純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

カテゴリ:グノーグレイヴ『他者変身』 > 粘土『フェイスマスク』

「なんだか不思議ね。私が私のおま〇こを犯そうとしているなんて」

 じゅるじゅるに濡れている秘部を見て涼香(和浩)はイヤらしく嗤う。涼香が和浩になりきり、自分のおま〇こに肉棒を欲しがっているのだ。
 和浩にとって念願の、涼香の秘部をもらう。当の涼香本人もそれを望んでいると許可が下りたのだ。
 それだけ和浩も涼香本人になりきっている。いや、涼香そのものなのだ。
 首から上と下がまったく別人だとしても、異性を求める欲望だけは変わらない。

「お姉ちゃん……」
「お待ちかねのおち〇ち〇……挿入れちゃうよ。ああん!!」

 ぬちゅっと水気が肉棒に纏わり付き、肉襞の穴の中に挿入する。ねっとりとした温かい粘液がすぐに肉棒を包み込み、温かな湿気と空間が絶妙な快感を生み出す。

「くっ、うわぁっ…!」
「ん…ほらっ、はいった……うふふ、私のおま〇こ、和浩の童貞おち〇ち〇に処女奪われちゃった」
「ひぐぅ…んああっ!」
「あぁ…ぜんぶ入ったぁ……。和浩のおち〇ち〇。お姉ちゃんのおま〇こにぴったり吸いついてきて、きもちいいよぉ」

 涼香(和浩)が腰を突く度に膣が揺さぶられて、中の触手に似たイボ状の突起が亀頭にぶつかって快感に震わせる。

「おおお、おねえちゃぁん…ま〇こ……あつくて、柔らかくて、ひぅっ!!ぁぁ……蕩けちゃいそうだよぉ」
「和浩のおち〇ち〇も、溶けちゃいそう。こんなの、あぅぅ…ダメ、止まらないよぉ」

 身体に溜まる快感が今にも爆発しそうで、止めなくちゃいけないと思っても腰が止まらない涼香(和浩)のピストン運動。
 和浩にとって初めての感覚。盛りのついた猿のように、快感から逃れることをしなかった。今更、腰を止めても涼香の膣内に溢れる愛液に溺れて亀頭の先から精液を爆発させることには変わらない。それならいっそのこと腰を振り続けて、子宮の奥まで精液を爆発させた方がより快感が強いと睨んだのだ。

「アアン!もう限界。和浩のおち〇ち〇から、でちゃう…。精液でちゃう!!」
「お姉ちゃん……おねえちゃんの身体のナカに、俺の精液出していいの?」

 和浩(涼香)が涼香(和浩)を察するように一度問いかけた。その場で嬉々として腰を振り続ける涼香(和浩)に、後のことを案じて問いかけたようだ。
 弟としての優しさを見せる和浩(涼香)。でも、涼香(和浩)の方は感情を抑えることがもはや出来なかった。

「いいよぉっ!和浩のおま〇こに、私の精液ビュッビュ出したの!いいでしょう!?」

 姉の立場から言われてしまうと自分の意志を飲み込んでしまう和浩(涼香)。その場に流されて、なにも言えなくなってしまった。

「いいよね?もともと私の身体だもん!精子全部注がしてぇ!!」
「姉ちゃん……う、ぁぁぁっ!うわああああ!!」
「ハァ!ハァ……!アアん!!もうダメぇ!でるぅぅ!!精子でるぅ!!はうぁあぁあぁぁぁ!!!」
「んはぁぁぁああ!!出てるぅ!いっぱいでて…俺の精子が、子宮にいっぱいでてるっ!!」

 涼香(和浩)が男性として、そして和浩(涼香)が女性としての快感を浴びる。
 オナニーなんかより、男性としてより、涼香として激しくイッた和浩。それはまるで、今まで女性としてのオナニーで味わった快感なんかよりも、新鮮でとても強い快感が走ったような気がした。
 同じように和浩(涼香)もまた、女性としての快感を新鮮な感覚で味わえたのか、子宮に注がれた精子にお腹をいっぱいにしながら、ビクンと身体を震わせて、お腹にたまる精液の感覚を味わっていた。

「まだでてるぅ……おち〇ち〇、脈打ってて……あれだけ出したのに、こんなに出るなんて……子供が出来ちゃったらどうしよう」

 一時の快感に戸惑う和浩(涼香)。自分の身体から零れる精液が現実へと戻させる。男性として味わう女性の身体。子供が出来た時に和浩(涼香)が育てなければいけないことまで想像しているみたいだ。

「大丈夫だよ、和浩……お姉ちゃんも一緒に子供の面倒見てあげるから。だから心配しないで、今を楽しみましょう」

 和浩(涼香)を抱きしめるように上から覆いかぶさり、安心させるようにゆっくり腰を動かし始める。膣の中で吐き出した逸物が、再び最後の力を振り絞るように大きくなる。

「ひあっ!ウソっ!おねえちゃん……また、大きくなってる……」
「お姉ちゃん、頑張るから。ンッ…あんっ!すごい、一回出してるから敏感になってる……」

 幼い和浩の逸物だ。膣の中では二度目の射精も遅くない。膨らんできている逸物が、再びイボに当たっただけでも、絶頂へ到達しそうになって腰を引いてしまう。
 それほど和浩の逸物は早尿だった。

「和浩のおち〇ち〇、ンっくぅ……痛いほど敏感。……もぅ……」

 やっぱり、一回腰を引いて、回復してから入れ直す。そうしようと涼香(和浩)が腰を引いた途端。和浩(涼香)が涼香(和浩)の背中に手を回して、熱くギュッと抱き寄せたのだ。涼香の手で和浩の身体に触れる。そして、和浩(涼香)の方から腰を動かし始めた。

「もっとぉ…もっと腰を激しく振ってよ!お姉ちゃんの子宮をいっぱい突いて!」

 それはまるで、涼香本人の声に聞こえ、涼香自らおま〇こを締めつけ、和浩の肉棒を放さないようにしているようだった。胸板に当たる柔らかな肉感。二つの山のてっぺんに突起する乳首が押し上げ、和浩の乳首にぶつかった。

「もうだめぇ、我慢できないよ!!お姉ちゃんの身体、気持ちよくて、もっとおち〇ち〇しゃぶりたいんだよ!もっといっぱい爆発させて!子宮に精液流し込ませて!!」

 涙を浮かべて感情を爆発させ、涼香(和浩)に語りかける和浩(涼香)。それを聞いて涼香(和浩)もまた我慢できなくなり、精いっぱいに腰を降り始めた。

「わかったよ。一緒にイこう。いっぱいいっぱい気持ち良くなろう!」

 ギシギシとベッドが軋み、涼香の乳房が激しく揺れる。
 子宮を突き続ける涼香(和浩)。ビリビリと脳の奥まで響く刺激にやられて、抱きしめる手に力が入る。足も身体に巻きつけて、何度いっても逃がさないように抑える和浩(涼香)の中で、涼香(和浩)は何度イッタか覚えてないほどの絶頂を到達する。

「くはぁぁぁ!んくうぅん!!んはぁあああっ!イク、いくうううう!おま〇こが締めつけてえええ!!あああぁぁ!!射精が止まらないよぉぉぉぉ!!」

 男性の射精を連続で味わい、新鮮さが相まって思わず失神してしまいそうな感覚に陥る。女性だけだと思っていた失神を男性として味わうことになるとは思ってもいなかった。

「ぐふうぅっ!!ンンぅ……ふにぃぃ」
「大量の精液が流れ込んでくるよ。あつぅい。ハァ……ハァァァン………」

 姉弟で激しく絶頂を味わった二人。身体は違えど、この時ばかりはまるでこれが自分の身体だったように激しい夜を過ごしていた。

「いっぱい……出たね、お姉ちゃん……」
「ハァ…ハァ……」
「お姉ちゃんが満足するまで、精子が空っぽになるまで射精して良いから。お姉ちゃんの身体だから。俺を好きに使っていいよ……」

 自分の身体を差しだして、姉の欲求を満たすためだけに射精させる。
 和浩(涼香)がポロッと発した言葉が、この後の和浩の人生を大きく左右することになる。
 姉を好きでいても、決して彼氏になることは出来ない。いずれ姉にも好きな人ができ、結婚して自分の傍から離れていってしまう時が必ずくる。
 でも、それまででも良い――姉の欲求を満たすための必要な関係を、これから和浩は築いていく。



続きを読む

 皆が寝静まったのを待って、和浩は行動を開始した。夜遅くまで起きていることが得意ではなかったとはいえ、これからしようとしていることに興奮を覚えている和浩にとって眠りに付けという方が難しかった。
 手に持っている『マスク』を持って、和浩は涼香の部屋を訪れた。
 小さく扉を開けて、極力最小限の動きで涼香に近づく。足音も殺して、涼香の眠りを妨げないように注意しながらすすり寄る。和浩は涼香が目覚めることなく近づくことが出来た。暗闇の中でも涼香がベッドの布団にもぐって眠っているのがわかった。まだ目覚めさせるのは早いものの、本当に眠っているのかを確認するために声をかけた。

「お姉ちゃん」

 甲高い女性の声で涼香を呼びかける。もし意識があった場合、目を覚まさないはずがないと和浩は思っていた。和浩が発した声は、涼香本人の声なのだから。和博は涼香の『マスク』を付けたまま涼香の部屋まで訪れたのだ。そして、もしこの声で目が覚めた場合、涼香は自分の顔と御対面して二重の驚きを見せるはずだった。これで起きないはずがないと和浩は思っていた。

「すぅ……ぅ~ん……」

 眠っていた。起きなかった。熟睡だった。
 気付かなかった。
 和浩は改めて計画を実行しようとしていた。手にした『マスク』に力が入った。この時の為に用意した、和浩の『顔マスク』だった。それを、涼香の顔に取りつけたのだ。
 被せるというより、くっつけるように。貼り合わせるように涼香の顔を毛布から出して『マスク』に宛がわせると、『マスク』の方から涼香の顔を覆っていき、ものの数秒で涼香の布団から顔を出しているのは、和浩の顔になったのだ。
 顔だけは和浩だが、身体は涼香の着ていたパジャマのまま。もちろん、身体に変化があったわけではない。変化があったのはマスクの覆った首から上だけだた。

「ぐぅ……ぐぅ……」

 寝声もどこか男性っぽい。しかし、寝息は思った以上に涼香と変わらなかった。それは年齢もあれば血筋も関係ある。姉弟だからどこか似ているのかもしれない。

「和浩、起きて!!」

 電気を付けて、涼香の身体を揺さぶった。途端に涼香は目を覚ました。

「なに、どうしたの、『お姉ちゃん』?」

 目を覚ました涼香が和浩に寝ぼけ眼を向けていた。その言葉に和浩はニヤリとした。
 頭だけ変化した和浩。だが、それはつまり、脳もまた変化していた。和浩が涼香の記憶を得たように、涼香も和浩として知識を得てしまったのである。状況がわからないまま、持っている知識で和浩を呼び掛ける涼香にとって、誤認してしまったことが十分にあり得た。そして、とどめとして――

「わたし達のカラダ、入れ替わっちゃったの!?」

 和浩は涼香に身体の方が入れ替わったのだと信じ込ませた。


※ここからは、(身体:和浩((顔:涼香))と明記します。


「ええぇ!!?どうしてこんなことになるんだよ!?」

 飛び起きた涼香(和浩)が慌てふためく。和浩(涼香)の言ったことを真に受けたのはもともと涼香に天然が入っているせいだからか、性格までは完全には複写できないようだ。

「本当だ。俺のカラダ、お姉ちゃんのカラダになってる」

 パジャマを見て普段着ているパジャマと違うことや、背丈が微妙に大きくなっていることに気付き、眠っていた脳が覚醒し始める。
 男性として、女体を手に入れた(と思っている)涼香(和浩)は、パジャマ越しに股間を撫でて秘部の有無を確かめた。

「……ない!あるべきものがない!」

 和浩(涼香)を前にそういうことを言っちゃうところが天然であり、和浩そっくりだった。血は争えないみたいだ。

(うーん、おもしろいな。今度別の誰かに使ってみようかな)

 そう思っていた涼香(和浩)が、目の前で混乱している和浩(涼香)に諭すように近づく。

「ねえ、和浩」
「姉ちゃん」
「この身体で、私とセックスしてみない?」
「えっ、えええっっ!!!?」

 突然の提案に夜とはいえ大声をあげる和浩(涼香)。両親が起きてこないか不安だったが、その心配はなく、まわりが起きる気配は感じなかった。

「いいじゃない。わたし、和浩の身体に興味あるんだ」

 努めて冷静に、顔だけ涼香の自分の身体を、さも涼香が触るような優しいタッチでなぞりあげる。

「和浩って運動やってるだけあって筋肉あるよね?男の子としては格好良いと思ってたんだ。きっと私より体力あるんだろうな」

 パジャマを脱いで裸になる涼香(和浩)。顔は可愛い女性の顔立ちなのに、身体はまさしく男勝りの筋肉のついた逞しいものだった。格好つけるように腕を曲げて浮き出る上腕二頭筋で力こぶを見せつける。顔と身体のアンバランスさが際立つものの、目の前で自分の身体を姉である涼香が使っていると認識させることで、和浩(涼香)の息が荒くなっていった。

「お腹だって割れてるし、胸も膨らんでない。無駄なお肉がなにもないのね。羨ましいな」
「そ、んな、褒めることじゃないよ……」
「えー?」
「男は太ったらみっともないけど、女は少しくらいふくよかな方が可愛い……」

 姉ちゃんみたいに、と顔を真っ赤にしながら小声で言っている和浩(涼香)が可愛らしい。本当に和浩になりきっている涼香。自分の本音も言ってしまうほど和浩(涼香)は涼香(和浩)に関心を示していた。
 涼香が好きだったからこそ、どういえば和浩を喜ばせられるのか手に取るように分かってしまう。

「見てよ、これ。和浩のおち〇ち〇」
「あっ!」

 和浩(涼香)が小さく悲鳴を上げた。涼香の顔の下で、存在感を見せるように、パンツの中から大きくはみ出していた。
 それを見て恥ずかしいのは和浩(涼香)の方だった。

「ご、ご、ごめん!見ないで!」
「いいじゃない。私は可愛いと思うよ、イイ子イイ子」
「ハゥ!」

 亀頭を撫でてやると、何故か和浩(涼香)が喘いでいた。感受性が豊かである。

「あっ、スゴイ……和浩のおち〇ち〇。撫でただけで、気持ちよくなってきちゃった。私が気持ち良くなると大きくなっちゃうから、見られるとちょっと恥ずかしいな」

 感じていることを隠すことのできない逸物に、涼香(和浩)が頬を赤らめる。その仕草や照れ方が完璧に涼香を模倣し、和浩(涼香)の瞳に焼きつける。可愛すぎる姉の仕草に遂に観念できなくなったのか、和浩(涼香)は我慢できなくなったように身体をくねらせて悶えたのだった。

「お姉ちゃん。俺、そんなことされたら、もう我慢できない。お姉ちゃんのこと、俺、好きだから……。だから、お姉ちゃんと、セックスさせてください」

 和浩(涼香)の方からセックスしたいと、言わせることができたと、
 涼香(和浩)は上機嫌になってさらに和浩(涼香)との距離を近づけたのだった。


続きを読む

 ――今までやりたいと思ったことはなかった。まさか自分自身がやるとは夢にも思わなかった。

 脱衣所に潜りこむ。扉一枚の奥から涼香の鼻歌交じりの声が聞こえる。シャワーを浴びて気持ちよさそうにしている横で俺は、置いてある涼香の着替えから下着をこっそり持ち出し急いで部屋に駆け込んだ。
 白の上下お揃いの下着。これから涼香が身に付けようとしていた下着を、

 俺が身に付けたいと思ってしまった衝動が止められない。

 そんな変態行為を涼香は許してくれるだろうか。涼香を好きになることと、涼香の下着を身に付けることはどちらも本人に伝えられないこと。その行動原理は同じものなら、俺は誇ってもいいことなのだと考えたのだ。
 好きにだから涼香になりたい。なので涼香の下着を身につけることに恥ずかしさなんてない。
 女性ものの下着を身に付けるのが男性であろうとおかしなことはない。

「姉ちゃんのブラ……すぅ~はぁ……いいにおい」

 においを確かめてから俺はブラを付け始める。男性がブラジャーを身に付けるときは皆無だ。女性と違って男性は乳房が発達することはない。肩が凝らないように胸を抑えて楽になるために考えられたのがブラジャーだ。もちろんそのつけ方を俺は知らない。でも、見よう見真似でホックを引っかけて、背中にまわしてから肩紐を通した。
 正面に持ってきた二つのカップで自分の乳房を隠す。もちろん、涼香のカップに俺の乳房は余裕があるせいで、谷間なんて作れはしないけど、乳首をお椀の中に隠しただけで涼香の温もりを味わえた様な気がした。
 涼香の乳房も同じブラで仕舞われていたと思うだけでムラムラする。ブラを身に付けることよりも、そう想像することの方が何倍も興奮した。
 トランクスでもブリーフでもない女性もののショーツ。ゴムの伸縮性が男性よりもきつく、男性よりも小さく思えるショーツに足を通した。
 見た目通り、涼香のショーツは俺には小さかった。でも、決して穿けないことはない。『マスク』を被る時よりも難しくないが、『マスク』を被る時より興奮した。

「よっと……。よし、できた」

 ゴムを引っ張り、お尻に食い込んだ部分を指でなおす。女性のような仕草を真似て、心まで女性になってみたいと思ってしまう。指でショーツを引っ張り弾くようにして指を放す。ショーツがお尻に当たってパツンと音を立てた。

      
72e03592.jpg

「あはっ。ショーツ小さすぎるよ。中ですごい盛り上がってる」

 涼香のピンク色のショーツの中で、俺の逸物、玉袋がきつそうにして暴れている。女性には無い盛り上がりがショーツ越しに見えて興奮してしまう。
 ショーツ越しに逸物を弄ってみると、生地の違いから今まで味わったことのない疼きが湧き上がってくる。ムクムクと逸物が大きくなって、遂にはショーツからはみ出して顔を出すまで勃起していた。

「ショーツの中じゃ収まりきらないよ。仕方ないな。さっき出したばっかりだけど、もう一回抜いちゃおう」

 俺はベッドに腰掛けると、涼香の下着の上から自分の感じるところをゆっくりと弄り始めた。


 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・

 その頃一階では――、

「あれぇ?お母さん。私の下着知らない?」
「ちゃんと二階から持ってきたの?しっかりしなさい、高校生でしょう。いい加減裸でリビングに来ることやめなさい」
「ちゃんと持ってきたよー。あれぇ?なんでないの?」

      
f1eb8cec.jpg

 お風呂からあがった涼香が未だパジャマを着ずに下着を探しまわっていた。続きを読む

「あっ、和浩」


 和泉和浩―いずみかずひろ―は姉の涼香―すずか―と廊下で鉢合わせした。別に姉弟だ。廊下で会うことは日常茶飯事だし――、

      
6e02b184.jpg

 ――姉が下着姿で廊下を歩いていることだって普通である。

「・・・なに?」
「和浩が貸してくれた顔パック早速使ってみたんだけど、わかる?」

 ご機嫌に話しかけるのはそのせいか――。

「いつにもまして肌の張りがいいように和浩は思った」
「・・・私、普段そんなにお肌荒れてる?」

 しまった!字の分がそのまま声に出ていた。
 姉は高校生だ。今の状態で肌が荒れていたら将来不安である。・・・化粧なんかしないで肌が白いのだから同学年からは羨ましがられるのではないだろうか。
 それともまわりの嫉妬心に気付いていないほど姉は疎いのだろうか?高校生にもなって弟に下着姿を見せるのだから、疎いのだろう。天然である。

「どこのメーカー?私も買ってみようかな?」
「あぁ。買うなら俺が注文してあげるよ。ネット通販限定だから」
「ドモホムンクルス?」
「顔が小さくなったんじゃない?」
「ありがとう」

 「私、お風呂入ってくるね!」と言ってそのまま俺を横切り一階へと降りていく。
 変化を指摘されると喜ぶのが女の子だ。『――実感して下さい、お肌本来の力』とばかりに、綺麗になったことでルンルンと階段を降りていった。
 俺は一回溜め息をつき、姉の部屋にこっそり侵入することにした。
 さっきまで姉のいた部屋だ。微かに香る香水のにおいが鼻につく。それほど強烈でもなく、かといって男子みたいに汗臭いにおいがするわけでもない。一般的な女性としての良いにおいの香る部屋だった。
 本当に姉は女性として俺の自慢の姉である。俺が悪いことしても怒る姉ではなく、優しく諭しながら癒しを与えてくれる。そんな姉のもとに育った俺は人として甘いのかもしれないが、高校生になって一段と綺麗になった姉を弟の俺はむしろ会話できないほど照れ始めていた。
 一般男性でいう惚れているのである。姉に恋しているのだ。
 叶わない恋と知りながらも好きで好きでどうしようもなくなった俺は、姉を手に入れたいと考えてしまった。
 ここで姉を襲うという方向に行かないのが男として甘いのないのかもしれないが、姉だって弟の俺に告白されたら困るに決まっているから絶対に想いを知られたくない。そもそも姉に恋するという方向性が間違っているのだから、俺は人としても甘いのだ。
 だから俺は、一人で楽しむことにするんだ。

「ゴミ箱は……あった」

 姉の部屋に来て漁るのはタンスでもなくゴミ箱。先程まで俺が渡した『化粧品』を使っていたのなら、使用済みの顔パックが捨てられているはず。
 その化粧品にはエムシー販売店の『粘土』が配合させられている。顔パックに付けて顔の汚れやくすみを消しながら、本人の情報、DNAまでも顔パックに吸い取り 形 成 する。

 ――ガサガサ…………

 俺の手が止まる。俺はゴミ箱の中からお目当てのモノを掴んだ。
 手をあげてみると、ゴミ箱の中から赤みがかった茶髪のついたマスクを持ち上げていた。
 姉と同じ赤い髪。
 机に置いて汚れをふき取り、皺を伸ばすと、姉の顔と同じサイズのマスクであった。

      
d67a3233.jpg

 目や口、鼻の穴にはしっかりと穴があいている。向きを変えて下から覗きこむと、頭の中がぽっかり抜けた空間ができあがっていた。ここから被ることが出来るらしい。

「本当に説明書通りにできるのかな……?」

 俺もエムシー販売店で商品を買ったのは初めてだ。
 信頼と安全のために試作品を渡されたのだが、エムシー販売店の商品はすべてが妖しいモノで魅了される。
 憑依、変身、入れ替わり。
 疑っているわけではないが、効果が実感できなかったら7日以内にクーリングオフするという気持ちでいないと駄目だと思う。
 一歩間違えれば詐欺。極めて近いグレーゾーンの商品を扱っているエムシー販売店。
 それに俺も加担しようとしているのだから人生的にも甘い考えだ。舐め腐っているというのだろう。

 それでも、欲しいものは何物にも代えられない!!

「これを被れば……っ!?」

 ここで突然、階段を慌てて上ってくる音が聞こえた。
 続きは部屋でやろう。姉の部屋で間違えて姉が入ってきたら面倒になる。

 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・

「いけない、パジャマ忘れちゃった。……あれ?」

 涼香が締めたはずの扉が開いていたことに驚きながらも、部屋に誰もいないことを確認して首をかしげながらパジャマを持ち出した。


続きを読む

↑このページのトップヘ