「ひどい・・・」

夕夏はそうつぶやいた。
夕夏の目の前に立つおじさんの邪推な笑み。ファンとして訪れていたとおじさんの真意を知った夕夏は、会場内で唯一悲しい表情を浮かべていた。
「そう邪見にするなよ。きみたちだって大好きなキャラを無粋な目で見てるんだろ?自分の好きなキャラになりたいと、憧れを抱きながらもコスプレしている自分をカメラに収められるのが好きで好きでたまらない。それを無粋と言わないでなんという?君たちこそがキャラを汚している最たる人間だよ」
「そんなことありません!私はキャラを尊重しているから手を抜きません。自分の好きなキャラだから汚すようなことを決してしません!だから、最もキャラを汚しているのは――キャラを尊敬している夕菜を汚した、あなたの方じゃないですか!!」
ニィィっと、口元を釣り上げるオジサン。夕菜がオジサンからもらった首飾りには、人の精神を無意識に支配する『宝石』が使われている。夕夏はその事実を聞かされ、血相を青くしていた。
「今頃、お嬢ちゃんもオナニーを終わる頃だろう。そうしたらその格好のままこの場に来るよう命令してある。『宝石』の不思議な魔力はきっとお嬢ちゃんをそうさせる」
「なんで、そんなことが出来るの・・・?」
「道具を買ったからだよ。――この会場には本当に不思議な魔力を持つ魔道具を売る店もあったってことだよ。ここは表には出回らない掘り出し物、名具も飛び出す即売会だ。ここに来ない理由はない。俺はやっと見つけたんだよ。探し求めていた、魔道具を」
おじさんが手に入れた魔道具は二つ。『宝石』と『人形』。『宝石』は夕菜に。そして、『人形』は夕夏に、それぞれ起動する手筈は踏ませている。夕夏に触らさせた『人形』は、夕夏そっくりの人形の姿になっていた。自分と同じ格好をした『人形』を見るだけでも夕夏は顔を青ざめる。その不気味な『人形』をおじさんが持っているだけでも、気味が悪いのである。
「そ、その『人形』をどうするつもりですか?」
「きみはもう俺のモノだよ。きみたち姉妹にはこれからもう一つショーをやってもらうよ」
「ショー・・・?なんであなたの言いなりにならないといけないんですか?」
「フフフ・・・」
疑問を抱く夕夏に侮蔑な笑みを浮かべる。そして、おじさんはゆっくりとその『人形』を弄り始めた。
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夕夏はそうつぶやいた。
夕夏の目の前に立つおじさんの邪推な笑み。ファンとして訪れていたとおじさんの真意を知った夕夏は、会場内で唯一悲しい表情を浮かべていた。
「そう邪見にするなよ。きみたちだって大好きなキャラを無粋な目で見てるんだろ?自分の好きなキャラになりたいと、憧れを抱きながらもコスプレしている自分をカメラに収められるのが好きで好きでたまらない。それを無粋と言わないでなんという?君たちこそがキャラを汚している最たる人間だよ」
「そんなことありません!私はキャラを尊重しているから手を抜きません。自分の好きなキャラだから汚すようなことを決してしません!だから、最もキャラを汚しているのは――キャラを尊敬している夕菜を汚した、あなたの方じゃないですか!!」
ニィィっと、口元を釣り上げるオジサン。夕菜がオジサンからもらった首飾りには、人の精神を無意識に支配する『宝石』が使われている。夕夏はその事実を聞かされ、血相を青くしていた。
「今頃、お嬢ちゃんもオナニーを終わる頃だろう。そうしたらその格好のままこの場に来るよう命令してある。『宝石』の不思議な魔力はきっとお嬢ちゃんをそうさせる」
「なんで、そんなことが出来るの・・・?」
「道具を買ったからだよ。――この会場には本当に不思議な魔力を持つ魔道具を売る店もあったってことだよ。ここは表には出回らない掘り出し物、名具も飛び出す即売会だ。ここに来ない理由はない。俺はやっと見つけたんだよ。探し求めていた、魔道具を」
おじさんが手に入れた魔道具は二つ。『宝石』と『人形』。『宝石』は夕菜に。そして、『人形』は夕夏に、それぞれ起動する手筈は踏ませている。夕夏に触らさせた『人形』は、夕夏そっくりの人形の姿になっていた。自分と同じ格好をした『人形』を見るだけでも夕夏は顔を青ざめる。その不気味な『人形』をおじさんが持っているだけでも、気味が悪いのである。
「そ、その『人形』をどうするつもりですか?」
「きみはもう俺のモノだよ。きみたち姉妹にはこれからもう一つショーをやってもらうよ」
「ショー・・・?なんであなたの言いなりにならないといけないんですか?」
「フフフ・・・」
疑問を抱く夕夏に侮蔑な笑みを浮かべる。そして、おじさんはゆっくりとその『人形』を弄り始めた。
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