……)」

 溜め息を吐いて、二者択一の選択を迫られる。
 親友の未央を取り、今日告白されて大雨の下で潔く玉砕される方を取るか、それとも先輩の夕菜を取り、日を改めて青空の下で潔く玉砕される方を取るか――、

「どっちも玉砕してるんだよなwww。それはそれで面白いけど……、親友のためだもんな、仕方がない」

 時間もまたあまりない。男子トイレに駆け込んだ美弥は今まで大事に取っていた、『飲み薬』をポケットから取り出した。
 この『飲み薬』は飲むと身体と精神が一時的に放れることができ、幽体となって行動することができるものである。
 幽体なので誰かに姿を見られることもない。物に触れることや掴むことはできないが、壁や扉をすり抜けることができるのである。
 幽霊体験である。生霊となって現世を彷徨い、阿の世と此の世の世界を同時に体験することができる門外不出の妙薬。
 それがとある場所で生産されている。美弥は買い始めてから何度も試したこともある『飲み薬』の効果を知っている。
 今まで一人だけで楽しんでいた『飲み薬』を、今回は初めて親友の未央のために使おうと思ったのだ。
 ボトルを回して蓋を開ける。そして、中に入っていた黄色い液体をゴクゴクと飲み始めた。
 飲んでいくにつれて、美弥の意識が朦朧としていき、ふわっと身体が軽くなったように感じた。 それはまるで空を飛んでいるような感覚だった。
 水の中にいても息苦しくない、そんな普段じゃ体験できない未知の感覚。幼年時代、いつか叶うと思っていた――『子供の夢』だ。

「…………」

 目を開けて身体を起こすと、いつの間にか美弥は全裸になっていた!制服を脱いだ記憶はなく、まるで身に付けていたもの全てが身体から抜け落ちたようである。その実態は、美弥が下を見下ろすと、自分の真下には服を着た自分の姿が見えたのだった。
 洋式トイレに座りこんで俯いて『飲み薬』の空瓶を床に転がした自分がいたのだ。表情は見えないが、眠っているように規則正しい寝息だけが微かに聞こえた。

「うまくいったんだ……」

 美弥は自分が幽体になったことを確信して、空中を泳ぐようにして身体を伸ばした。スピードがついていき、障害物となる壁が目の前に迫るも、美弥は気にすることなく壁に突っ込んでいく。そして、自分の身体が壁とぶつかった瞬間、壁をすり抜けて廊下へと飛び出していった。
 透明人間でもない、幽体になった自分の身体。廊下に飛び出し生徒たちに全裸を曝されても、誰も驚くことなく普通の生活をしていた。
 美弥に誰も気付かない。友達と話しながら賑わう先輩達を横目に見ながら通り過ぎる。
 放課後、帰宅する生徒たちもいる。
 急いで夕菜を探す美弥。別れたばかりとはいえ、思った以上に美弥を焦らせる。
 教室にいなく、鞄もなかったため、もう帰路についてしまったのかと急いで下駄箱まで走る。
 学校の下駄箱は一人一人枠で遮られているが、扉がついているものではない。神山夕菜の靴が未だ下駄箱まで入っていたので、学校内にいることだけは確かだ。

「おかしいな。どこにいったんだよ?」

 失速しながらもとの場所に戻って来た時、美弥の目には女子トイレから出てくる夕菜の姿を見つけた。

「いたいた。まさか同じようにトイレに入っていたとは思わなかった」
 
 背後にいる美弥に気付くことなく、夕菜は静かに学校を出ようと一階まで下りていく。
 教室に戻ることもなく、そのまま下駄箱に向かっているのだと察した。

「――ごめんな。神山先輩」

 美弥が一言断っておく。もちろん、その声は夕菜に聞こえることはない。

「未央のためだ。悪く思わないでくれ」

 幽体になった美弥が体験できる幽霊体験。その最たる遊びは、『憑依』ができること。
 此の世では体験できない他人への憑依を『飲み薬』は可能にする。
 美弥はそのことを何度も試して知っていた。
 今回もまた、普段と同じように自分の幽体を夕菜の身体に重ねていった。
 通り過ぎるのではなく、夕菜の身体に入り込むようにその場にとどまる。すると、夕菜の身体がビクンと大きく震えて立ち止まった。

「ああっ!」

 夕菜が珍しくあげる悲鳴。長身の夕菜が天井を向いて身体を強張る。それでも、夕菜の身体に美弥の幽体が入り込もうとする。夕菜に抵抗できるはずもなく、どうしようもない中で突然、美弥の幽体が夕菜に吸い込まれていくように消えていった。
 そして、美弥の幽体が完全に夕菜に見えなくなると、夕菜の震えも収まった。
 まるで自分の身に何が起こったのかを確認するように、立ち止まったまま視線を落として身体を確認した。制服の上から膨らむ二つの胸板。そして、その下に穿いているスカートの涼しさを鮮明に感じる。
 頭の髪の毛を束ねたポニーテールが顔に触れる。
 目に映る視界は今までよりもはっきり見えた。

 今までと違う身体の特徴。それは、この身体で初めて味わう感覚そのもの。
 一学年上の先輩に憑依して興奮したままの状態で、夕菜は自分でも浮かべたことのないニヤリという卑しい笑みを浮かべていた。

「神山先輩、 しばらく身体を貸してもらうよ」

 美弥は憑依が成功したことに興奮し、夕菜の声でそうつぶやいた。
 楽しそうに微笑みながらゆっくりと両手で胸を揉む。両手にブラウスの生地の感触が伝わり、その奥にある柔らかい胸の弾力が伝わってくる。

「ああっ!」


 夕菜(美弥)は小さく声を出した。胸を揉まれる感触と、揉んでいる手の感触が伝わる。


「きもちいい・・・」

 廊下で胸を揉んでうっとりとした声を漏らす夕菜(美弥)にまわりからの視線が刺さる。ふと我に返って続きをトイレでやろうと思ったものの、雨の中で待っているであろう未央を想うと、遊んでいる時間はなさそうだった。

「くそぅ。待ってろよ、未央。すぐに告白を断ってやるからな!!」

 雨が降っている中、どれが夕菜の傘かも分からない。夕菜は中庭に出て大雨の中を傘も差さずに飛び出していった。

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「なあ、なあ、美弥~―みや―」

 舞編美弥―まいあみみや―に抱きつくように、松本未央―もつもとみお―が甘えてきた。
 二人とも名前が女の子っぽいが、男である。その描写はとても気持ちの悪いものである。

「なんだよ、きもち悪いな」
「なんだよ、不躾な態度だな。酷くない?」
「女々しいんだよ」
「そうなんだよ。今の俺は女々しいんだよ!」

 未央の話を美弥が聞くと、どうやら恋の悩みらしい。
 本当に女々しい奴である。

「学年一つ上に神山夕菜―かみやまゆうな―って先輩がいるんだけど知ってるか?」
「知らない」
「ハッ――!」
「鼻でわらやがった…」
「お前はそれだから駄目なんだよ。もっと人に関心をもって――」
「俺、中庭行っていい?」
「ちょ、待てよ!話はこれからじゃねえか」

 くぎゅうぅぅぅ~っと、未央のお腹に乗った贅肉が美弥の背中にくっつく。熱くて苦しくてたまらなかった。
 振り払うようにして美弥は未央から距離を取った。

「話は簡潔に端的にしてくれ。じゃなきゃ眠くなる」

 「よし、わかった」と未央は告白するかのように意気込んだ。

「好きなんだ。付き合いてえ」
「俺に言うな」
「お前にしか言えねえんだ!」
「そんな、急に告白されても困る…」
「頼む、美弥。付き合ってくれ!」
「だから……えっ、それ、本気で言ってるの?」
「本気なんだ。マジなんだ!これが、愛なんだ!」

 未央の本気の告白を聞いて周囲がドン引きしていた。それを察して美弥がさらに未央からドン引きしていた。

「ごめん、お前とは付き合えない。つうか、付き合いたくねえ」
「そんな……俺を一人にしないでくれ!!」

 胸に飛び込んでくる未央を美弥が上段蹴りでたたき落とした。

「いい加減にしろ、この変態が!ホモ!」
「おう、ヒドイ……」

 畳みかけて踏みつけ攻撃をする美弥の猛攻を耐えた未央がムクリと起き上がった。

「ぜぇ…はぁ……た、頼む……お前だけなんだ……おまえ、だけが……俺の、親友……」
「今日限りで親友から他人に降格な」
「知人でもねえ!!……縮んでもなくてむしろ広がってる…………」

 本当にショックを受けている。もっと楽しみたいのだが、本題に入れない。

「で、なんの話だっけ?」
「本題を忘れて俺を蹴飛ばしたんかい!!」
「だって、俺を襲いかかってきたじゃねえか。……ホモぅ?」
「違うっての!夕菜先輩と付き合いたいって話じゃねえか!」

 あっ、そうだったと本気で忘れていた美弥。途中から未央に告白されていて先輩の話はすっかり抜け落ちていた。

「美弥には俺が未央先輩と付き合うために協力してほしいって言ってるんじゃねえか」
「あ、あぁ……(そうだったの?)」

 周囲から誤解させた告白も未央は気付いていないに違いない。あれが協力の要請なら未央が夕菜先輩に告白する時はいったいどんな誤解を招いて周囲をドン引きさせるのかが楽しみ――。

「それ完全に俺、失恋してますよね!!?」
「あれ、聞こえてた?」

 美弥の顔に描いてあったという。テンパっているように見えて冷静な未央であった。

「で、協力って俺はなにをすればいい?」
「んー。それはお前にまかせるよ」
「はあっ!?」

 で、でたああああぁぁぁ!!?協力を求めていながら内容は他力本願のやつぅぅぅ~!!
 めちゃくちゃ迷惑。迷惑千万だ!!!

「いいか。お前のアシストで俺の告白の成功率がグッと跳ねあがるんだ。期待してるぜ!」
「そんな期待した目で見られても困る、マジで」
「失敗したら承知しないぞ!」
「完全に失恋したら俺のせいにする気マンマンだな、こ〇すぞ」

 この時、美弥の心の内は失敗しても成功しても迷惑を被りそうな予感がした。
 協力しておきながら無償の提供を望むのなら、(自称)親友だとしても一矢報いなければ俺が救えない。
 怒りと期待を背負った声で、未央にまず一言伝えた。

「よし、わかった。なら、今日中になんとかしてやる」
「うひょお~マジかよ!!?どうしよう~緊張してきたあああ!!やあ、マジ早くね?やっぱ今日はやめて明日にしようぜぇ~?きゃああああ!!?でも待って!!この心臓の破裂音、今すぐに止めたい、わあああ!!うるさくてうるさくてたまんねえ!!、この音を聞いて夜になったら泣いちゃうかもしれないよぉ!!どうしたらいいんだよ~どうしたらいいんだよ~なんとかしてくれよ~美弥ああああ!!」
「放課後!!校庭の樹齢の木の下で待ってろ!俺が連れて来てやんよ」
「おいおいマジかよ!?校庭の樹の下なんてムードあるじゃねえか?俺でもときめいちゃいそうなシチュエーションじゃねえかよ!?それなら今から俺が『校庭の樹齢の木の下で告白すると、必ず恋が成功する』って噂流しておかないとな!放課後までに全校に知れ渡るかなああ?やってみないと分かんねえよなあ?ややっ、今から忙しいじゃねえか」

 お前のやるべきことはそんなことじゃなくね?
 というつっこみをするのも面倒なので、美弥はそのまま浮かれる未央を置いて学年上の階に足を運ぶのだった。
 どうせ失敗しても、笑われるのは未央なのだからと――。
 好きにしてくれと足がるに夕菜のもとへ向かったのだった。

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