「い、いやああああ!!!」

 外に散歩に出ていたはずの私が、どうしてこんな場所に来たのかも覚えていない。
 そもそもここは何処?異世界?壁が蠢き何かが動いているようすは、化け物のお腹の中にいる様で温かく、湿って、気持ちが悪かった。

「た、たすけて――ぐがあ!!?」

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 逃げようとした瞬間、私の腕を放さないようにとぐろを巻いた枝。それは腸のように太くて、ナメクジのようにじめっとしていて、出来ることなら今すぐにでも振り落としたいくらいの気持ち悪さなのに、決して私の腕を話そうとしない。そして気付けばもう片方の腕にも枝が巻き付き、私は身動きが取れなくなっていた。
 目を疑いたくなる現実だった。

「なに、これ?本当に分からないよ!!誰か助けて!!誰かいないのお!!?」

 恐怖だけが私を狂わせ、正常な思考が完全にストップしていた。
 必死に助かりたい一心で叫ぶ私を見て、笑い声が聞こえてきた。

「だ、誰かいるの!!?たすけてぇ!!ここから出して――!!」
「誰も来ないよ。ここは俺が作り出した空間なんだから」

 私に喋りかけてきたのは、まだ小学生にも見える少年だった。でも、そう曖昧な編じなのは、少年の雰囲気は可愛い小学生とはかけ離れたもので、そして、何より、少年の目には怪しい光が見え隠れしていたからだ。
 少年の登場、それは私にとってなんの助けにもなっていなかった。むしろ恐怖をさらに募らせただけだった。

「ほらっ、みてよこいつら。こんなに可愛くなついてくるんだ。『触手』って聞いたことないかな?そういう種なんだ」
「しょくしゅ……職種?色種?」
「ぷっ!アハハハハ!!姉さん、面白いね。それとも、本当に知らないのかな?」

 少年の笑い、私を馬鹿にしているのだけは分かるけど、実際知らないのだから許してほしい。しょくしゅって何よ?そんなの見たことも聞いたこともあるわけないでしょう。

「色種か……うん、あながち間違ってないよ。だって姉さんを選んだのは僕じゃない。この子たちなんだから」
「えっ?」
「僕はこの子たちと関係を結んでいる。僕が操り、この子たちが犯す。それが楽しくて仕方がない。だからお姉さんには犠牲になってもらうよ」
「ちょっと、なにをするの!!?きゃああああああああ!!!」
「――いけえ、触手たち。お姉さんをたらふく召し上がれえええ!!!」続きを読む