純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

カテゴリ:グノーグレイヴ『体内変化』 > 粘土『忙しい男』

 ――男性は忙しい。
 一日のスケジュールを確認しなければならないのだ。

「えっと、今日は朝から香子が園芸教室。昼から利香が料理教室・・・。二時から四時には杏がダンス教室・・・。5時には秋子が高級ディナーに誘われていて、6時には葉奈が彼氏とデート……」

 『皮』にした女性たちのスケジュール帳から日程を立てると、男性は服を着替えるようにクローゼットを開けた。すると、ハンガーに掛けられた人間の『皮』が何枚も揃っていた。
 顔もしわくちゃで、もとがどういう顔をしていて、どういう体系であったのかも想像できないほど伸びてしまった女性たち。
 男性が一枚『皮』を選ぶと、タイツを着ていくように身につけていく。
 肌色の肌と肌色の肌を重ねていき、男性と同じ背丈の『皮』は他のものと比べて着替えやすかったのか、男性はすぐに着ることが出来た。
 着替え終わった瞬間にピタッと張り付く吸着感が男性を襲い、ブヨブヨに伸びてしまった『皮』が収縮してもとの姿へと戻っていった。
 顔は引き締まり、萎びた乳房も復活するように膨らんでいき、纏まった髪の毛も生えはじめていた。
 目がつり上がり、変身が完了したと感じた男性はゆっくりと目を開ける。
 そこには、乱暴で傍若無人の男性とは正反対の、おしとやかで清楚ある40代後半の女性の裸体があった。
 女性はなにもいわずに、自分の裸姿に目を映して、感度を二、三度確かめるように乳房を揉んだ後、何事もなかったように女性の背丈と同じ着物を取り出した。
 元々それは女性のものだ。着替えが始まると着物は女性の肌に馴染むように肌を擦りながら羽織っていき、男性も女性の記憶を頼りに難しい着物をいとも簡単に気つけ終わった。

      
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「これでよろしゅうな・・・。ウフフ、香子さんの喋り方が訛っていて、なんだか可愛く聞こえますなぁ」

 抑揚のついた色っぽい声で自画自賛する女性を演じる男性は、履きなれない草履を綺麗に履いて、今日一日の予定へと出掛けていった。

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 恵子の待ち人はとある大企業の社長であり、その顔は男性も知っているほどの有名人である。

「(へえ~。こいつ表では清々しく社会を貪っている癖に、裏では愛人を作ってるのかよ、サイテーだな)」

 恵子―だんせい―は心では思っていても、表面では愛人の到着を待っていた女性の顔を演じていた。

「あーん、ダーリン。遅い~」
「いやいや、会社の報告が長引いてしまってね。・・・うちは来年も忙しくて困る、ンッフッフ~」

 早速部屋へと案内して二人っきりになった瞬間に抱きついてくる社長。恵子の胸を独り占めして揉み始める社長は、決して誰にも見せることのできない腹黒い下品な表情を浮かべていた。

「ちょっと、やめてよ~」

 本気で叩いたつもりでも、愛人に叩かれたくらいじゃ痛みにもならないのか、社長は諦めずに恵子の身体を求めていた。

「なんだよ~。少しは疲れてるんだ。今日は好き放題させてもらうよ~」
「(・・・結局これじゃあ逃げられてないな・・・)」

 常連のおじさんから逃げたと思えば次は社長と、男性は皆同じことしか考えていないのだろうか。
 そう思うものの、恵子の社長に尽くす想いは本物なのか、常連よりも嫌悪感はない。むしろ求められた方が女性も燃えるのだろうか、身体の奥からフツフツと湧き上がる動きを恵子は感じていた。
 『皮』に包まれたものは当人より『皮』にされた被害者の意志が勝る傾向がある。男性が感じていたのはそれだ。逃げられないと観念した時、恵子の身体が無意識に服を脱ぎ始めていた。
 そして、その豊満な胸をチラつかせて社長に身体を預けると、社長は恵子の胸を弄り始めた。

「ん・・・ん・・・・・・・」

 里佳子よりも柔らかく重い質量の乳房。社長に触られて感じやすい恵子の感度。
 大きいほど感じやすいと言うのはあながち間違っていない。そこにさらに、好きな人とやるから感じるのだ。

「あぁ・・・このボリューム、たまらないよ」

 両手で弾ませ、恵子の胸を自分の者のように弄る社長。
 当然、彼とは愛人関係。社長には別に、普通の家族がある。しかし、こうして忍んで愛人である恵子の元へやって来ては定期的に可愛がってくれる社長に、恵子もまたその立場で十分満足していた。
 不倫、浮気をしてでも繋がりたいと思う私欲と私欲。
 お金じゃない、やっぱり愛である。
 恵子は未婚であり、現在恋人もいないけど、しかし、心は既に結婚しているのである。

「(へえ、わからない世界だよな、まったく・・・)」 

 縁のない社会の中で自由に遊ぶ大人たちに触れる男性。
 闇に塗れた欲望の渦を、身に染みて感じているのであった。


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 常連たちがほっこりしながら満足して店を出ていく。
 残った里佳子も汚れを落として服を着たところで、常連たちにいた中年のおじさんが一人走って戻ってきたのだ。
 忘れ物かと思ったが、お店に忘れものなど落とすはずもない。おじさんは里佳子に用があったのだ。

「おい、姉ちゃん」

 口調は悪いがにこやかな口調で言った。

「すごい、よかったよ。おじさん感動しちゃったよ。こんな光景見られるなんて、いや、ほんとびっくり」
「はぁ、どうも」

 興奮さめやらない男性はハイテンションでオーバーリアクションでアピールする。その怒涛さに里佳子が目を丸くしていた。
 戻って来た用件を勘ぐる前に、おじさんの声のトーンがひとつ下がった。

「それでさ、お姉ちゃん。あんたもどうせ探しに来たんだろ?」
「はいっ、なにを?」

 里佳子はただバイブの感度を味わうために最高の舞台を作り上げただけだ。おじさんと話が食いつかず、最初はなにを言っているのか理解できなかった。

「俺たちはDVDだったが、あんたはナニを探しにこの店に訪ねたんだい?」
「わたしは・・・(このじじい、まさか・・・・・)」

 里佳子がおじさんの意図を察し、後ずさりした。すかさずおじさんが里佳子を角に押しつぶすように顔を近づけ、財布の中から大金をかざして見せた。

「これでやらしてくれよ、姉ちゃん。特別サービスだ」

 息のあがるおじさん。今この場で断ったらなにをされるか分からないと思った里佳子は、この場は素直に応じることにした。おじさんの腕にくるまりながら、店を出てすぐのラブホテルに入っていく。
 ラブホテルに入ることが初めての里佳子にとってシステム云々は分からない。男性にすべて任せるようにしていると、すぐにVIPルームへ案内された。

「広いだろう。お風呂も二人入れるようになっておる。あとでゆっくり入るとするか、うひひ・・・」

 下品な笑いを浮かべるおじさんに身の危険を感じる。しかし、おじさんにすべて任せてしまったということは、おじさんが満足するまで帰ることが出来ないと、逆に自分の首を絞めてしまった形になった。

「(まずいな。いいなり状態じゃねえか・・・)」

 目の前で服を脱ぎ始めたおじさん。体系はやせ形と思っていたのに、持つものは立派にそそり立つ巨根のペニス。年をとってもまだまだ現役を証明する逞しいものであった。
 おじさんが身体をベッドに預けると、早速里佳子を手招きしていた。

「さあ、おじさんの上に乗ってパイズリでもしてもらおうか」

 先程見せた豊満な乳房を求めるように、おじさんは手を空で揉みほぐしていた。

「待って。その・・・、においを落としたいですし、一回お手洗いに行ってもよろしくて?」

 ホテルは立派なのにトイレだけは共有なのか、部屋ごとに付いておらず、廊下に出なければならないのだ。一度顔を隠すことが出来るチャンスがある場所だと、逃げ込むつもりで訪ねてみると、おじさんの目つきが変わった。

「ワシが良いって言ってるんだ!さっさと来なさい!」

 怒鳴りつけて里佳子を呼び寄せる。まるで見えない鎖に繋がれたように、言葉に引きづられるかのようにおじさん元へと寄っていった。ベッドに座り、衣服を脱いで裸になると、寝ているおじさんの上に覆いかぶさるようにうつ伏せになった。

「(ええい!もう、やけだ――!)」

 里佳子はやけになり、自分の持つ自慢の乳房でおじさんのペニスを覆い包むと、左右から寄せて圧迫し始めたのだ。

「おっ、おぅ、うまいぞ。おほほほ・・・」

 自分で乳房を操り、左右に寄せた乳房を放して一度谷間へペニスを落とすと今度はさらに深くに覆いかぶさる。乳房に包まれたペニスはムクムクと大きくなり、亀頭だけ顔を出して皮を剥け、苦しそうに赤く腫れ上がっていた。

「(うわっ、すごい、におい・・・くさくてたまらないぞ・・・・・何日洗ってないんだよ)」

 加齢臭と男性独自のにおいが合わさり、鼻の敏感な里佳子にツンとした息苦しいにおいが香って来る。せき込みそうになるのを我慢しながらペニスを愛撫し続けように乳房を揉んで形を変える。

「あーいい、それ、いい。ああ、キモチイイ・・・」
「そ、そう・・・・モニュモニュ」
「じゃあ、そろそろ、口で舐めてもらおうか」
「くち、えっ・・・えええっ!?」

 里佳子が慌てて声を張った。この悪臭のするペニスを舐めることに対する嫌悪感が顔に出そうになるのを寸でのところで耐え凌ぐ。

      
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「どうした?」
「(うっぷ・・・くそ、しょうがねえ・・・・・・こうなりゃあ――!)」

 里佳子がさらに覚悟を決めて、震えながら小さく舌を出す。乳房から顔を出す亀頭に顔を近づけ、軽くキスをするように舌で舐めると、おじさんが喘ぎ声をもらした。

「くはぁ、これはたまらん!もっとしてくれ!」

 おじさんの要望に応えるように、里佳子は返事もせずにペニスを舌でなぞった。

「ちゅぶ・・っんん・・ふっ・・んんっ! ちゅ・・んくっ・・はふぅ・・」

 必死にペニスを舐める里佳子。それに伴い竿の部分まで体重で押し潰し、柔らかな弾力感がペニス全体に伝わってくる。

「ぢゅるっ・・ぅんんっ・・う・・む・・うん・・っちゅ・・・んっ・・ぺろっ・・ちゅる、ぺろり」

 里佳子の声に合わせて涎が溢れていて、おじさんのペニスが唾液まみれになる。しかし、その中で里佳子はおじさんの先走り汁の味を口の中で感じていた。

「じゅるじゅるっ・・くちゅっ・・ちゅるっ・・ぅんんっ・・ちゅぷぷ・・」
「ああ、いい。ソコだ・・・ああ、あっ・・あひゃ・・ひっ、くぅ・・・」

 おじさんの腰がヒクヒク動く。胸を揉み、口に咥え、絶妙な甘美を味わっているおじさんが今にも射精しそうな顔をしていた。ペニスがさらに膨らんでいた。

「ぢゅっ、ぢゅるっ、ぢゅるっ、ぢゅるるるるるっ!」
「う、うあああぁっ!」

 おじさんの腰がこらえようとしたものの、思い切り肉棒が跳ね回った。
 びくん、びくん、と脈動し、カウパー液が尿道を伝っていった。

「ん・・・んんんっ!ちゅっ・・ちゅるっ・・、ぢゅっ・・ぢゅるっ・・くちゅ・・ぺろっ・・ぢゅるり・・ちゅっ・・ちゅぷっ・・!」

 口の中へ発射される精液を嗅覚と味覚で存分に味あわされる。ツンとした、痛みにも似たにおいと味は、吐き出したくても大量に流れ込んでいて飲み込むことしか出来なかった。
 気を失いそうになる量を飲み込んで、しばらくするとようやくおじさんの射精が収まってきた。

「んんっ・・ぢゅるっ・・ちゅぱ・・ふうぅんっ・・はぁ・・・ゲホッ」

 全部飲みこんでからたまらずに一回咳込んでしまう。何とも情けない話だが、お世辞にも美味しい飲みものでは決してなかった。

「ふはぁ・・・、出したのな。久し振りの脈動だった。出過ぎて震えが止まらなかった」

 おじさんもまた大満足するように高笑いを見せた。身体を起こしてようやく自由になれたと感じた矢先、里佳子の眼にはそれでも衰えていないおじさんの太いペニスを見せつけられた。

「えっ、あっ、うそ・・・」
「よし、じゃあ次は晴れて合体だ。存分に味あわせてやる」
「や、やめて!」

 里佳子は身体を抱き寄せられるとベッドに押し倒される。そのまま正常位の態勢になり、おま〇こにペニスを宛がわれたところで、里佳子はたまらずに声を上げた。

「やめてっていってるでしょう!その、トイレに行かせてくれないの?」

 里佳子の怒りに慌てたおじさんは一瞬ひるみ、その隙に里佳子はベッドから起き上がって扉の前に立った。衣服を置いてきてしまっていたからか、おじさんは安心するような表情でしばらく待つことにした。

「すぐに帰ってくるんだよ。待ってるからね」

 手を振るおじさんに声をかけず、里佳子はすっと扉の奥へと消えていった。


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 帰宅の途につく里佳子だったが、その足で向かった先は家とは方向が逆の駅前通りを過ぎた歓楽街だった。
 ネオン街で明るい夜の街並みは、買い物客で賑わう昼の奥様がたとは違って、飲みに来る社会人や遊ぶ男性客の姿で賑わいをみせていた。

「お姉さん。どお?若い子いるよ」

 ホストの誘いが里佳子のもとへ引っ切り無しに来る。里佳子の立ち振舞いやセレブな服装からお金のにおいを嗅ぎつけるのだろうか。

「遠慮します」

 とだけ言って里佳子は早々に立ち去ってしまう。

「ちっ、男に興味ないんだよ。お金はあるんだからクラブで遊ぶのもいいな」

 里佳子―だんせい―は呼ばれてもいないのに一件のクラブの前で立ち止まった。里佳子の金で遊べるのだから豪遊もし放題のはずだ。

      
ウホッ!THE・夜の女

「お姉さん、わたし達と一緒にお酒飲まない?日頃のストレスでも飲んで晴らません?」

 ドレスを着たNo,1ホステスの女性が里佳子を手招きしていた。スタイルも良ければ色っぽく喋るその姿に一目ぼれした里佳子はついその足を踏み出してしまっていた。

しかし、そんな里佳子を不審がる様に、客を呼ぶ男性は、

「お姉さん、寄ってく?いいのいるけど?」

 それほど乗り気ではなかった。女性同士で飲むのなら、男装執事カフェでも行ってくれとでも言わんとばかりに愛想が悪かった。

「結構です」

 里佳子はむすっとしてその場を立ち去った。接客態度が悪いことに腹だてるのは里佳子の性格なのだろう。これくらいのことで腹を立ててしまい、看板娘とおしゃべりする時間を失ってしまった里佳子―だんせい―は後になって後悔した。

「つまんないことしたな。あーあ、なんだか気分を害しちゃった」

 里佳子は思い出したかのように歓楽街へ来た目的を思い出していた。別に歓楽街でクラブのお姉ちゃんと飲みに来たわけではない。
 里佳子の記憶から、里佳子は大人の玩具を持っていないことを知ったのだ。
 だから里佳子に変わり、男性が玩具を買いに来たのだ。

「いらっしゃいませ――」

 若い店長が里佳子がお店の中に入ると驚いた表情を浮かべていた。こういうお店ではお客の顔を覚えることが多い。店長もまたお客の顔を覚えて、好みの作品を目につく場所にさり気なく置くことに長けて売り上げアップにはかる人物である。そんな店長にとって里佳子は今までにないタイプの人間だ。
 真面目なOL嬢がこんなお店に来ることが数少ない。玩具など使わなくても彼氏に愛されれば玩具が不要の人が多いからだ。店長は里佳子の動向を伺いながら、久し振りに見る女性客に頻りに目を配っていた。
 里佳子が向かった先はDVDコーナーではなく、玩具コーナー。やはり、バイブを手にとってどれが一番気持ちよさそうなのかを確認している。
 多く並べられた店内で次から次へとパッケージを見比べて自分の気に入った商品を探していた。
 チラリと里佳子が店長に目配りをした。気を利かせた店長がレジ内から飛んできた。

「なにかお困りですか?」

 基本的にこういう場所で声をかけることはしない。店長が声をかけた理由は里佳子が困っていたからだけではないだろう。

「バイブを買いに来たんですけど、どの商品が人気ですか?」
「そうですね、私のお気に入りはこちら――」

 店長が棚から一つのバイブを選ぶ。男性にしては巨根の、ピンク色のバイブだった。

「倦怠期のあなたには心を埋める大きなサイズは如何ですか?」
「まぁ!」

 どちらかというと心底驚いた時に発する「まあ」にはなく、感動した時に発する「まぁ」に近い声である。今の里佳子は男性に餓えているわけではないが、女性の快感には心底餓えていた。

「じゃあこれにするわ」
「ありがとうございます」

 店長が商品をレジに持っていき、会計を済ませる。手際良く進む買い物の間に、里佳子は中の様子をじっくりと観察していた。

「人がいらっしゃらないわね」
「あはは、もうそろそろお客が来ますよ。十名ほどかな。常連さんなんですよ」

 店長が時計を気にすると、常連たちが買い物に来る時間が差し迫っていた。
 それを聞いた里佳子は、ニヤリと不敵に口元を釣り上げる。まるで娼婦を嘲笑うかのような淑女だ。
 やっぱり場違いだと店長は思った。

「私もお手伝いしてあげましょうか?」
「はい?お手伝い・・・?」

 突然の支援に店長も声が裏返ってしまう。里佳子が耳元で何かを伝えると、店長の里佳子を見る目が180度変わった。



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「んあぁ・・はあ・・・」

 里佳子は大きく、張りのある自分の乳房の感触を味わっていると、甘い吐息を漏らした。
 しっとりとした肌。
 その大きな乳房の揉み応えに不満はない。
 普段以上に感じる身体に、里佳子は興奮していた。

「ああぁ・・んっ・・んんっ・・はああぁ・・。気持ちいい」

 ぼそりと独り言をつぶやく里佳子。

「おっぱい、熱くなってきてる・・・うふふ。へぇ~、久し振りにオナニーするんだ。仕事が忙しくてそれどころじゃないものね」

 里佳子は自分の記憶を呼び起こしながら、久方ぶりに触る身体の感触を確かめるように愛撫した。まわりから責めていき、じわじわと身体が温まるのを待ちながら、Eカップはある胸をわし掴んで形を崩して強弱つけて乳房を揉みほぐす。
 乳房を寄せてはあげ、下から上へ手の平で円を描くように揉みこんだ。

「はぁんっ!んっ!んっ!ふあぁっ・・ああぁんっ!・・・どんどん身体が熱くなっていくわ・・」

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 声を荒げて感じている自分を強調する。里佳子が視線を落として自分の乳首を見ると、陥没した乳首が少しずつ顔を出しているのが分かった。
 里佳子は顔を出そうとしている乳首に雨を降らせるように、自分の口から涎を垂らして塗り込んでいった。うっすらと血管の浮いた白い柔肌が、里佳子の唾液で、ねっとりとしていた。その唾液を塗り伸ばすように、乳房を撫でたり、乳輪をなぞる。

「うぅん・・これぇ、きもちいいかも・・ああぁんっ!」

 記憶では自分の乳首に唾液を塗ったことなど一度もないという。変態的な行為をする里佳子は顔を赤らめながらも、ヌルヌルとした感触になった乳輪を、指先で摘んだ。
 滑りの良くなった乳輪を、乳首を押し出すように刺激した。


「あぁん、スゴイ・・・乳首、ビリビリ来るわぁ!くあっ!あっ!あああっ!き、気持ち良い・・ひああぁんっ!」

 腰を浮かせてビクビクと震えていた。乳首だけで里佳子は相当感じるようだ。

「アンッ!アァッ!勃ってきた・・んああぁあっ!」


 乳首が顔出した瞬間、全身にビリビリと駆け抜ける刺激があった。
 もう既に乳首はピンク色ではなかったけれど、感度や重度は里佳子は他の女性よりも上の気がした。それはそうだ、なにもしないでバストがEカップもあるわけがない。きっと里佳子は他の補正より性欲が強いに違いなかった。

「はぁ~・・・たまらないわ・・・このカラダ……」

 改めて里佳子の身体を奪い、男性は弄んでいることを再確認する。里佳子の記憶を読み、里佳子の感度を味わい、里佳子としてオナニーをする愉しみ。
 男性とは比べ物にならないほど心地良い刺激の連続。乳首が勃起して痛いくらいに感じるのに、心の内から湧きあがる燃え滾る欲求に、身体が自ずと答えてしまう。
 胸の柔らかさ、質感だけじゃなく、腰の肉つきや声の裏返りも、里佳子―だんせい―にとって快感の材料であった。

「んん・・・こんなにおっぱい大きいなら・・・とどくはず……」

 里佳子は舌を出し、片乳を持ち上げ顔に寄せた。舌を一生懸命伸ばし、たるんだお肉を必死に持ち上げて乳首が届くか届かないかのギリギリのところまできて、首をグッと前に倒してようやく咥えることが出来た。

「あむっ・・・とろいた・・・れろれろ・・・ちゅぱちゅぱ・・・ふぅうん・・!」

 自分の乳首を噛んで赤ちゃんのように舐める里佳子。乳首は隆起し、まるで陰核の皮を剥いたように、乳首がそそり立っていた。

「んはぁ・・・こんなこと、したことないのに・・・・・・でも、初めてなのにキモチイイ・・・どんどん乳首硬くなってく」

 口から放して上から見下ろすと、唾液でヌメ光った乳首がプルプルと震えていた。
 たまらなく官能的だ。
 もう片割れの乳首を甘噛みすると、身体を仰け反らせるくらい、良い反応を返してきた。

「ひううぅっ!あぁっ、・・んんっ・・なんか、変な感じ・・ああぁっ!」

 声を荒げて感じる里佳子。興奮を抑え切れなくなり、、乳房を揉みしだきながら、乳首を愛撫していた手をすっと下の方へと降ろしていった。

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 有坂里佳子―ありさかりかこ―は会社からの帰り道を早足で駆けていた。
 電車通学の里佳子は車を持たないことを不便に思いながら、慣れてしまった行動として帰路に向かう。
 結婚していないとはいえ、帰って食事の準備をして、掃除をして、お風呂を入って化粧落として・・・
 そんな予定を立てているだけで、一日が終わってしまうのだ。
 女性は毎日が忙しいのだ。

「すみません」
「はい?」

 ふと里佳子に声をかける男性がいた。当然里佳子の記憶にない、初めて出会う男性だった。
 警戒心を持ちながらも、ダウンジャケットを羽織った男性が思った以上にイケメンだったために、つい見とれてしまう里佳子だった。

「なにか・・・?」
「いえ、案内してほしいんですよ」
「どちらか行かれるんですか?いいですよ?それで、どちらに?」
「はい・・・あなたの家に」
「まぁ!?」

 どちらかという感動した時に発する「まぁ」ではなく、心底驚いた時に発する「まっ」に近い声である。里佳子もそこまで男性に餓えているわけではない。
 男性がいきなり里佳子の家を訪ねてくることに目を開いて、聞き間違いであるように軽く会釈をすると、すでに帰りたい気持ちに早変わりしていた。

「・・・私の家の近くでいいのかしら?ここら辺近所ですから色々教えてあげられるけど、家まではさすがに教えられないわ、ごめんね」
「・・・・・・」

 男性は無口になってしまった。ポケットに手を入れては顔をうつむく男性に、里佳子は面倒良く近所の案内をつたえてあげた。

「この道をまっすぐ行くと駅にでるわ。それに、その手前を左に曲がれば商店街があるわ。ショッピングモールになってにぎわいを見せているはずだからすぐわかると思うわ。それに公園はこの角曲がってまっすぐよ。マンション住宅になってるから公園でも人が集まるのよ。・・・あと―――」

 里佳子が指をさしながら後ろを振り向く。その無防備な胸に男性が急に襲いかかった。

「きゃっ――!」

 男性の手を慌てて振り払う里佳子。男性の手はすぐに放れた。

「なにするの!?いきなり襲いかかるなんて、やっていいことと悪いことがあるわ!」

 里佳子が彼に憤りを見せるも、彼は澄ました表情で嗤っていた。里佳子は我慢が出来なくなって、警察に付きだそうとしたが、その前に身体に違和感を覚えた。

「・・・っ?あれ?」

 よろける身体。地面に立つことが何故か大変だった。地に足がつかなくなる感覚に陥る。
 疲れで足が棒になっているわけじゃない、むしろ真逆――
 足がまるで布になったかのように、つっかえができなかったのだ。

「な、なに!?」

 その時に里佳子は自分の身体の異変に気付く。胸についた『粘土』の塊を見ると、心臓が激しく高鳴った。


 身体がしぼんでいた。
 筋肉がなくなるように手足が細く窶れ、皮だけになると、全体にまで広がっていく。

「いやっ、いやっ!なによ、これ!?」

 自分の手を見て真っ青に震える里佳子。それはもう指ではなかった。
 瘡蓋もない綺麗な指が、無残なまでにしわくちゃなゴム手袋みたいになっていた。
 人の手というのが疑わしい。商品化したらもしかしたら売っているのではないかというくらいの出来モノだ。
 それが、今の里佳子なのだ――

「あっ・・・あっ・・・・・・・」

 里佳子の顔までしわができる。年齢にも負けない艶も張りも失い、ついには地面に立つことが出来なくなってしまった。

 ――ペチャッ

 まるでタイツを床に落としたような音が里佳子の耳には聞こえた。
 自力で立つこともできず、里佳子はかろうじて動く目と耳と口を残して状況を確認しようとしていた。
 立つことが出来ないと、身体を起こすことが出来ない。自分の身にいったい何が起きたのか理解できず。そしていまなにが起きているのか確認することもできない――

 そんな里佳子を見下ろす男性の姿が視界に入る。
 倒れているからなのか、男性の身長がとても大きく見えた。

「ふっ・・・ふふふ・・・ふふふふふふ・・・・・・」
「なにがおかしいのよ!あなたのせいでこうなったんでしょう?早く私を起こしなさいよ!」

 肩を揺らして笑う男性に、里佳子は年下に笑われることに我慢できなかった。しかし、手足が動かない以上、声を大にして叫ぶしかなかった。
 男性がしゃがみ込んで里佳子に手を伸ばす。思わず目を閉じて震えてしまった。

 ――ガシッと頭を捕まれ、モゾモゾという音のあとに急な寒気を感じた。

「(ほんとうになにがおこってるのよ・・・・・・?)」 

 里佳子は恐る恐る目を開ける。自分の顔が男性の目の前にあってびっくりした。

「ほんとうだ。すごいや、あの商品。まさか人がこんなになるなんてな」

 男性が里佳子を見て呟いていた。いったいなんのことだか分からず、頭を掴んでいる手を放してほしかったが、その前に小さくくしゃみをした。

「へえ。やっぱり寒いんだ。そりゃあそうだよな。一応、『生きてるんだから』な」
「なにを言ってるのよ・・・?あんた、おかしいんじゃない?」
「そうだな。・・・じゃあ、やっぱり今日は自分の家に帰ろう。せっかく良い『皮』が手に入ったしね」
「『皮』・・・・・・・・・・・・・・・?」

 里佳子は視線を落として初めて自分の全体像を見た。
 彼の言う次元の話が少しは理解した。いや、理解しなければ理性が崩壊していた。
 彼に頭を掴まれている時に既に気付くべきだった。片手で楽々と里佳子の体重を持ち上げる彼を見て自分の状況を想像しておくべきだった――
 ――そうすれば、ショックは少しは和らげたかもしれないと里佳子は嘆いた。

      
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 『皮』になっていた。
 里佳子という人間の『皮』を残して、筋肉も骨もすべてなくなってしまった。
 当然、体重も体脂肪も、スリーサイズも身長もない。
 目の前に残る里佳子のOLの服装が、まるで綺麗に脱皮して中身を失った状態で形残っていた。


「ひぃやあああぁぁぁぁああああああああああああああああああああ―――――!!!!!!」

 ホラー映画でもあげない声で里佳子は叫んだ。
 自分の顔、自分のカラダ、自分の姿がすべてなくなっていた。

「お姉さんに『粘土』を取りつけたんだ。そうするとお姉さんの肉や骨は『粘土』と同化して柔らかくなってしまうんだ。だからいまのお姉さんはゴムのように伸びた『皮』になったんだ。
 ・・・安心してよ。ちゃんと身体の中から『粘土』をとって保存してあげる。たくさん遊んだ後で元の身体に返してあげるよ」

 彼の説明は里佳子にとって地獄の入口を予感させるものだった。
 『皮』だけになった里佳子の身体を誰にも見つからないようにぐるぐる巻きにして鞄の中に詰め込んでしまうと、脱ぎ捨てられた服を回収してその場を立ち去り始めた。
 家に向かって帰る彼の足取りは早く、軽い。
 鞄の中に押し込められた里佳子は、気が動転しながらも意識を失うことが出来ない自分のずぶとい神経に涙を流していた。


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