近年――携帯電話の目まぐるしい発展、進歩により普及した多機能携帯電話―スマートフォン―。
 その一つとして、SNS―Social network service―上で動作するアプリケーションソフト。コミュニケーションツールを組み合わせたゲームがある。
 ゲーム自体は短時間。気楽に遊べて、しかも基本『無料』だ。
 まぁ、そこには落とし穴があるとか――、ないとか――。

 新しい挑戦の発展に時代はついてこれない。
 古い考え方をする老害は携帯電話の機能性にさえ付いてこれない。
 付け焼刃の知識で悪いところを指摘し、すべてが駄目だと結論を出して世論に問いかける。
 時には抑止力とも思える群衆の罵倒が襲いかかり、発展の妨げを促すこともある。

 古いものは確かに安全の上で成り立っている。
 新しいものは常に危険と隣り合わせ。どちらが信頼し、安心を勝ち得るかなど分かりきっている。
 しかし、新しい時代の幕開けと供に、過去の遺物を捨ててきた歴史が人間にはある。
 より良いモノを――より良い未来を創るために――
 時代はすべてを受け入れる――――


 
 ソーシャルゲームでTランS(前半)
 作者:村崎色


 とまぁ、前書きはこれぐらいにして――
 ソーシャルゲームをやるのは主に若者たちだ。
 僕もまたソーシャルゲームを使っている。
 基本『無料』のお遊びゲームだ。
 気軽で気楽に遊べるアプリだ。課金すればゲームのキャラが強くなるけど、別に課金までしようとは思わない。
 ソーシャルゲームは長期的に遊べるゲームだと思えばそれほど苦じゃない。短期間でラスボスまで辿り着きたいなら課金して強くなればいいんじゃないかな?
『気長にゲームを進めていく心持ち』と、『一日で遊べる量が実は決まっている』と、この二つを心得ていれば課金なんかしなくたって十分遊べるよ?
 要は課金するのも当人の自己責任ってこと――。
 特に『一日に遊べる量が決まっている』ので、どれだけ一日を充実するように考えて行動するのかが、無課金挑戦者にとって密かな楽しみであって――

優作:「――――おや?」
 
 ――そんな心持ちでソーシャルゲーム、『TS解体新書』を始めて10年。・・・あっという間の10年だった。
 僕のもとに運営会社である『エムシー販売店』からメッセージが届いた。
 こうやって運営会社と常に繋がっているというのも、SNSの魅力であり、――疑惑である。
 そして、今回届いたメッセージには、このようなことが書かれていた。


 運営より

 10周年達成記念を祝して――
 プレイ利用者代表と致しまして、貴方様に『電波』の届く範囲内における一名様と、身体入れ替えイベントを
 行います。

〔身体を入れ替えたい人物の名前を入力して下さい〕、メール送信ボタンを押してください。
                                                              」

優作:「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はっ!?」

 何度も文章を読んでそのメールの意図が理解できた。
 確かに『TS解体新書』は今年で10周年だ。そして、それに応じたイベントが開催されているのも知っている。
 ・・・で、でも、それに……俺が選ばれたって言うのか?
 そ、その、選ばれたイベントっていうのが……『入れ替え』……
 あの…、TSFで超人気のジャンルで、イベント激戦区が必死と謳われていた、あのイベントに……俺が選ばれたって言うのか……!?

優作:「ハ、ハハ…(ワロス)」

 あまりのことで思考が付いていかない。現実に追いついていけない。
 うそです(AA略 と言われたら疑わずに納得してしまうほど現実味がない話だった。

優作:「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 もう一度、送られてきたメッセージを見る。確かにそう描かれていた。
 僕は夢じゃないことを確認し、手が次第に震えだした。

優作:「・・・・・・もし、ほんとうだったら・・・・・・・・・・・・・・」

 書かれた内容がもし本当だったら――『入れ替え』に成功したとしたら――
 その時、僕は――

 どうしようもない人生だ。
 未来に希望もなければ、現在だってのほほんと味気なく過ごしている生活だ。
 絶望もないが、華もない。
 ツマラナイ人生だ。
 こんな人生捨ててしまっても、別にいいやと思えるような人生だ。
 僕は自然と、入れ替わりたい人物の名前を入力していた。

 ――加藤ゆかり。

 身長150cmほどのクラスメイトで、小学生の時からずっと僕と一緒に過ごしてきた生徒だ。
 幼馴染でもなければ、話した回数もあまりない。
 クラスや学校が一緒じゃなかったらここまで意識をしないであろう生徒だった。
 でも、僕たちは一緒になった。自分たちで選んだわけじゃないのに、まるで神さまが導いたと思える確率で僕たちは一緒に過ごしてきた。
 これは運命だ――!加藤さんは僕がこんなふうに思っているなどと夢にも思っていないだろう。
 小学中学だけじゃなく、高校まで一緒になった瞬間に、僕の中で加藤さんに対する意識が強くなった。
 高校生になって髪を伸ばして、綺麗になっていく彼女を見て心が惹かれていった。
 こんなことになるならもっと早くから話をしておくんだったと後悔した。僕が勇気を出して話をしようと思った時には、高校からのイケメン達が加藤さんのまわりをいつも囲っていた。
 僕に話す機会は全くなかった。
 それが僕の、加藤さんを手に入れたいと言う束縛の念を強くさせていた。
 ソーシャルゲーム、『TS解体新書』で憑依する相手の名前を「加藤ゆかり」にしているのに気付いて思わず笑ってしまった。
 そう、僕は――加藤さんを愛していた。大好きだった。
 だから手に入れたい。誰よりも加藤さんの近くにいたいんだ。
 そうする為に、僕は――加藤さんになるんだ。

 ――送信。


 想いと供に送信ボタンを押した。もちろん、この『入れ替え』イベントが本当だった場合だ。違ったら恥ずかしい僕の暴露話を聞くだけになるだろうし、僕が赤っ恥をかいただけだ。
 第一、『電波』の届く範囲内って書いてあるのに、加藤さんの名前を打ちこんでしまった。
 加藤さんが『TS解体新書』なんて知っているわけないだろうし、僕の町に『電波』が届くのかさえ疑わしい。
 思った以上に絶望的なんじゃないだろうか?――と、思った矢先。
 運営会社の『エムシー販売店』から再びメールが送られてきたのだ。


 運営より

 貴者様――

 身体を入れ替えたい人物は 『加藤ゆかり』 様でよろしいですね?

 入れ替えイベントを開始します。

 よろしければメール送信ボタンを押してください。
                                                              」


 僕の心臓は高鳴った。
 『加藤ゆかり』という文字をタッチすると、僕の住所に最も近い同名をヒットさせていた。名前だけじゃなく、年齢と住所、最近の顔写真まで載せていた。
 SNSを最大限に使ったアプリゲームとはいえ、僕は末恐ろしくなった。
 ――間違いなく、僕の思い描く彼女そのものだった。

 僕は震える手でメール送信ボタンを押す。
 このボタンを押したことで、僕は彼女と入れ変わる――――


 ・・・・・・・・・
 ・・・・・・
 ・・・



 運営より

 貴者様――

 身体入れ替えイベントは無事終了いたしました。

 これからも当社のゲームをご利用ください。
                                                           」


 終わった……
 僕はその内容の描かれたメールを眺めていた。
 その細い手で、長い爪で、
 顔にかかる長い髪の毛を靡かせ、
 今まで着ていた学生服がセーラー服へと変わっていた。
 穿いたことのないスカートが目線を下ろせば見えていて、胸元を覗けば水色のブラジャーが胸を締めつけている。

 僕は走った。自分の今の姿を見るために、すぐそばのトイレに駆け込んだ。
 男子トイレではなく、女子トイレに。
 中には女子生徒がいたのだが、僕に何の不審も抱かずにトイレから出て行ってしまった。
 僕は備え付けの鏡を覗きこみ、自分の姿を映しこんだ。

???「……………………加藤、さん……」

 僕が覗いているはずなのに、鏡に映っているのは、驚いた表情で固まっている、加藤ゆかり本人だった。
 僕がゆっくり右手を鏡に近づけると、ゆかりさんの右手が鏡に置かれ、
 僕がにっこり表情を微笑ませると、ゆかりさんがにっこり鏡に向かって微笑んでいた。
 僕はゆっくりと心を氷解していき、頭がすっきりして、事の次第が理解できるようになった。
 そして、次の瞬間――熱く込み上げたものを爆発させていた。

ゆかり:「いよっしゃあああああああああああああ!!!!

 僕は天に向けて大きくガッツポーズをした。小さなゆかりさんが大きく背伸びをするように天に拳を突き出して喜んでいた。

ゆかり:「僕が加藤さんになったんだ・・・!この小さい顔も、カラダも、ぜんぶ、僕のモノなんだ・・・!」

 僕の思っていることを、ゆかりさんが言ってくれる。僕の喉から可愛い声が出てくるのがさらに気分が良い。でも、普段聞いている声と違って聞こえる。それはやっぱり、僕がゆかりさんの声で喋っているからかもしれない。

ゆかり:「……あ、新―あたらし―くん……わたし、新くんのことが……好きです……」

 ゆかりさんの真似をして自分に告白してみる。次の瞬間、ゆかり(僕)さんが悶絶していた。

ゆかり:「たまんねぇ。ゆかりさんが僕に告白してくるなんて夢みたいだ。……ううん、夢じゃない。夢じゃないんだ!!」

 僕は急いでトイレに駆け込んだ。これ以上も行為を誰の邪魔も入らないようにするため――。
 ゆかりさんの身体を個室に閉じ込め、その中で僕はゆかりさんを堪能するために。

ゆかり:「もっと、もっと知りたいんだ……ゆかりさんのカラダ」

 僕は小さな声で言った。自分の気持ちが抑えられなかった。
 ゆかりさんが今までよりも、ずっと僕の近くにいる。
 ゆかりさんのことを知りたい。この身体でしか味わえない気持ちを、もっと知りたい。
 僕は無意識に唇を舐めていた。
 便座に座りこみ、ゆっくりと右手を足と足の隙間に入れていた。
 人差し指でゆっくりとひだをなぞっていった。

ゆかり:「……ンンっ」

 息が漏れる。ゆかりさんの甘い吐息。

ゆかり:「ゆかり…………」


 円を描くように指を回していく。

ゆかり:「んっ……あぁ……っ」

 無意識のうちに。左手が胸に添えられていた。制服の上からでもわかる、ゆかりさんの大きな胸。その柔らかさ。広げた左手の指先で、ゆっくり揉んでみた。


ゆかり:「……んっ……ああっ、ゆかり…」

 まるでゆかりさんがオナニーをしているような態勢だ。そうか…ゆかりさんはこうやってオナニーしているんだと、僕は決めつけながら行為をすすめる。
 
ゆかり:「くぅっ…………」

 思わず息を吸い込む。男の時には味わえない場所からの快感。秘部とはまた違う、全身を震わせる大きな波を掻き立てる。

ゆかり:「あぁ……ゆかり、さん…気持ち良いよ」

 胸を優しく揉みながら、秘裂への愛撫を再開した。

ゆかり:「んっ…く……あぁ……ふぁぁ……」

 胸から広がる大きなうねり。それに混じる鋭くて、激しい波。
 射精時のそれがずっと続いているような全身に走る刺激が身体を溶かしていくような甘い感覚。

ゆかり:「ぁ……んぁ……ああっ……」

 右の指先に付いているゆかりの愛液。指先に何度も擦りつけて、僕は舌先へと運んでいく。

ゆかり:「ちゅっ…………あぁ」

 これがゆかりの味。一番イヤらしい味。丹念に舐め取って味を堪能し、また指を淫裂に戻した。
 だって、ゆかりの身体が刺激を欲しているのだ。
 少し広げた二本の指で溝を何度もなぞっていく。

ゆかり:「っ……んっ……んっぅ……」

 どんどん溢れてくる。どんどん感じてくる。
 指先を下から上に這わせていくと、今まで触れていなかったその先に触れた。

ゆかり:「ふあぁっ!!」

 抑えていたはずの声が大きくなる。ビクビクっと身体が震えた。一瞬、目の前が真っ白になった。
 ゆかりのクリ〇リスだ。

ゆかり:「…………んんんっ」

 あまりの快感にきゅっと身体をかがめてしまう。
 男のオナニーとは比べ物にならないモノを女性は持っているなんて……正直羨ましい。
 ずるいよ、ゆかり……。

ゆかり:「はぁ……はぁ……はぁ……」

 喘ぎ声が止まらない。

ゆかり:「あっ、あっ、あっ、ああっ」

 指が軽く、ほんの僅かに触れるだけで全身がビリビリ震える。
 身体中がうねるような波で、快感が満たされていく。
 気持ちいい……ゆかりさんのカラダ。

ゆかり:「んっ……あっ…、ああっ……あっ…」

 おかしくなっちゃうよ。……でも、やめられない。
 ゆかりのカラダでイきたい……。
 全身が狂っていく。

ゆかり:「んっ…んぅっ……ゆかり……」

 頭が真っ白になる。もぅ、ダメだ……。

ゆかり:「んっ……あっ……あっ…ああっ」

 僕の意識を放れて、指が秘部を刺激する。
 小さな蕾がクリクリとこね回される。こんな動きを……ゆかりの指が……ゆかりが弄っているんだ……。
 一緒に行こうよ、ゆかり。

ゆかり:「んっ、んっ……んっ…んんっ……」

 反射的に足が閉じて、微かに残った意識で口を閉じた。

ゆかり:「んんんんんんっっっ!?!?ん―――――――――――――――っ!!!」

 手足が、全身が震えている。止められない、こんなの。
 頭が、真っ白になる……。


 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・

 トイレから出る時、僕はもう一度鏡を覗きこんだ。
 個室に入る時とは別人とも思えるほど艶らしい表情を浮かべるゆかりの姿が映っていた。
 頬を高揚とさせ、潤んだ瞳と唇はまるで男性を求めているようだ。
 身体をくねらせ、大人の女性のように魅了する微笑みを浮かべる。
 この表情を今、僕がしているんだ。

ゆかり:「ウフフフ……」

 思わず笑ってしまう。ゆかり本人より女性らしい。子供らしさがなくなり、魅惑的な様子を浮かべるゆかり。
 トイレから出てまず考えたのは、この身体で外を歩いて見ようということだった。
 ナンパを待ってみるのもいい。そのままホテルに連れて行ってもらったら、ゆかりの処女体験を僕が味わおう。
 そうやって僕が、次第にゆかり本人に入れ替わっていこう――――。

???「――待って!!」

 背後で僕に呼び掛ける男性がいた。
 僕が振り返ると、その人物は驚いた表情で僕を見て固まっていた。




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