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 『ファスナー』を使って矢崎灯璃―やざきともり―の皮を手に入れた。本物から奪い取った産地直送の本矢崎モノだ。
 俺は部屋にある飾ってあるだけのフィギュアを手にすると、灯璃の皮を着せていった。
 すると、どうだろう。サイズ違いのフィギュアが大きく形をなし、俺のベッドの上で矢崎灯璃が寝ていたのだ。完璧なまでの本人そっくりな顔立ち。もとがフィギュアだからか、なんの返事もしなければなんの反応も示さない。しかし、触ってみればわかる通り、肌の柔らかさやモチモチ感は、人間そのもの。
 紛れもない矢崎灯璃がいた。
 反応も示さないけど、穴だってあるんだ。彼女は俺だけのダッチワイフだ。
 俺はこのダッチワイフを灯璃本人と思いながら、大事に扱うように触り始めた。


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