純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

カテゴリ:グノーグレイヴ『スライム・寄生』 > 柔軟剤『蘭子プール』

「ぅっ……」

 蘭子が意識を戻した時、既に日は傾いていた。
 今日が何日なのかも分かっていない。池哉に身体を奪われてから今までずっと眠っていた状態だったのだ。
 それでも蘭子にとって幸いだったのが、長いこと眠っていたにもかかわらず、身体になにも支障がなかったことだ。

「ここは……自分のうち……」

 いったいどうやって家に帰ってきたのかもわからない。蘭子の意識は今もプールにいた時で止まってしまっている。
 記憶のない今まで、いったい自分の身に何が起こっていたのかも知らない。
 もちろん、蘭子の夢だったプールのことも。

「……DVD?」

 蘭子の目の前に置かれた一枚のDVD。なにもプリントされていない、題名も書かれていない無地のDVDが、きちんとケースに仕舞われて置かれていたのだ。
 まるで誰かが見ろと言っているかのような、不気味なDVDである。

「…………」

 蘭子はDVDプレイヤーを起動させて、中身を再生する。そこに映ってる内容に、目を疑うことになる。


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 乙成蘭子の経営した市民プールは、堀居池哉の手によって乱交プールに変更されてしまった。
 次々と狂ってしまった女子たちのもとに群がる男性陣。カップルから、兄妹、部活動に来ていた高校生までも破廉恥な行為に耽っていた。

「はぁ・・・はぁ・・・」
「ああんっ、ソコ、クリちゃん・・・気持ち良い~!」
「お、にいちゃん、もっと美紗の・・・おま〇こ、きもちよくしてぇ~」

 そんな声がプールの、野外で聞こえてくるのだ。ただ泳ぎに来ていた一般の親子がドン引きした目で彼らを見つめていた。

「信じられないわ…、ほんと、なんてことをしている人たちでしょう!」

      
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 橋爪昌代―はしづめまさよ―とその娘、魅音―みおん―はプールから上がった。
 面前で行為をしている彼らを止めようともしない蘭子の管理体制に甚だ呆れてしまった昌代は、もう二度と来ないとばかりに魅音を連れ出し、更衣室へかけ込んでいった。

「お母さん。あの人たち、ナニしてるの?」
「魅音がまだ知るべきことじゃありません!!」

 遊びに来ていたはずが、いつの間にか彼らの出すにおいまで肌に付着してしまったかのような気持ち悪さを感じる始末。魅音に関してはまだ子供だ。子供の教育上にもよくないと、昌代は水着から私服に着替えると
一目散に車を走らせて帰ってしまったのだ。
 そればかりではなく、他の一般の市民も帰りはじめる。蘭子プールに残ったのは、狂気に走った欲望に満ちた男女だけだった。
 『スライム』に支配された市民たち。高校生を抱いていた男たちには、もっと多くの女性を抱きたいという欲望が掻き立てていた。

「おい、さっき遊んでいた子供たちや新妻はどこ行った!?」
「もっと俺たちに抱かせろ!」
「いろんな身体を味あわせろ、ハァ・・・ハァ・・・」

 女子だけではなく男性も同じくらい狂ってきたのか、女の手が足りなくなった蘭子プールで、次の獲物を探して女子更衣室を徘徊し始める。

「これしかいないのか~!?いねえのか~!?」

 勃起した肉棒が次の獲物を求めて硬くなる。池哉はそんな男子たちの要望に応えるため、プールに潜ませていた『スライム』を人のカタチへ変形させていった。
 人の身体の70%は水分である。プールのように大量に水がある場所では『スライム』から人間をつくることも可能だった。先程泳いでいた者たちの情報を集め、『スライム』を変身させていく。
 大と小の二つの身体。長い髪を生やし、パーツとなる顔の部位を形作ると、『スライム』は目を開いてプールから顔を出した。

「ぷはぁ――!!」

 今までずっと泳いでいたかのような息つぎ。そして、悠々と泳いで端にまで到達した彼女は、階段を上ってプールサイドへとあはがってきた。
 その姿は、一番に蘭子プールから飛び出していった、橋爪親子と瓜二つだった。

「ふぅ………うふふ……」

 昌代の姿をした『スライム』が不敵に微笑む。もとは『スライム』だ。彼女たちは池哉が動かすことができ、時雨同様、意識を移動させることもできた。

「あなたたち、そん女子高生の貧相な身体じゃ不満でしょう?わたしが可愛がってあげるわよ?」

 もともとプールから上がった昌代は裸だった。水着などないのだから当然だ。しかし、その裸姿に男性たちが釘付けになっていた。

      
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 昌代が絶対言わないだろう台詞を言うと、男子たちは次々と昌代の元へとやってきた。
 女子高生よりも大きなバストとくびれたウエスト。
 特に胸は垂れていなく、その大きさでプールに浮きそうなほど柔らかそうなのは目に見えて分かっていた。

「違うわよね?本当はもっと女子高生よりも小さな身体を犯したいんだよね?お兄さんたち」

 昌代とは対照的の、胸は平べったく、産毛も生えていないツルツルの秘部を見せつける娘の魅音。

「わたしみたいな身体の方が触りたいんだよね?」
「ゴクリ…」

 知らないはずの知識で乳房を揉んで初々しさをアピールする魅音。どこか子供っぽさの中にイヤらしさが隠れており、本人と違って裏があるのが見え見えだった。

「あんっ…あっ……お兄さんたちに……触ってもらったら……もっと、感じちゃうかも~」
「う、うおおおおおお!!!」

 今すぐに魅音に飛びつこうとする男性に再度昌代が誘惑をかける。

「私のお尻を揉んでくれるのは、だぁれ?」
「ぐ、ぐああああああ!!!」

 男性陣が咄嗟の機転で二手に分かれる。そしてそれぞれ親娘分かれて犯し始めたのだった。

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「さて――と」

 一戦おわった時雨(池哉)が便座から腰をあげ、これからのことを考えた。
 このまま部長、朝霧時雨としてなりすまし、後輩たちを犯すのも一興だが、せっかく女子高生のカラダが大勢あるのだ。
 そのすべてを手に入れることもできるのに、わざわざ時雨の身体に居座っているのも面白くない。
 そこで、時雨(池哉)が取った行動は―― 

「ぉぇっ……!」

 にゅるん――と、時雨の口から『スライム』が飛び出してくる。それは、『スライム』の姿をした池哉だった。形のない液体物が一箇所に集まって固まると、人型になって池哉の姿に再生していく。女子トイレで、時雨が寝ている個室の中で池哉が蘇る。身長のある池哉には女子トイレと言う空間自体がせまく感じる。そんな個室トイレで、眠っている時雨を前にフツフツと湧き上がるものがある。
 やはり、女性の身体もいいが、男性の感覚も味わいたいものだ。池哉の逸物が復活するや否や、すぐさま犯したいという欲求から性器を硬くして海水パンツの中でテントを張っていた。

「――こいつの中には今も『スライム』が残っているはずだ。意識を共有し、感覚を移すことが出来るはずだ。やってみるか……」

 池哉は目を閉じ、時雨に意識を移すイメージを強めた。すると、時雨の目が瞬きをして、時雨がゆっくりと目を開けたのだ。
 目の前に映る自分自身。池哉も目を開けて時雨を瞳に映す。二人の視線が交差して、しばらくして二人は同時に同じ表情でニヤついた。

『あー。これが意識を半分にした感じなんだ。へぇ・・・。俺が俺を見てるってなんだか変な感じだな』

 時雨の目で池哉を見る自分。油断していると二人で同じ言葉を喋ってしまう。さらに時雨に対する意識を強めていくと、競泳水着に包まれた感触から火照った身体、濡れたアソコ、疼く乳房の感覚まで鮮明になっていった。

「あー、あー、俺は堀居池哉」

 口の感覚がはっきりしたので時雨の口で池哉は自己紹介を始めた。時雨の可愛い声で名前を呼ばれることでさらに池哉は楽しくなった。
 時雨で喋る練習をしばらくして、スムーズに喋れるようになる。すると、自分自身と会話が出来るようになった。

「池哉さん。わたし、池哉さんのことが……大好きです」

 女子高生から告白される池哉。自分でさせているとはいえ、池哉は顔を赤くしていた。

「俺も……時雨が大好きだよ」
「うれしい~。池哉さん、好き~、大好きぃ~」

 と何度も時雨に好きと言わせる。トイレで繰り返される恥ずかしい会話も自由自在だ。
 とはいえ、会話に感情が入っていないので棒台詞なのが残念だが、それでも見た感じ、他の部員にも時雨は無愛想な態度を取っていたので、感情を出さなくても分からないだろう。

「よし、あとは動きだな・・・」

 池哉は時雨が動くように指令を出す。すると、時雨の身体がピクンと反応してトイレから立ちあがった。
 そうして直立不動で池哉の前に佇む時雨に、敬礼させて池哉に忠誠を誓わせた。

「わたしは池哉さんのためなら何でもしますぅ」

 うふんと、甘い声をあげて扇情的な表情を浮かべた時雨が色っぽいポーズをとってみせた。

「これなんかどうかしら?」

 時雨が今度はをガニ股に開いて腰をかがめて股割りを始める。水着が股に食いこんでなんともイヤらしい。

「コマネチ――!」

 両手を食いこんだ股からV字に向かって肘を曲げて、ポーズを決める時雨。女子校生が絶対にやらない親父ギャグをやらせることだって可能だった。
 十分に動かし、喋らせることが出来る。いつでも意識を時雨に移行できると知った池哉は大胆不敵に嘲笑った。

「これで、姫崎高校の水泳部員が全部俺のものか!ハァーハッハッハッハ!」
「アーハッハッハッハ!」

 時雨も池哉と同じ笑い声をあげ、二人でトイレを飛び出していった。
 そう、池哉がそう言ったのは理由がある。
 トイレで時雨の練習をしている最中、もう一方で池哉はプールサイドで泳いでいる水泳部員たちを勧誘していたのだ。
 『スライム』による取り込み。プールで溺れる部員たちと、それを助ける者たち含め、次々と池哉の管理下に置いていた。

 池哉がプールサイドに戻って来た時には、部員たちはただ呆然と池哉の帰りを待っていた。
 泳いでいる部員は誰もいなく、時雨の帰りを待って指導を待つだけの状態で佇んでいたのである。
 それがいったいどのくらい待っていたのかは知らない。
 しかし、時雨がトイレから出て、皆のもとに戻ると、皆が一斉に時雨に向かって敬礼を始めたのである。
 それは軍隊のような寸秒もずれない動きであり、――意志を一つに束ねた、『スライム』ならではの集団支配だった。

「あー。みなさん。聞こえますか?」
『ハイ!』

 時雨の返事に皆が一斉に答える。それはすべて、時雨の背後に突然現れた、池哉が言わせている独り芝居であった。

「今日は皆さんを指導して下さる、素敵なコーチを連れてきました。紹介します、堀居池哉コーチです」
『キャアアア!!』
「格好イイ~」
「すてきぃ~」
「コーチ!私の動きを見てください~!」

 黄色い歓声と割れんばかりの拍手が巻き起こる。とても気分が良いものだ。早速池哉のまわりを囲み始める部員たち。
 他人が見たらハーレム状態であった。

「みんな!静かにして!」

 時雨が怒ると、皆の動きがピタッと止まった。そして、再び整列して時雨の話を促した。時雨と池哉が目でアイコンタクトを取った。

「コーチに教わりたいのは山々ですが、その前にコーチから素敵な水着の支給があります。今からこれに着替えて練習します。分かりましたか?」
『ハイ!』

 一人一人、水着を受け取ると、更衣室へと一度退散していく部員たち。最後に時雨も更衣室へと戻ると、一人残った池哉は戻ってくる部員達を思って一人口元を釣り上げたのだった。

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 姫崎高校水泳部は、かつて小学時代の恩師である乙成蘭子を知っている生徒が多かった。
 強豪選手の育成に力を付ける高校では、それなりにも実力のある生徒がほしい。
 集められた生徒たちをたどってみると、乙成蘭子の名を知る生徒が思いの外多かった。だからこそ結束した今のチームがあり、大会でも順位を独占しているのである。
 今日はそんな蘭子のプールで泳ぎにきた。フリーランとはいえ下手な泳ぎが出来ない生徒たちは、次々とプールに飛び込んでは優雅な泳ぎをみせていた。
 朝霧時雨も泳ぎ続ける。身体は小さいが、余分な肉は全くないので、泳ぎが綺麗な分だけスピードが乗っていく。ノビとキレのある時雨の泳ぎは、例えプールの中に徘徊する『スライム』でさえ苦戦していた。
 とはいえ、プールそのものが『スライム』である。泳ぐ時雨の身体に張り付き、何度も負担をかけさせてスピードを落としていく。

「(ん……なんだかこのプールの水、やけに身体に張り付く気がする……?)」
「時雨!ペース、若干落ちてるよ?休憩入れようかー?」
「(まさか、この私が一番に休憩できるものですか!)」

 えい、とばかりに力が入った泳ぎになる時雨。疲労がたまり、ノビを少しずつ失わせていく『スライム』の猛攻。

「(……なんだかヘン……。泳ぎが全然うまくいかない……)」

 泳いでいる自分が一番うまくいかないことを理解している。まるでプールの中に引きずり込もうと、誰かが身体に負荷をかけさせてくる違和感。何度も顔をあげて息つぎをしながら、ぜぇ、はぁ、という苦しい声をあげさせる。

「(やだ…水を飲んじゃった……)」
「時雨……?」

 遂には時雨は1000mの泳ぎを途中で断念してしまった。壁に付いて息を整える時雨の口には、時雨が飲んだと言う水が零れ堕ちていた。

「…………」

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 しかし、その水が次の瞬間には空中で止まった。プールに戻ることなく、時雨の口から零れ堕ちそうになった水が、自らの意志で這いあがる様にして時雨の口の中へと昇っていく。

 ―――ちゅるん。

 時雨が飲んだのか、それともプールの水が時雨の喉を鳴らしたのか、
 ゴクンと水を飲んだ時雨がプールから身体を上がらせると、皆が泳いでいる中で一人トイレへとむかっていった。
 用を足すことは生理現象だ。誰も気にすることなく、時雨が戻ってくるまで記録係の人も次のメンバーの記録を取りはじめた。

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「どういうことだ!?」

 重行が琴葉(池哉)に訪ねる。重行の方から琴葉に危害を加える・・・?そんなこと、ありえない。
 琴葉のように池哉に乗り移られているのなら分かるが、重行の意識がはっきりしている間に琴葉を危険な目に曝すなど考えられない。

「わからないのか?俺はこの女にどうやって害を与えるって言うんだ?くくく・・・。俺もこう見えて紳士的でな。乗り移った女を大事にする人間だぜ?」
「ふざけるな!琴葉の身体を弄んだ奴に説得力があると思うか?」
「フッ…。いまは 俺 の カ ラ ダ だからな」

 池哉の本性を垣間見る重行。琴葉の身体を自分のモノとして扱い、だから大事にしているのだと言う。
 しかしそれは、琴葉のことを全く考えていない行為。
 自分の身だからと保身にまわっているだけじゃないか。そこに琴葉のことを何も考えていない、――偽善だ。

「…違うぜ。逝っただろう?乗り移った女を大事にする人間だって――この女、琴葉の想いを汲んでやることのできる男性だってことをよ」

 影を落としていた琴葉の表情が、ふっと表情を和らげた。

「……重行」
「っ!?こ、琴葉……?」
「そうだよ、重行」

 先程とは口調が変わった琴葉。喋り方も今まで通りに戻り、池哉の面影を急に見失ってしまった。
 残ったのは疑心暗鬼の重行の心。もちろん、目の前にいる琴葉に、「おまえは偽物だっ!!」などとは口が裂けても言えない。
 彼氏彼女だから信じ合わなければいけないと、重行の心の靄が蟠りをつくり、拭い去ることが出来ない。

「わたし……重行とだったらシテもいいかなって、ずっと思ってたんだ?」
「へっ?……ナニを」
「あはっ、やだぁ、重行ったら……女の子にそんなこと言わせるの?」

 プールの中で顔を真っ赤にする琴葉。恥ずかしくて、火照った身体にプールの水がちょうど良いのか、口まで水に浸かってブクブクブク…と気泡を噴いて恥ずかしさを紛らわせていた。

「琴葉……ま、まさか……」
「うん……そのまさか……しげゆきっ!」

 プールの中で飛びついてくる。波が起って二人の身体が密着する。動けない重行からではなく、琴葉の方が一方的に肌を寄せてくる。

「ちゅッ…ちゅる……ちゅくっ…ちゅぱ…くちゅっ……」

 キスをせがんで唇を重ねてくる。振り払う事も出来ず重行は琴葉と何回も口づけを交わした。

「琴葉…おまえ……」
「んん……好きだよ、重行……愛してる……チュッ」

 公共のプールで愛を語りかける琴葉に身体が熱くなる。誰かに見られているかもしれない破廉恥な行為を、誰かに見せつけたくて心臓が飛び出そうなほどの欲求が襲ってくる。

「琴葉…場所を変えよう。ここだとさすがに――」
「ウソ。重行の……凄く硬くなってるの、知ってるよ?」

 ドキッと、耳下でささやく琴葉の声にさらに逸物が大きく跳ねた。いきり立った逸物が、抱きつく琴葉の内腿に擦れる。柔らかく潤いのある琴葉の腿肉。重行に抱きつき、プールで体重が軽くなったのを利用し、まるで素股をしてくるように逸物を腿に挟んで扱きあげていく琴葉。琴葉の体重がいくらか逸物に乗っかるものの、硬くなった重行の逸物は琴葉を支えて喜ぶようにそそり立っていた。

「ンッ…ンッ……はぁっ……んふっ…」
「あっ…ことは、ソレ、ヤバい……」

 逸物の上に琴葉が乗っかり、お尻の柔らかい弾力が滑る。ビキニを脱いだ琴葉はそのまま、秘部の入り口に逸物の先端を触れさせた。

「うわあっ!」
「あ…っ!あぶない……危うく入っちゃうところだったね!」

 笑いながらも満更でもない琴葉。重行に向ける屈託のない笑みを抱きしめたくて、動けない身体を必死に動かした。
 すると、今まで動かなかった身体は急に動きだした。そして、琴葉を強く抱きしめたのだ。

「琴葉――!」
「あっ……」

 今までの想いを凝縮し、熱く滾った感情はもう抑えることが出来ない。

「俺も・・・琴葉のことが好きだ……だからいま、コイツを沈めてほしい……」
「……うんっ」

 逸物をプールの中で弄りながら、琴葉の淫唇に挿入する。
 その様子は見ることはできないが、琴葉も股を開いて逸物を迎え入れるよう準備する。
 プールと違う、温かな水気の感触を察し、重行が腰を押し進める。すると、ヌルンと濡れた琴葉の膣内に逸物が潜入していった。

「ふぁぁっ……」

 琴葉が喘ぐ。琴葉も重行と同じように感じ、お互い初めての感覚を味わっていた。
 初心な彼氏彼女のセックス。 重 行 か ら 始 ま っ た セ ッ ク ス 。 危 害 を 受 け た 琴 葉 。

「あははははは……」

 琴葉が重行の肩を強く握りしめた。その力があまりにも強く、痣になってしまう衝撃を受けた重行だった。

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 杉小路琴葉―すじのこうじことは―は五味重行―ごみしげゆき―に泳ぎを教えてもらいに蘭子プールに遊びに来ていた。
 重行と付き合って一年、去年は行けなかった海に向けての特訓を兼ね、初めて披露する水着姿で重行を誘惑するつもりだった。

「・・・それはオマケだけどね」
「ん?なんだ?」
「ううん、なんでもない!」

 琴葉は一休み終え、再びプールに入る。

「じゃあ続きな。顔を水に付けるところから。十秒ほどつけたら顔をあげるんだぞ」
「はーい」

 最初は水に馴れさせるところから。泳ぐ以前の問題だ。顔を水に付けて僅か4秒で琴葉は顔をあげてしまった。

「よし、海に向けて大きく前進!」
「……」
「ねえ。カナヅチって能力者みたいで格好良くない?」
「だせぇ」
「そ、そんな一言で一掃しなくてもいいじゃない!」

 重行の特訓でいくらか顔を付けられるようになったとはいえ、まだまだ海には程遠い琴葉だった。

「……おまえ、ヘンにプラス思考だよな」
「えっ?なんて?」
「別に・・・」
「そう?……ハァっ!」

 そういう重行も琴葉との練習に満更でもない様子で向かっている。
 お互い夢に向かって努力をするというカタチをとる二人はさぞ輝いて見える。
 そんな二人の底。琴葉の身体に纏わりつく『スライム』の塊が張り付く。

「ブクブク(えっ)――!!?」

 寒気に襲われ、口に含んだ酸素を一気に吐いてしまう琴葉。
 身体が急に動かなくなり、僅かに沈んだだけの顔が水の中から出ることが出来なくなってしまった。混乱する琴葉はさらに酸素を失い、プールの中で口を大きく開いてしまう。
 大量に入ってくるプールの水。飲み込んでしまうと、琴葉の意識がフラッと薄れていった。

「(やだ……たすけて…重行………)」

 

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 慎之介の恩師、蘭子ごとプールを奪った池哉。プールの中では、プールに泳ぐ市民たち含めて自由自在だった。

「そんな・・・じゃあ、お兄ちゃんは・・・!?」
「ああ、おまえの兄は見ての通り。この俺が意識を奪った。ちなみにお前には身体の動きを制限させてもらった」

 慎之介(池哉)の信じられない言葉に美紗は戸惑うが、実際身体が動けなくなっているのを感じて受け入れるしかなかった。

「わたしの・・・おにいちゃんん……どうしてそんなことするの?」

 妹ながらに健気に兄を心配する美紗。慎之介になんの恨みもない。ただ、今日このプールに居合わせただけなのだ。
 偶然、それだけの理由で慎之介は池哉に身体を奪われたのだ。まるで兄を亡くしたような悲しみが襲ってくる美紗に、慎之介(池哉)は同情した。

「可哀想にな・・・。安心しろよ。すぐに兄と同じ目にあわしてやるからな」
「えっ・・・」

 慎之介(池哉)が美紗の身体を寄せる。身の危険を感じて放れようにも、プールは波を立てて慎之介(池哉)から放れさせてくれない。

「あっ……きゃあ――!!」
「たっぷり可愛がってやる」

 その頬に軽くキスをして、美紗の身体を拘束するプールに更なる指令を与える。ゲル状に蠢くプールの水が美紗の股間に張り付き、愛撫していく。

「ひあっ!あんっ、ひや、やぁ!!おにぃちゃんっ…も、もうっ、ゆるし…っくぅんっ!」

 慎之介の手と『スライム』のプールに拘束された美紗の身体は大きく揺れて甘く切ない喘ぎ声を出していた。

「最近の子供は感じて喘ぐのか…。くくく、発育が早いな」
「ふぁ…ひんっ!ひっ…はぁ……だめぇ……やだぁ…たすけて、おにいちゃん」

 弄られているのは兄なのに、それでも目の前にいる慎之介(池哉)に助けを求める美紗。それはまるで最後の希望に縋る純粋無垢な少女の瞳だった。
 兄として妹にそんな目を向けられたら助けに来ない臆病者はいないだろう。

「……そんなに兄のことを信じているのか?だったら兄としてふるまってやろうか?」
「ひ、あぁぁ……ええっ?」

 ピクッと慎之介の手が一瞬止まった。美紗への愛撫が弱まったのを美紗は感じていた。

「……美紗?」
「えっ…、あっ…?お、おにいちゃん!――――なの?」
「そうだよ、美紗」

 疑惑が拭いとれないプールの中で慎之介の口調が元に戻ったことに、美紗は安堵の表情を浮かべた。

「おにいちゃん!怖かったよ!今、お兄ちゃんの意識を奪ったって言う、ヘンな男の人が――!」
「美紗……もう大丈夫だよ、大丈夫」

 慎之介に何度も言われて美紗も本当に不安が去ったのではと、心に余裕が生まれていた。
 一刻も早くプールに出たいと、兄に告げようと口を開くその時――美紗は未だに自分の身体を執拗に触ってくる兄の行動に気付いたのだ。

「あの……おにいちゃん……?…手を、その……どけて……」

 スク水の上から撫でられる胸から甘い刺激が今も送られてくる。プールの水が股間に張り付き、愛撫してくる感覚も一向に落とせない。
 未だに恐怖は去っていなかったのだ。

「大丈夫だよ、美紗……」

 それでも慎之介は美紗に言葉を投げかける。そのなんの説得力もない笑みと発言を――。

「もうプールから出たくなくなるくらい、俺が身体中を気持ち良くしてあげるから」
「ひぃっっ――!?」

 口を開きかけた美紗の身体がビクンと跳ねる。同時にプールに潜む『スライム』が美紗の下半身を柔らかく包むと、うねるように動き始めた。

「んぅっ、んっ、んくっ…んんんっ!だめっ、だめえ!」

 プールに浸かる下半身がねっとりとゲル状のものに包まれる。つま先から太股、内股にかけてなぞるように撫でまわされ、小さく引き締まった尻肉を掴むように揉みあげられる。
 足指を一本ずつ咥えられるように包まれ、舐めしゃぶるような感覚に襲われる。
 今まで味わったことのない感覚に、美紗の身体がどんどんと熱く火照ってきていた。

「お兄ちゃん!お兄ちゃん!たすけて、このプール、ヘンなの!?ひゃぅぅ!!」
「ヘンじゃなくて、気持ち良いんだろ?美紗の乳首、勃起しているのがスク水越しにも分かるぞ」

 慎之介の手で乳房を揉まれ、美紗が甘い悲鳴を上げた。

「やぁ・・・お、お兄ちゃぁ…ひぁあっ!お、おっぱい触っちゃダメえ…!わたし、気持ちよくなんか、ないもん……!」

 感じて喘ぎ声を連発しているのに強がっている美紗に慎之介は嗤った。
 言葉で抗ってはいるが、漏らす吐息は甘く、蕩けた表情で慎之介の愛撫を受ける美紗の股間からは明らかに『スライム』とは違う液体が溢れていた。

「そうか……。じゃあ、兄として、もっと美紗に気持ち良いことしてやらないとな」
「ふぇぇ…お、おにいちゃ……そ、それは…っふぁぁっ!んっ…んくっ、んくぅ!」

 乳房から股間に手を下ろす慎之介。『スライム』ではなく、本格的に指の触りを感じる美紗の股間に敏感の反応を示す。
 恥丘をくすぐり、プールの水で淫唇のまわりをなぞっただけで、美紗は哀願の声を漏らした。

「やあぁぁっ…お、お兄ちゃん!!そ、ソコ…いじらないでぇぇっ……触っちゃ…やぁああっ!」

 兄に触られることに対する抵抗を溶かす様に、優しい声で慎之介は聞く。

「どうして?美紗だってこんなになってるのに?」
「だってぇぇ…わたし達、兄妹なのにぃぃ……こんなことしちゃ、だめなのにぃぃ……」
「いいんだよ。だって、俺。美紗のこと好きだから」

 突然の慎之介の告白に美紗は耳まで真っ赤になっていた。その赤く茹でった耳をパクッと咥えると、美紗は恥ずかしそうにうつむいてしまった。

「ふわぁぁ!あっ、ぁぁぁっ……」
「兄妹でも美紗のことは好きだから、だから美紗とやりたいんだ」
「お、おにいちゃん……そんなに、美紗のことを……」

 抵抗していた美紗の身体が急に脱力するように、身体の力を抜いて慎之介を受け入れ始める。
 火照った身体に甘い言葉は正常な感覚を麻痺させる。それは冷たい水で体温を奪われる感覚に似ている。
 あれほど抵抗を激しくしていた美紗が小さく丸くなり、慎之介を受け入れ始めていたのだ。

「気持ち良かったんだろ?」
「……うん、きもちよかったぁ……」

 本心を漏らす美紗。兄妹としての枷を外した美紗は今や本音を素直に告げるだけになっていた。慎之介は美紗の肢体を抱きかかえた。

「そうか…それじゃあ、今度は二人で気持ち良くなろうな」
「っあああ――!!」

 慎之介は美紗の小柄な肢体を抱き寄せ、何時の間に脱いだのであろう逸物を美紗の秘部に宛がい、正面からゆっくり挿入していった。


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 大量に出した精液で、水着が一部白く変色している。
 それでも池哉は未だに肉棒を硬くしていた。蘭子とヤるために蓄えてきた欲望と性欲は果てることがない。

「すごい・・・。あれだけ出しても池哉のチ〇ポ硬くなってるのね」
「ああ、パイズリなんかじゃ満足できないぞ、おれは」

 蘭子も池哉の言葉に満足したようにニヤリと微笑む。

「本番がお互い整ったってことかしら?」

 蘭子もパイズリの間ずっと感じていたに違いない。もともと蘭子には池哉の精神が入り込んでいるのだ。蘭子の身体から感じる新鮮な感度に、感じないはずはない。
 パイズリから伝わる乳房の刺激、熱くなった肉棒、溢れ出る精液。そのにおいと、汚れた水着――
 穢されても弄られても感じてしまう蘭子の身体に、下腹部はトロトロに疼いていたのである。

「俺は寝転がってるから、上に乗って動いてくれよ」
「ええ、分かったわ」

 池哉の言われるままに蘭子は立ち上がって池哉の腰の上に跨った。池哉の肉棒を握りしめたまま、蘭子はその上に腰を下ろす。肉棒の当たる直前に水着を片手でずらし、綺麗に処理された陰毛の下に、濡れて光る割れ目を覗かせていた。

「んっ・・・はぅう・・・」

 軽い抵抗と供に、膣内に肉棒を挿入れていく。

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「んあぁ……あ、熱い…!」

 冷えたはずの身体に焼けるほどの熱い肉棒が突き刺さるのだ。感じてたまらず喘ぐ蘭子。

「…これが蘭子の喘ぎ声……」

 聞くことがなかった池哉が初めて聞いた蘭子の喘ぎ声にさらに肉棒が滾る。

「んあ……は、はあぁぁ……ぜんぶ、はいったぁ……」

 腰とお尻がぶつかり、ようやく蘭子が一息ついた。
 座りこんだ蘭子の膣内で、肉棒がいっぱいになって満たされている感がたまらない。動くとすぐに感じてしまうほどの敏感な蘭子の感度に、震える声で充実感を味わっていた。

「俺が動くと疲れるから、蘭子の方で腰を振ってくれよ」
「え、ええ……」

 指示を出すのは自分自身。蘭子はそんな気がした通りに池哉が指令を出した。なので、せっかく味わっていた充実感を無理やり振り払って膣内で肉棒を転がすように腰を振りはじめた。

「んぅぅっ…んっ…んぅぅん……!」

 腰の上で円を描くように振ってから腰を浮かせて激しく突き始める。蘭子の動きに合わせて、豊満な乳房が揺れ動く。

 水着によって動きが弱いかもしれないが、それでも十分水着の中で激しく動いているのがわかった。

「もっと激しく突いてくれよ」
「あっ…はっ、はぁ…っ!ん……んっくぅ……はぁんっ!」

 最初はぎこちなかった蘭子の動きが、次第に馴れてくるように激しくなっていく。池哉が水着をつかむと、ぐいっと上に引っ張りあげる。
 お尻が丸見えになった蘭子のアソコは、腰を動かすのが楽になるはずだ。

「はぁっ、ああんっ……き、きもちいいっ!」

 淫らな音が結合部分から響く。蘭子は快楽に溺れているように腰を動かすのを全くやめようとしない。

「夢なんか捨てて俺を取っていれば、卑猥な蘭子を見れたということか」
「はぁあん……はぁぅ、はぁっ…んっ、んんっ……ああんっ!」
「いい声で喘ぐじゃないか。俺にももっと楽しませてくれよ」

 どす黒い感情が池哉に流れ込み、池谷の手が自然と蘭子のお尻の穴へと向かっていった。後ろから回した手が連結部より上の位置にある蘭子の尻の穴を捉えた。
 腰を振る最中でありながら、俺は蘭子の尻の穴に指を入れた。

「ふわぁああああっ……こ、こんなの…っ!」

 内股にギュッと力が入り、膣孔の絞めつけが格段に強まった。

「こ、これは凄い…!」

 背筋に軽い痺れを味わえる。膣の扱き具合がたまらない。肉棒の締めつけが増して、さらなる快感に酔いしれる。

「お尻の穴をほじられてどんな感じだ?」
「は、ぁぁ…!おしりが、むずむずして……かゆいのぅ!疼くの!」

 お尻を弄られれば違和感は半端ないだろう。入り口で指を締めつける蘭子の締めつけをさらに無理やり広げるように、二本目の指を挿入する。

「ひ、やあああ!!そんなの…はいらない……はいらない!」
「大丈夫。そう言ってもう挿入ってるから」
「きゅぅぅぅううっ――――!!」

 膣内の締めつけが強烈になり、お尻の方から肉棒を擦られる感覚が池哉を襲う。その間も腰を激しく動かし続ける蘭子。騎乗によって吸いあげられるように込み上げてくるものが、池哉の奥で突然爆発した。

「はぁ、ああんっ!んおっ、んっ、んぅ~っ!」
「くう!」

 びゅうっ!どくっ!びゅくっ、びゅうっ!

 腰を突き上げ、蘭子の膣奥に射精する。

「ああっ!ああっ!はぁぁぁああああ!!!くぅぅっ!!!」

      
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 蘭子が絶頂したと同時に、おま〇ことお尻の穴が同時に締めつけてくる。肉棒から精液を残らず啜り取ろうと掴んで離さない蘭子の膣壁が中で蠢く。蘭子は脱力して腰を下ろし、池哉の精液をすべて受け入れるように膣孔は搾り取り続けていた。

「あっ、はぁん……まだでてるぅ……あぁ…」

 膣で絞られながらアナルに入った指で扱かれている蘭子の膣壁の感触は、あまりにも甘美な快感であった。

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 プールの波に揺られて感じてしまっている美紗。慌てる美紗の股布から、やわらかな下腹部と内股に指先を這わせる慎之介。
 ずらした水着の隙間から海水が下腹部へと流れ込み、美紗の身体がビクンと震えた。
 水が冷たいからだけではない。
 まるで水そのものに美紗の秘部を弄られている感覚に襲われたのだ。

「み、みずが……?きゃぅ!やぁぁっ!あ、あそこ……ぐにぐにって…弄られてるぅ!?」

 慎之介の指の数だけではない、もっと多くの指の数が、美紗の下腹部を撫でているのだ。
 プールのなかで美紗だけしか気付かない。
 美紗の隣では多くの女性が泳いで楽しんでいるのにもかかわらず、美紗だけが赤い顔して感じていることにじっと耐えている表情を浮かべていた。

「おにいちゃん……このプール、へんだよぉ!……も、もぅっ…きゃふっ!」

 美紗は弄られているはずの兄に助けを求めていた。自分では動けない以上、兄に助けを求めるしかないと分かっていても、手を出している相手に助けを求めている美紗に面白くなり、慎之介は口元に笑みを浮かべた。

「なんで?…美紗を感じさせるために、プールの水が手伝ってあげているって言うのに?」
「えっ、ええ…なにいってるの、おにいちゃん!?」

 突然、なにを言い出したのか、慎之介の発言に美紗は青くなる。

「このプールは俺の思うままに動いてくれるんだ。このプールは、俺そのものなんだよ」

 プールの水を操ることができる慎之介。慎之介がプールの水を操り、美紗に如何わしいことをしているとしたら、今このプールで遊んでいる人たちにも危害を及ぶ。その最初の犠牲者が、美紗なのだ。

「どうして……おにいちゃん!?」

 妹として叫ぶ美紗。そんな美紗を見て慎之介は不敵に笑った。

「お兄ちゃんか……おまえ、まだ俺のことを兄と思っているのか?」
「えっ……?」
「俺はおまえの兄ではない。おまえのことを全く知らない赤の他人だ」

 慎之介が告白する事実に美紗は困惑する。
 兄の姿をしたまったくの別人は、前日からこの日のために準備をしてきたのだった。



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 蘭子先生と別れた俺は、早くも水着に着替えて理紗がやってくるのを待っていた。
 多くの場所で賑わいを見せるプールだ。それぞれ目的を持った男子女子が50mプールで泳いでいた。

      
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「やぁん!重行―しげゆき―、私の手を放さないで!」
「ちゃんと底まで足を着ける深さなんだから心配するなよ」
「いいじゃない。今年こそは海にいくんだから、カナヅチを克服させてよ!」
「そうだな。じゃあ、まずは息つぎから始めようか。……ほらっ、早く顔を水に付けてみろよ」
「……し、沈めないでね。頭抑えつけるのナシだからね!」
「するか!」

 自分のペースで彼女に泳ぎの練習をさせる彼氏。やはりプールには一人で泳ぎに来る以外にカップルの姿も多い。俺と同じように泳ぎの練習に付き合うというカタチをとりやすいのだろう。
 海に向けての予行練習だ。プールも良いけど、やっぱり海で泳ぐことはスケールが違う。水平線まで泳ごうというほど果てしなく広い海で泳ぐことはとても気持ちいい。
 50mで区切られたプールを何度もクイック&ターンして泳ぐ必要がないだけで面白さが全然違う。
 やっぱり海は良い。
 ……そういえば、理紗とは去年海に行ったっけ?水遊びだけしか記憶がないけど。

「むッ――!」

 俺が見たのは、更衣室から出てきた同じ水着に身を包んだ女子たちの姿だった。水着のデザインは水泳部だった俺は見覚えがあった。


「あれは……姫崎高校の水泳部じゃないか」

 姫崎高校は競泳に関しては全国区で争う力を持つ強豪で、特に女子は近年必ず全国大会まで出場する有名校だ。
 まさかこんな場所でお目にかかるとは思わなかった。場所を変えての自主練習なのだろう、普段の泳ぐ前の真剣な表情はなく、気楽にプールに飛び込んで身体をならす様にゆっくり泳ぎだす。

「はえぇぇ……」

 マジかよ。どうやったら人はプールで身体を水と同化させ流れるように泳げるというのだろうか、姫崎高校の部員たちの泳ぎはまさにそれだ。潜水したと思ってあがってこないと思ったら、50mの端から端まで潜水で泳ぎきってしまったのだ。
 息つぎどこでしているというのだ?えら呼吸でも出来るのだろうか?……人魚?

「人魚――」

 俺の横を水泳部の部長、朝霧時雨―あさぎりしぐれ―が通り過ぎた。高校では負けなし。『人魚』と謳われる泳ぎの早さは大会自己新記録を持っていた。

「ふぅ……」

 あっという間に完走した時雨がプールからあがる。濡れた髪の毛を拭いて泳ぎの確認をしていた。

「まずまずのペースです。この調子でお願いします」
「水温が少し高いわね。でも、最初はこのくらいの方が泳ぎやすいわ」

 俺が入っている水温が高いなんて全然分からん。時雨にしか分からない拘りと言うのがあるのだろう。
 あまり邪魔をしないように、放れて理紗に泳ぎを教えるとしよう。

「……しかし、遅いな、理紗のやつ。なにしてるんだ?」

 一通り泳ぐ人たちの様子を見た俺の前に理紗は一向に姿を見せない。
 いったい、なにをしているのだろうか。
 いつまでプールに入っていないといけないのだろうか。泳がずにただじっとプールに入っていたので、ゾクッと寒気が走った。

「うわっ!これは一回、プールから上がって……あれ?」

 クラッと、急に俺は眩暈に襲われた。
 プールにたゆたっているように方向感覚がなくなり、俺はプールの底に足をついているのか分からなくなる。そう思うのは、次の瞬間――俺はプールを背中につけて広大な空を見あげていたのだから。
 青い空。
 海と同じ青。
 俺が泳ごうと思っていた青い海。上下の感覚さえ分からなくなっていた。

「なんだ…これ……おれは……」

 俺はまるで身体をプールに浮かせたまま、意識だけが底に沈んでいくのを感じた。
 理紗を残したまま、俺は深淵のプールの底へと堕ちていった。


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