純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

カテゴリ:グノーグレイヴ『入れ替わり』 > 粉薬『入れ替わりのツンとヤン』

「それは本当ですか!?」

 先生は斬狼の説明に声を震わせた。事実だとしたらあまりに常軌を逸しており、困惑した表情を浮かべていた。

「本当です」

 斬狼は再度伝えた。

「白瀬が俺のこと好きだって告白してきたから、学校中の出入り口を塞いでみろって言ったら、本当に塞いできてさ。なんだか面白くなって、調子に乗って今度は邪魔な黒瀬を排除してみろって言ったら、腸に硝子突き刺してみせるんだぜ。おかしくってさ!!」

 斬狼はすべてを伝える。すべて自分が悪いという方向に持っていき、真里菜の罪を背負おうとしていた。

「斬狼っ!」

 珠奈(真里菜)が言おうとする言葉を制止させ、先生からの非難を甘んじて受ける。

「それはやっていいことだと思いますか?あなたのしたことでどれだけの生徒たちが被害をうけたと思いますか?黒瀬さんと白瀬さんに関しては傷付いているじゃない」
「・・・やりすぎたと思って反省してます。ごめんなさい」

 斬狼の話を信じるのか、世の中は男子に厳しい。
 しかし、女子に優しくするのが男子の務めだ。

「黄路くん。これからあなたは自宅に帰って反省しなさい。後でご自宅に連絡しますから、処罰はその時にお伝えします」

 斬狼に自宅待機がくだされ、その夜のうちに二ヶ月の謹慎処分が下された。
 処分を受けた身でありながら二ヶ月で済んだという安心感に、胸をなでおろす斬狼であった。その陰で、斬狼の処分に断固反対した珠奈と真里菜の姿があったのである。

「お願いします。黄路くんの処罰をなしにしてください。私たち、大したことありませんから」

 一番怪我の大きい真里菜(珠奈)から言われると何も言い返すことが出来ない。

「しかしですね・・・」
「もう、これ以上斬狼のこと悪く言うなら、先生だって許さない!その舌噛み千切ってやる!!」

 今にも襲いかかりそうな珠奈(真里菜)を見て先生は驚愕していた。優等生を演じていた珠奈から聞かれる罵詈。いまにも襲いかかりそうな珠奈(真里菜)を抑え込む真里菜(珠奈)を見て心変わりしたのだろう。

「わかりました。お二人の意見を参考にして決めたいと思います」

 

 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・

 珠奈と真里菜は数日間の入院の末、無事退院することが出来た。

「斬狼っ!」

 二人が真っ先に斬狼の家に来ると、真里菜が斬狼に飛びついてみせたのだ。

「珠奈!うぐっ!?」

 抱きつくだけじゃなく、熱い抱擁までくれる。珠奈が唖然として見ている。珠奈とは思えないほど大胆な行動に斬狼でさえ目を見開いて驚いていた。

「うふっ・・・はっ・・・ちゅぶっ、ふぅ・・・」
「えっ、ちょっと・・・やだ・・・」
「やっ、たまな!みて、ちゅ・・・」

 真里菜とキスをしているのに珠奈と言う斬狼に、真里菜は斬狼の下唇を思いきり噛んだ。厚い唇であるが、その痛みに耐えきれず、軽く血が滲んでいた。

「いってえっ、なにす――」
「斬狼っ、ひっどい!まだわからないの!?」
「なにがっ――!・・・・・・えっ?」

 感情を表にだす真里菜に違和感を覚える斬狼。珠奈が感情をむき出しにして怒ったことはない。先にやったように怒ったとしても『一矢報いる』タイプだ。負けると分かっている相手にも臆せず立ち向かい、相手の嫌がることをやって勝つ―おこる―のが珠奈だ。
 しかし、この怒り方は完全に真里菜だ。真里菜の身体で、真里菜の心で怒っているのである。

「・・・・・・・・・・・・まりな?」

 そう言ってしまった。珠奈は喜んだ。

      ad11e27a.jpg

「本当なのか?本当に、元に戻ったのか?」
「うん、斬狼」
「病院で気が付いたら、わたし達元に戻ってたの。どうしてか分からないけど・・・」
「期限でもあったのかな?」
「そんな危ない薬もらうなよ!」

 図書券で!!

 ようやく突っ込めた残狼の表情には笑顔が浮かんで見えた。そして珠奈、真里菜もまた表情を明るくしていた。

「自分の身体で、自分の心で、斬狼に好きって伝えられる――」

 珠奈もまた斬狼の胸の中に抱きついてくる。二人の重さを供に感じ、二人の想いを熱く抱きしめる。

「――斬狼、大好き」

 珠奈の声で初めて告白されることに斬狼は改めて感動を覚えた。
 『人を好きになるならまず外見』と言う人がいる。さらに『外見よりも心に惹かれる』という人もいる。
 しかし結局のところ、人を好きになるには心も身体もその人を好きにならなくちゃ駄目なのだ。
 十人十色の性格の中で、自分がこの人だと言う人を見つけることが何よりも重要なこと。

 たった一人のきみを好きになるのだから、妥協なんて絶対しない。

「私の方がもっと好き!諦められないくらい斬狼のことが好きなの!」
「渡さないよ?」
「あんたは一人ツンツンしてればいいの!ねえ、斬狼?」
「見苦しいな~、真里菜」
「な、なんですってえぇ!!?」

 諦めない真里菜をあしらうように突っぱねる。それでも諦めずに追いかけるのが真里菜だ。Sの素振りを見せながらもよくよく知るとドM気質の真里菜。扱うとおもしろいことを知った斬狼なのである。

続きを読む

「へえ・・・そう・・・」

 告白の返事を聞いた珠奈(真里菜)が淡々とした口調でつぶやいた。喜びを露わにすると思っていた珠奈(真里菜)が自分で感じた斬狼の返事は、思っていたのと違ったという感情であった。
 愛してくれるはずの斬狼が鋭い眼差しを向けて自分と対峙している。
 それを望んでいたのは珠奈(真里菜)であり、望み通りに叶えてくれたのは斬狼である。嬉しいはずの感情が別の感情に変換されていくのを感じた。

「それが答えなんだ・・・。わたし嬉しいよ、斬狼」

 そう言って珠奈(真里菜)は未だに血が流れ落ちる硝子の破片を掲げてみせた。人の血のついた硝子の破片。凶器を持った自分に怯える様を珠奈(真里菜)は見たいのだ。
 自分に恐怖し、跪く斬狼の姿を見せてほしいのだ。

「でも斬狼、丸越しだよね?わたしに勝てると思ってるの?今わたしが駆けだしちゃったら止まらないよ?失うものがないんだもの。斬狼の胸に透明の刃を突き立てて抉って取り出しちゃうよ?・・・うふふ。きっと斬狼の温もりを直接感じることが出来るのね。早く見てみたいなぁ」

 夢見る乙女のようにつぶやく珠奈(真里菜)に対して、斬狼はその眼光を変えない。慄くかと思っていた視線はさらに鋭さを増し、珠奈(真里菜)に敵意をしめしていった。

「……なに、その眼?ほんとうにわたしと戦うつもり?そこまで珠奈を失ったのが悔しいの?彼女だから!?好きだったから?それが私を苦しめ、嫉妬させるのよ!!?そんな眼でわたしを見ないで!!」

 珠奈(真里菜)の叫びもまた斬狼の耳には届かない。斬狼が見ていたのは、珠奈(真里菜)の叫ぶのどぼとけ一点。珠奈の身体でぷっくりと出た白くて細い首元であった。

「・・・丸越しだと言ったな?違うぜ、真里菜。俺はしっかり凶器を持ってる。それは、おまえの支えにしてる硝子の破片なんかよりも硬く鋭い刃だぜ?」
「・・・なによ、それ?脅しのつもり?」
「人間の身体ってつくづく便利なもんだよな。・・・どうでもいいけど、真里菜が余裕ぶって喋っている間に俺をしとめるか逃げるかした方が良い。始まっちまえば、俺は真里菜が瞬きした瞬間に、おまえを殺すよ?」
「くっ!」

 苦々しそうに珠奈(真里菜)は唸る。そんなことできると言うのならやってみせてほしい。冗談も甚だしい。
 状況的にも余裕の珠奈(真里菜)と余裕ぶっている斬狼。でも、その余裕さが命取りになるにもかかわらず斬狼が珠奈(真里菜)に近づいてきているのを感じて嬉しくて笑った。

「いいよ、斬狼。あなたも私と同じように壊れてきたのね。やっぱり私たちは恋人同士の似た者同士。性に合いそうで嬉しいよ――」

 その笑顔は、珠奈の表情で真里菜が心から見せた最高の笑顔だった。

      0335fae0.jpg

「――大好きだよ、斬狼!」


 その想いが一貫して真里菜である。その答えに応えるように二人は次の瞬間、臨戦態勢を取った。

「逃げるなら・・・いや、もう逃がす気はない。真里菜は俺の射程内。図書館からは外に出さない」
「逃げるつもりなんかない。斬狼を床に寝転がして八つ裂きにしてあげる!」

 ――ダッ!と二人が駆けだした図書館内でも教室三つ分のスペースがある。駆けだしたスピードに十分に乗った珠奈(真里菜)が斬狼の顔に全体重をかけた後ろ回し蹴りを放った。先を取られた斬狼は回避するためにスピードを殺して防御するか別方向に避けるしかないはずだ。
 しかし、斬狼はさらにスピードをあげて珠奈(真里菜)との距離を詰めた。ダメージ覚悟の強行手段、直撃を避けた爪攻撃で珠奈(真里菜)の喉を突き刺しにかかる。

「―――そういうこと!」

 人の身体で武器になるといえば爪である。斬狼の爪は男性の中では長くて先が尖っていた。くらえば必死。真里菜は足を踏ん張り地につけて予備の攻撃を繰り出すよう脳に命令を送った。

 硝子による突き刺しである。

「硝子の刃と爪の刃なら、どっちが傷になるかしらね!!」

 後ろから前へ伸びるようにして身体を繰り出し、手に持った硝子の刃は斬狼の心臓に届く――


 ――その刹那。斬狼の身体が跳躍した。


「――!?」

 珠奈(真里菜)は姿を見失った。上に飛んだわけじゃない。下へ潜ったのだ。珠奈(真里菜)の伸ばす硝子の刃よりも腰をかがめた斬狼は、珠奈(真里菜)の攻撃を避けた瞬間に珠奈(真里菜)へ飛びかかり、そのスピードに乗った跳躍で珠奈(真里菜)の身体は1m下の机に背中から倒されたのだ。背中を強打した珠奈(真里菜)は天井を向いている。電気の消えた蛍光灯を遮る様に斬狼の顔が目の前にある。
 緊張している自分がいる。珠奈(真里菜)に向かって顔を近づけてくる斬狼は、まるでキスをするかのように口を開き――、


 ――珠奈(真里菜)の喉仏に八重歯を深々と突き刺したのだ。

「が――――っ!」

 まるで吸血鬼に血を吸われているように、斬狼の歯跡が珠奈(真里菜)の首に刻まれる。八重歯が刺さった箇所から珠奈(真里菜)の血が流れ込み、斬狼の口内に流れ込んでいた。
 温かい生命の活力を飲み干す様に、斬狼はさらに顎の力を加えていく。

「き・・・ぎゃ―――――っ!」

 喋ることが苦しくなる珠奈(真里菜)。人の身体の中で、爪よりも歯こそ一番の凶器だ。硬くてどんな野菜も噛み砕くことが出来る。そんな八重歯に噛まれでもしたら、今の珠奈(真里菜)のように逃れられることもできはしない。

 ぎりぎり・・・

 斬狼は獣になったように言葉なく珠奈(真里菜)を噛みついていた。苦しそうに暴れ、次第にピクピクと弱まってきた珠奈(真里菜)に対してもその行動を止めはしない。ぷちゅぷちゅと血が噴き出し、珠奈(真里菜)の視界も赤に染まる。
 死ぬんだ、殺されるんだ、愛するの手で・・・そう思うと涙が止まらなかった。


「わたしたち、どこで間違えちゃったんだろうね・・・?」

 ふいに珠奈(真里菜)が呟いた。声にもならないはずの珠奈(真里菜)の声が、理性を失い野獣に戻った斬狼の耳に聞こえてきた。

「もしも、わたし・・・が・・・別にいたらいいなって、おもうときが、あった・・・・・・」


 別の場所で生まれて、
 別の家で育って、
 別の街で暮らして――、
 でも、斬狼と運命的な出会いを果たして、
 斬狼のことを好きになって、
 斬狼も私のことを好きになって、
 放課後に二人で遊びに行って、
 卒業して二人で同じ家に住むようになって、
 社会に出て二人仲良く幸せに暮らして、
 結婚したい。


「そ・・・んな、ふっうの、恋愛を、してみたかった・・・・・・」

 珠奈(真里菜)の目から涙が流れた。こんな結末を迎えるしかなかった珠奈(真里菜)の後悔に縛られた詩が聞こえてきた。

「こんな、れ・・・あぃ・・・ヤダ・・・すぱ・・・ぅ・・・と・・・」

 血を吐きだす珠奈(真里菜)の声は、これ以上は聞き取れなかった。あと、一歩力を加えればすべて終わる。
 珠奈の身体を奪い、生命を奪った真里菜を、斬狼は弔うことが出来る。
 でも、その後一歩・・・

『……たぶん、黒瀬さんの方が気持ち良いと思う。私の身体、あんまり弄らなかったから感じなかったと思う』
『そ、そうなのか?』
『だから最初、黒瀬さんの身体触った時、すごい鋭くてびっくりしちゃったの。でも、その後に身体が熱くなって、蕩けてきちゃって・・・手が止まらなかった。そのまま私、潮噴いたくらい気持ち良かった』
『はぁ・・・はぁ・・・』
『オナニーの時だけわたし、本当に黒瀬さんになってたと思う。斬狼のことを考えて妄想すると、身体がすごく敏感になって、自分でしているのに、斬狼に触られているようで、すごく気持ち良かった。・・・好きだから、斬狼くんを物にしたい。愛しているからこそ、斬狼くんを独り占めしたい。黒瀬さんの想いは本物だって、私はこの身体から教わったのかもしれない。私、きっと黒瀬さんより斬狼のこと好きじゃないかもしれないよ?』

 真里菜(珠奈)が言っていた真里菜の情熱が分かると、これ以上斬狼には力を咥えることが出来なかった。
 珠奈(真里菜)を殺した相手に情けをかける。そんな滑稽なことはない。

「・・・おまえの愛は一方的なんだよ。お互いの愛が同じじゃなくちゃ、俺の方がまいっちまう。これから一緒に歩くスピードを同じにしていけば、自ずと愛の重さは平等になる。有限だって構わない。生きている間、俺は真里菜を絶対に許さない」
「・・・・・・・・・」


 そう言って斬狼は珠奈(真里菜)を抱きしめた。そうして斬狼は自分の口の中に入った珠奈(真里菜)の血を返す様に、口を塞いで戻していった。





 続きを読む

「ほんとうに、いいの?」
「うん。俺にとって、珠奈がどんな姿になっても変わらないから」

 斬狼の逸物を前にして、真里菜(珠奈)は一度問いかける。そして斬狼はすっぱり答えて見せた。
 姿が真里菜でも心が珠奈なら、それでいいと。もう、身体が元に戻れないからと言って、身体の中から愛せないようじゃ男として情けない。
 身体なんて心から変わっていくもの。心が醜い奴は身体だって醜くなる。
 だから平気。

「金色の髪の毛だってこれから珠奈の色に染めていけばいい。黒髪に戻したって誰も何も言わない。真里菜のことを気にすることはない。あいつだって珠奈の身体を使ってるんだぞ?お互いさまだ。せっかくだ、もしこれ以上真里菜が悪さしようっていうなら、『おまえの髪の毛をピンク色に染めるぞ』って脅してみれば良い。そうしたら立場逆転するかもしれないぞ!あいつ、ジブンスキーの根っからのナルシストだからな」
「・・・そうだね」

 笑みをくれる真里菜(珠奈)。緊張が解けているだろうか。

「・・・それとも珠奈はやっぱりイヤか?真里菜の身体よりも、自分の身体の方がいいよな・・・」
「だ、大丈夫だよ!私も、斬狼と今すぐに合体したい・・・・・・!」

 自分で言って恥ずかしがる真里菜(珠奈)に思わずニヤつく。

「安心しろ。絶対中では出さない。約束する」
「・・・うん」

 真里菜(珠奈)がようやく納得したように斬狼に抱きついてくる。そして一度口づけをかわすと、背を向いて自ら花唇を広げて花弁を斬狼にマジマジと見せたのだ。中で蠢く真里菜(珠奈)の花弁。一度逝っているからか、動く度に愛液を排出してとろりとヒダを濡らしていった。
 斬狼は逸物を濡れたおま〇こにくちゅりと押し当てると、ゆっくりと真里菜(珠奈)の膣内へと挿入していった。花唇は貫かれる予感にヒクヒクと蠢き、さらに激しく花蜜を滴らせた。

 ズ…ズズ……

 先端部が真里菜(珠奈)の肉唇を割って静かに秘孔へ沈み込んでいく。膣壁に加わる圧力の凄さに真里菜(珠奈)はブルブルと震えた。

「ああ、入ってくる……凄い……大きい……」

 ズ…ズブッ……

 真里菜(珠奈)の秘孔は未知の大きさに押し広げられ、慄きながらも肉襞を蠢かせながら斬狼を咥え込んでいく。真里菜(珠奈)は斬狼が突き進むたびに、疼きが癒されていく愉悦に酔い痴れながら、断続的に小さな声を上げる。

「あっ…あぅ……はっ…」

 ズブ…ズブブッ……

 半分ほど真里菜(珠奈)の中に埋め込まれたところで斬狼は一旦動きを止めた。それだけでも真里菜(珠奈)の膣壁に加わる圧迫感は凄まじく、真里菜(珠奈)の身体は猫が背伸びをするように背中を滑らせて奥へとすぐに言ってほしいと訴えかけているようだった。

「珠奈。…大丈夫か?」
「す…すごい……熱くて…か、固くて……こんなの、初めて……」

 真里菜の記憶がそう言っているのか、それともよほど斬狼との相性がいいのだろうか、泣きながらも表情を蕩ける真里菜(珠奈)を見て、痛みよりも感じている方が強くて良かったと胸をなでおろした。
 ズッポリしがみついて離れない真里菜(珠奈)の膣壁は、動いていなくてもねっとり絡みついてカリ首を濡らして斬狼の性感帯を刺激する。
 真里菜(珠奈)同様、斬狼もまた感じすぎていたのだ。休憩もすぐに再開しなければ奥に辿り着けずに果ててしまいそうだった。

「さあ珠奈、いくぞ」

 斬狼の手が真里菜(珠奈)の腰を掴んだ。

 「ああ……来て」

 真里菜(珠奈)は期待に身体を震わせながら言った。腰を掴む斬狼の手に力がこもり、ズン!と一気に子宮を突き上げた。

「くあああぁぁっ!」

 真里菜(珠奈)の唇が絶叫した。 

「あああんっ……あっ…あんっ……」

 内部の襞が逸物によって抉り取られるように擦られると、あからさまな嬌声を放って身悶えた。絶頂の予感が真里菜(珠奈)の脳裏によぎる。先端が子宮口に到達すると逸物はまたゆっくり後退し、肉襞と愛液を根こそぎ掻き出していった。
 男根が先端部を残し、真里菜(珠奈)の中から引き摺り出されると、逸物によって掻き出された愛液がポタポタと床に染み落ちていた。逸物が再び膣壁を押し広げ、ゆっくりと進入を始める。肉襞を掻き分けられ、激しく擦られる悦びに真里菜(珠奈)の腰が痙攣し、いやらしく動き出した。

「んああぁ……しゅごいっ……いいっ……ああ…」

 真里菜(珠奈)は肉襞で逸物を味わいながら自分から進んで腰を沈め、貪欲に快楽を貪った。

「凄過ぎるうぅ……わたし、こんなに感じて…こんなに喜んでる……)

 真里菜(珠奈)は今まで味わったことの無い深い悦楽に酔っていた。このまま続けられたら狂ってしまうのではないかとさえ思うほど、快感は鮮烈だった。
 逸物は次第にペースを速めながら真里菜(珠奈)の秘孔を突いては引き、押し上げては抜く動作を繰り返した。秘孔は突き上げられるたび、肉襞を逸物に絡みつけ、絞り上げるように蠕動する。

「はああっ……ひっ……んぅっ…あうっ……はっ、くふうぅ……」

 真里菜(珠奈)の息遣いが徐々に荒くなり、斬狼の動きが速くなるにつれ、腰の動きも激しさを増していった。真里菜(珠奈)と斬狼が繋がっている部分からはくちゅくちゅという淫猥な水音が響き渡り、二人をさらに昂ぶらせる。
 
「はぁ……たま、な……珠奈っ!」

 斬狼は何度も抽送を繰り返し、真里菜(珠奈)の秘孔を抉り、子宮を押し上げながら真里菜(珠奈)をゆっくり快楽の頂点へと追い詰めていった。

「んああっ……!も、もうダメ……イキそう――!」

 真里菜(珠奈)がひときわ大きな声を放った。膣内が蠢き、締めつけが大きくなる。

「珠奈!おれも、イクよ――!」

 斬狼が真里菜(珠奈)の声を聞くと、逸物を一気に引きずり出した。膣壁を抉りながら擦った逸物に真里菜(珠奈)は両手を突っ張って、身体を大きく仰け反った。

「ああっ…またあ……っ!イク…イッちゃうぅぅっ!」

 真里菜(珠奈)は二度目のエクスタシーへと駆け上っていった。そして、斬狼もまた同時に行き、真里菜(珠奈)の身体に自分の精液を噴きかけていった。

「あんっ、アツイ……」

      bfcdea72.jpg

 弛緩した真里菜(珠奈)の身体が崩れ落ちかかる。斬狼は両手で真里菜(珠奈)を抱えた。噴き出した汗で真里菜(珠奈)はぐっしょりと濡れていた。息を吐くたびに濡れ光る乳房が艶めかしく上下する。

「珠奈、イッたのか?」

 斬狼の言葉に真里菜(珠奈)は、

「……うん、イ…イッたよ……」

 荒い息を吐きながらようやく答えた。

「気持ち良かった?」
「…はぁっ……うん、良かった……すごく、気持ち良かった……」
 
 真里菜(珠奈)の花唇はまだエクスタシーの余韻にヒクッ、ヒクッと痙攣を繰り返している。それでも笑みを浮かべて微笑む真里菜(珠奈)が鉛のように重い身体に鞭うち首をまわして顔だけ斬狼を向くとキスをした。終わった後の優しいキスだった。

「喜んでくれて俺は良かった……」

 斬狼もまた、好きな人をイかせたことで幸福を手に入れていたのであった。

続きを読む

 陽射しの差し込む方向から、斬狼に伸びる影があった。

「―――っ!?」

 その相手は隙間から図書館を覗いていた。ゆっくり扉を開けて入ってきたのは、珠奈の姿をした真里菜であった。

「真里菜・・・いつからそこに――っ!」
「斬狼・・・。私を裏切るの?」

 笑顔で微笑みながらも暗い影を落とす珠奈(真里菜)。それを察して真里菜(珠奈)が斬狼の影に隠れた。

「こんなに愛しているのに、結局斬狼は珠奈を選ぶの?あはっ、お笑いだよね?なに?結局私はピエロじゃない。あんたたちの愛を確立するためにドラマチックな舞台を与えただけなのね」

 身体を入れ替えたのも、斬狼を振り向かせたかったから。しかし、その夢も潰えて愛を深める二人を、真里菜は許せるはずがなかった。

「た・・・真里菜!愛は見返りを求めるものじゃない!おまえがしたことは、ただ自分勝手に珠奈を傷つけただけじゃねえか!俺のため?笑わせるな!全部自分の為だろう!俺や珠奈を巻き込むな!」

 これは一種の病気だ。恋の病だ。行き過ぎた愛は時に犯罪に変わる。

「――おまえは病―ヤ―んでるんだよ!」

 その事実を斬狼は珠奈(真里菜)に突きつけた。

「・・・あ、アハハ・・・アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ―――――――――――!」

 かつて聞いたことのない嗤い声だ。戦慄が走り、心の底から恐怖におののく悲鳴に近い声だ。例えるなら深い井戸の暗い水の底から聞こえてきそうな声だった。

 ――バリーンと、ガラスが割れた。真里菜がドアのガラスを殴ったからだ。血だらけになる珠奈の拳。赤い鮮血が床に落ちて血の水溜まりを作っていた。

「わたしの身体・・・」
「真里菜!」


「好きだよ、斬狼。――でも、もういい」


 珠奈(真里菜)が呟いた独り言。低い声で唸った声は、一枚の割れたガラスを握りしめていた。
 そして、珠奈(真里菜)は襲いかかってきた。

「っ!?」
「きゃあ!」

 真里菜(珠奈)を庇いながら避ける斬狼。避けたところで珠奈(真里菜)の追撃が飛んでくる。

「死んで、斬狼!私もすぐに後を追うから!それで来世で一緒になろうね!!」
「狂ってるぜ、真里菜」

 珠奈の手よりも斬狼の足の方がリーチが長い。襲ってくる珠奈(真里菜)を蹴飛ばすと、反動で珠奈(真里菜)の身体が簡単に宙に浮き、綺麗に並んだ机にぶつかって倒れ込んだ。

「うぐっ」

 背中を強打した珠奈(真里菜)。真里菜(珠奈)が自分の身体を案ずる前に図書館から連れ出し一緒に逃げだす。

「急げ!真里菜から遠くに逃げるんだ!」
「うっ、ぅぅっ・・・」

 当然、珠奈(真里菜)も後を追ってくる。ここで即座に一階に下りていれば外に出られたかもしれないものの、判断を見誤った斬狼は上へと昇ってしまったのだ。振り返ることは出来ず、階段は一箇所だけではないので、珠奈(真里菜)に見つからないように一階へと降りるが、そこは既にバリケードのように下校口が塞がれた後であった。

「なんだよ、こりゃあ!」
「一階が駄目なら非常口は――!?」

 非常口は下校口から300mまっすぐ進んだ先にある。長い廊下を走り終わった先にあるものの、下校口からでもその場所は見ることが出来る。

 その目の前で珠奈(真里菜)が最後の準備を整えて終えていた。

「――っ!」

 300m先で視線が合う。珠奈(真里菜)は嬉しそうに叫んだ。

「斬狼!全部塞ぎ終わったよ!さあ、始めましょう。命懸けのかくれんぼだよ!」

      1c983e52.jpg

 笑いながら駆けだす珠奈(真里菜)。300mのハンデが動かなければあっという間に縮まっていく。

「珠奈。走るぞ!」
「うん、はぁ――!」

 300mの距離をさらに広げるために掛けるものの、真里菜(珠奈)が一緒だとそう早く走れはしない。方や失うもののない珠奈(真里菜)は珠奈でさえ出したことない全力疾走で駆け抜け距離を一気に縮めていく。

「珠奈。おまえは足も速いし体力もあったんだな」
「ねえ、先生呼ぼうよ!こんなの私たちだけじゃどうにもならないよ!」
「どうって、どうにもならねえだろう。だって先生たちは――」

 斬狼は見た。教室中の扉一つ一つに漆喰のように野太い留め金が付けられていたことを。スライドさせる扉は外から止めてしまえば絶対に開かない。珠奈(真里菜)がやったのだ。教室内でやっている部活動は廊下に出させなくし、外で活動している部活動は学校内に入れなくした。
 あの時、廊下に出ていた人しかいま、この瞬間に出会えない。そしてそれは斬狼、珠奈、真里菜の三人だけだ。

「感謝してよね、斬狼!私を見て珠奈を退学処分にすることだってできるんだから!そうなったら珠奈なんておしまいでしょ?アハハハハハ―――!!」

 真里菜が起こしたことでもその姿は白瀬珠奈がやったとして認識される。真里菜(珠奈)が走りながらも顔を後ろに向けてその言葉に耳を傾けていた。

「やめろ、真里菜!それだけは――」
「斬狼が頭を下げても許してあげないけど、私の奴隷として足の指を舐めて忠誠を誓うなら考えてあげるよ!でも、どっちにしても珠奈は許してあげない。私の斬狼を奪った悪女なんか目の前で八つ裂きにして切り刻んであげる!!」
「うあっ・・・あぁぁっ・・」
「聞くな、珠奈。今は逃げる場所だけを考えろ」

 一階から二階へ、そして三階へ昇りまた二階へ降りる。体力がなくなれば気力で走り、ひたすら珠奈(真里菜)から逃げ続ける。斬狼も真里菜(珠奈)も供に無言になりながらも走り続け、制服から下着を透かせるほどびっしょり汗をかきながらも足を動かす。そして、珠奈(真里菜)の死角をついた隙に、斬狼はある場所へと飛び込んだ。
 それは、扉のガラスの割られた図書館であった。
続きを読む

※この作品は、グノーグレイヴ『粉薬―入れ替わりのヤンとツン―』の続編でございます。まずはこちらをご覧頂いてからお読みください。




 黄路斬狼―おうろすぱろう―が見つめる先には、友達と話す黒瀬真里菜―くろせまりな―が映っていた。類は友を呼ぶと言うが、真里菜の付き合うメンバーは学校の先生が頭を悩ませる問題児が多かった。
 休み時間、遅刻して来て早々、メンバーは化粧と香水をバッチリ決めて教室の一角に屯していた。

「でさ、『CRAKEY』っていうクレープ屋さんに対抗して、『GAJET』っていうガレット屋さんが出来たんだよ」
「マジ?早速みんなで行かない?」
『賛成!』

 学校を抜け出す準備に取り掛かる。鞄を持って出ていこうとするメンバーが、躊躇する真里菜に声をかけた。

「あん?真里菜。どしたの?」
「・・・あの。やっぱり、授業出た方がいいと思うんだけど。先生も困ると思うし」
「はぁ?真里菜なに言ってるの?」
「センコーなんてほっとけばいいじゃない。授業なんてかったるいし」

 既に勉強と言うものを放棄した学生である。自由になりたくて仕方がない。
 真里菜も縛られることは嫌いである。嫌いであるが、それを拘束するのが学校である。

「みんな!ダメだよ!学校でしか学べないことがいっぱいあるよ!だから残ろう。放課後に行けばいいじゃん!!」

 真里菜が珍しく正論を言う。仲間が呆然と真里菜を見つめていた。正論にぐうの音も出せない。だがら正論を暴挙で押し切るから問題児になるのである。今更、問題児になった生徒たちに正論を言ったところで意味がない。むしろ、正論を言った仲間を悪に変えてしまう。

      baf9265f.jpg

「真里菜。あんたなんか変わったよね?」
「えっ?」
「最近付き合いが悪いというか、急に真面目ぶってきたよね?なに?わたし達との付き合いを辞めたいの?」
「そういうわけじゃ――わたしはただ、みんなのことを思って・・・」
「正直、そういうのウザイんだよね。みんなで仲良し小好しで呼吸を合わせようとするのわたし、キライなんだよね」
「言っとくけど、私『クラス目標が一年間無遅刻無欠席』なんて掲げたら翌日真っ先に休んでやるんだからね」
「『一人はみんなのために、みんなは一人のために』なんて今時流行んねえんだって!『よそはよそ、うちはうち』が今流っしょ!」

 真里菜の正論を小馬鹿にする仲間たち。真面目な人ほど馬鹿を見るのが世の中なら、学校の中もまた社会の縮図なのかもしれない。
 斬狼は真里菜を助けようと口を開こうとしたところで、後ろから声を掛けられてその一歩を踏みとどまった。

「あーあ。なんか喧嘩してるね」

 嘘ろから聞こえてきた声は、白瀬珠奈の声であった。珠奈もまた彼女たちのやり取りを見ていた一人であり、その光景を嘲笑っている生徒であった。

「珠奈(真里菜)・・・」

 斬狼は知っている。今の真里菜が仲間たちとの生き方を変え、正論を言うようになった理由を。
 他でもない。今の真里菜はかつて真面目に生きていた白瀬珠奈本人である。そして、斬狼の横に寄ってきた珠奈の正体こそ、黒瀬真里菜なのである。
 二人は一ヶ月前から身体が入れ替わったのである。不思議な『粉薬』の力によって。
 身体だけじゃない。記憶も入れ替わっている。普段の生活で支障をきたすことは今までなかった。だが、最近になり真里菜(珠奈)の性格が災いして仲間内のトラブルを見かけるようになった。元々話が合わず、付き合うことのなかった相手を真里菜(珠奈)は一ヶ月口を合わせていた。しかし、普段会話をすることが苦手な真里菜(珠奈)に不審を抱いた仲間が、真里菜(珠奈)に詰め寄る様になっていきていた。

「記憶を与えたって今までの生き方が180度変えることなんて優等生はできないわよね。頭が悪くなったら今まで以上に勉強するつもりかしら?・・・くすっ。でも、そんな風に変えたところで人付き合いが変えられるわけがない。真里菜として生きれば楽なのに、どうして自分から拒んでしまうのかしら?」

 真面目だから自分の生き方を変えられない珠奈と、不真面目だからこそ自分の信念を変えられる真里菜。
 楽な生き方が出来る方が幸福だ。
 斬狼は幸福故に不幸の苦しみを理解できる。

「・・・おまえは、できるのかよ?」
「私はできるよ!珠奈の記憶を読めば先生からの質問になんでも答えられるし、恥をかく心配もないんだから授業にだって出てこれるもの!どうして勉強が嫌いだったのか今なら不思議なくらいだもの!」

 勉強の楽しみを知った珠奈(真里菜)。そこには真里菜(珠奈)とは真逆に、一か月前と変わらぬ姿で毎日登校する白瀬珠奈がいる。かつての真里菜だった頃では考えられないことである。
 しかし、それは既に黒瀬真里菜ではない。白瀬珠奈である。

「おまえは、かつての親友を捨てられるのかよ!?」

 黒瀬真里菜だった頃の親友も、両親も、知識も、記憶も――。
 本当に捨てられるのか!割り切って要らないと、全てを零にしてしまえたのか。

「・・・私にはね、斬狼がいてくれるだけでいいの」
「――っ!?」

 斬狼に囁く珠奈(真里菜)の声に心が動揺する。艶めかしい瞳で見つめる珠奈(真里菜)の、たった一つだけ残した信念。それは、斬狼を想う気持ちだった。

      5b4a89cb.jpg

「好きだよ、斬狼」
「俺のため・・・?俺の為なら、全てを失っても良いっていうのかよ!」
「いいよ。斬狼が要らないって言ったものなら、私はすべて捨てられるよ?斬狼が私を好いてくれるなら、私はどんな人にでもなってあげる」

 斬狼に見つめられたいから。斬狼にだけ見つめてもらいたいから。
 真里菜は全てを切り捨てた。
 そして真里菜は斬狼の好いた女性に成り替わった。

 ――全ては斬狼のために。

「どう?私って最高に素敵な女でしょう?」

 斬狼は蒼白になった。斬狼を好きになり、素敵な女性になりたいから、白瀬珠奈の全てを奪ってしまった。
 しかし、それは斬狼を想ってくれたことの裏返しであり、真里菜の愛情表現そのものだ。
 愛が重いくらい、真里菜からは愛情を貰っている。それは、珠奈では絶対にくれないだろう重さである。

「あ・・・ぁぁ・・・」

 愛が息苦しい。
 斬狼は珠奈(真里菜)が怖かった。
 彼女を怒らしてはいけない。だから斬狼は珠奈(真里菜)と付き合った。
 これが斬狼の望んだ形なのだと自分で招いたことだと受け入れて。
 珠奈(真里菜)を幸福にしようと頑張った一ヶ月間。
 しかし、それも限界である。

「真里菜。あんたが行きたくないなら来なくていいよ。私たちにもう構わないでいいからさ」
「行こ行こ」
「待って、みんな!」

 真里菜(珠奈)を置いて教室から出て行ってしまう仲間たち。真里菜(珠奈)は後を追う事も出来ず、仲間が出ていった扉は真里菜(珠奈)を置いて無情に締められてしまった。仲間が消えた扉を見つめる真里菜(珠奈)。

「もういやぁ・・・こんなの・・・わたしじゃむりだよぉ・・・」

 真里菜(珠奈)が浮かべた涙を見た瞬間、胸が張り裂けそうなほど息苦しくなったのを斬狼は感じていた。

 真里菜がくれた息苦しさと。
 珠奈がくれた息苦しさと。
 いったいどちらが上だろうか。

 そして、本当に斬狼は救わなければいけないのはどちらだろうか。

 最近、そんなことばかりを考えていた。


 続きを読む

↑このページのトップヘ