純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

カテゴリ:グノーグレイヴ『時間停止』 > グノー商品『時計』

      faad87a6.jpg


「助けてえええ!!」

 彼の手により着たこともないベビードールに厭らしい下着をつけられた私だったが、必死に逃げ出しアパートから飛び出すことに成功した。でも、

「えっ……?」

 そこで見た光景に私は目を疑ってしまった。外出している人、車、鳥、猫……
 すべてのものが止まっていた。

「なに?これ……?」 

「この地域で動いているのは、俺ときみだけなんだよ。それ以外はみんな止まってる。今なら何をしても許されるよ」

 階段から降りてくる彼がつぶやく。私は彼が恐ろしくなって腰を抜かしてしまった。私の手を掴んだ彼は、道路の真ん中まで私を引きずる。大通りに面している場所では多くの人が入り混じり、全員が様々な表情で止まっている。

「あなた、なにをしたの?早く元に戻して」
「そう?どうせならみんなに見られながらやるっていうのもいいんじゃない?大丈夫。笑ってるけど見えてないから。見られているような気がするだけ」
「やめて!恥ずかしい……」
「そうは言っても、大勢に見られながら犯されたいとか思ったことあるんでしょう?やってみればいいじゃん」

 彼が私の手を放す。この後の流れは私に一任するよう仕向ける。

「…………」

 すべてが止まった世界で、動いているのは私と彼だけ。
 ここに住むすべての物は、私と彼の玩具と人形。
 ――生きているのは、私と彼だけ。

「あああっ――」
 こんな恐ろしい世界で、私はなにをしたらいいのか立ちつくしていた。
 
 Fin

 続きを読む

↑このページのトップヘ