純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

カテゴリ:グノーグレイヴ『他者変身』 > コピーキャット『聖なる夜を写して弄る』

 田村志穂の下校の道。公園に差しかかる。
 俺は志穂の前で飛び出した。志穂は俺にびっくりすることはなかったが、足を止めた。むしろ、気配を感じて足を止めていたと言う方が正しい。
 つまり俺は獲物を狙っている虎そのものというわけだ。
 荒く息を吐いて、気配をかき消せないほどいきがっているわけだ。

 ――ここが戦場。俺の辿り着いた死に場所だ――

「田村さん!!」

 上ずった声を張り上げる。志穂はさらに冷たい目で俺を見ていた。

「……なに?」

 「(好きです!付き合ってください!)」なんていきなり告白したい衝動に駆られるものの、俺がいまそんなことをいったところで玉砕するのは目に見えている。
 少しでもリスクを減らすためのデートのお誘い。それがクリスマスで出来る俺の謙虚な告白だった。
 特訓の成果でそれしか出来なかった。そう言う意味では、今更になって『コピーキャット』には本当に悪いことをしたと思う。

「あの、俺……おれ、と……」

 口数の少ない志穂の冷たい視線が痛いほど刺さり、俺の体力が削られていく。声が震え、弱腰になって、立っていることさえ辛くなる。
 胸が苦しい、息が荒い、早く終わりにしたいとどうしても気持ちがはやる。
 そして、俺は遂に言ってしまった。


「――これから、俺と一緒に夜を過ごさないか?」


「………………」

      
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 志穂がさらに目を細めた。俺は頭を抱えるほど心の中で悶絶した。

「うおおおああああ!!なんだ、その言い方は!?完全に夜を意識した喋り方になってるじゃないか!?ホテルに連れ込むことしか頭にないからそんな言葉が出てくるんだ!もう少し『食事とか……』、いや、『お茶でもどう――?』とか、軽く誘う程度にしておけば良かったのに、これじゃあ完全にセ――」
「(アハハハ―――あはっ――あじゃじゃした―――)」
「建て前と本音が逆……」

 糸冬了……。
 完全に終わった……。俺の初恋。
 誰とも喋ってないからこんな咄嗟の言葉をかけられないんだ。
 人間力が違いすぎた。俺には三次元に振り向いてくれる子なんていないんだ……。


『いけ!玉砕して来い!』


 ああ、あいつの声が頼もしく聞こえる。
 どうせ玉砕覚悟の告白だ。
 せめて美しく、華々しく散らせてくれ。

 春には桜――夏には花火――秋には紅葉――そして冬には俺の心臓―グラスはぁと―を。
 四季折々の美しさに彩られて散っていく、その中に私も混ざりたい……。

 さぁ、言ってくれ!俺は告った!――覚悟はもうできている。
 結末がどうなろうと、俺はもう前へ進める――。

「…………ダメ」

 がーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!
 やっぱな!ほらっ、やっぱりだ!
 人生が急に華々しくなるわけないし、急にモテ期が来るわけない。
 媚薬でも飲ませて、惚れ薬でも飲まない限り、俺にモテ期が来るわけない!
 俺はどうせ女と縁がない無縁地蔵――!
 やっぱりクリスマスなんか縁もゆかりもないイベントなんだ!
 日本人らしく羊羹食ってた方がまだ性に合ってるもんだ!!
 バーカ、バーカ!!
 うあああああああああああああああああああああああああんん――――!!!

「…………今日は家族みんなでクリスマス会があるから」

 …………………はっ?
 か、家族……?
 彼氏とかじゃなくて、血の繋がった……かぞく?
 こんな大事な日に、家族と食事かよ。それって、つまり、フリーってこと……?
 志穂は誰とも付き合っていないのか……?
 志穂が携帯を取り、おもむろに電話をかける。無表情な顔で電話が繋がった。

「もしもし、お母さん。わたし……。今日…………うん。友達とご飯食べることにした。お父さんにごめんなさいって伝えておいて……うん。ほんとうに、ごめんなさい……」

 プッと電話を切った。その間、俺は志穂以上に表情を殺していたと思う。 

「……どこに電話してたの?」
「おうち」
「なんで・・・?」

 志穂が非難する視線を送っていた。俺の方から誘っておいて一瞬でも忘れてしまったことを非難する視線だ。でも、その表情が一瞬和らいだ。

「夕食断ってきた。あなたが奢ってくれるって言ったから」
「いってねえ(いってねえ)」

 まっ――。男ならドンッと構えて、飯の一回ぐらい奢ってやれる男になりたい。
 好きな人と食事できるのなら尚更だ。
 志穂が俺の隣に付いて歩く。夜景のイルミネーションが灯る、町の商店街へと向かって供に歩く――。

      
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「どこに連れて行ってくれるの?美味しいおしゃれな店でしょうね?」

 まったく、志穂は計画性があって困る。
 俺がそんなことまで計算できている男だと思ったか……?
 もう少し、男を磨かないとな。
 ――志穂を喜ばせるために……。


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 ヤンキー達と一緒にホテルに入った『志穂』は早速裸にされた。前菜も必要ないほどにいきり立った逸物を、『志穂』の身体に挿入していく。

「ふにゃあああ――!!」

 ゾクゾクと、身体を痺れさせる志穂の快感。猫が全身の毛を逆立てるように、『志穂』の身体で四つん這いになって腰を浮かせていた。

「うおおおっ!!いいぜえ、こいつの膣内…熱くて、ぐっしょり濡れてやがるゼ」
「へへ、俺も我慢できない……。入れてみたいぜ!」

 そう言うと、一人は前に回って志穂の口に自らの逸物を挿入する。オチ〇ポに串刺しされる『志穂』は息も出来ず苦しく呻き、快感を両方の口から同時に味わっていた。

「ぶっ……ふぎゃ……ぐちゅっ…ちゅっ……ちゅぷ……」
「ああ、こっちの口も、気持ち良いぜ。涎がたまって、全身ずぶ濡れにされちまうぅ」

 満足そうに漏らす。しかし、『志穂』が謝って逸物を噛みついてしまった。歯を立ててかまれた拍子に、悶絶していた。

「いてえっ!てめえ!」
「にゃあっ!!」
「いま、俺のブツ噛みやがったな!!なにしやがるんだ、こいつ!!」

 部屋に響き渡る乾いた音。『志穂』の身体に男性が強烈な平手打ちをかましたのだ。

「きゃあああああ!!!」
「こいつ!こいつ!」

 バシン!バシン!と何度も叩く。男性の力は『志穂』の細い身体で耐えられるはずがなかった。白い肌が真っ赤になり、『志穂』の顔も高揚してきていた。

「ニャア……ああっ……」
「んっ、なんだよ、その顔?叩かれて感じていやがる?」

 手を休める相方に膣内に挿入していた男性がたまらず声を漏らしていた。

「ああ、膣内が締まる感じ、たまんねえぞ、おい」

 叩かれる度に濡れてくる『志穂』の膣内。愛液がどんどん溢れて、膣内はぐちょぐちょに濡れていた。熱い滾った身体の奥から漏れだす快感の波に、『志穂』も荒く息を吐き出していた。

「きもちいい……にゃあ!」
「そうか。おまえはとんでもないマゾだったのかよ!だったら、遠慮はしないぜ!」

 男性が再び攻撃を始める。『志穂』の身体を鞭うつように叩きつける平手に、大きなもみじの跡を刻みつけていく。

「にゃあ!きもちいい、きもちいい!」

 『志穂』は気持ちいいとしか言葉を知らない。
 男性の快感を刺激する言葉しかしらないのだ。

「好き、だいてぇ。ごしゅじんさまぁ。たすけてください~!」
「ははは!こいつ、本当におもしれえ!叩かれてる俺に縋りついてくるぜ!」

 ビシーンと大きく音が弾かれる。

「ひにゃああああ――――!!!!」

 『志穂』がたまらず絶頂した。そして――、

「うはあ!!すげえ締まるぅ!!……くうぅ!ダメだ、いくぅ―――!!」

 男性が絶頂を迎えて大量に精液を吐き出した。びくん、びくんと『志穂』の身体が痙攣し、連続して絶頂をむかえた。

「ひぃぃ!!いくぅぅぅ――!!いくうぅぅ!!いっくうううう……」

      
ふにゃあ~

 再び赤から白く染められた『志穂』の身体は、すっかり発情した猫そのものであった。
 目を虚ろにしながらも身体の奥から熱くなる体温に、猫なで声で男性を求め始めた。

「どけ。次は俺の番だ!」

 男性が交代で次々と『志穂』を犯す。
 柔軟に身体をくねらせて膣内を動かす『志穂』に、男性もまた快感にやられていった。

「なんだよ、こいつの膣内は!!?もぅ、ヤバすぎる!」
「にゃあ!すきぃ!抱いてにゃあ!」
「うわああぁぁ!!!」

 絶えず受け、絶えず吐き出し――、
 精力の続く限り男性たちは『志穂』と交わり、遂に尽きた。体力、精力供に尽きた男性たちは『志穂』を置いてホテルから出ていった。

「にゃん…にゃあにゃあ……」

 戦いが終わったことも気付かず、さらに自分の身体を慰めようと胸を弄りだす『志穂』。
 その欲求に塗れた姿を――、俺と少女は見つけたのだった。


「なんてことだ……」


 俺はがっくり肩を落とし、扉の前で崩れ落ちた。


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 ――お久し振りです!

 クリスマスに向けて着実に準備を重ねてきた俺です。
 果たして今までなにをしてきたかと言うと――
 ちょっとだけ、『志穂』を調教してました。

「フニャアアア――――!!!」

      
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 鎖で身体を固定して、亀甲縛りで見動きを封じる。
 志穂には絶対出来ないことでも、『コピーキャット』になら問答無用でできるというもの。
 心を鬼にして俺は『志穂』に当たり散らす。

「おらぁ!猫語しか喋らないのか!姿はそっくりでもいつまで猫被ってるんだ!?そろそろ人間の言葉で喋ってみろ!そうしないとなんの練習にもなれないじゃないか!」

 溺愛から超スパルタ教育へ。そのギャップに隣で見ている少女ですら目を丸くしていた。

「『コピーキャット』は猫を被っているのではないぞ。むしろ人間を被っているのであって人間の言葉を喋らせるには容易じゃないぞ」
「ふっ、甘えさせる必要は皆無。恐怖で縛りつけるうちに言う事を聞くしかなくなるもんだよ」
「そういう教育もあるにはあるね。まったく、やっぱりきみ達は恐ろしいよ、人間」
「悲しいかな……。人はかくも本物志向へと転換していくのだよ。偽物じゃ不満なのだよ。おかしなところを見つけたら改善していかなくては本物とは呼べないだろ?」
「そうかい?語尾に『ニャ』って言ってくれた方が可愛いじゃないか?」
「今は語尾どころか全部が『ニャ』じゃねえか!」

 少女との会話の怒りを全部『志穂』にぶつけていく。鞭をしならせて打ちつける音に、『志穂』は身をすくめて恐怖を植え付ける。

「ヒニャアッ!?」
「おらあっ!怖かったら、『助けてください、ご主人さま』と言わんかい!!」
「そこまで言わせるんだ……」
「ヒニャ……ニャッ……ニャニャニャンニャニャ、ニャ!」
「ダメだ!もう一回!」
「ニャニャニャニャニャ……」
「ダメだダメだダメだメだメダメだ…………あれ?」
「はぁ…」

 俺の教育もあり、すこしずつ『志穂』が言葉を喋れるようになっていく。

「ニャン…ニャ……ニャニャニャンシャニャ」
「おっ?」
「ごしゅにんにゃま~」
「今のはどう?」
「あー。惜しいね。もう一回」

 心を鬼にして、『志穂』に対して強く当たる。
 人はどこまでもドSになれるのだと、俺は強く実感した。
 叩き潰す快感。救いを差し伸べる手を払いのけて谷底まで突き落とす瞬間の心地良さはない。
 知ってはいけない人の闇を体感し、これまでにない冷嘲熱罵で『志穂』をなじった。
 やがて、恐怖が肉体を支配した時、奇跡が起きる――

「おらあ!!これ以上じたばたしたら、おまえの股間にバイブを入れて三日三晩放置させて快楽地獄に突き落とすぞ!!」
「ひぃぃ!!にゃご、……ご、ごしゅにんにゃにゃ……」
「ごしゅじんさま。言えたんじゃない?」

 少女も確かに聞いた気がした。『志穂』の喋った初めての言葉だ。

「ごしゅじんさにゃ~。た、しゅ、けて、くだ、さ、ひ、ご、しゅ、じん、さ、ま~」

 泣きながら、確かに喋った言葉を聞いて、俺は拳を震わせていた。

「すごいじゃない?本当に喋れるなんて思わなかったよ」

 少女も歓喜している。俺は……俺はぁぁ!!震えた拳を大きく解放した!!そして、『志穂』に対して満面の笑みで抱きついた。

「おおう!『志穂』~!!おまえはなんて可愛い奴なんだ!今までスパルタ教育してきて悪かったよ!!本当はおまえのことが愛して愛して止まなかったんだ!!でも、それは断じて普段の俺じゃない!普段の俺はとっても優しいお兄さんなんだよ~!!」
「うにゃああああ!!!」

 ぎゅっと抱きついた瞬間に、『志穂』が涙を流して喜んでいるじゃないか。俺の腕の中で暴れて存在感を見せるように首を左右に振って髪の毛を靡かせている。くぅ、可愛い奴め。

「それ、本当に嫌がってるんじゃないの?」
「暴れたくても分かってるぞ!お前も俺のことが愛してたんだろ!?お互い辛いことを堪えて今まで頑張ってきたんだもんな!よく頑張ったな。偉かったぞ。これからおまえのことを愛してイクから、これからも俺と一緒に言葉を覚えていこうなぁ!!」
「いやあああああああ!!!」
「また言葉を言えたじゃないか!凄いな、『志穂』は一つ言葉を覚えると湯水のごとく吸収するじゃないか。頭良いなあ、『志穂』は」

 それでは次は快感の生みだす言葉を教よう。

「『格好良い、好き。抱いて』って言ってみるんだ。言えっ!!」
「しゅ、しゅき……にゃひて……」
「すき!だいて!だ」
「す、き…だ、い、て…!かこいい……」
「んっ、良いよ♪」

 飴と鞭戦法で次々と言葉を短時間で覚えさせる。俺には先生になる才能があるかもしれない。
 俺は自分の逸物を取り出して『志穂』の顔に押しつけた。

「ニャア……」
「『おち〇ち〇』だ。言ってみろ」
「お、にゃあにゃあ……」
「違う。ち〇ち〇」
「お、ち〇ち〇……」
「そうだ。よく、覚えておくんだぞ。においもな」

 鼻に押し付けて逸物からのにおいも覚えさせる。しかめっ面した『志穂』の顔がにおいを嗅ぐにつれて高揚する。赤くなった表情と、とろんと蕩けた瞳を見て、『志穂』の下半身がジワッと濡れてきていたことに気付く。

「濡れてるな。これだけ濡れていれば大丈夫だな」
「ぬれてる……」

 疲れ切った『志穂』の抵抗は少なく、俺は『志穂』を四つん這いにさせる。そして、下半身を広げさせて『志穂』のアソコを開かせると、いきり立った逸物を注ぎ込んだ。

「にゃあああ!あっ、あぅ……」
「痛くても、我慢するんだ。だんだんと、気持ち良くなってくるからな」
「き、もち、いい……?」
「そうだ。気持ち良いだ!言ってみると気持ち良くなってくるぞ」
「きもち、ひい……きもちいい……ニャッ!……きもち、いい!」

 『志穂』の言葉に合わせて腰を打ちつける。すると、『志穂』の膣内が逸物を包んだまま締まっていくので、突く際には大きく擦れて『志穂』が甲高い声を荒げていた。

「ああんっ!きもち、いいニャ!キモチイイニャ!きもちいいにゃあ!」
「おぅ……俺も、気持ち良いよ、うはぁ……嬉しいよぉ『志穂』……んっ、はぁ…ヤバイ、出そう」

 腰を打ちつける音が大きくなって、『志穂』と繋がった場所からイヤらしい音が響いてくる。
 志穂の膣内を完璧にコピーしている『志穂』だ。その締まり方や膣内の温かさに興奮しないわけがない。俺の逸物が膣内で大きく膨張し、爆発寸前にまでなっていた。

      
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「あぁ……イクぞ……『志穂』!」
「フニャア……い、いく…?」
「そう…。出る時の声だ。『志穂』も言うんだ。一緒にイク時の声だ」
「んに…い、く……いく……いくぅ…!イクっ……イクぅ!」
「おぅ、い、イクっ!うはぁっ!!」
「いっくぅ!イクイクイク、イクウウウウううぅぅううーーーーーーー!!!」

 俺と供に『志穂』も激しく身体を震わす。快感で視線を仰いで、涎を口から零す。
 涙が流れ落ちたまま、身体をピクピクと震わせると、脱力して前のめりに崩れ落ちた。しかし、お尻だけは俺と繋がってたこともあってあがっている態勢だった。背中の滑らかな曲線が見え、とても綺麗な背中である。
 俺にはとてもたまらなかった。

「ん……ハァ……まだ中でビクビクいってる。『志穂』の中とっても気持ち良かったよ」
「ニャア……ニャア……」

 息を切らしたままの『志穂』は、俺に対してどうにでもしていいとばかりに逃げることもしない。態勢を変えようとすれば俺の力でどうにでもなるその軽い体重は、本当に俺とは相性が良く、いつまでもこうしていたいと言っているようだ。
 クリスマスの日、それも今日のようにうまく行けばいいと――
 俺は再び『志穂』の中で激しく動き始めたのだった。

 最後まで俺の様子を白い目で見ていた少女が言った。

「んっ……いやぁ、無理だと思うニャア……」


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 家まで帰り、とりあえず姉貴の服を『志穂』に着替えさせる。それだけで随分落ちつきを取り戻すことが出来る。

「ニャウン!」

 猫の鳴き声は変わらないモノの、見た目は田中志穂でしかない。むしろ、猫語で初めて志穂の声を聞いたわけだ。こんな声しているのかよ、こいつって。
 ……全然イケルぞ。林原〇ぐみそっくりな声じゃないか!

「きみが声優ファンだったんだね」

 ――――― 

「ニャ、ニャ、フニャぁ!」

 俺の部屋で遊んでいる『志穂』。まるで猫と志穂が入れ替わってしまったのではないかと思うほどに猫を演じている。
 本当は、猫が志穂を演じているのであるが――

「そうだ!俺はこいつで練習しなくちゃいけないんだ!」
 
 改めて、ベッドの上で『志穂』を正座にさせて、目の前に俺も正座で座る。

「広い部屋でわざわざベッドの上で正座……堅物くんだね、きみは」
「ほっといてくれ!つうかいたのかよ!?」

 少女が未だついてきていた。クリスマスを誘う予定の秘密の特訓を見られることは恥ずかしいものである。特に少女と喋ったら、そっちに気が行ってしまって話が進まなくなってしまうじゃないかという懸念がある。
 それを案じてか、少女は先に「なにもしやしないよ」とだけ残してどっかにいってしまった。
 俺の家を歩きまわりに行ったのか、誰かに見つかったら俺は知らん。あいつこそまるで猫のような奴である。

「さて……、んあ…、し、志穂……」
「ニャアン?」

 俺の返事に応えたのかどうなのか分からないが返事を返す様に見つめてくる。くっ、可愛いぜ。その目に心を見透かされて、志穂しか見えなくなってくるようだ。

「こ、ここ……今度の日曜日、一緒に、くり、くり……くりsdfghjkl;:」

 ――言えない!
 目の前にいるのが志穂の『コピーキャット』だって分かっているけど、恥ずかしくて言えないよぉ。女々しい、俺、クスン……(涙)

「いや、それじゃあダメだ。もう一回、真剣に、男らしく……えっ!?」

 気合を入れていた俺に擦りつくように『志穂』が四つん這いで顔を覗かせてきた。身体を伸ばしてベッドに膝をついて俺のにおいを嗅いでいる。鼻を鳴らしてクンクンと動かした後、お気に入りのにおいでも嗅いだのだろうか、俺の顔に舌を伸ばしてペロリと舐め始めたのだ。

      
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「~~~~っっっっ!!?」

 動揺してして赤面してしまう俺。『志穂』の舌が俺をペロペロ舐めているんだ。
 舌のザラザラ感、温もり、湿り気、全部が志穂本人と同じだ。
 それを知っているのか知らないでいるのか、俺の顔を舐めることをやめない。

「ニャッ……ペロ、ペロペロ……ちろっ、ニャッ……チュっ」

 唇まで付けているぞ!?俺の頬に『志穂』の唇がプルンとくっつく。信じられねえ!!
 潤んだ唇から吐き出される甘い息。俺の頬に撫でられるように吹きかけられてゾクゾクしてしまう。
 今は顔だけを舐められているけど、いずれは下に降りていって俺のムスコを舐めてくれるんじゃないだろうかと想像してしまう。
 恥ずかしいながらに考えただけで興奮して、ムスコは存在感を見せ始めていた。『志穂』の唇でぺロペロ舐められたら、たまんなくてフル勃起である。
 そ、そんなことすると……俺、おれはあああ―――!!

「男を見せてやるぜ!!」

 そう粋がって『志穂』をベッドに倒しこんだ。


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 田村志穂―たむらしほ―はあまり人と会話をしない子だった。
 友達も少なく、一人でいることが多く、帰りもよく一人でいる。
 無口で無愛想。誰にも心を打ち解けていない印象を持っていた。

「――まっ、だからたまらないんだよなぁ」

 俺は田村志穂のことを気にかける一人である。
 志穂は知らないかもしれないが、男性の中では結構競争率が高い。
 一人でいることが多いだけに、逆に彼氏もいないだろうという安心感が男性の心を惹きつめるわけだ。無口で無愛想というだけで男にとって掻き立てられる。

「ふむ……まったくきみの思考というものは理解できないよ、人間」

 俺の隣には何故か昨日の少女が傍にいた。『エムシー販売店』で働いている少女が『コピーキャット』の様子をうかがいに来たのである。アフターケアということだろうか。

「無口で無愛想なんて何考えているか分からないじゃないか?」
「だからいいんじゃねえか。ああいうやつこそ、好きになれば心を打ち解けていくもんなんなんだよ。……誰にも心を打ち解けないのに、俺にだけは気兼ねなく喋ってくれるだなんて、くはあっ、たまんねえ!」
「妄想力全開だね。そういう娘こそ影ではコソコソ凄いことしてるんじゃないの?」
「スゴイこと……だとっ!?」
「痴漢被害にあうとか」
「エロ本の読み過ぎだ!」
「無口な子なんか助けられそうもないじゃないか。……毎日乗っている電車の中で、初めて痴漢被害にあった無口な少女。翌日まさか同じ電車に遭遇するわけないと思ったら、背後には昨日の痴漢のおじさん。「おやっ、きみは昨日のお嬢さん。こんなところで偶然ですね。今日もまたおじさんが仕込んであげちゃうよ?」なんていう展開はたまんないね、えっへっへ」
「妄想力全開だな、おい。むしろ、俺よりすげえじゃねえか」

      
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 そもそもその少女の妄想には穴がある!痴漢被害を運命的な描写で言うな。そんなに感動する描写じゃねえだろ?無口な娘が痴漢にあうのはスゴイことじゃないですからあああ!被害者ですからああああ!

「援助交際だってしてるかもしれないよ。メールを開けば男のアドレス。夜の街に繰り出してラブホで金もらってセックス――」
「――それ、無口な子関係ないからあああ!!ヤる人はやっちゃうからあああ!!」

 誰だ、無口=エロの被害者とレッテルを付ける奴は?!無口だからと言って影でコソコソエロイことはしないし、痴漢にあったら素直に助けを求めますからぁ!!

「それなら、無口な子は完全に他人と距離を置いて自分の世界に入っちゃってるね。AT-hold全開にして男性の声優さんの声で罵倒されながらオナニーしていると思うよ」
「どっからそんな知識を得てやがるんだ、こいつは!?偏見と間違いの塊じゃねえか。なんだよ、AT-holdって!?無口な子が全員声優ファンなのかよ!?」
「そう言えば、『〇がモテないのはどう考えてもお前らが悪い』アニメ化するね?」
「そ・れ・か・!・?」

 こいつ、エロゲファンでも、声優ファンでもなく、アニメファンだったのかよ。
 頼むから、BLファンじゃありませんように。――男にもう一つ穴はありませんからあああ!!

「だがな……も〇っちと志穂はぜんぜん似てない!似てないぞおお!」
「おまえが志穂ちゃんのなにを知ってる?」
「おまえがも〇っちのナニを知ってる!?」
「ガンガ〇を読めばも〇っちの日常が手に取るように分かるじゃないか。ほのぼのしてとってもいいよねぇ。日常系漫画は」
「そうか?」

 ちなみに漫画を読んでももこっちのすべてが分かるわけじゃないと思うぞ。
 いとこの〇ーちゃんが出てきたときは天使だと思ったわけだし、これからも新刊がでてくれば新たな情報がその時分かるわけだし。
 そう言えば、新刊そろそろ発売だなぁ……

「俺は癒しよりも迫力のある能力戦闘漫画の方が面白いと思うぞ?」
「中二病全快だね!」
「うるせえ、ほっとけ!」

 人それぞれ好みがあるわけで――

「それに比べて私は漫画じゃないから未だに引き出しは広いぞ。次から次へと出てくる謎の存在、未知の『能力』、という設定。どうだ、面白そうだろ?」
「おまえの設定、確かに分かんねえけど、あまり読者も気にしてないと思うぞ……」

 登場から一年経っちまったし……、全然本編に関わってこないし……

「それこそ、おまえの登場する作品は系列でいえば『ほのぼの日常系漫画』だしな」
「どうしてそんなこと言うかなあ?ボクは、きみの意見を取り入れた『能力戦闘系漫画―アクティブ・スキル・バトル・クリエーション―』の登場人物だよ、本編『グローグレイヴ』もね」
「マジで!?」

 どう考えても想像できない。
 敵は?味方は?話の内容は?……一切見えてこねえ!!?

「全然本編が進んでないんだけど?」
「うーん…、それに関しては……どう考えてもお前らが悪い!!!」

 急にキレた!超怖い顔で吹っ切れやがった。

「俺に責任転嫁の方かよ!意味分かんねえ!?」
「本編そっちのけで、番外編(GGG)ばっかり作るから!」
「言うなあああ!!それ以上言うと、読者が逃げる!!」

 架空キャラが読者様に盾突くなんて前代未聞だぞ!?闇の力に消されるぞ、おまえ――!

「悪いことは言わない。逃げろ、超逃げろ!」
「だから、きみが全部悪いんだ。土下座しろ!」
「ハイ、どうも、すみませんでした!!!……って、なんで俺が土下座してるんだよ。こんな綺麗な土下座今までしたことなかったわ!」
「きみが悪くて全部が丸く収まるんだ。猫のように丸くなれよ」
「炬燵のような温かい場所ならいざ知らず、冷たいコンクリートで丸くなるってどんな罰ゲー……あっ――」
「あっ――」
「ネコ!」
「ネコ!」

 俺と少女は『コピーキャット』の存在を同時に思い出した。
 話題がそれまくったものの、ようやく話の本編に戻ってこれてよかった。

「『コピーキャット』だよ」

 急にしおらしくなって笑顔で『コピーキャット』の名前を押し始める。今までのテンションはどこへやら。この少女、営業の素質あり過ぎる。

「分かってる」
「名前はみぃちゃん」
「おまえはドラえ〇んかよ!?」

 ドラ〇もんネタが多い奴である。そもそも少女は本当に『コピーキャット』に愛情があるのか小一時間問いただしたい。

「『コピーキャット』の使い方は分かっているね?」
「当然。こいつで志穂をクリスマスでデートに誘う練習にするんだ」
「…………ん?」

 少女が俺の話を聞いて疑問符を浮かべている。

「クリスマスを『コピーキャット』と過ごすでいいじゃないか?」
「ダメだ!志穂本人じゃなきゃ意味がないだろ?」

 『コピーキャットが変身した志穂』ではなく、オリジナルの志穂でなければ意味がない。クリスマス、聖なる夜はやはり本人とデートを交わすために、今から予行練習をするために『コピーキャット』を使わせてもらうのだ。

「……オリジナルに拘るね」
「当然だろ?おまえだって、やっぱり偽物より、本物に拘るだろ?」
「…………。そうだね!きみの言う通りかもしれない!」

 珍しく賛同する少女。どうでもいい時は確かにフェイクでもいいと考えるけど、ここぞという勝負の時にはオリジナルに拘るのが人間だ。クリスマスというのは確かに童貞の俺には関係ない日かもしれないが、童貞を卒業することを考える者にとっては大イベントであるのだ!

「行動しなくちゃ明日は掴めない!行くぞ、『コピーキャット』!志穂にばっちり変身して来いよ!」
「ニャオン!」

 テンション高く駆け足で志穂を追う。少女と話し過ぎて距離がだいぶ放れてしまった分だけ急いで追いかけなくちゃ見失ってしまう。
 少女も俺の後を追いかけていた。
 ニコニコと、普段以上に少女っぽい笑顔を見せていた。

 
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 クリスマスまで後一週間しかない……(リアル)
 しかもクリスマスに予定もない…………おかしいなぁ…おかしい、なぁ……どうしてこうなった……こんなはずじゃ、なかった、のに……ぅぅ……(リアル)
 このままじゃ、映画館に三回も足を運んだ『けい〇んっ!』を、今度はテレビで見ることになるじゃないか(リアル)……せつねえええぇぇぇ!!!

 ――コンコン

「ん?」

 お客さんだろうか?玄関からじゃなく、窓を叩いてくる客なんて今まで一人も見てこなかった。
 つぅか、最近は俺目当てに来る客なんていねぇし(リア――)


『(>'A`)>ウワァァァ そろそろリアルはこの辺で勘弁して下さい!!!』


 注:作品の一部で作者の悲痛の声が聞こえてきたことにお詫び申し上げます。


「誰だよ、こんな場所から?」

 心も気温も冷え切った12月のヒトリノ夜。カーテンを勢いよく開けた俺の目の前に飛び込んできたのは、――サンタが空から舞い降りてきた姿だった。

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「メリークリスマス!」
「……」

 少女だった。どうやら俺の知っているサンタと違うようだ。

「白ひげのおっさんは――!?赤鼻のトナカイは――!?」
「はい?」

 少女が目をクリっとして俺を見ている。動揺しすぎだ、俺。ロリというだけで、干支が一周した後に生まれた子供だからって、女の子だからって、ピンク髪のツインテールだからって……
 ドストライクだからって、緊張し過ぎだ、俺!

「えっと、サンタさん……」
「はい!」

 満面な笑顔が可愛いぜ、ど畜生!!

「今日まだクリスマスじゃないし……俺、もぅ大人なんだよ」
「自分で大人って言っちゃうところが子供よね~?」

 ふとサンタ以外にもう一人の声が聞こえてくる。サンタの横に座っていた、もう一人の少女が降りてくる。
 黒髪ロングで、どことなく猫耳のように見える跳ねた癖っ毛。
 冬だと言うのにショートスカートというのが若い。タイプと言えばサンタよりもこっちの少女である。

 つまり、俺の目の前に少女が二人も現れたわけで――リアルじゃない……。

「そんなお子様のためにわたし、サンタがプレゼントを運ぶ訳です!」
「よろこべ、クリスマス一人で過ごす男子諸君!」
「…………」

 少女二人組に笑われる俺って……なんかリアルでほっとする。悲しい現実だなぁ。

「エムシー販売店からのクリスマスイベントだよー」
「あぁ」

 そういうことか。確かに俺はエムシー販売店から買い物をしていた。用はお届けに来たというわけか。
 サンタコスプレで来るなんて粋な計らいだけど、一歩間違えれば犯罪のにおいがするからやめておけ。
 せめて玄関から普通に来いよ。

「よいしょ」
「うわぁ……」

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 サンタの袋から見える中身にドン引きする。
 バ〇ブ、ア〇ルビーズ、エスカリ〇ルグ、猿轡……
 なんていう、大人の道具…子供にはおすすめできねぇ……

「って、おい!俺もそんなのいらねえからな」
「えっ?」
「いらないの?せっかく商品のお届けに来たのに。……お金だけくれてキャンセルで良いの?」
「ちがう!」

 商品はちゃんと置いてけよ。金払ってるんだから商品渡さずに勝手に引き上げていったら詐欺じゃねえか!

「あった?」
「ううん。ちょっと待ってて」

 ごそごそと、大きな袋の中身を漁るサンタ少女。出てくる出てくる、アレとか、XXXとか、やヴぇええ!!とか……

「ちなみに、彼女本当にサンタなんだよ?」
「ウソだぁ」
「やっぱりきみ達は信じないよね?」

 黒髪の少女は俺に向かって淋しげな表情をうかべていた。

「宇宙人とか、サンタクロースとか、”居”るって言ってる人がいるのに大半の人が”居”ないと答える。少数の人たちの話は切り捨てて、ボク達の存在を否定する」

 少女がなにを言おうとしているのか分からない。世界にいるのは『人間』だけだ。宇宙人、サンタクロース、確かに話には聞くし、疑似科学やオカルトの話は興味を引いてやまない。根拠のない派手の話は俺も好きさ。
 ……でも、それは今やもう過去の話だ。科学で証明し、真実を提示しなければ信用できなくなってきている。
 確かに科学には疑似科学を叩く力はある。間違いと正しいという二極の対立が心を奪われていたからだ。
 しかし、人々の心をひきつける言葉は、現代の科学にはもう無いんだ。
 科学という断罪者。死刑執行を決められた通りに行う寡黙な現実を、今の俺たちは求めてしまっている。

 宇宙人――、サンタクロース――、
 彼女たちの存在を……問答無用で否定している現代の俺たち、『人間』。
 頑ななまでの信念を壊すことは、少女たちにはもはや不可能の領域……

「あっ、ありました!」

 ロリサンタが俺へのプレゼントを見つけたようだ。
 俺にソレを渡す。

 ――猫であった。

「ニャアン」

 しっかり鳴いている。生きているようだ。あんな暗くて狭い場所に閉じ込められていたと言うのに動物というのは健気で泣けてくる。
 モフモフした身体が気持ち良くて、はわわ…きゃわわ!!

「『コピーキャット』だよ」

 少女がそう言った。
 懐かしい商品名だ。確か一度販売していたことを思い出す。

「あれ?いまも販売してるの?」
「クリスマスイベントですから」
「あっ、そういうこと」

 てっきりコスチュームだけだと思っていたけど、今回限りの復活ということなのだろう。
 嬉しいことだ。

「前回よりさらにパワーアップしてるんだよ!」
「ほぉ」

 前回を知らない人には本当に申し訳ない。
 前回を知っている人には朗報である。

「商品化しろよ」
「イヤだ。生き物を大事に扱え」
「・・・その言葉、そっくりそのまま返してやるよ」

 前回よりパワーアップしているって、動物―ネコ―をどう改造したのか教えてほしいもんだ。

「操作性がアップしたんだよ!」
「もういい・・・」

 宇宙人に、動物愛護云々を聞いた俺が悪かった。
 こいつらに人―じゅんすい―のココロなどわかるまい。


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