純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

カテゴリ:グノーグレイヴ『挿げ替え・融合』 > 接着剤『adhesive』

 振り返った先――
 私の目が見た光景――、そこには聡里がいる。

「・・・・・・」

 病院のベッドについているパイプにしがみ付き、二本の足で立っている――聡里がいる。
 その手を静かに放し、今、自分の足でしっかりと立った、聡里がいる――。
 今までリハビリで何度も練習し、何度も倒れ込んだ聡里が、なんとかバランスを取って自分の足で立ち上がっていた。誰の助けもなく、なんの道具を使わなくて、自分の足で立ちたいと思う意志を持った結果、聡里は――私の目の前でようやく自分の足で立つことが出来たのだ。

「お姉ちゃん――」

 聡里が私に近づいてくる。生まれたての雛鳥のように、動かない足を無理して引っ張るように動かしていた。当然、そんなことでは前に進まず、聡里はまた床に倒れ込んだ。

「イタタ・・・」

 膝を撫でる聡里。今まではそれで終わり。転んだら起き上がろうとせず、車椅子に乗ってしまう。でも、今回は違った。聡里は近くにあるベッドにしがみ付き、腕と意志で自分の体重を持ち上げようとしていた。

「よいしょ・・・はっ・・・んっ・・・」

 弱まった身体では筋肉はない。聡里もまた体重が重い方ではないが、自分の体重を持ち上げるのには苦戦していた。
 辛いのなら立ち上がらなくても良い。車椅子でも今はバリアフリーの社会だ。優遇されるし、待遇扱いされるだろう。
 なぜ聡里がそんなに必死になっているのか・・・私にはわからない。
 分からない・・・忘れているだけなのかもしれない。
 聡里を応援し、聡里を激励し、家族二人三脚で聡里が立つことを願ったことを。

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 パイプにしがみついて息を吐く聡里。もう一度立ち上がっても、その姿は気を抜いたらすぐに床に落ちてしまいそうだ。汗に濡れたパジャマ、洗ってあげないと――。

「くぅ・・・はっ・・・おねえちゃん・・・!」

 顔をあげた聡里がもう一度私に振り向く。そうしてパイプから手を放すと、もう一度自分の力で立ち上がった。
 動きたくても動けないのか、貧乏揺すりよりも大きく見える足の震えは、自らの体重を抑えきれるのか心配になる。まるで耐震のなされていない鉄鋼のようだ。
 でも、聡里は立つだけじゃない。歩く。歩き方を忘れたように右手と同時に右足を出して、一歩だけ踏み込んだ。

「ううっ・・・!あっ・・・ああっ・・・」

 地面を踏む感触が強すぎて、痺れているのか、それとも一歩でも歩けたことに軽いエクスタシーを感じたのか、甘い喘ぎ声にも似た聡里の声。・・・泣き声にも聞こえた。

「もういっぽ・・・おねがい・・・もって・・・!」

 私と聡里との距離は5m。子供にしては長く、当然一歩で到達できる距離じゃない。でも、聡里は次の一歩に踏み出すおまじないをかけていた。
 お願いしていた。自分の足に言い聞かせていた。そして、右足の次に左足を出し、また一歩前に進んだ。

「わっ――!!」

 その途端、再びバランスを崩して転倒した。
 今度は痛いとも言わない。転んで当然の結果だ。『立つ』ことが出来なかった人が今日立ち上がり、その足で『歩く』ことをしているのだから。ムリムリ。よくやった方。おつかれさま――

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 次の挑戦はない。聡里の体力が底を尽きたのだ。床に地べたで座り込んだまま肩で息をしていた。

「うひひひ・・・。よく頑張ったじゃないか。お嬢ちゃんにしては上出来だよ。御褒美として俺もおち〇ぽの勃ったところを――」

 ―――――――一筋の涙が頬を流れた。

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「なんだ、これは・・・・・・涙・・・?泣いてるのか、俺は?」

 拭いても拭いても溢れてくる涙。この涙を理解できない『私』は、ただ困惑してた。

「なんで・・・?悲しくないのに涙が出るんだ?くそっ!」

 悲しいのではない。嬉しいの。――聡里が頑張って立ち上がった姿を見て、お姉ちゃん嬉しいよ。

「どうして!これから自由が待っているのに、こんなことで縛られなくちゃいけない?聡里は立ち上がっただけ。誰にでもできることをしただけじゃない!あたりまえのことに心を揺さぶられるんじゃない!」

 あなたはそうやって私に新鮮さを教えてくれた。新たな挑戦を目標として、高みを目指すことで自由になれると思っていた。でも、私は思い出した。そんなこと、望んでいない。
 ――親友の麻世を傷つけることを私は望んでいない。
 ――妹の聡里と別れることを望んでいない。
 ――無知を恥だと嘲笑うことを望んでいない。
 ――あたりまえを忘れたあなたと生きることを望んでいない!

 知れば知るほど人は賢くなれる。でも賢くなればなるほど自由とはかけ離れていく。無知の時こそ自由はあって、子供の時ほどかけがえのない時間がある。


 ――だから私は聡里と歩くの。自由を共有できる、二人で歩く楽しい未来を――


「―――――――聡里!」

 私は駈け出した。自分の妹のもとに、自らの足で――。
 歩幅で言えば10歩。聡里の身体に抱きついて、優しく頬を擦り寄せた。

「よく、がんばったね」
「・・・おねえちゃん」
「ちゃんと見てたよ」
「・・・うん」
「えらいよ、聡里・・・」
「うん・・・うん!」

 聡里がお返しに抱きついてくる。背中に手を回して身体をぎゅっと強く抱きしめる。
 私の忘れていたことを思い出させてくれた。聡里が好きだってこと。聡里の頑張る姿を見れたことが幸福だってこと。


『どうして――』

 心の中で彼が呟く。幸福の私にはその声が虚しさにしか聞こえない。幸福を手に入れた私にもう彼は『融合』できない。

『縛られた世界に生きることで幸福を見つけられるのか・・・。一時の幸福を永遠と勘違いしているだけだぞ?またすぐに苦労は付き纏う。そして、これから先も辛い出来事が起こるんだぞ?
 ・・・自由は欲しくないのか?嫌なことから逃げられるぞ。誰も縛りつけるものはいないぞ?苦労とは無縁の世界で、永遠の幸福が待っているんだぞ?』
『そうね・・・。そんな世界があったら私は言いたい。そんな世界はとても苦痛よね?――間違いを指摘してくれない。――誰も関わりを持ってくれない。――自由という自分勝手な自慰。――永遠の空回りの世界。それが、あなたよ』

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『――っ!?』
『もう私はあなたに負けない!私の中から消えなさい!』
『うひいぃ!』

 私の中から彼が消えていく。彼と融合していた男性の性器も消えていくのを感じた。
 人生は勝ち負けじゃない。でも、私は間違いなく彼に勝った。
 引き分けなんて絶対いや。
 妥協もしたくないけれど、縛られた世界の限界まで私は自分の最大級の幸福を手に入れたい。

「聡里。もし聡里が自分の足でお外に出掛けられるようになったら、お姉ちゃんとピクニックにいきましょう」
「うん、お姉ちゃん!」

 私が笑うと私以上に満面の笑みで喜ぶ聡里。
 聡里には、私よりももっと大きな幸福を手に掴んでほしい。
 心からそう思う。
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 私は麻世を縛りつけた。裸のまま足を釣り上げたのでおま〇こは丸見えだった。手枷をつけて目隠しをさせたので、動きの制約と視覚を奪ったのだ。

「あっ・・」

 見えないぶん敏感になっていて、麻世は私の吐息だけで感じているようだった。柔らかそうな太ももにギリギリまで顔を近づけて、なめまわすように視姦する。
 私は自然と鼻息も荒くなっていった。

「うんんっ・・」

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 そんな気配を察したのか、麻世は不安そうに身体を縮こまらせて、足をもじもじさせた。彼女の反応が可愛くて、形の良いヒップから、くびれたウェスト。背中から首筋へ、熱いと息を漏らしながら、視線を移動させる。
 首筋で彼女の匂いを嗅ぐと、甘い香りがした。

「いいにおいがするね」
「いやぁ・・。公子・・・」

 腰をくねらせながら、麻世は羞恥に耳を染めた。

「なんで?私、褒めてるんだよ?麻世の身体綺麗だなあって」
「ああぁぁ・・んんっ・・はあぁ・・うぅ、恥ずかしい・・」

 触れてさえいないのに、麻世の吐息が荒くなっていた。くびれたウエストに指を這わせた。

「きゃっ・・!」
 麻世の身体がはねる。そのままお尻をこねるように、もみしだいた。

「んっ・・んんっ・・ああぁ・・は・・う・・ううぅんっ・・」

 お尻から太ももまで撫でさするように、ゆっくりと愛撫を開始する。不安感と期待感が入り混じり、麻世の吐息が震える。心なしか、身体も強張っているようだった。
 お尻の穴に舌を伸ばして、ひと舐めする。

「ひうっ!」

 身体を硬直させて驚いたような声を出した。

「や、やめて・・そんなところ、舐めないで・・」

 嫌がっていても、手は拘束されていて振りほどく事なんか出来ないのに。うひひっ・・・、それをいい事に、私はゆっくりとお尻の味を堪能する。

「じゅるじゅる、うふぅ・・・ペロペロ・・・ズルズル・・・」
「んっ! んんっ! はあぁ・・・!」

 麻世がこれほど痙攣していることはないだろう。気が張っていただけにお尻にまで体液が伝って来た。
 舐めるとそれは汗ではなかった。

「・・・麻世、もしかして濡れてきてるの?」
「・・・っ!」

 麻世は、慌ててぶんぶんと首を振った。なんだか無性に可愛く見えた。

「入れて欲しい?」

 唇をかみ締めて、羞恥に首筋まで染めている。

「麻世。入れて欲しいって言って」

 そう選択させるが、麻世に取って選択は二つしかない。一つは疼く秘部に私のおち〇ぽを挿入する。
 もしくは、このままお尻で舐められ続けるかだ。
 羞恥心との戦いである。そして、麻世にとってどちらが、『親友の為になる行為』かである。

「ううぅ・・い、入れて、欲しいの・・」
「うん? 何を入れて欲しいの?」
「い、いじわるぅ・・」

 可愛いよ、麻世。後ろから手を回し、秘裂をまさぐる。くちゅくちゅと音が聞こえてくるほど、濡れそぼっていた。
「っ・・んんっ・・はあぁ・・」
「何をどこに入れて欲しいのか、言ってよ」
「あ、あ、やあぁ・・ぅんんんっ!お、おち〇ち〇、オマ〇コに入れて欲しいのぉ・・!」
 
 我慢できない様子の麻世に私は満足しながら、スカートの奥から膨張したペニスを取り出した。先をあてがっただけでも、麻世の膣内はもう既にグチョグチョだってことがわかった。

「んっ・・んんっ・・はあぁ・・。」

 待ちきれないとばかりに、麻世が腰を振っていた。私は麻世の中に、ゆっくりと挿入していった。膣内に溜まっていた愛液が太ももを伝っていった。

「すごいぬるぬる・・・」

 潤っていてもきつい膣肉。肉を裂くように、圧し進めていく。


「んあああぁぁ・・!」

 搾り出すような声。根元まで飲み込まれ、溶け合うような感覚。何も見えず、身体の自由が利かない麻世がびくんびくんと痙攣している。彼女の膣奥から熱い愛液が滲み出してくるように、私ももう我慢が出来ずに、後ろから抱きかかえるようにおっぱいを揉みながら、ゆっくりと前後に腰を動かす。
 彼女の肌が熱い。

「んあぁっ・・あっ、あっ、ああぁっ!」

 ぐぢゅぐぢゅと音を立てながら出入りする肉棒。ましてや抵抗できないと思うと、何ともいえない征服感に包まれる。

「はぁんっ!あ、あ、き、気持ちいい、です・・・!」

 あまりにキツくしごかれて、私のおち〇ぽが悲鳴を上げている。

「はぁ・・はぁ・・私も、気持ちいいよ」

「んぁっ!あっ、あんっ!こう、こ・・・はぁ・・はぁ・・ああぁ、もっと・・うぅんっ!」

 彼女の声に急かされ、腰の動きが自然と激しくなっていく。びんびんに勃起した乳首をしごいてあげる。

「あんっ・・・あんっ!あぁんっ!ん、ん、ん、んああぁぁ・・!」

合図を送ってくる膣内。
彼女の蜜液が肉棒を伝って、股間を濡らしていく。

「ふあっ・・・あっ!きちゃう・・も、だめえぇ・・!

 全身が強張り、引っ張られた拘束具がギチッときしむ。狭い膣内が、さらにペニスを締め付けてきた。

「ふぁっ!あ、ああぁ、あんっ!んあ、あ、あ、あ、ああああああぁぁんっ!!」

――びくん!びくん!びくん!

「ふあぁ・・あ・・んんっ・・ん・・ぁ・・はぁ・・はぁ・・はぁ・・」

 無理やり引き抜いた瞬間ほとばしった精液が、麻世を汚す。「アツイ・・・」と漏らすが手足を縛られているので当然、私が拭いてあげるしか麻世の綺麗な身体についた汚物を拭き取ることが出来ないのだ。

「ごめんね、麻世。かけちゃって・・・」

 手にティッシュを取った私だけど、ふとそのティッシュを手から放すと、ヒラヒラと地面に舞い落ちていった。

「でも、その状態でしばらくいてね、私、出掛けなくちゃいけないから」

 自分のおち〇ぽを拭いてジーンズを穿く。おち〇ぽがさらに押し込められてアソコの部分に違和感を覚えた。これが男性が感じる違和感っていうものなのかなと、少し嬉しくなった。
 そんな私が出掛けると言うのを聞いて、麻世は目隠しを付けたまま首を回して私の方を向いた。

「えっ・・・ど、どこに行くのよ?」
「妹のところよ」

 昨日、病院でお世話になった弧海聡里に会いに行く。麻世が暴れて抵抗している、鎖が揺れる音が聞こえる。

「そんな姿で行かないで!聡里ちゃんが可愛そうよ!公子が元に戻るまで私はこれでも良いから、聡里ちゃんだけには会わないであげて!」
「ええ。だからこれが最後にするつもりよ」

 えっ?と逆に今度は静かになる麻世。妹に会いに行ってはいけないと忠告するも、本当に今後会わないと言われると妹にとってどう対応していいか戸惑ってしまう。
 それよりも麻世は私がいったいどういう気持ちで最後と言ったのかが気になっているようだ。だからこそ教えてあげる。

「妹に会うのももう億劫だし、連絡しないと不審に思って電話が来ちゃうかもしれないでしょう?だから言ってあげるのよ。聡里は病院の中で生きるのよって」

 妹の世話、面倒。その時間が無駄、邪魔。自分の時間に使った方が有意義だ。その為のサヨウナラ。
 私はもう自分の為に時間を使う。

「そんな淋しいこと言える?公子・・・本当にどうしちゃったのよ!?公子!」

 アイマスクの奥で麻世が涙を流していた。拭う事も出来ない涙を麻世は床に零していた。これもまた拭ってあげなくちゃいけないと思った。

 後でね。

「アハハ・・・外に出られない妹だもの。さようならなんて簡単じゃない。涙も流さないで淡々と言ってあげるわ!麻世、私が元に戻るまで一生そのままだからね、一生ね!うひひひひ・・・・・・!!」

 高笑いで私は外に飛び出していく。今まで以上に軽い足取りで歩を進める。
 自由はすぐそこまで来ていた。

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「んんっ・・ちゅる・・ちゅっ・・ちゅぱ・・くちゅ・・ふんんっ・・んっ・・ぁ・・む・・ちゅぷ」

 親友の麻世が私のおち〇ぽを舐めてる。お互い裸になって、身体を縺れるように抱き合った私たちは、麻世が私の上に乗ってくるようにベッドに倒れ込んだ。そうしたら麻世の方が積極的に、私が何も言わなくても私のおち〇ぽを愛おしそうにいじってくれた。
 麻世の持っている大きな乳房に包まれて、大事そうにしながらももみくちゃにされている。人肌の温かさに包まれながらも、まるでマッサージを受けているかのような甘い刺激を送ってくる麻世に、私はただ極楽を感じるだけだった。 

「あっ・・・あああっ・・・」
「はあぁ・・んんっ・・・ぢゅるっ・・んっ・・んっ・・んっ・・じゅぶぶぶ・・ぺろっ・・どんどん硬くなってきてる。公子のおち〇ち〇」

 まるで飴玉を転がすように、口内で亀頭を舐めしゃぶる麻世。肉棒の先から咥え込み、喉の奥までを使って抽挿された。

「ぐあ・・!」
「んちゅっ・・ぢゅるる・・ふんんんっ・・じゅるっ、じゅる、じゅる、ふぅんっ・・しょっぱいおつゆが出てきてる」

しょっぱいお汁だけでは済まされない何かが確実に迫ってきていた。私が身体をよじろうとしても、麻世は歯を立てておち〇ぽを甘噛みした。

「あっくぅ!」

その刺激もまた、敏感になった肉棒には新たな快感となって押し寄せ、勝手にビクビクと跳ねてしまう。

「ぢゅるっ・・んふふっ・・可愛い反応・・ぺろっ・・んちゅっ・・ちゅぅ・・はぁ・・ぺろっ・・」

 おち〇ぽを舐めながら私を見る麻世。冷静でいられるのは、私だからという理由と、もう一つ、麻世も本当はこういう状況を望んでいたからかもしれない。

「彼氏にも、普段そうやってるの?」
「どうかな?・・・でも、普段よりは面白くなってるかも」

 男性よりも感じるし、女性を犯しているのだから当然かもね、と麻世は言った。麻世はサドっ気があった。
 麻世の涎がどんどん肉棒の根元に垂れ落ちていき、私のおち〇ぽ全体が、テカテカとヌメ光っていた。

「ああぁ・・」

 興奮する。麻世に舐められていることも、おち〇ぽを膨らましている自分も。
 亀頭に唇をかぶせ、尿道口を舌先で突いてきた。

「うぅっ・・!」

 出そうになる背徳感を味わいながらも、うめくことしか出来なかった。

「ちゅっ・・ちゅうぅ・・ふぅんっ・・んっ・・ちゅ・・くちゅ・・ふンン・・ちゅくちゅく・・」

 私の反応を見ながら、麻世の舌先が亀頭の隅々までを嘗め回してくる。ピリピリとした感覚に、力が出なかった。

「んんっ・・きもちいい?」

 麻世は聞いた。

「ううっ・・」
「気持ちいいのね?」

 もう一度聞いた。私は答えたくても、声が出なかった。それくらい気持ちが良かった。

「あの・・で、出ちゃう・・・っ!」

 腰がガクガク震えた。次の瞬間、私の身体がベッドから跳ね上がり、そのまま白濁液が、麻世の顔に飛び散った。

「ふあっ!?んああああぁ・・あ・・はぁ・・・熱い、どろどろ・・うぅん・・はああぁ・・」

 においも、粘りも本物で。麻世にはそれが本物だとわかった。

「本当に、公子におち〇ち〇が生えたのね・・・」
「そうだよ、麻世」

 今回は麻世が確かめるために仕方なく演じた部分があったのかもしれない。だから次はない。
 今度はこちらの番。

「それじゃあ、第二回戦いこうか」
「え、えええっ!?」

 休む暇もなく麻世を責めに転じる。攻守逆転させ、麻世をベッドに寝転ばせると、片足を持ち上げて股を開かせる。

「まだ私のおち〇ぽ、こんなに盛り上がっちゃってるの。静めてくれるよね、麻世?」
「待って。ほ、ほんとうに挿入るの?」
「もう我慢できないもの。麻世の中に入れる。はぁ・・・こんな美人を犯せる、ひひひ・・・」
「いたいっ、公子」

 逃げようとしてももう遅いからね。亀頭を割れ目にあてがい、そのまま腰に力を入れる。
 麻世の中を楽しむように、ゆっくりと挿入していく。彼女の性器は、私の男性の性器をすぐに迎え入れてくれた。

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 元勝、元男性、元彼・・・今は私。
 私の意識と融合しちゃった彼の意志がひしひしと伝わってくる。
『私』と喋る一人称が小っ恥ずかしく、『俺』と喋った方が言い易い。
 笑い方だって、「うひひ・・・」って笑っていい?「あはは・・・」なんて可愛すぎて私には似合わない。

 下品になりたい。髪の毛ボサボサの状態で頭を掻きながら、朝起きたら大きな欠伸を一つ吐く。

「ふああああぁぁ。良く寝た・・・・・・ああぁ」

 ボリボリと、お腹の辺りを爪で引っ掻きながら身体を起こす。
 パジャマ姿のまま洗面器で顔を洗う。濡れた顔をタオルで拭いて、改めて自分の顔を見比べる。
 昨日まで映っていた姿とまったく同じなのに、心境だけは違っていた。ニヤついてしまった。

「・・・これが今の俺の姿か。うひひ・・・」

 アルバイトで生計を立てる女子大生の身体。弧海公子の姿だ。細身で長身のしっかりしているイメージが、今の笑顔には更々ない。もとより持つ必要もない。
 
「すげえおっぱいでかいよ。・・・うはあ、柔らけえ」

 初めて自分のおっぱいを揉むわけでもないのに、つい感動的に喋りたくなっちゃう。それくらい私のおっぱいに魅力があると自負しちゃいます♪
 鏡の前で揉んでいる自分の姿も恥ずかしいけど興奮しちゃう。私って一日でナルシストになっちゃいました(テヘペロッ

 だらしない表情だけど、それが今の私。一見すれば女性の身体に欲情しちゃう艶女のようです。

「あはっ、もう。朝からおち〇ぽ硬くなってる」

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 でも、私には他の女性にはない立派なモノがある。彼がくれた男性の性器。ズボンを覗いてショーツから顔を出すおち〇ぽは、まるで亀の首のように太くおっきいサイズです。
 他の女性にはない特別な興奮、他の女性では味わえない特別な刺激、これを触ったらどうなっちゃうんだろうと考えるだけで、尿道がキュッと締め付けられるようです。

「一発抜いちゃおうかなぁ~」

 朝から抜いたら昼までにいったい何回抜くことになるかしら?数えてみるのも面白いかも!

 ピンポーン――――

「ん?」

 呼び鈴が鳴ってる。こんな朝早くに誰だろうと思うと、「公子!」と私の名前を玄関で呼ぶ声が聞こえた。

「起きてるんでしょう?早く行くわよ!」

 イクッテ、ドコニダッケ?

 ・・・そう言えば、昨日、二人で休みが取れたから買い物に付き合う約束をしていた気がする。なんだか遠い記憶だった気がしたけど、そうか。昨日の記憶だったんだ。

「待って――――麻世」

 名取麻世―なとりまよ―。私の一番の親友であり、良き理解者だ。
 一番大切にしたいと思っていた人物であり、一番の幸せを願う仕事の先輩でもある。

 でも、悲しいかな。
 そんな私の思いとは裏腹に、これから麻世を犯せると言う思いの方がどれよりも深く根付いているんだから。
 早く、やりたい。
 親友の、麻世に出したい。

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 慌てて飛び起きると、自分の身体が勝手に乳房を揉んでいた。右手はさらに私のショーツの中に忍びこみ、大事なところをノックする手前だった。
 目が覚めるよりも、脳が起きる前に、声が叫んでいた。

「なんで・・・あっ、いやっ!」

 嫌だと言っているのに、身体は私の言う事をきかない。勝手に動いて乳房を弄ぶ。自分でもこんな触り方をしない、まるで男性のように乱暴にいじる乳房は形を変形させる度に痛みと少しの快感が起こった。私に気付いたかのように、身体は布団から起き上がり壁にかかった姿見に見せつけるようにパジャマを脱ぎ始めると、ズボン、ブラジャー、ショーツも全て降ろして、私の身体を身ぐるみ一枚付けない状態へとさせた。
 私自身の手で。

「私の身体、どうなってるの?なんでこんな、こんなことしてるのよ!?」

(お目覚めかい?)

「ダレ?」

 私はふと脳裏によぎった声の主に声をかけた。部屋の中には誰もいないのに、空耳には聞こえなかったほど近くに感じた声は、返事をかけると「うひひ」と下品な笑い声で自己紹介を始めた。

(俺はきみの妹さんに寄生していた男だよ)

「きせい!?」

 寄生って、寄生虫とかでいうあの、寄生だろうか?訳が分からなかった。

(そして今度はきみに寄生しちゃったんだよ、うひひ・・・)

 訳が分からない。でも、寄生の意味が分かってしまう以上、相手の存在が何を言おうとしているのか雰囲気で伝わってくる。寄生とは宿主に住み着き一方的に収奪する生物のこと。つまりこの声の主は、私の身体に住み着いて一方的に身体を収奪する・・・・・・その意味の通りの男だった。

「そんな・・・ウソでしょう?は、放れて!」

(もう無理だよ。俺からは逃れられないんだよ。俺はきみと融合しちゃったから。きみじゃあもう片時も離せられないよ)

 声を荒げても助けを求められない。身体を動かせない以上、私の抵抗は無意味と一緒だった。それでも、この気持ち悪い変質者から逃れたいばかりに必死に抵抗する。

「気持ち悪い!あっち行って!」

(そんなこと言ってどうなるか分かってるの?ん~?)

 男が楽しげになにかを探っていた。なにかを始めているけど、その姿が見えない以上、どうしようもない。しばらくすると、私の身体に変化が急に訪れた。

「なに?」

(うひひ。せっかくだから面白いことをしてやろう。俺がきみと融合したことでこんなことが出来るってことをな!)

 最初は下半身からくる疼きだった。クリ〇リスが痛いと思って下を見ると、私は自分の目を疑ってしまった。
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 聡里はベッドの上から外に出なかった。心の中で聞こえる元勝の声を聞きながらも、自分をしっかり持ってなんとか身体を奪われないように我慢していた。
 気を抜いたらすぐに身体が自分の身体を慰めようとする。自分の心が自分の身体を慰めたくなる。
 でも、またヘンな気持ちになりたくないから、聡里は必死に耐えていた。

(こわいよ・・・私の身体、どうなっちゃうの?)

(うひひ。素直じゃないな。もっと自分を求めてもいいんじゃないか?ん~?)

 それでも聡里はじっと目を閉じて耐え凌んでいた。元勝にはツマラナイ時間が続いた。『融合』は憑依ではない。精神同居はしているが相手の意志を沈める力はない。だからこそ、聡里がぐっと我慢している限り、身体を奪えはしない。ただ相手の心を揺さぶりをかける会話しか手段がない。

(ちっ、せっかく手に入れた身体なのに面白くないぜ)

 時刻は夕方を過ぎ、夜に差し迫っていた。カーテンを締められ、夕食が配られる病棟に、慌てて部屋に駆け入ってくる女性の姿があった。

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「聡里」
「お姉ちゃん」

 聡里と呼ぶ女性、聡里の姉の公子だった。

「ごめんね、遅くなっちゃったね。淋しくなかった?」
「うん。大丈夫」

 仕事の帰りなのだろう。妹を気にする幸子は元気づけようと笑顔で接する。聡里のまわりに出たごみを片付け、一日着たパジャマを取り替えてようやく腰を落ちつけた。

「今日はリハビリどうだったの?」
「うん・・・。別に、相変わらずだよ」
「一日一日の積み重ねだよ。聡里の足もちゃんと回復に向かってるから頑張ろうね」

 励ましの言葉をくれる公子。聡里は嬉しいと思う反面、姉の顔を見て不敵な笑みを向ける元勝の行動がどうしても気になっていた。

(お姉さんか。良い女じゃねえか)
(お姉ちゃんは関係ないでしょう!)
(普段通りに会話してろよ。俺はただ眺めているだけだからな。ひひ・・・)

 姉妹同士の会話を楽しそうに聞いていると言う変な趣味を持つ男が気持ち悪く思えた。出てってもらえるなら出てって欲しい。そうして、心の底から安心してお姉ちゃんに甘えたかった。
 聡里がそう思うと、元勝が不審な動きを見せた。

(俺に出てってほしいか?)
(えっ?)
(おまえの身体じゃ面白くもないのに強情だからな。ここらでお暇するとしようかな)

 出てってくれるの?
 元勝がそう言っているのを理解して聡里の目にじわっと涙が込み上げてくる。だが、ふと頭に過った思惑を感じた瞬間、その目が再び奥へと戻っていってしまった。

(・・・・・・・おじさん、『どこに行くの』?)

 ちゃんとベッドに戻ってくるんだよね?空いた席におかれた夕食を食べに、ちゃんと戻ってきてくれるんだよね?


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ニタァ。



 最後を向ける公子の背中。おじさんは確かに姉を見ていた。
 元勝と引き剥がされている感覚。さっきまで五月蠅く響いていたおじさんの声が、後味が悪いノイズにように、か細くなっていった。

(おまえはベッドの上しか居られないんだよな?俺は先に自由を手に入れるぜ。おまえの姉と供にな!うひひ・・・ヒハハハハハハ・・・・・!!!)

 うっすらと見えた男性の身体が、公子の背中にくっついた。すると、姉の中へズブズブと沈んでいった。苦しい声をあげるわけでもない。彼は『くっついている』だけだ。けして傷つけるとか、重みが増すとかいうことはしない。だが、くっついてしまったら、剥がすのは容易なことではない。

(やめて!待って――――!!)

 手を伸ばし元勝の行為を止めさせようとするが、聡里の手が元勝を引き剥がす前に、公子の身体へと入ってしまった。聡里は涙が溢れて止まらなかった。

「行かないで!!!」
「なに!?」

 公子は突然叫んだ聡里に振りむいた。さっきまで不満そうに淡々と会話していた妹が、急に堰を切ったように泣きだしていた。えぐ、えぐ・・・っと、顔をぐしゃぐしゃにしていた。

「どうしたの、聡里?」

 頭を撫でながら顔を覗きこむ公子。聡里を心配している表情に、男の面影はなかった。

「お姉ちゃん・・・ほんとうにお姉ちゃんだよね?」
「そうよ。どうしたの?」
「・・・ううん・・・。なんでもない・・・・・・。ぐすっ、ごめんね、おねえちゃん……」

 きっと思い違いだと、聡里は自分の心に言いつける。そうしないと心が壊れてしまいそうだった。

「怖かったの。ずっと、一人が淋しかった・・・」
「・・・うん」
「行かないで。お姉ちゃん」

 動かない足をネックに、上半身だけで公子に擦り寄る聡里。妹の一大事を察して、公子は姉として、そして唯一の大事な家族として頷いた。

「分かったわ。聡里」

 その言葉を聞けて安心した。聡里がようやく笑顔を見せて、うっとりを目を閉じる。緊張から解き放たれた聡里は公子の腕にしがみ付いて、まるで安眠枕で眠る様にすぐにすぅすぅと寝息を立てた。

「ごめんね、聡里。一人にさせて本当にごめんね・・・」

 しっかりベッドに寝かしつけて布団をかける。暖かい温もりの中でぐっすりおやすみと、まるで母親になった気持ちで唯一の肉親の寝顔をしばらく見つめる。

「すみません。そろそろ消灯時間ですので・・・」
「あっ、はい」

 看護師に言われて椅子から立ちあがる。大人の都合があるのだ。聡里との約束は守れないことになるのだろうか。

「・・・また明日来るからね。おやすみ、聡里」

 静かに扉を閉める。消灯した病院を後にする公子。
 とても寒い夜だった。身体がぶるっと小さく震えた。

「私も温かい格好して寝よう」

 短いスカートを穿いていると足が太く見えるらしい。自分の足を無意識に触っていることに公子は気付くことがなかった。
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 布団を被ってしまった聡里だが、荒い吐息や感情が昂っているのを元勝は心の中で感じていた。
 火照った身体は早々冷めるものではないのである。

(そう邪険にしたところでどうにもならないだろ?)

 元勝が次の指令を促す。

(身体を弄るんだ。もっと自分の身体を慰めるんだ――)

「――――っ!?ダレ?」

 聡里が突然、布団から顔を出した。誰かに呼ばれている気がしていることを薄々感じていたが、今回は特に大きな声で響いてきたのだ。
 辺りを見回しても誰もいない。それでも聡里は耳につく男性の声が放れなかった。

(俺の声が聞こえるのか?)

「えっ・・・?ええっ!?」

 聡里は、見えない相手から会話されて逆に驚いていた。目の前にいない相手の存在を信じろなんて、幼い聡里には難しい話だった。

「あ、あなた・・・だれ?」

(俺はな、いつも聡里ちゃんの目の前にいる坂上だよ)

 聡里は普段ベッドで向かいあう入院患者の人の顔を思い浮かべる。元勝とは先程リハビリ室で会っていた。途中でいなくなってしまったと思っていたら、見えないけれど聡里のすぐ傍にいた。

「いまどこにいるの?」

(ん?おう、それはな・・・・・・)

 元勝がにやりと笑っている表情が浮かび、聡里は背筋が震えた。

(聡里ちゃんの身体の中にいるんだよ)

「えっ・・・」

 困ったような表情を浮かべる。なにをいっているのか分からないと言うのと、本当だったらどうしようと言う二つの意味が入った表情だ。

(本当なんだぜ?俺がこうして聡里ちゃんと会話できるのも、きみと一心同体になっているからなんだよ)

「ほっ、・・・本当なんですか?そんなの、困ります。早く出て行って下さい」

(無碍にするなよ。こうみえてもきみの中は居心地良いんだぜ。ぽかぽか温かくて柔らかいし、病院のベッドなんかよりも断然いい)

「そんな・・・。くっ、えぐっ・・・」

 気持ち悪さを感じたのか、急に泣き声になる聡里。泣き声を聞きつけ看護師がいつ飛んでくるかもわからない。

(ああ、泣かない。ほらっ、スマイル)

「うっく・・・、あぐっ・・・あはっ・・・はっ、あはははっ・・・・・・うひひ・・・」

 聡里が今度は表情を変えて笑いだした。

「どうしてだろう。おかしくないのに、笑いが込み上げてくる。ひはは・・・」

(俺が聡里ちゃんの中にいるからだ。きみと意識を融合しているから表情変化もできるんだぜ)

 笑い方がどこかおじさんぽくに見えるのは、そういうこと。腹を抱えて転げ笑う聡里の姿は下品そのものである。

「や、やだぁ・・・うひぃ、やめて・・・ひひひ・・・それだけじゃないんだぜ。聡里ちゃん!」

(えっ?) 

 口が勝手に動いている違和感。それに、身体が急に軽くなったと思ったら、身体がなにもかも動かなくなってしまった。自分の身体なのに誰かの身体のように、自分の意志で動かせなくなってしまっていた。
 聡里が自分に向かって喋っている。そんな奇妙な状況に困惑していた。

「意識を融合しているから俺はいつでもきみの身体の主導権を握れるんだぜ。聡里ちゃんの身体は俺がもらったぜ」

 聡里の身体を奪った元勝が告げる。正確に言えば、聡里の身体の主導権を握られたと言うのが正しい。元勝が手を動かす様に仕向けると、聡里の手は勝手に伸びて自身の身体を慰め始めた。
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 リハビリを続ける聡里は一向に部屋に帰ろうとしない。
 じっと待っているつもりだった元勝だが、痺れを切らせたのだ。

(もう我慢できん!さっさと部屋に帰るぞ!)

「んっ・・・」

 ビクッと身体が痙攣したように動きが停止する。
 聡里からすれば誰かに命令されたような感覚に陥り、そして、

「あれっ・・・、なんだかやめたくなっちゃった・・・」

 早く同じ年の子のようにお外で動きたい聡里だ。今日も一時間はリハビリをしようと思っていた。しかし、そのやる気に燃える意志はふっと消失したように冷めてしまった。
 看護師さんに声をかけてリハビリ室を後にすると、車椅子に乗って自分の部屋まで漕いで行った。
 部屋まで戻り、今日の練習の疲れを取る様にベッドに倒れるように横になる。ベッドは自由自在に高さが調節できるので、寝ていると言っても上半身は起きているので、本を読むには丁度よい高さになっていた。
 ベッドには聡里の匂いがした。パジャマにもともとついた匂いか、それとも彼女の体から発するボディーシャンプーか、髪の毛から漂うリンスの匂いかもしれなかった。
 天井を見ているだけではなく、目から色々な情報が入ってくる。近くに置かれた聡里愛用の絵本や身なりを整えるブラシと手鏡、テレビを見るカードにお見舞いのフルーツバスケットがあった。

(鏡か・・・。よし、鏡を取るんだ!)

 言われるように聡里は鏡を手に取る。

「・・・うーん。なんで鏡なんか取りたくなったんだろう・・・?」

 無意識に掴んでしまった鏡に意味はないだろう。しかし、何故か鏡を気にして覗き込んでしまう。
 短く結んだ髪の毛を揺らしながら映る自分の顔。可笑しいわけでもないけど、何故だか表情を変えてみたくなる。
 ニコニコと笑って見せたり、ぷぅっと頬を膨らませて怒らしてみせたりする。
 子供の表情は豊かである。鏡一つで遊べてしまうのも子供ならではである。

(うひひ・・・。俺がこんな表情を浮かべてたら気持ち悪いもんな。やっぱ子供は良いねえ)

 そして俺が微笑む表情は警察を呼べるほど悪害に満ちている。大人になればなるほど満面な笑顔なんか消えていくのかもしれない。

(さて、でもおじさん、大人の表情も見せてもらいたいんだよね。聡里ちゃん)

 心の中で思ったことは、次第に身体の外へと滲み出てくる。

「はっ、はっ・・・」

 高揚する聡里の表情。身体が徐々に熱くなっていき、自分では我慢できなくなると、聡里はパジャマの上から自らの胸元に手を置いた。

「なんだか・・・胸が苦しい・・・」

 今まで感じたことのに苦しみ。身体の奥から疼いてくる痒みに似ていた。
 胸を擦る様に爪を立てて掻いていく。カキカキと爪が皮膚を引っ掻く音が聞こえた。

(なんだ。もう少し意識を強めた方がいいのか。それなら・・・)

 元勝が命令をおくる。すると、聡里は大胆に両手で自分の乳房を掴んで揉み始めたのだ。
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 牧村貴美子は一人怒っていた。
 人を救う仕事に就いている為か、人と話をすることが好きだ。しかし残念なことに、『看護師』という職が出来るのはそこまでだ。
 医療に関わったことがあるからと言って、手術に成功する自信はそれほどない。体内の病気に効く薬が分かっても、本当に病名が当たっているという確証もない。
 だからこそ、医者がいるのである。そして貴美子は看護師として、茂木医師の診察した病名に対する薬を用意するのである。
 それ以外にできることは、病人の話し相手になってあげることだけなのである。
 貴美子は話を聞く。長い入院生活で溜まったストレスに対する愚痴を、上辺だけで軽く流す。深くかかわってしまったら、涙を何粒流しても足りなくなってしまう。むしろ、感情移入しすぎて壊れてしまうのは自分の方になってしまう恐れもある。

「そうなんですかぁ。・・・ええ。それはもう……」

 笑顔で会話を弾ませながら、何の意味もない時間を過ごす。
 正直言って苦痛だった。
 仕事に向いてないといえばそれまでかもしれないが、貴美子は他の看護師とは違う、もう一つの仕事に勤めていた。
 そちらが本業。むしろ時間が欲しいのは、本業の方だ。

「それでね、私もできることなら孫の顔が見たいわ。もう、どのくらい生きられるか分からないんですもの」
「お身体も丈夫ですから、心配しないでくださいね」

 入院すると心が弱くなる。それを如何に守ってあげられるかが看護師の仕事でもある。死んでしまっては元も子もないのだから。

「・・・でも、そうですね・・・。心だけでもいつも傍にいられるような素晴らしいお薬が開発されればいいですわね」
「ええ。そんなお薬が欲しいわ。そしたら、孫も安心でしょうから」

 お婆ちゃんが貴美子に賛同する。守護霊になって孫をいつでも見守ってあげられたらという願いを貴美子は聞き入れる。
 例え肉体が滅んでも、魂は永遠不滅。因果により輪廻を転生し、再び同じ運命を辿れたら――。

「それはとても素晴らしいことですわ。お婆ちゃん」

 貴美子は微笑んで会話を終わらせた。



 貴美子が生み出したグノーグレイヴの商品。それは人の願いのもとで生み出された商品だ。
 夢を叶える力はなくても、夢を見ることはできる道具たち。

 幽体離脱してあの子に乗り移ることができたら――、催眠術を覚えてあいつをいいなりにできたら――、

 薬の成分を使えばやれないことはない。しかし、副作用も禁断症状もなく日常を過ごすことはできなくなる危険行為。
 村崎色のもとで発売されるグノーグレイヴの薬剤品。それを完璧に売り物にしている握出紋、また村崎色はすごいと貴美子は思う。茂木飛鳥の下で働く為、姿を見たことは未だない。しかし、自分の生み出した商品が今も誰かに使われていると思う事にエクスタシーを感じないはずはない。
 これからも商品を生み出していくことに使命感と責任を持ち続けている。
 そして最後に、――人は欲のままに生きる最高の生涯を迎えられることを望んでいる。


「ムリしないでくださいね」

 あなたも、我慢しないでくださいね。

「痛かったら痛いって言って下さいね」

 嫌なら嫌って言ってくださいね、

「はい、おしまいです」

 限界を決めるのはあなた自身ですよ。だから―――

「お疲れさまでした」

 おやすみなさい。午後4時26分、307号室の汐杉きくさん、享年81歳。静かに永眠――――。



 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・

 今回はダメだったと思わない。きっと孫をいつも見守る守護霊となって見守ってくれていると貴美子は信じている。
 貴美子の作りだした商品もまた、人の使い方だ。
 使い方に良いも悪いもない。その人がどういう意図で使うかなんて勝手である。それを詮索する必要もない。だが、貴美子の楽しみ――貴美子の生み出した商品をどのように使うのかを仕向けることはできる。そしてそれこそが人を操るということに繋がる外的要因。

 医者でありパートナーである茂木飛鳥に教わった、人を操る最大要素は――思いこませることである。

「失礼します」

 貴美子が次に訪れたのは、先日、この医院に入院してきた男性。坂上元勝―さかがみもとかつ―の部屋だった。
 声をかけても返事はない。それよりも仕事中による不慮の事故による入院、そしてこの事故の責任による仕事のリストラ。還暦前による早すぎる退職。負の連鎖が募った男性はまるで屍のようだった。

「坂上さん?しっかり意識を持っていますか?」
「あっ・・・ぁう・・・」

 おぼろな目で貴美子を見る元勝だが、その視線も焦点があっていない。ぼんやり上の空を見ているだけだ。

「そんなんじゃ、治る怪我も直せませんよ?」
「いい・・・おれ、生きていてもどうでもよくなった」

 生きる気力がなくなる鬱症状。変にテンションが高くないだけ自殺をしないからありがたいと貴美子は思う。しかし、絶望する男の背中は小さく、年も老けて見えた。

「おれ、なにか悪いことをしたのかな?」
「いいえ。人生をまっとうに生きただけです」
「なんで、こんな仕打ちが来るのかな?」

 人は誰かのせいにして自分を正当化したい。特に真面目な人ほど気が弱くなると強い自分が走馬灯のように思い出される。そんな理想を打ち砕くのは――、

「現実は残酷ですね」

 貴美子が同意すると、元勝は目に大粒の涙を浮かべて泣き出してしまった。誰かに縋ることが出来ないからこそ、『看護師』として傍にいてあげることで癒しを与える。現実という敵に立ち向かう仲間となって、親身に打ち解ける間柄になることが病人とのスキンシップの第一歩である。
 よしよしと頭を撫でると、元勝は本当に子供に戻ったように貴美子に簡単に心を打ちとけた。
 仕事が大変だったこと、しかし、生き甲斐だったこと。
 結婚はしていないが、この年になるまで淋しくなかったこと。
 薬品を運んでいただけに、貴美子と薬局や薬品の話が出来たのも一つの要因だった。

(イケる・・・)

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 貴美子が不敵に笑う。涙を浮かべる大男を横目に、貴美子の衝動が高鳴る。

(この人なら、私の完璧な人形になることが出来るかも・・・)

 この人に試したい試作品がある。奔放初公開のとっておきの薬だ。

(私を愉しませてくれるかしら・・・)

 貴美子は裾からある『薬品』を取り出した。

「坂上さん」
「はい・・・」
「あなたにしかお勧めできないお薬があるのだけど」
「俺にしか・・・?」
「ええ、これなんだけど」

 そう言って貴美子が見せたのは、チューブ状の『接着剤』だった。

「・・・これ、お薬ですか?ア〇ンα?」
「失礼しちゃうわね。やっぱり渡すのやめようかしら」
「ああ、待って下さい!」

 取り下げる前に元勝は『接着剤』を奪った。

「人生に苦しみ、悔やんだあなただからこそ、人一倍他人の人生に執着できるはずよね?他人の人生を奪っても罰は当たらないわ」
「っ!そんなこと――」
「あなたは他人の人生に寄生するためにこの病院に運ばれてきたのよ。恨みも辛みも妬みも、私が全てを受け止めてあげる。だからこそ、あなたには幸せになってもらいたい。あなたの人生をもっと素晴らしく、楽しくなる様に、一時の快楽を与えてあげる」

 貴美子の甘い声に元勝は目を見開く。
 誰にだって幸福になる権利はある。誰にだって不幸になる権利はある。その差は苦痛を快感に変換できるかできないかの違いだけ。

「・・・俺に、快感を・・・?」
「ええ。この『接着剤』の用法を説明するわ」

 貴美子の話を聞く元勝のまなざしは真剣であり、元勝は貴美子の言葉を一言も聞き洩らさないように聞き入っていた。

(堕ちた・・・♪)

 貴美子は説明しながら口元を綻ばせていた。また、新たな人形が生まれた。
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