純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

カテゴリ:グノーグレイヴ『入れ替わり』 > 粉薬『VS飲み薬』

(きゃああああああああ!!!!)

 芹香は克典に消されると覚悟した時だった。混合しようとしていた克典の動きが不意に止まったのだ。

「……んっ?」

 芹香(克典)が見る先、路地裏に伸びた階段を下りてきた少年の姿が目に入ったからだ。

「間に合った」

 仲居豪がゆっくりと夕日に当たりながら階段を下りる。
 ――ガツン、ガツン、
 重そうにしながらあるモノを引きずりながら。

「豪くん……」

 最後まで階段を下りた豪は一息ついた。そして、手を放すとモノはバタット地べたに寝転がった。
 灰色の髪の毛とやぶけたジーパンが、その正体を芹香(克典)に教える。

「それは……」

 豪は芹香(克典)に言い放った。そう、豪が連れてきたのは、克典本人のカラダだった。

「そう。おまえのカラダだ。聞いた話からするとこの路地裏のどこにかに隠していると探していたけど、思ったより見つけるのが苦労したよ」

 豪が『粉薬』を取り出す。そして、意識のない克典の口を開けさせて『粉薬』を流し込んでいく。

「このカラダ、意識なんだよね?もしその状態で『粉薬』を飲ませたらどうなると思う?吐き出すこともできず、でも水分は外に出ようとすることを避けられない。じゃあどうなる……?」
「なっ!!」

 変化はすぐに訪れた。克典の腹筋が膨張するように膨らんだかと思うと、水の抜けるような音が聞こえて――

 克典の肌に水気がなくなっていった。
 老化が始まった。若さがなくなり、干乾びるようにシワが出来ると灰色の髪の毛に白髪が混じっていく。

「やめろーーーーーー!!!!」

 そんなおぞましい光景に耐えきれず芹香(克典)が叫ぶ。もし、水分をなくしたらどうなる?老化も過ぎた克典のカラダは、原因不明のミイラとなり発見される。
 克典自身の戻るカラダが無くなる。そんなこと、耐えられるはずがない。

「早くしないと、きみの水分はすべて蒸発するぞ」

 豪が芹香(克典)を見て嗤っている。小学生とは思えない笑みだった。

「これがきみが彼女にやったことだよ?自分だけ救われようなんて思ってたら大間違いだ。人は水分を20%失うと生命の危険性があるらしいよ?」
「やめてくれ!た、頼む!!この通りだ」
「彼女から出ていけ。そうしないと俺も容赦しない。当然、ここにいる誰かに乗り移ろうとしても同じだ」

 豪が芹香(克典)に交換条件を出した。親友よりも強い本人のカラダと言う最終武器だ。克典はあと一歩のところで芹香との混合を諦め、

「……わかった」

 ――交渉を飲みこんだ。
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「芹香あ!!」

 木実が叫んだところで彼女に何が起こったのか分からない。
 騒いだと思いきや笑って、そして目を閉じて眠ったように安らかな顔になっていた。

「……ど、どうなったの?」

 しばらく目を閉じていた芹香がゆっくりと目を開けた。おだやかな顔した芹香に木実もほっと胸をなでおろす……

「―――――はっ」

 ……はずだった…………

「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは―――――――――――!!!!!」

 芹香の笑いが、木実や政義(鏡花)の足を踏みとどめた。

「なにをしてるの!?」

 がしっと腕を掴まれた木実。豪が木実を引っ張る様にその場を離れさせた。

「彼女はもう駄目だ。あれは、もう――」

 豪はすべて分かっていた。克典と混ざってしまった芹香に、今までのような想いはない。混合してしまった以上分解することはできない。克典に混じり合おうと、芹香であることに変わりない。克典の思考を汲んでしまった今の芹香を受け入れなくちゃいけない――。

「分かる!知っちゃう!!芹香の全てが流れてきちまう!!おれ、いいえ、わたし、私が、芹香だ!!!アハハハハハ!!!」

 克典が消え、芹香は自分のカラダを愛おしそうに撫でおろしていた。下品にスカートを広げ、下卑た目で自分の肌を見つめる芹香。

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「あはっ。自分のカラダをまさぐったことあるのに、なんか新鮮。うああっ、乳首、敏感だよぉ。……あっ、舐められる。あは、レロレロ……」

 自分のカラダをまさぐり悦ぶ芹香に声をかけられる人はいなかった。

「そんな……せりか……芹香を……」

 木実は泣いていた。
 芹香を救えなかった。人が欲にまみれ、消されてしまった最悪の結末。
 欲が人を消してはいけない。人の闇が他人を邪魔―ころ―してはいけない。
 グノーグレイヴは人を楽しませる商品じゃない。――人を猛り狂わせる商品だ。

 「……泣かないで、木実。ほらっ、あいつの皮だ。……もうあいつもいらないと思う」
「また私たちだけで楽しみましょう……このみ……」
「ぅ、ぅうう……!!!」

 木実が欲しかった克典の皮。今やドス黒く滲んで輝きは見失ってしまっていた。

 その後、木実が芹香を見ることは二度となかった。続きを読む

「木実。お待たせ。はい、これ政義くんの皮」

 戦利品の皮を笑顔で差し出す木実(鏡花)。鏡花(木実)が欲しかった皮ではあるが、その皮はいま受け取れない。

「それ、鏡花が着て」
「えっ?私が先で良いの?」
「うん。私は正々堂々と勝負するよ」

 木実は自分の身体に戻るらしく、木実(鏡花)が皮を脱ぐのを待っていた。

「そう。じゃあ私の皮は片づけておくね」

 先に鏡花が政義の皮を吐く。水分をなくす木実の皮を鏡花(木実)が大事そうに抱いていた。
 自分の皮となった姿を見て、木実は豪と同じように、もう日常に戻れないことを知っている。皮で遊ぶ鏡花を見ていると特に思う。だからこそ、グノーグレイヴを望んでいない芹香だけは、非現実的な世界から抜け出してやりたい。
 勝手なお節介である。自分の楽しみを誰にも知らせないようにしているだけかもしれない。
 でももし、木実にも欲にまみれた心の中で人間の心が少しでも残っているのなら――

「浅葱さんのカラダ、戻るといいね……」

 木実の想い、木実の覚悟。
 もうすぐ、報われる時が訪れるのだと信じて―― 


 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・

 トイレから戻った芹香(克典)は、政義の姿を見失っていた。

「ちっ、あいつまで。どこ行きやがった?」

 少女の姿もなくなっているのはどういうことか……二人でどこか行ったという可能性もなくはないが、克典には何か嫌な予感がした。

(政義め。……余計なことまでしゃべるんじゃないだろうな?)

 『飲み薬』の正体を知られたくない克典は仕方なく政義を探しに行く。人混みの多い駅前広場で探すのは骨が折れることだが、動くしかないから仕方ない。ワンピースのスカートが舞い、奥がスースーする感触を味わうことなく、芹香(克典)は走り回る。

 すると、先程の少女の姿を路地裏で見つけた。そこには少女と、政義とボブが立っていた。

「あなたたち、なにをしてるの?私をおいてけぼりにしてこんなところで?」
「もう、そんな喋り方しなくていいよ?」

 少女が発した言葉に芹香(克典)は動きを制止させた。

「なんのこと?アハハ、やだな、もう……」

 芹香の笑み、芹香の声、完璧な芹香を演じる克典だが、木実には通じない。

「あなた男でしょう?女口調なんて大変だから元に戻したらいいじゃない?」
「…………へぇ、そういうことか……この女の差し金か?」

 遂に化けの皮が剥がれた。克典は愉しむように木実を睨みつけていた。

「違うわ。私はただのおせっかいさんよ」

 自己紹介だけを告げて木実は本題に入る。ボブと政義が一歩前に出た。

「この二人はいま私の支配下にあるわ。彼女のカラダと交換で手を打ってあげる」

 親友を前に克典は考える。『飲み薬』の存在は相手に知られているのに、相手の手の内は全く見えていない。いったいどのように二人を操っているかもわからないのでは状況は不利である。

「厄介な奴だよ。ほんとうに」

 浅葱芹香。グノーグレイヴを否定しながらグノーグレイヴに関わりすぎた女性は、逆にグノーグレイヴに恋焦がれてしまった女性だったのかもしれない。人は欲のために次々と人を恋し、愛し、一番好きな人をコロコロ変える。だが、芹香はそれをしなかった。
 純粋に、潤との日常だけを望んだ。彼女の中でそれだけが真実だった。

 真人間だった……ナンパをする克典では対極にいる―こうりゃくふかのうな―存在だった。

  
 両手をあげて白旗を上げる芹香(克典)。

「わかったよ。降参だ。このカラダは手放すよ。だから二人を返してほしい」
「……ほんとう?」
「ああ、本当さ」

 その潔さに、木実は政義(鏡花)とボブ(芹香)に頷いた。政義とボブは芹香(克典)の元へ歩いていった。
 そして、普段のナンパ三人組の姿に戻った。

「さあ、返したわよ。早く芹香の身体を返しなさい」

 木実が声を荒げる。その大きな口めがけて芹香(克典)は言い放った。

「ああ。返すとも。――じゃあ、次はおまえの身体に乗り移ってやる!」

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 魔人間には欲に塗れた魔人間同士が一番心地がいい。
 芹香のカラダを放れ、克典は次に木実のカラダへ乗り移ることを決めた。
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1.出る

 トイレから飛び出した私は、そこにやってきた自分のカラダと遭遇する。

(いた。私のカラダ――!!)

「よう、ボブ。遅かったな。早く電車に乗り込むぞ。会津園原へ向かうぞ」
「まっ――」

 私の声を無視してうがいを始める芹香(克典)。腕で口を拭い、大きなため息を一息ついた。

「あの馬鹿。情に流されやがって。あんなガキの言うことに一々耳を貸してるんじゃねえっつうの」
「あっ、アノ――――!!」

 私は芹香(克典)の奥に鏡花(木実)がいることに気付く。とても驚いたような表情をしていたが、身を隠すように人ごみにまぎれると、その脇を芹香(克典)は通り過ぎた。
 私も鏡花とすれ違う。

 ……トイレから出ちゃったんだ。

 鏡花の声が耳に聞こえた。私は頷いた。

 ……さり気なく私の後ろに身を置いて。後はこっちで何とかするから。

 言うことを聞かなかった私に、鏡花は最後まで付き合ってくれる。少しだけ罪悪感があった。
 自分の身体を取り戻すために、みんな必死にやった結果だ。私だけ見ているわけにはいかない。
 鏡花と会話はできなかったけど、きっと広場に戻った時、私は自分の身体に戻れるはずだ――続きを読む

「おせえな、ボブのやつ……」

 お手洗いと言いながら消えたボブに苛立ちを見せ始める芹香(克典)と政義。楽しいことはすぐ目の前に広がっているのに、お預け状態にされている。犬と違って尻尾を振ってご主人様の顔色をうかがっているほど愚かではない。ボブは置いていっても構わない。待って次の電車が来るまでだ。二分間のタイムリミットだ。
 だが、その二分のわずかな間に、ボブではなく一人の女子高生が二人の前に顔を出したのだ。
 制服を着た少女は芹香(克典)の顔を見ると満面の笑顔を見せ、駆け寄ってくると抱きついたのだ。

「わあっ、芹香お姉ちゃん」
「な、なんだ?」
「久しぶりだね。会いたかったぁ」

 少女が喜ぶ中、芹香(克典)も政義も混乱していた。芹香を知る、見ず知らずの少女。芹香(克典)にとって不意打ちと言うべき存在の登場だった。

「こいつ、知り合い?」
「知らない。記憶にもこんな子いないぞ!?」

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 芹香の記憶を呼んでも少女の顔が浮かんでこない。記憶を高校、中学に戻しても現れなければ、知り合いにも同じ顔した少女はいなかった。
 じゃあ、人違いの件も考えるが、少女の喜びようからそれはない。少女は『芹香』と名乗りながら駆け寄ってきたのだ。
 間違いなく少女は『浅葱芹香』を知っている。

「あれ……?おねえちゃん?なんか喜んでくれてない?」

 芹香(克典)の表情を見た少女が悲しそうな顔をした。ボロを出すわけにはいかない。克典は芹香の口調を真似して会話する。

「えっ!?そ、そんなことないよ。うん、久しぶり。元気だった?」
「うん。芹香姉ちゃんも元気そうでよかった」
「そう。じゃあ私用があるから――」

 話を切ろうとした芹香(克典)だが、少女は続いて政義に顔を向けた。

「隣の人って……ひょっとしてお姉ちゃんの彼氏?わあっ!お似合いのカップル」
「ば、馬鹿、ちげえよ……」
「彼氏、顔真っ赤になってる。でも……、あれ?ちがうの?」

 純粋な目で見てくる少女に芹香(克典)は政義を睨みつける。二人で歩く手前、少女の前では親友よりも彼氏彼女の関係にしていた方が何かと便利だと思ったからだ。
 
「ううん。お姉ちゃんの彼氏よ。仲良くしてね」
「ああ、そうなんだ。よろしく」
「ふうん」

 政義と握手した少女が二人の顔を見比べて、そして、ニヤリと笑った。

「じゃあ、キスしてよ」
「ええ!!?」

 芹香(克典)が素っ頓狂な声を上げた。

「彼氏彼女なら当然できるでしょう?今なら人目もまばらだし、私以外誰も見てないと思うよ?」

(ま、マジかよ……)

 しかし、公共の場でのキス。先程は仲間内でしていたが、誰かが見ている手前ではやり辛い。

(ここは人前では恥ずかしいからと言って切り抜けるんだ)

 芹香(克典)が口をあける前に、芹香の小さな身体は肩を掴まれぐいっと強い力で横を向けられると、目が血走っている政義が芹香を見つめていた。

「…………せ、芹香」
「えっ?ちょっ、ちょっと待て、政義!!?」

 顔を近づけるとさらに怖くなる。政義の耳にはもう何も入っていない。芹香しか目に映していなかった。

「少しの間だけ我慢しろ」
「んんっっ――!!!!」

 芹香(克典)は政義とキスをする。それを見て少女は楽しげに笑っていた。

「きゃはっ!凄い凄い。大人だね、お兄ちゃんたち」

 拍手をして迎える少女。芹香(克典)は政義が唇を話すとすぐにお手洗いに走って広場から消えていってしまった。
 キスをしたことで芹香の甘い唇の感触に満足したのか、政義は逆に冷静になり少女に話しかける。

「どうだ?これで満足したか?じゃあ、芹香が帰ってきたら俺たち行くから」

 背を向けて去ろうとする政義に――

「……まだだよ、お兄ちゃん」

 少女が声をかける。振り返った少女の顔は、今まで見せなかった裏の表情をさらけ出していた。

「やっと一人になったんだ。絶対にお兄さんの皮を貰うんだ」

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「――――うえっ!!」

 『粉薬』を呑んだ途端、身体から込み上げてくる吐き気にたまらず嘔吐してしまう。大量に吐き出す水分が、まるでエチケット袋のように使われるシワシワの皮の中に受け流されていく。
 すべてを吐きだし、もうこれ以上水分が出ないと思っていると、ようやく吐き気が治まった。皮は大量の水分に満たされて、潤いをもって膨らんでくると、それがようやく私の目からでも、人の皮だということが分かった。
 女性、しかもとても美人なOLだった。
 しかし二人はOLではなく芹香を見ていた。なにやら驚いた表情を浮かべていた。

「あれ?どうして皮が萎まないの?」

 『粉薬』は人を皮にする。そして体内の水分を流しこむことで皮を着ることができる。
 でも、豪の皮が萎まずに原形をとどめており、さらに意識して二人の顔を見回している様子から、鏡花(木実)は恐る恐る聞いていた。

「……ひょっとして、浅葱さん?」
「えっ、あ、はい」

 芹香が返事をして二人はようやく納得した。

「……つまり、『飲み薬』の効果かしら?」

 グノーグレイヴは全ての商品の対象になることはない。飲み薬の効果が持続している限り、いかに同じグノーグレイヴ品『粉薬』だとしても打ち負けることはない。

「じゃあ、私の身体は……」

 決して芹香が身体に戻れたとしても、克典がいる限り主導権が握れるかどうかは分からない。現に『粉薬』を呑んだ芹香に効果がないのだから、『飲み薬』同士の相打ちが決まらない限りどうなるか分からないのだ。
 木実(豪)は難しい顔をしていた。

「ねえ、ひょっとしてこのOLって……」

 話題を変えるかのように鏡花(木実)が目を覚ましたOLに目を向けた。

「くあ……はぁ~。なんだか凄い身体がだるいよ」

 何も知らずに目をこすっているOL。

「鏡花?」

 そう、OLの正体は今まで芹香に眠らされていた鏡花であった。豪、鏡花、木実を見比べ、そしt自分の身体を見渡し、鏡花は三人とは別の誰かがいることを知った。

「あれ?……一人増えてる……なに、どういうこと――!?まさかばれちゃったの!?」
「俺たちと近い人だよ」

 豪が鏡花に経緯を説明する。最初は驚いていた鏡花も、話を聞くうちに、『飲み薬』の存在に興味を示し、木実と同じ表情を浮かべたのだ。

「……じゃあ、『粉薬』以外にもあるんだ。へぇ……今度医者から詳しく聞いてみようかな?」

 芹香にとって強い仲間だ。助けてもらえるのなら人は多い方がいい。なにせ大の男が三人。合わせて一人が外人。力で勝てないことは立証済み。
 だとしたら仲間を増やしての人海戦術に頼るしかない。こっちは子供一人に女子高生二人と皮数枚なのだから。
 さらにここで離脱の仲間が出てしまう。『粉薬』をもつ豪だった。
 木実(豪)は豪(芹香)に『粉薬』を今日持ってきていた三枚を預けた。

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「俺ができるのは『粉薬』を渡すことだけだ。とりあえず、俺の身体を返してほしい。そのあとの手筈は自分で考えてね」

 あくまで人助けには加担しない豪。豪はただ木実が頼んだキザな男性の皮が欲しいだけ。別行動になっても何も言えなかった。

「飲み薬はどうやって移動するの?」
「えっと、確か……キスだったかな」
「口移しか。じゃあ『粉薬』と変わらないね」

 豪(芹香)と木実(豪)は口移しでカラダを入れ替える。一方は霊体で、一方はスライム状という不思議な移動を終了した。

「行こう、浅葱さん」
「でも、どうやって身体を取り戻したらいいのか――」
「考えてたって仕方ないよ。行動あるのみ。早く奴らを探しましょう」

 女子高生、女子大生、OL社会人という繋がりの少ない三人の構図が横に並んで豪の前から消えていった。


 ………………

「……さて、ここに――――」続きを読む

「ようやく見つけた。鏡花!」

 私に話しかける見ず知らずの女の子。陣保市から少し遠い松阪公立高校の制服を着ているということは学生だろうか。私は一昨年、陣大高校を卒業してしまったけど、阪松公立高校の制服を着たいと思った事があるくらいそこの可愛く、憧れの学校だった。
 そんな彼女が思わず言った名前――

「えっ?」

 私は聞き間違えかと思った。先程まで自分が混乱していて男性か女性かも分からなかったが、今の自分のカラダは小学生の男の子だった。どうしてこの少年の中に入ったのかもわからなかったけど、声変りもしていない声のおかげで喉にさほど痛みもなく、女性特有の高音を出せるのはありがたかった。

「豪くんのカラダいたよー」

 女子高生がもう一人近づいてきた。橙色の髪の毛をツインテールにした、きっと友達の女の子だった。

「オレノカラダボロボロ!!!!」

 …………オレ?

 状況がよく把握できていない様な気がする。でも、女の子の視線が痛いので謝るのが得策の気がした。

「ご、ごめんなさい」
「何があったの?急にどっかに消えて探しちゃったよ?」
「しかもそんなキズものにして……怒るよ!」

 どこから説明すればいいのか分からない。どこか様子のおかしいのは私もそうだけど、後から来た女の子もそうだった。どこか似たような雰囲気を持つせいか、聞くのが怖かったけど、聞かずにはいられなかった。

「えっと、あなたたち、このカラダの持ち主?」
「そうだよ。俺のカラダ!!」

 ゴウくんと言われた女の子が認める。それってつまり――

「なんで、意識とカラダがバラバラなの?」

 ――私と同じ状況で、どうして落ちついていられるの?

「ん?鏡花?」
「あの、私、浅葱芹香と言います!」

 『飲み薬』によるカラダを奪われたこと、そして、私も知らずに『飲み薬』を呑んでしまい、豪くんのカラダに入ってしまったことを説明する。非現実的な話を二人は目を丸くして聞いていた。
 普通ならこんなおとぎ話聞くはずがない。面白くもないし、オチもない。悲しい物語なんか読みたくない。誰しもハッピーエンドが好きだから。それなのに、二人は事情を把握すると楽しそうに笑みを浮かべた。

「へえ。『飲み薬』で鏡花の意識を眠らして俺のカラダ奪っちゃったんだ」
「『粉薬』と同じ会社の臭いがするね」

 ストンと胸に落ちたのか、『飲み薬』の話を面白そうに聞いていた。

「あの、信じてくれるんですか?」

 女子高生は私の質問こそ愚問のように笑った。

「どうして信じないのさ?」
「世の中信じる者は救われるんだよ?じゃあ私たちが人の皮を着ているって言って信じられる?」
「それは……」

 人の皮を……着る?そんなホラーサスペンス見たくない。赤い髪の女子高生がケラケラ笑う。

「でも、現実穿いてるの。木実の皮を豪くんが。豪くんの皮を鏡花が。そして、鏡花の皮を木実がね。もちろん、その他にもいろんな人の皮があるけど見る?教師、弁護士、OL、小学生。なんでも着れるよ」

 つまり、この女子高生は……人の皮を被った悪魔かもしれない。
 女子高生の皮の裏側で、大男が入っているに違いない。なんていうホラー映画。人は誰も信じられない……信じられない人は救われない。でも、信じる人はもっと救われない――何故なら、人に利用され、遊ばられて捨てられるから。

「信じる者は救われないよ。でも、信じる者は楽しめるんだよ。いろいろとね」

 私の心の声を聞いたように、木実(豪)が代弁する。
 人は楽しんだ者が勝ち。木実も鏡花も楽しいから豪と一緒にいる。
 そして私も潤と遊びたいから待ち合わせをする。一緒に買い物に行く。
 私の求める楽しい日常がそこにあった――。

「とにかく、鏡花は無事なんだね。そして、芹香さんは自分のカラダを取り戻したい」
「そうしないと俺も夕方に家に帰られるかどうかわからないよ。こうやって出会ったのも何かの縁だし、とりあえずきみの意識を別の皮に移動すればいいのかな?鏡花の意識も戻るよね?」

 ポケットから『粉薬』を出した木実(豪)に対し、私は逆に掴みかかった。細い身体を、さらに細い腕が抱きつく。鏡花(木実)が驚いていた。

「あの、こんなこと言える立場じゃないんですけど、私を助けてください!」
「なに?」
「力を貸してください……騙されて連れて行かれた親友を助けたいんです。お願いです!自分のカラダは二の次で良いですから、潤をどうか、救っていただけませんか――?」

 何も知らない潤を助けたい。こんな闇の遊びなんか見せられるわけがない。決してこの人たちに心を許したわけじゃない。でも、今は――
 ――悪魔と契約して魂を半分持っていかれてもかまわない。潤を助けてほしかった。悪魔の道具『飲み薬』と同等の力を持つ、悪魔の道具『粉薬』に。

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「……きみは優しいね――俺は反抗期だから駄目だよ。人を助けたいなんてそんな気は起きないもの」

 小学生は気分のままに行動するのが仕事。相手の気持ちなんか知る必要がない。遊びたいが標語だった。
 そう言われてしまうと何も言い返せない。無関係なこの人たちを自分の押し付けに巻き込んでいいのかと、余計なことまで考えてしまう。

「ちなみに、どんな人に連れて行かれたの?」
「ここでよくナンパする三人組の集団です」
「ああ、あの怖そうな外人を連れているからナンパに失敗しているキザとナルシストね。きみもヘンなのに捕まったね」

 私に気を使ってくれる鏡花(木実)の優しさ。鏡花(木実)はさらに木実(豪)にも擦りよってきた。

「ねえ豪くん。わたし、まだ持っていないキザ男の皮が欲しい」
「いらないよ。俺は女の子の皮を集めるのが好きなの」
「でも豪くんだって一枚くらい男の皮があったほうが何かと都合いいと思うよ?最近、レズじゃ飽きちゃって。おまんこにおちんぽ突いてほしくて疼いちゃうなあ」

 すごい発言が女子高生の口から出る。そして、それをなんとも思わない小学生……

「男の子なのに、女の子の快感だけ得たら、きっと豪くんが本当に成人になった時に物足りなくなっちゃうと思うよ?今のうちに予習しといたほうがいいんじゃないの?」

 あっ、木実(豪)が震えている。後ひと押し――

「人の皮っていくらで売れるかな?」
「わかったわかった!やるよ。やればいいんだろ?」
「さすが~話が分かる男の子だね!」

 今わかった。本当の悪魔は木実さんかもしれないと。 

「あ、ありがとうございます」
「でも、俺は遊ぶだけだからね。自分の皮は自分で取り返すんだよ?」

 念を押す木実(豪)。
 私は悪魔と契約を結んだ。
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 駅前広場に戻った三人組は、芹香を待つ曽根原潤を発見した。
 芹香(克典)の指示で政義とボブは物陰に隠れ、克典は何食わぬ顔で潤の前に顔を出した。

「あっ、芹香!遅いよ」

 芹香だと疑わない潤は芹香(克典)を見つけて駆け寄ってきた。不満そうなことを言っても屈託のない笑みを浮かべる潤の表情を見ていると、芹香の笑みの裏に潜む闇が滲んでしまう。

「ごめんね。先についてたんだけど、ちょっと放れてたんだ」
「どこ行ってたの?」
「うん、この人たちと会ってたの」

 合図とばかりに政義とボブは潤の前に現れた。潤は思いもよらぬナンパ組の登場に眉をしかめた。

「芹香さん。この子?」
「うん。私の知り合いの、曽根原潤ちゃん」

 まるで初めて出会ったかのように話し方を変える芹香と政義。全て計画のうちだ。芹香の知り合いともなれば潤は嫌でも付き合うしかない。

「は、初めまして……」

 あいさつを交わして潤は芹香に耳打ちをする。

「ちょっと。これ、どういうこと?」
「なにが?」
「あの二人、いつもここでナンパしている人じゃない!怖いから近付かないようにしようって、言ったばかりじゃない」

 やはり政義たちは広場では有名なナンパ組らしい。芹香(克典)はそれを聞いて思わず笑ってしまった。

「でもね、話してみたら気さくな方たちよ?潤も話してみたらきっと気に入ると思うわ」
「そうかなあ。一人外人だよ?あっ、睨んだ。ひゃああ!」
「それ、愛想よく笑ってるんだよ?」

 話は終わりというように芹香(克典)は再びボブと政義の間に割って入った。仲よさそうにしている三人に潤は一人付いていけなかった。

「今日は一緒に楽しもう」
「う、うん……」
「こんにちは!」
「ハーイ!!アイム、ボブ!ヨロシクネ!」

 ボブに肩を抱かれて震える潤。だが、背中を押されて歩き出し、四人は広場から立ち去ろうとしていた。


「行っちゃだめえええぇ!!」

 広場に響く悲痛な声。追いかけてきたのは、先程ナンパ組と会っていた本物の芹香であり、今は少年の姿をしていた。

「潤!行かないで!!」

 声変わりもまだな少年は、甲高い声で潤に訴えかける。だが、潤から見れば少年とは初対面。会ったこともない人物に不信感を抱いていた。

「あなた、ダレ?」

 少年(芹香)がショックを受ける。逆にそれを見た芹香(克典)がフッと嘲笑った。

「知り合い?」
「えっ?違うよ?知らない人」

 潤から聞かされる声に少年(芹香)は涙を流す。必死に訴えかける芹香の声が逆に空回り、潤を守る様に政義が顔を隠した。

「潤!!わたしだよ!!芹香だよ!!」
「芹香?芹香ならここにいるじゃない」
「潤。気をつけて。この人に近づかない方がいいよ」

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 芹香(克典)が潤に言って聞かせる。芹香の声色で喋る克典を信用し、潤を守ろうとしている芹香を潤本人が遠ざける。――これほど愉快なことはない。
 そして、極めつけである。政義とボブが潤と芹香(克典)の前に立ち塞がった。

「お二人さん、さがって」
「ここは、ワタシたちの腕の見せ所デス!!」

 少年(芹香)に対し指を鳴らしながら近づいてくる二人。芹香は身の危険を感じた。そして直感は当たり、二人は拳を振って駈け出して来た。

『うおおおおおおおおおおおお!!!!!』
「ひっ!?」

 少年(芹香)の小さい身体が飛んだ。顔を殴られ真っ赤になっていた。涙と一緒に血を流す少年(芹香)。そして、そんな少年を見て悦んだのが芹香(克典)だった。

「格好いい。強い強い!!」

 拍手をして二人を声援する。潤は唖然とその状況を見守っていた。

「でも、やめてあげて。まだ小学生じゃない」
「いいじゃない。もう少し見ていようよ」
「……芹香――?」

 信じられない発言だけど、潤はただ少年が殴られるのを見ているしかない。政義、ボブ、大人にフルボッコにされる少年(芹香)を見て痛々しかった。 

「痛い!!顔はやめて――!!」
「これから先は俺たちに近づくな。お前のカラダも、そしてその身体も、どうなっても知らねえぞ?」

 政義が忠告する。芹香のカラダは克典によって人質に取られているようなもの。そう思うと少年(芹香)は何もできなくなってしまった。いや、少年は自分が殴られていることも知らない。芹香が勝手に入り込み、身体を奪われて、いま知らない大人に殴られているのだ。もし、芹香が運よく少年の身体から放れ、いなくなったとしても、意識を戻した少年は起きた瞬間に顔の激痛と闘うことになる。そんな悲しいことはない。

「お前が俺たちに余計なことをすれば、身体の持ち主のガキが傷つくことくらいわかるだろ?」
「これは最後通告デス――!」

 ボブの右フックがボディーに突き刺さる。くの字に曲がって少年(芹香)は背中から地面にたたき落とされた。

「ごほっ、ごほっ……」

 むせると同時に血の味が少年(芹香)の口の中に込み上げてきた。少年(芹香)はもう動くことができなかった。

「すてきぃ!政義!」
「お、おぅ……」

 芹香(克典)が政義に抱きついた。政義もまんざらではなく、顔を赤くしていた。
 少年(芹香)を見下ろす芹香(克典)。その顔は歪にゆがんでいた。

「分かったらさっさと消えてくれない?わたし達の邪魔をしないで!」

 三人は潤の元へ帰っていくと、そのまま何処かへ消えてしまった。
 残された少年(芹香)はようやく身体と意識が動けるようになった後で――

「う、うるぅ……うわああああああああああん――――!!!」

 顔を隠して空に向かって大泣きした。

(ムリだよぉ……私じゃ、潤を助けられない……だれかたすけて――)

 芹香のまわりに大勢の人が顔を覗きこむ。少年の傷を見て心配してくれた人たちが、「大丈夫だった?」と声をかける。でも、欲しい言葉はこんな言葉じゃない。
 それじゃあ芹香は救えない――――
 でも、その中で、一つ、一番最後に声をかけてくれた少女が――

「ようやく見つけた」

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 他と違った言葉を少年(芹香)にかけた。続きを読む

 絶頂を迎えた芹香(克典)に次こそ駆け寄る。

「もうやめて!私の身体に触らないで――」

 自分の身を案じて身体を起そうとすると、わたしは自分の身体に手を払われた。バシンと言う音がまるで、私を拒絶しているかのようだった。
 むくりと起き上がった私の身体。

「私の身体に触らないで!」
「えっ?」

 先程とは違う男性口調ではなくなり、普段私が喋っている口調そのものの声で、芹香は喋り始めた。

「せっかく気持ちよくて楽しんでいたのに、邪魔しないで」

 そんなこと言うはずない。私の身体を使って克典が言っているだけだ。……なのに、全くそう聞こえないのはどうしてだろう。まるで心をなくしたカラダが新たな心を見つけてしまい受け入れてしまったような虚無感を感じていた。
 仲間である政義ですら克典の変わり様に動揺していた。

「かつのり、だよな?」

 恐る恐る聞いた政義に向け、芹香は微笑んで見せた。

「そうだよ。逝った衝撃で、浅葱芹香の記憶が一気に流れてきたみたい。喋り方もすっかり女口調になっちゃった」

 堰き止めていた水は絶頂と言う洪水に溢れだし克典を呑みこんで芹香に変えた。
 私の目の前にいる浅葱芹香は、正真正銘の私であり、清水克典の記憶すら得た浅葱芹香だった。

「克典、パーフェクトウーマンになったね!」

 喜んでいるのは男性だけ。私は目前で帰るカラダを無くしてしまった。
 うなだれる私の代わりに、芹香が微笑みかけた。

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「こうなったら仕方がないよ。このカラダは既に私のもの。もうあなたに帰さない」
「イヤイヤ、イヤアアアアア――!!!」
「私は浅葱芹香。これから親友の曽根原潤とショッピングに行く予定なの。でも、その前に出会ったお兄さんたちと遊んで行くわ。だって、面白そうなんだもん。これから私の本当のテクニックを教えてあげるね」
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 私の目の前で、『浅葱芹香』が動いてる……。
 自分の身体を舐めまわすように視線を下ろしたり、その場で軽くジャンプをしたりて、まるで『浅葱芹香』としての感覚を味わおうとしていた。

「軽いな。それに……くんくん、やっぱり女の身体は男と違っていいにおいがするよ。あはっ、肌も柔らかいし、胸も重みを感じられるし、今までの自分とはまったく違う人になっちまったみたいだ」
 
 それを言いたいのは私の方だ。私は今まで、そんな笑みを浮かべたことは、ない。そんな破廉恥に、胸を揉んだこともない。
 今までの自分とはまったく違う……こんなの、『浅葱芹香』じゃない。
 
「克典!サイコー!!」
「シミズ!Good Job!!」

 清水克典、それが私に入り込んだ人の名前。いつも駅前でナンパをしていたリーダーの名前。
 一緒にいる人に身を任せ眠っている、気障な男の名前。

「政義、ボブ。触ってみるか?この女の身体を」
「え――」
「おい、いいのか?マジか!!?」
「リアリー?オー、ベリーハッピー!!」

 男たちが私の身体に付き纏う。お気に入りのワンピースの上から、左右で私の身体にがっついた。

「いてえ。おまえら強すぎだ。もっと優しくしろよ」
「す、すまねえ……」

 政義が触り方を変えた。ゆっくり包み込むようにワンピースの上から円を描いて乳房を揉んでいる。

「おっ…政義。うまいな。もう少し続けてくれよ」
「ああ、こんな形でも彼女の乳房を揉めるなんて――押してやると押し返てくる弾力がおもしれえ」
「ふんっ、ボブ……おまえは優しくなんて無理だから、さっきみたいに強くやっていいぞ。その方が感じ方が違っていい」
「その方がワタシも楽デス。――ウホッ!」

 対して強く荒く右乳を触る。大きな手に握られた乳房は一揉みで大きく形を変えていた。
 左右別の刺激を受ける私のカラダは耐えられずに、

「ふあっ!」

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 喘ぎ声を洩らした。その声に一番驚いたのは芹香(克典)だった。

「克典、今の声はなんだよ?」
「無意識に出たんだ。わすれ――ひやあ!?」

 芹香(克典)がもう一度喘いだ。ボブがワンピースの中に手を差し入れて直に触ったからだ。

「克典。バスト、敏感ね」
「そうか、感じているのか、克典?」
「イヤらしい身体だ……」

 芹香(克典)が私を見ながら言った。まるで私のせいにされたかのようで、ここでようやく私は自分を取り戻すことができた。

「あ、あなたたち、なにしてるのよ!!!」

 急いで私は自分のカラダ(克典)へ駆け寄る。

「――私のカラダを返して!!」

 取り戻し方なんか分からないけど、これ以上のことをしてほしくなかったからだ。
 計画性なしの頭ごなしの作戦。
 当然、私はボブと言われた外人の左ストレートを受けて悶絶してしまった。

「左じゃ力が出ないデス。でも、しばらく動くことはできないでしょう」

 息苦しい、吐き気がする。再び崩れ落ちる私。
 芹香(克典)も政義も、私の姿を見て嘲笑っていた。

「せっかく来た観客だ。最後まで楽しんでいけよ」
「自分のカラダが汚される姿をさ――」
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