純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

カテゴリ: グノーグレイヴ『他者変身』

 何時の頃からだろう。平和はいつまでも続くと思っていた。
 亭主関白だけど何不自由なく生活できるほど稼いでくれる夫、高校生でも親孝行を考えてくれる長男、可愛く育つ中学の娘。
 忙しくても不満は少なく、すくすく育つ子供たちの生末を見守り続ける私、澄子-すみこ-は買い物を終えて家に帰ってきた。
 今日の夕食はなににしようなんて、これから家庭内で惨劇が起こっているなんてこと毛頭考えていなかった。

「ひゃあああぁぁぁぁ!梨沙ぁぁぁ!!」

 私の目の前で娘の背中にナイフを突きたてたまま呆然としている長男を前に、私は血相を変えて救急車を呼んだのだった。


”皮 -薄っぺらい覚悟-”


「ねえ、お兄ちゃん」
「ん?なんだい?」

 俺の名前は青崎俊太郎-あおざきしゅんたろう-、向陽陣大高校に通う二年生だ。両親と妹の梨沙の4人で暮らしている。
 今日も一日平和に終わり、家族団らんで夕食をとっている最中、俺は梨沙に相談された。

「あたしね、ストーカーされているみたい」
「すとーかー?」

 いきなり何を言い出したかと理解できなくて、思わず素っ頓狂な声を荒げてしまった。
 妹の梨沙は中学で人気があるという噂を聞かないけど、逆に不人気なほど不細工というわけじゃない。人懐っこいし、初対面で嫌われるという話も聞かない。初見であれば理沙の容姿に一目惚れする奴が一握りくらいいるかもしれない。
 しかし、長男である俺には妹としか見れないせいで他人以上に梨沙に対する印象は捻じ曲がっていることも否定はしない。

「うん。最近よく見られている気がするの。学校の行き帰りも、校舎内も、部屋の中で一人でいる時さえも誰かに見られている気がするの」
「うーん。その話が本当だったらちょっと怖いな」

 自室の、一番落ち着くプライベートルームですら何者かに監視されているとしたら確かに嫌だ。一応隠しカメラでも探してみるかと思った時、その話を聞いていた母親がクスクスと笑っていた。

「疲れているんじゃないの?夜更かししないでちゃんと寝ないと駄目よ。ねえ、アナタ?」
「ああ。うちの子がストーカー被害に遭うなんて信じられない話だな。馬鹿なこと言ってないで早く寝なさい」
「あ~信じてない!私、こんなに可愛いのに~。プイっ!」
「クスクスクスクス」

 親は梨沙の言い分を信じていないようだ。でも、梨沙は俺にだけに聞こえる声で小耳に挟ませるように喋りかけてきた。

「お兄ちゃんのクラスに沢村さんって人いるでしょう?」
「沢村?・・・ああ、いるよ」

 沢村永知-さわむらえいち-。クラスでも一人で過ごす陰キャだが、体格がデカいので潜んでも目立つ存在がある。
 臭い、汚い、危険。親自慢の高収入、自称高学歴、縦ではなく横に高身長という高見盛体型の最悪な見た目をしている永知に近づくやつはクラス内で誰もいなかった。

「昨日の夜、家の外で私の部屋をジッと見ていたんだよ」
「マジかよ」
「うん。すごい目立つから間違いないと思う」

 俺のクラスメイトが梨沙を見ているのはちょっと可哀想ではあるが、だからと言って永知だって一人の男性だ。異性に見られているということで笑って許してもらいたいものでもある。
 でも、梨沙本人が嫌だって言ったら嫌なんだよな。

「お兄ちゃん、ちょっと注意して。半径2mは私に近づかないように言ってよ。遠目から見ても気持ち悪かったし・・・私と目を合ったらニチャアって笑ったんだって」
「言うくらいしかできないぞ。自分のことは自分で守るんだぞ」
「うん。わかった」

 ああ、あいつはそんな笑みを浮かべてたような気がする。
 オタクっぽい笑みをするよな。とても汚い笑みだった。

「明日、俺からバシッと言ってやるさ」
「お願いね、お兄ちゃん」

 妹とそんな約束を交わしたのだった。


 ・・・・・・・・・。
 翌日、学校で永知に「妹に近づくな」と叱責させ、梨沙との約束を守った俺は意気揚々と帰宅した。
 家の中はとても静かで、一階に誰かがいる気配は全くなかった。玄関には梨沙の靴もあり、既に学校から帰っていることが伺える。そして、その隣には俺のモノではない男物の靴が脱ぎ捨てられていた。誰か来ているのだろうか。

「ただいま。・・・梨沙、帰ってるのか?」

 物音が聞こえない梨沙を不審に思い二階に上ると、両親の寝室の扉が急に開いたのだ。
 まるで、俺を誘うようなタイミングだった。俺は疑うことなく開いた親の寝室を覗いた。すると、そこには沢村永知がいたのだ。

「デュフフ・・・おかえり、青崎くん」
「なんでお前が俺の家にいるんだ?」
「きみの帰りを待ってたんだよ」

 学校で厳しく叱った俺に目を丸くして驚いていた永知。まるで自分のやっていたことに気付いていなかったような表情を見せていた。俺に怒られている間、梨沙にもばれていたことに気付いてしばらく放心状態だった。
 そして、放課後までに全てを理解し、彼は生き生きとした表情で俺の前で対峙していた。
 彼の腕の中で、梨沙を羽交い絞めにした状態で――。

      人質

「お兄ちゃん!」
「梨沙!・・・沢村――ッ!」
「そうか。梨沙ちゃんはボクのことに気付いていたんだ。嬉しいよ。ボクも梨沙ちゃんはとってもタイプだったからね。一目惚れってやつ?そんな梨沙ちゃんが青崎くんの妹だなんてボク達は運命的だね。世間はとても狭くて、これ以上ない感動に出会えた。どんな映画なんかよりも素晴らしい。一度会っただけで恋に堕ちる瞬間にこそ感動はソコにあるんだよ」

 人を初めて恋をしたこともない。その相手がクラスメイトの妹だったことにこれ以上ないカタルシスを覚えるらしい。
 恋を知らない永知が梨沙に何をしでかすか分からない。現に様子を見れば明らかに梨沙を襲った、招かれざる客なんだ。
 クラスメイトで感動している沢村と違い、クラスメイトで憤慨している俺。

「沢村。梨沙を放せ。なにしに来たか知らないけど、状況によっては警察に突き出すぞ」
「助けて、お兄ちゃん!」
「ああ、そうだったね。ボクがここにきた理由だったね。それはね――」
「きゃあ!」

 突然、永知が梨沙をベッドに投げ飛ばした。梨沙がバランスを崩してベッドに沈んだ。痛そうに転ぶ梨沙の無防備な背中に、永知は追撃の『ナイフ』を取り出した。

「なっ!!」

 永知が『ナイフ』を振りあげ、そして――梨沙の背中に突き刺した。

 ドスッ!

      刺殺


 低い音と衝撃が梨沙にも伝わり「あっ」とくぐもった声が漏れた。
 背中に刺さる鋭利な刃物。梨沙の背中から伸びる『コンバットナイフ』を見て俺は血の気が引いた。

「梨沙・・・!梨沙ぁぁぁ!!」
「・・・・・・おにいちゃん・・・?」
「梨沙!?」

 それでも、梨沙はこの状態でも何ともないように俺に返事をしていた。
 
      屍人かな?

「梨沙、おまえ・・・・・・大丈夫なのか?」
「うん。大丈夫っていうか、痛くないよ。・・・私の背中、どうなってるの?」
「見なくていい。むしろ見るな」

 よく分からないが、梨沙はなんともないようだ。
 だったら、俺がやることはナイフを突きたてている沢村を警察に突き出すだけ。
 沢村永知――こいつは、梨沙や俺の敵だ。

「なんのつもりか知らないが、沢村。梨沙にこんなことしてタダで済むと思うな」
「妹愛が強いだね。でも、その愛もやがて僕のモノになるんだけどね・・・デュフフ」
「なにを言ってる?」
「あぁぁっ!!」

 ザクッと、『ナイフ』を引き、切り口を伸ばしていく。幸い血は出ていないのだが、梨沙の背中が背骨に合わせてまっすぐ切り目を入れられていく。ここまで来ると、逆に梨沙から血が噴き出ないことが不自然に思えた。
 なにが起こっているのかも、なにが起ころうとしているのかもわからない。
 不審が不安に変わった。

「そろそろ変化が現れてきたようだ」
「きゃあぁぁぁ!!」
「なんだ・・・これ・・・」

 沢村の言われた通り、梨沙の身体におかしなことが起こり始めた。フローリングにつく梨沙の足がぐにゃりと萎んでいくのだ。

「私の足が・・・力はいらないよぉ~!」
「梨沙っ!」

 足だけじゃない。まるで梨沙の背中の切り口から空気が抜けていくように、梨沙の身体の筋肉が徐々に萎んでいた。それを俺は眺めていることしかできない。
 ふくらはぎ、二の腕、両胸、そして――

「あっ、あっ、あっ」

      伽藍洞

 理沙の顔が萎み始めていく。既に気を失っているのか、梨沙の弱々しい言葉を最後に何も聞こえなくなってしまった。
 ベッドでひしゃげる梨沙。いや、もうそこにいるのは梨沙と呼べるものではなかった。それは梨沙だった『皮』が残っているだけだった。

「さてと・・・」

 べろんべろんとなり、骨も筋肉もなくなってしまった梨沙を永知は軽々と持ち上げていた。体重と呼べるものも当然あるわけがなかった。そして、永知の仕組んだ悪魔の所業はこれからが始まりだった。

「なにをするつもりだ?」
「決まってるだろ。着るんだよ」
「着るだと?」

 梨沙と身長も体型も違う沢村が、梨沙の『皮』をあろうことか着ると言ってくる。
 Sサイズの服をXLサイズの人間が着れるわけがない。それでも着たいと願うのは常人には理解できない、ストーカーの歪な思考なのだろうか。俺の疑問を無視して永知は梨沙の『皮』を伸ばしながら背中から突っ込んでいく。

「こんなに伸びるから破れることはないよ。それにしても中は凄くヌルヌルして、ムワッとしていて・・・梨沙ちゃんの匂いが凄い充満しているよ」

 興奮しながら、まるで作業着を着こんでいくように足を通していく。
 梨沙の身体は沢村には小さくてギチギチに膨らんでおり、見るも無残な姿になっていく。
 原型を留めない梨沙の足になんとかつま先まで入れ込んでいく。

「くー、きっついなぁ」

 永知はもう片方の足も、ビラビラだった梨沙の足の中に突っ込んでいった。
 華奢な梨沙の両足は今にも破れそうなほど永知の太い足が入ってパツンパツンになっていた。男の足は女性の足と全然違うのだ。
 内側から押し広げられている梨沙の足を永知は皺を伸ばすように両手でゆっくりと撫で上げていく。永知の大きな足が梨沙の足の中になんとか納まっていた。

「梨沙ちゃんの足が僕に吸い付いて馴染んでくる・・・っ」

 永知の両足は、梨沙の足の中に入っていた。そして、永知が立ち上がる。
 すると、今までよりも明らかに永知の身長が低くなっていた。その身長差は梨沙の背丈と同じであり、永知の両足は異様なまでに細く華奢なものに変化していた。
 この身長や見覚えのある華奢な足——これって、まさか・・・!

「あっ、すごい!着ていったところからどんどん体型が変わっていくのか!えへへ・・・これが梨沙ちゃんの足!ウィッヒッヒ。僕はなんてアンバランスな身体になっちゃったんだ!でも、ヤバイ!またチ〇コがおっ勃ってきた!でも、まだだ、まだ我慢して楽しみを取っておかないと・・・!」

 興奮冷めやらない永知はお構いなしに梨沙の『皮』を腰までぐっと引き上げた。下半身と上半身で一気に体型が変わっている。まるで二人の身体が合体されているかのようなアンリアルを目の当たりにしている。

「沢村、おまえ・・・なにやってんだよ・・・っ!」

 俺は半狂乱になって叫んでしまった。永知の下半身についた女性器。股間はまだうっすらとしたものしか生えていない梨沙のものになっていた。
 間違いない。梨沙の『皮』を着ることで、永知は梨沙になろうとしている。そんなあり得ないはずの事態を俺は目の当たりにして戦慄している。

「僕の足がこんな細いなんて信じられないよ。それに、ココも・・・おま〇こもすごいツルツルしていて、挿入したら痛そうだ」

 がに股になって梨沙のおま〇こを太い指で弄っている。

「んふぅ~。でも、どうやらもう濡れているみたい。触ってみたら感度も良いし、ひょっとしてオナニーは経験あるのかな?最近のJCはオマセさんだなぁ~」

 梨沙の秘部を太い指で擦りながら、そう俺に聞かせることで永知は含み笑いを覗かせていた。

「梨沙ちゅぁん・・・・・・ぶちゅぅ~~~」

 意識のない梨沙の皺だらけの顔に唇を押しつける。顔が皺だらけになってもそれは梨沙だ。妹の唇を無理やり奪われているのを見せられていい気分がするものではなかった。永知は唇を梨沙の唇から離した。

「梨沙ちゃんのファーストキスを奪っちゃった」
「沢村、いい加減にしろ」

 しかし怒りに満ちた俺に動じるでもなく、永知は残りの梨沙の『皮』を見ながらにやにやしていた。

「ちょうどいい。青崎くんは黙って見ているといい」

『ナイフ』で切り目をうなじまで伸ばしていき、永知は右手、左手と続けて梨沙の腕の中に片方ずつ通していく。男の指が梨沙の腕の中を通ってその指先までもぞもぞと動いていくのが見た目にもわかる。
 まるで梨沙というトレーニングウェアを着るかのような動作だ。男の太い腕を詰め込まれて小さな梨沙の腕がむくむくと太いものに変わっていくも、しっかりと奥まで入った手は脂肪で膨らんでいた腕が華奢なものになっていく。梨沙の手のサイズに変わり、拳を握ったり開いたりしていた。
 胸回りも腰もしゅるしゅると目に見えて肉が削ぎ落ちていった。腕も胴の部分も一杯に引き伸ばされ、ゴムのようにピンと張り詰めていて、思わず破れると思っていた梨沙の『皮』のサイズに永知が体型を変えさせられていき、梨沙と同じ体型になったのだ。
 それを、永知本人が望んでいるという狂気――梨沙への憧れ、自分が梨沙そのものになりたいという願望。
 なんなんだ・・・、なんなんだよ、これはぁぁ!?

「本当、綺麗な指だなぁ。クラスメイトでこんな可愛い妹がいるなんて羨ましいよ。でも、今日からこのカラダは俺のモノになるわけだけど」

 顔だけを残して梨沙の身体になってしまったクラスメイト。否定したくて目を背けていたら、永知は梨沙の『皮』を着こんでいくだけだ。そうなったら最後、永知はどんな姿になってしまうだろう――

「これを被れば・・・僕は完全に青崎くんの妹に・・・」

 永知が垂れ下がっている梨沙の頭を持ち上げて自分の頭に被せていく。少しずつ梨沙の頭の中に永知の頭が入っていった。

「さすがに小顔な梨沙ちゃんはきついな、よいしょっと」

 永知の顔がどんどん梨沙の頭の中に潜り込んでいく。
 完全に収まるも大きく膨らんだ梨沙の顔は想像もつかないほど醜悪なものとなっていた。手足もそうだけど、顔の歪みは想像以上に衝撃を受けた。

「うん?ちょっと、ずれているかな?」

 永知が自ら目鼻の位置を調節するように両手で顔をずらしている。果たしてズレは直るものなのだろうかと、疑問に思っているも段々と梨沙の顔の歪みがなくなり、顔もまた身体と同じように変化が起き始めた。

「ういっ、ヒィ!締まるぅぅ~!」

 顔が小さくなり皺を伸ばすように両手で顔を伸ばしていくとみるみる皺がなくなっていき、若い肌と潤いが戻っていた。変化が終了すると同時に、先ほどまで大きく開いていた背中の切れ目もなくなっていたのである。
 全てが終わり、ゆっくりと目を開ける。そこにはすっかり元通りになった梨沙がいた。

      梨沙?

「えっ・・・・・・梨沙?」

 永知がいなくなった。元々いるはずのなかった存在だ。
 今までのことが全部夢だったのではないかと疑いたくもなるような出来事だった。悪夢だったらどんなにいいかと現実逃避したい気持ち一心で出た言葉に梨沙は答えた。

「デュフフ・・・。そうだよ、今日から僕は青崎くんの妹の梨沙だ。これからよろしく、なんてな」

 梨沙がニチャァって下卑た笑みを浮かべる。その声色は梨沙のものだが・・・梨沙が永知であることは間違いなかった。
 梨沙が永知と同じ笑い方、喋り方をしているなんて、それ以外信じたくなかった。

「あーあー。うん、声もバッチリ。どこからどう見ても、青崎梨沙だろ?お兄さんから見てもそう思うよね?」
「ふざけるな!おまえは沢村だ!梨沙を返せ!」
「えーなに言ってるの?お兄ちゃん。私は梨沙だよ?沢村さんはお兄ちゃんが退治してくれたんだよね?」

 梨沙(永知)の口から出たのは昨夜の夕食の際の出来事で、まだ永知が知るはずのないことだ。永知の口から兄妹の会話が出てくることはあり得ないはずだ。

「・・・っ!なんで、お前がそのことを知ってるんだ!?」
「昨日私からお願いしたんだよね。お兄ちゃん、ちゃんと私の言ったように沢村さんに言ってくれたんだよね?ありがとう、お兄ちゃん!・・・でも、そのおかげで僕も覚悟が決まったんだけどね」
「沢村ぁ!!」

      本物を着た偽物

「お察しの通り、梨沙ちゃんの記憶を引き出したんだ。梨沙ちゃんの記憶も情報も僕はいつでも取り出せるんだよ。だって、僕が梨沙ちゃんだから」

『皮』を着た永知には理沙のすべてが手に取るようにわかるということか。梨沙が隠したい想いや秘密も筒抜けにされて、黙っていられるほど兄妹の絆が冷え切っているわけじゃない。
 梨沙が怒れない変わりに俺が永知に怒らなければ誰がこいつを裁いてやれるだろう。

「梨沙になんの恨みがある?お前のやってることは逆恨みだ!お前は最低の屑だ!梨沙から出ていけ、悪魔!お前が僅かにでも人間だと思う気持ちがあるなら、その『ナイフ』を素直に寄越せ!」
「えーやだなぁ。中には誰もいないよ?血を見せれば証拠になるかな?」
「血なんか出るわけないだろ?またお前が出てくるだけだろ!」
「あ~やっぱ信じないか。デュフフ・・・!まあ、信じないならそれはそれで面白いことになりそうだ」

 怒りを逆撫でするかのように含み笑いを浮かべる梨沙(永知)は、ゆっくりと俺に近づいてきた。

「その怒りは梨沙ちゃんのためだと思うなら間違ってるよ。・・・だって、あたしが梨沙だもん。お兄ちゃんはあたしに怒ってるの?」

 また梨沙になりすまして動揺させようとする永知の精神攻撃。確かに目の前にいるのは永知じゃない、梨沙だ。だけど、梨沙が永知であることは間違いないんだ。

「それでも、お兄ちゃんはあたしに手を出せないでしょ?この顔を殴れるの?お兄ちゃん」
「――――ッ!?」
「例え怒りが本物でも、その拳をぶつけることは出来ないよね?だから、そんな物騒な話は無しにして、いまは兄妹同士仲良くしようよ、お兄ちゃん」

 怒りを覚えても、振り上げた拳をおろすことは――妹の身体に出来るはずがなかった。
 梨沙の身体を奪われた以上、後手に回った俺が攻撃的になることは梨沙にとって都合が悪い。永知の願望を叶えながら隙を見て『ナイフ』を奪った方が賢い選択だと思った。

「望みは何だ?」
「デュフフ。青崎くんったら分かってるくせに惚けちゃって」

 全裸で上目遣いに俺を見ながら、ズボンの上から男性器を擦ってくる。
 梨沙(永知)の狙いは俺の逸物だった。

 ズボンを脱がしてパンツを下ろし、逸物を取り出す。
 梨沙の手で軽く扱かれただけで、俺の意志とは関係なく反応を示した逸物は勃起していく。

「青崎くんのチ〇コはおっきぃな。それに・・・・・・スンスン・・・・・・このにおいだけで、お腹がキュンキュンしてくるよ」

 目を閉じて、梨沙の淫語を聞き流すようにしていたが、突然、敏感な亀頭に感じた冷たい感覚に思わず腰を引いてしまう。
 梨沙(永知)が本格的に逸物に刺激を与え始めたのだ。口を開けて亀頭を咥えて、顔を前後に動かし始めた。

「や、やめっ!!うわっ!?やめろっておいっ!」
「ちゅぅ、ちゅっ、ちゅぱっ、ちゅっ、ちゅく、ちゅぱちゅぱ」

 ただでさえ敏感な刺激だけじゃなく、舌を使ってねっとりと肉竿を絡みついてくる。梨沙がやるはずもないテクニックを使ってくることに驚きを隠せない。永知のエロ知識に困惑していた。

「どこでこんな舌使い覚えた?お前が覚えてなんの意味があるんだよ?」
「んぅ~~?意味はあったでしょう?ぷちゅぴちゃ、れろれろ」

 完全に勃起した逸物は梨沙の小さい手で持ちやすくなり、激しいフェラと手コキでイかされそうになっていた。他の誰でもない、妹の梨沙によって――。

「ダメなのに、身体が反応してしまうっ。このままじゃ、マジでヤバイッ!」
「妹にしゃぶられて喜んでるなんて・・・青崎くんはホモなのかな?」
「ぐっ!」
「デュフフ!ウソウソ♪お兄ちゃんをからかっただけよ。でも、これからは毎日エッチなことして過ごしていこうね、お兄ちゃん♡」

 永知がまた喋り方を梨沙に変えてくる。本当に表情も梨沙っぽく、本人に襲われているように錯覚してしまいそうだ。

「やめろ、沢村。梨沙の身体でこんなことするな」
「えーひっどーい」

 シュッ、シュッ、シュッ、シュッ。
 シコシコシコシコ。

 激しい手コキとフェラの猛襲で、普段よりも亀頭が真っ赤になっていた。ぷくりと膨らんだ亀頭の先が種を噴き出すのが本能的に分かった。

「や、やめろぉぉぉっ!」

 ドピュルッ、ドピュ!ピュルルルル~~~!!

 梨沙の手の中で俺の逸物が暴発した。白濁色の精液が梨沙の手にべっとり付着してしまった。

「わぁ!でた、でたぁ~!噴水みたいにピュッピュッ射精したねぇ♡」

 歓喜に沸く梨沙が手に着いた精液を口に持って行き、ずずずぅ~と舐めとっていく。
 対して俺は自らの手で妹を汚してしまったことに罪悪感が芽生えていた。

「梨沙・・・ごめん。俺が、梨沙の身体を・・・」
「なにそんなにムキになってるの?もしかして、青崎くん。梨沙ちゃんのことが好きなの?拗らせてるなぁ」
「うるさい!沢村に言われたくない!!」
「それなら、あたしのおっぱい触っていーんだよ?ほら、ほらぁ!」

 身体を寄せて胸に唇を宛がわせる。舌を伸ばせば梨沙の鴇色の乳首を舐められるも、俺は必死に抵抗して妹の乳首舐めを躊躇った。

「お兄ちゃん。ちゅーしよ」
「や、やめ・・・っ!」
「んっ♡んちゅっ♡んぅ~~♡♡」

 梨沙の身体で好き勝手に操って俺に迫る沢村に利用される。
 血のつながった妹に迫られ、道徳に反して行われる梨沙(永知)の妖艶な仕草に萎んできた逸物もすぐにムクムクと頭をもたげてきた。

「大好きな妹に迫られてどんな気持ち?気持ちよすぎておかしくなっちゃった?」
「そんなわけ――」

 視線を合わせた瞬間、潤んだ瞳で逸物を欲しがる梨沙(永知)に言葉を失ってしまう。ベッドに四つん這いになった梨沙が自ら秘部を弄り始めると、透明の液体が太腿を伝って滴り落ちていった。

「このカラダも下のお口で飲みたくなっちゃった。涎でちゃってるでしょ?」

      お尻フリフリ

 まるで、俺に見せるように、サーモンピンクの膣内を拡げて見せつけてくる。
 興奮が昂ぶり、心臓が高鳴った。

「触ってぇ、お兄ちゃん~。指で弄ってよぉ」
「そんなこと出来るわけないだろ?」
「嫌ならぁ~別に外歩いてるサラリーマンでも捕まえてもらうだけだけどね♡」
「ぐっ!」

 梨沙(永知)の言っているのはお願いではない。脅迫なんだ。
 強制的に梨沙の秘部を弄るように命令してくる永知に俺は逆らうことが出来なかった。
 しかし妹を守るためとはいえ、梨沙を穢していいのだろうか・・・。

「はやく~お兄ちゃぁん!あたし、もう待てないのぉ~!」
「(こいつ、梨沙の真似なんかしやがって・・・)」
「あたしのおま〇こに指入れてグチュグチュにかき混ぜてほしいのぉ~!」

 命令するままに俺は梨沙の秘部に中指をおっ立てて第一関節まで挿入した。
 入れた瞬間、ちゅくりと温かくねっとりした液体が付着してくる。梨沙もまた濡れているのがよく分かる。少ししか挿入していなくてもキツイ膣内は容易に想像できる、これが梨沙の膣口というだけで衝動が駆け巡ってくる。

「あぁぁ、いいぃぃ~お兄ちゃぁん♪」

      お口クチュクチュ

 梨沙が力を入れれば指に膣壁が絡みついてくる。この中に逸物が挿入したらさぞ気持ちよさそうだという邪な考えが浮かんでしまう。
 俺は梨沙の言われた通り、指を曲げて膣をかき混ぜるように関節を曲げて膣を拡げていく。グググと膣が拡げられる度に、梨沙がビクンと身体を震わせてくる。

「お兄ちゃんの太い指が入口でかき混ぜられて、クチュクチュイヤらしい音が聞こえてるよ~」

 チュクチュクチュクチュク・・・・・・

 梨沙の言う通り、俺の指の動きに合わせて梨沙の秘部からくぐもった水気の音が聞こえてくる。
 弄れば弄るほど水気の音は大きくなり、梨沙の喘ぎ声が脳に響いてくる。
 俺 が 梨 沙 を 感 じ さ せ て い る ん だ 。
 そのことに俺自身も興奮してしまう。これ以上したらどうなってしまうかわからない。
 俺が怖くなっていく。

「一つになろう、お兄ちゃん」

      宛がい

 狂喜に塗れた梨沙(永知)が自ら性器同士を触れさせる。我に返った俺は身体が強張ったのを感じた。

「そ、それだけはダメだ!梨沙っ!」
「えー、これだけのことをシテるのにまだそんなこと言うんだぁ?膣内で思いっきり射精したら、今よりもっと気持ちいいよぉ?」

 お尻を振りながら亀頭を無理やり膣口に押し拡げていく。焦れったくなって右手で支えた逸物を膣へと導こうとしている。

「今度射精するなら膣内で出してね」
「デキるわけないだろ!俺が・・・妹の・・・なかに・・・・・・」

 心の中にどうしようもない欲望がどんどん込み上げてくる。
 梨沙に挿入したいという気持ちが――、
 梨沙に自分の欲望をぶつけたい――?
 自分の逸物を――?
 梨沙の処女を――?
 でもそんな心の葛藤とは裏腹に、梨沙の膣口を見ていると、逸物ははちきれんばかりに大きく硬いものになっていた。

「お兄ちゃん!あたし、お兄ちゃんのおち〇ち〇が欲しいよぉ!」

 梨沙の声で甘えた声をかけられる。俺の心は梨沙が奏でる甘い声につられるように、身体は素直に反応を示してしてしまっていた。

「り、梨沙っ!」

 俺は身体の奥から湧き上がってくる欲望にもう抵えなくなっていた。それは本能が突き動かしているのだろう。俺自らが最後は梨沙を迎え入れるように、突き出されたお尻に手を置き、両足の間に身を挟むと、極限まで膨らんだ自分の逸物を梨沙の膣口に勢いよく押し込んだ。

 ぬぷ・・・にゅるんっ

 すでに潤っていた梨沙の膣口は俺の逸物を受け入れた。そして、何の抵抗もなく根元までくわえ込んでいった。

「あっ、やぁ、はぅーん♡挿入っちゃったぁ♡ヴァージン、お兄ちゃんに奪われちゃったぁ☆ああん、すんなり入っちゃう♡・・・ひん♡すっごい、きもち、イイ♡」

 決して触れることのできなかったはずの梨沙の小さな穴に。俺の汚れた欲望がこじあけめり込んでいく。
 ああ、なんて気持ちいいんだ!

 ずんッ、ずりゅ、ずりゅッ。

 ゆっくりピストン運動をしながら奥へ奥へ進めていく。梨沙の身体が小刻みに震えながら、膣内が捻れるのがすごい快感だった。

「はあんっ!奥まで・・・挿入ってくるぅ♡お兄さんの硬いおち〇ち〇♡ふああ~♡皮がヒダと絡み合って、捲れるのが分かるよぉ♡」

 狭くても逸物が傷つくことがないほど濡れている梨沙の膣内。中学生でも十分濡らしており、抽送を繰り返す度に愛液が溢れて胴体部へと伝わり流れ落ちていく。
 初々しい妹とのセックス。気持ちよくないはずがなかった。

「ああ~、いいよ~♡お兄ちゃぁん~♡もっと腰を動かしてよぉ~♡」

 梨沙に言われるまでもなく、俺はすでに男の本能の赴くままに腰を動かし始めていた。

「はっ♡はっ♡うっ♡」

 そのピストン運動に合わせて俺の口からは喘ぎ声が漏れ始めた。梨沙の身体が大きく揺れながらセックスの生み出す快感に兄妹呑み込まれていった。

「いいよぉ♡きもちぃ、お兄ちゃん♡お兄ちゃんのおち〇ち〇ビクビクするぅ♡」
「うんっ、はっ、はっ、はぁ~」
「梨沙。お兄ちゃんのことずっと・・・好きだったの!お兄ちゃんとセックスしたかったの♡♡」
「俺もだっ!梨沙っ!」

 感度が最高潮に達し、絶頂に向けて激しく腰を突き動かす。猫のポーズをして固まる梨沙も涎を零して快感に震えている。

「お兄ちゃん。あたしのおま〇こ気持ちいい?私はすごい気持ちいいよ♡ふあああぁぁ♡♡お兄ちゃんのおち〇ち〇が、あっ♡あっ♡奥ぅ・・・引っ掻いて、ビリビリくるよぉ♡♡お兄ちゃんのせーし、ぜんぶ梨沙の中にだしてぇ♡♡」
「梨沙!梨沙!梨沙ぁ!」

 性器同士を擦り合わせながら腰を打ちつけ、空気を何度も破裂させる。熱く滾った精液が海綿体から噴き出してくるのは時間の問題だった。
 それに合わせるように、梨沙の膣が締め付けて逸物を外に抜けないようにしっかりと咥えこんでいた。

「イク♡イク♡イクぅ♡♡はあんっ、すごいのっ♡いやぁん、くるの♡い、イクの♡初めてなのにイッちゃうっ♡♡ふあぁぁあああぁぁぁ――――ッッ♡♡」
「梨沙の膣に、でる!でる!射精する!ああああぁぁぁ!!!」
あんっあぁぁんっあ、あ、あっあっイクっなかに中出しされてイっちゃううぅっ・・・ひあぁぁっ♡♡あ、だめだめ、だめぇっ♡♡♡ああっんんんんんーーーーーーっっ♡♡

 ビュルルルッ!どくどくっ!びくん!ドピュッ!

      射精

 次の瞬間、梨沙の中に大量の精液を注ぎ込んだ。
 俺の分身がびくん!と収縮を繰り返すたびに、彼女の中も精液を吸収するかのようにビクビクと蠢いていた。
 幼い身体に大量の精液は収まりきらず、膣から吐き出される分身たちが足元に付着するのもイヤらしい。
 息を絶え絶えに呼吸を繰り返す梨沙の目は俺を見ながらうっすらと嘲笑っているのだった。

「お腹いっぱい・・・すごい量出したね、お兄ちゃん」

 次の瞬間、俺は酷い罪悪感に苛まれたのだった。

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 エムシー販売店、総支配人の村崎色です。
 コミックマーケット98の前に、『エムシー販売店』同人作品第14弾の紹介をさせて頂きます!

”CG集 グノーグレイヴ『鏡―他者変身Ⅰ―』”

      ブログのみ先行公開

◆学園モノ完全女性‘他者変身’オリジナルCG集◆
・本編コミックCG集含めた総ページ数×302P
(表紙文字有1P、文字無し1P、本編台詞有150P、台詞無し150P)

◆シーン紹介◆
シーン1 鏡に映ったアイドルの秘部に触って悪戯
シーン2 鏡の中からアイドルを操り秘部を弄らせオナニー
シーン3 アイドルの姿に変身してオナニー。
シーン4 帰ってきたアイドル本人と同一CPセックス。
シーン5 本人を鏡に封印してアイドルになりすまし。
シーン6 好意を持つアイドルを誑かしてレズセックス。
シーン7 ???
シーン8 ???


今作は『 鏡 』だけじゃ終わらない!!『 鏡 』以外にも魔道具が多数登場――!?

◆たむポ~サ先生監修。『 鏡 』による他者変身” ”遠隔” ”肉体操作を盛り込んだシーンを多数収録。多彩なシチュエーションにお気に入りのシーンが必ずあります!◆

CG集だからこそ味わえる大ボリューム!

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3社にて予約受付中!
4月2日(木曜日)同時発売!!


是非『グレイヴ』の世界をご堪能ください。

 エムシー販売店、総支配人の村崎色です。
 今年も新たな試みに挑戦し、読者とともに制作者も楽しみながら同人誌を制作してまいります。
 今までと同じでは面白くない!それは『エムシー販売店』の信念であります。
 TSF王道を行くジャンルの根幹ともいえる今作品、力の入る新作を発表させていただきます。

”『エムシー販売店』新作同人誌第14弾!CG集 グノーグレイヴ『鏡―他者変身Ⅰ―』”

      タイトル


 今回はたむポ~サ様のお力を借りてのアイドル『女体化作品』を発売致します!

 初の『他者変身』シリーズの同人誌。TSFの魅力を存分に描いた新作をお楽しみに!
DLsite』、『DMM』、『DiGiket』にて販売を致します。
 販売日は上旬予定。


 毎週続報を掲載していく予定でございます。
 大まかな発表ですので、次回から細かい情報をお届けしたいと考えております。
 今作も『エムシー販売店』をよろしくお願い致します! 

「真由。助けて」
「どうしたの?」

 私、近重麻美-このえまみ-は大学の親友の道繁真由-みちしげまゆ-に縋りついていた。
 震える私が真由に抱きつく様子から、切迫している状況だということを察していた。 

「・・・彼・・・日塔誠-ひとうまこと-からストーカー被害にあってるって言ったでしょう」
「うん、言ってたね」

 先月まで日塔誠という大学のサークルで知り合った男性に気に入られてしまい、帰り道に後つけられたり、深夜に何度もインターホンを鳴らされたりストーカー被害にあっていた。
 非通知で電話かけてきて「好き」だの「愛してる」だのずっと言われてたりして気が狂いそうだった。

「でも、警察には連絡したはずよね?」

 真由の言う通り、警察に相談して一回誠は捕まったことがある。警察に厳重注意を受けてからは被害がなくなったし、それだけじゃなく警察はさらに周辺のパトロールを強化してくれてようやく安心してたの。
 だけど――

「――最近私って悠真と付き合い始めたでしょう?」

 先日、私は田中悠真-たなかゆうま-という年下の子に告白され、正式に付き合うことにしたのだ。男性と付き合うのは少し怖かったけど、サークルの中でもイケメンだし、お金持ちだし、なによりストーカー被害からずっと私のことを気に掛けてくれていた優しい心の持ち主だった彼に惹かれていた。それが――

「――そのことが誠の耳にも届いたみたいで、いまナイフで襲い掛かってきて・・・必死で彼から逃げてきたのよ!」

 思い出しただけで身震いしてしまう。
 目が据わっていて、何かを決意したような殺気を漂わせる雰囲気で、手に持ったナイフを私に振りあげていた。
 その特徴あるナイフの形は今でも忘れない。その光景が焼き付いて放れない。

「もう、うちに帰れない・・・私、怖くて・・・」
「そうだったんだね・・・」

 私を抱く真由の手が頭を撫でる。私と違ってかわいい系の真由だけど、その包容力に心が救われそうになっていた。

「よく頑張ってうちに来たね」
「お願い真由。しばらく私を匿ってもらえないかしら?」

 泣き顔の私は怖くて泣いているのか、嬉しくて泣いているのかもう分からなかった。
 でも、真由に甘えるようにさらに頭を下げていた。

「お願い。半年家賃折半でもいいから。一人にしないで。私怖いの・・・しばらく一人じゃ眠れないわ」
「安心して、麻美。真由が守ってあげるから」
「真由・・・」

 穏やかな声を発する真由に顔を向ける。すると、顔の上に電気の明かりに反射してなにかが光ったのが見えた。なにと思いながら目を細めた。

      笑顔が怖い

「悠真より真由のことを選んでくれて嬉しいなぁ。俺の読みは当たったんだ」

 真由の私を見ている目は穏やかではなく据わっていたんだ、細めた瞳が見たそれは、誠が持っていたナイフの型と同じだった。
 真由の手が振り下ろされる、私の背中に低い音が響いた。

「そのナイフ・・・誠と同じ・・・どういうこと・・・」

 私の背中にナイフが突き刺さっていた。不思議な感覚だったけど、全然苦しくなかったのだ。

「イヒヒッ。俺を裏切った女が恐怖に歪むのはたまんねえなぁ」

 真由の顔がいびつに歪む。狂気に笑う彼女の顔が解れていった。

「・・・あなた、ダレ?」

 私は真由に思わず訪ねてしまった。

「まだわかんないのか?俺だよ、俺、誠だよ」

 真由はナイフを抜いて舌なめずりしている。私の背中に大きな穴が空いているが、不思議なことに血は一滴も流れなかった。
 
「日塔くん・・・ど、どういうこと?」
「意識があるうちに教えておいてやる」

 ニヤニヤ笑って私に話した真由はおもむろに両手を顔に持って行く。すると、左右から挟んだ顔を思い切り引っ張り、まるで仮面でも剥ぐかのように顔を取ろうとしているようだった。
 でも、その例えは実際当たっていた。真由の顔は剥がれ、その下からもう一つ顔が現れたのだ。その顔は紛れもなく彼、日塔誠だった。

「きゃああァァァ!!?」
「お前の友達に成りすましてたんだよ。きっと麻美のことだからいつか泣きついてくると思ってな」

 真由の身体に誠の顔が付いている状況に金切り声をあげてしまった。真由の顔はまるで空気が抜けたように萎んだ状態で首からぶら下がっていた。身長も体型も違う誠が細くて小さい真由の中に入っている時点でパニック状態だった。
 真由の体型を維持して真由になりすまして私を待っているなんて、信じられない。酸素が脳に回っていなかった。
 シューッ、シューッ
 微かに聞こえてくるなにかが抜けるような音は、まるで私の欲する酸素の音のように聞こえてしまった。

「真由はどこ・・・?真由ぅ!」
「ここに居るじゃないか。この皮を着れば誰にでも真由ちゃんになることが出来るんだ。麻美だって着てみればすぐに真由ちゃんに早変わりだ。彼女が君のことをどう思っていたかすぐわかるよ?」
「お願いっ、もうやめて!真由を元に戻して!」
「イヒヒ。麻美もすぐに同じ運命を辿るんだから安心しろよ」
「どういうこ・・・と・・・・・・」

 誠の目の前で私の身体もなにかおかしいと気付き始めた。急に私の両足に力が全く入らなくなったのだ。

「ほらっ、そろそろ変化が出てくるぞ」
「あ、あれ・・・身体が・・・」

 腰が抜けたというのはもちろんだが、地面を蹴って逃げることすらできなくなっていた。私が違和感に思えた足を見てみると、自分の足が空気が抜けたように萎んでいるのが見えたのだ。

「わ・・・私の足が・・・ぺしゃんこになってる!?」

 筋肉があれば足は丸みに包まれているはずなのに、その筋肉はなくなってしまい平べったくなっていた。それが両足だけじゃなく、両手の爪までべろんと筋と骨がなくなり、『皮』だけになってしまうようだった。

「ナイフを刺しただろ?空気が抜けてるんだよ。身体の中に入っていたものを抜いていくようにな。そう・・・きみの意識を外に追い出すようにね」
「うそ・・・私の手が・・・ッ!いやよ・・・いやぁ!私の身体が・・・」

 シューーーーッ

 水分があるのに、空気が抜けていくように私の身体がどんどん萎んでいく。人の形を維持できなくなり、皮だけを残して消えてしまいそう。

「イヒヒッ。『皮』になるまで少し時間がかかるが、その引きつった顔をみるのが最高だァ」

 身動きも出来ず、声を出すことも出来ず、ここまで来たら私はもう自分でどうすることも出来なくなっていた。

「俺を警察に突き出した挙句にあんな男と幸せそうにしやがって!見せつけとばかりに裏切りやがって!だからしばらくは俺の言いなりになってもらうぜ」
「(そ、そんな・・・)」

 視力を失ったのか、視界が真っ黒になった。しかし、耳の機能は生きているのか漏れる部屋の音が聞き取ることが出来た。
 私はまだ生きていた。でも、何が起こっているのかも見えなければ悲鳴を上げることも出来なくなっていた。何が起こってしまったのか分からなくなってしまった。

「(あ・・・ぇ・・・?力がはいらない・・・)」

 一切身体が動かないので、私一人でどうすることもできない。すると、ひょいっと私の身体は持ち上げられた感覚があった。

「これが、麻美の皮かぁ。ふが、ふがぁ~!ふ、ふひ、フヒヒ・・・香水のいい匂いだ」

 その声は誠だ。すぐ傍に彼がいることは分かる。

「(それじゃあ、私を持ち上げているのは彼なの・・・?)」

 片手で私の体重を持ち上げている彼は馬鹿力の持ち主なのか知る術はない。一体彼はなにをやっているのかと思うと、髪の毛をおもむろに引っ張られ、何やらむしゃむしゃ口を動かしている音が聞こえた。

「(ひぃっ!?こいつ、髪の毛食ってる・・・)」
「おいちぃっ・・・ちゅむちゅむっ」

 まるで草を食べる山羊のように、私の髪の毛に噛みついている。私の髪に彼の唾液が付いているに違いない。今すぐ振り払いたくても、私の手は指一本思うように動かすことが出来なかった。

「はぁ、はぁ・・・こ、これが・・・麻美の中身・・・ぐちゅぐちゅで蒸れた雌臭と体温が残ってる・・・!」
「(な、なにしてるの・・・?)」
「よ、よし。それじゃあ、そろそろ・・・麻美の中におじゃまするか~」
「(なんなの・・・な・・・ひやぁっ!!?)」

 突然、ゾクゾクと背中から電撃が走った。まるで自分の身体の中に何かが入ってくるように、今まで感覚がなかった右脚に突然一本の筋が入ってきた。でも、その筋が大きすぎてとても痛い。それに、ちょっと毛が硬い。

「(ひぃっ!やっ!足に何か入ってきてる!?)」
「すね毛が引っ付いてなかなか入らねえ。はぁ・・・はぁ・・・きっつ・・・真由より小さな足だな」

 ジョリジョリと、身体の内側が彼の毛に擦られる。ストッキングだったら絶対破れちゃってる!血だらけになっててもおかしくないくらい脚の中がパンパンで痛いよ。

「ふぅ~なんとか先まで入ったぞ。それじゃあ、もう片方も」
「(いや、なんなの・・・助けて!たすけて!!?)」

 音にならない悲痛な声で叫んでいるけど、今の私は涙すら流せなかった。脚が重いし、一回り太い感覚があった。
 信じたくないけど、私のなかに誠が入っているのが分かる。彼が真由の中に入っていたように、私の中に入ろうとしている恐怖を表現する術はなかった。
 彼の吐く荒い息が私の髪の毛を揺らしていた。

「(あっ、ぐっ・・・)」
「おぉ・・・すっげ。ぐへへ・・・中はぬるぬるであったけぇ~」

 痛い、痛いと何度も嘆きながら耐えるしかない私の脚に彼の両足が入ってしまった。
 靴下のように、爪の先まで合わせていく。すると、今までむくみを感じていた私の脚から痛みがなくなっていった。

「おっ、きた。きたな。足の筋肉がどんどん吸い付いてくるみたいだ。おぉう!?」
「(なにが起こったの・・・?)」

 彼は私以上に歓喜の声を喘いでいた。両脚の感覚は戻ってきて来るや否や、誠は私の足を触ってきていた。

「(イヤ・・・ゃぁ・・・汚い手で触らないで)」

 彼の手を避けようと脚を逃がそうと思っても不思議なことに自分の意志で動かすことは出来なくなっていた。
 私の脚を彼に触られている感覚だけが何度も押し寄せてきて気持ちが悪かった。

「俺の両足が麻美のスベスベの足に包まれてるぜ。あぁぁ~すごい綺麗な脚だぁ!」
「(えっ?・・・なに?・・・なに・・・??)」

 視界を失っている私には彼の呟きがなんの意図を含んでいるのか分からない。
 そのつぶやきの不気味さに寒気を感じてしまう。
 私の脚を十分触った彼は、どんどん私の感覚を取り戻していった。

「ハァ・・・ハァ・・・この感覚がたまらん!キンタマの皺から尻の穴までぴっちり皮がくっついてくるんだよな!」

 下腹部の裏には彼の硬くなった肉棒の感覚が残っている。しかし、私の感覚が戻ったとき、私のアソコが同じくらい濡れているのが分かった。

「ハァ・・・ハァ・・・徐々に身体が変化していく感覚が癖になるぜ」

 私の身体に触れるより先に、彼は私の感覚を取り戻していく。

「ハァ、ハァ・・・ほんとに俺が麻美を着てる・・・このまま着ていけば、いずれ俺自身が麻美に・・・ッ!」

 両手、両胸、腰、うなじまで。
 私の感覚は戻っていく。しかし、もう身体の部分一つ一つは脚と同様に私の意志では動かなくなっていた。
 『皮』にされた私の中に入ってきた誠は、入れ替わりに手足を操り、動かせるようになっていた。
 耳だけが生きていて、私は自分の身体を彼に奪い取られていく屈辱を感じていた。
 そして、最後に残っている顔の部分――。

「このまま顔を被れば、麻美になることが出来るんだ」

 その時にはもう彼の声は一番よく効く私の声色になっていた。顔を掴まれた私の頭に、誠の頭が挿入される。その時、私の脳は彼の脳と同期しはじめた。

「んひぃぃぃいいいいいぃぃぃぃぃ♡♡♡♡♡」

 私の意識が書き換えられていく感覚が込み上げてくる。脳と脳をかき混ぜられて混在させられてどっちの記憶も引き出せるようになっていた。
 誠の苦労も苦痛も私は知ることもできたし、彼は私の記憶を知ることも出来た。
 いまの私は日塔誠でありながら、近重麻美でもあった。

「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・・・・はあぁ~」

 先ほどまで一歩も動かなかった私の身体が、何事もなかったように動き始める。そしておもむろに鏡の前に映った自分の姿を晒してみた。

「おお!俺の目の前に麻美がいる・・・!」

      服ごと着ちゃった

 今までと変わらない自分の姿にも関わらず、新鮮で興奮するもう一人の自分が混在していた。
 自分の身体を映しながら、様々なイヤらしいポーズを取ってみる。普段なら抵抗ある胸元を強調させるセクシーポーズも抵抗なく見せることが出来た。

「おれ・・・麻美になってるんだ!声も・・・麻美のものになってるんだ・・・すごい・・・。ずっと嫌煙されていた麻美がすぐ近くにいるんだ・・・あぁ~可愛いよ、麻美ぃ・・・」

 今の私は麻美であり、誠くんでもあった。彼が喜んでいる声を聞いていると私も嬉しくなってしまう。それってつまり私が誠くんを愛してやっているんだ。まるで彼のことが愛おしくなっていくようだ。

「好き。誠くんのこと、大好きよ。うふっ♪誠くんなら、私の身体好きに使っていいわよ」

 そんなことを言わせちゃうことも出来るけど、私が言っちゃってるのよ。
 いやぁん、恥ずかしい。でも、嬉しい♪

「ああ、我慢できない!誰にも麻美を渡さねえからな!この身体は、私のモノなんだから!」

 私は自らそんなことを言ってしまっていた。


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 私は萱津咲-かやつさき-といいます。
 今日は私の身のまわりに起きた出来事をお話したいと思います。


 私は水泳部に所属している高校1年生です。
 水泳は子供のころからスイミングクラブに所属していたこともあって、中学も個人で県大会に出場する実力がありました。
 高校生になってさらに筋トレのレベルがあがってキツい練習に耐えて過ごしていました。
 そんななか、クラブの頃から面倒見てもらった先輩の木更津夢子-きさらづゆめこ-は私の心の支えになってくれた人でした。私が辛くて部活を辞めたいと思った時にも親身になって励ましてくれたし、部活終わった後も私の居残り練習に嫌な顔しないで付き合ってくれたし、コンマ1秒でもタイムが縮まるとまるで自分のことのように喜んでくれたりして、可愛い先輩であり、頼もしい先輩であり、まるでお姉さんのような存在でした。

 そして、その日は特になんの変わり映えのない部活動が終わろうとした後に起こったのです。


      部活動

「お疲れ様です」

 部活動は夕暮れに差し掛かり部員たちが練習を終えてプールからあがるなか、私は今日も居残り練習をするために夢子先輩に声をかけたのです。

「先輩。今日も私の泳ぎを見てくれませんか?」
「咲ちゃん、悪いんだけど今日はどうしても外せない用事があるの」
「えっ?そうなんですか?」
「お母さんが帰り遅いの。私がご飯作らないといけないから」

 そんな用事があったのに部活動を真面目に参加する先輩も先輩だ。これから買い出ししないといけないとしたら夕食は8時を過ぎるのは間違いなさそうだ。

「わかりました。私に構わず行ってください」
「ごめんね。明日もよろしくね」
「お疲れさまでした、先輩」

 私は一人プールに飛び込み泳ぎ始める。みんな予定があるんだから練習ばっかりやっているわけにはいかない。逆に私はめいいっぱい練習に時間を要することが出来るのだから、一分一秒を大切にしよう。
 無心になってまずは2000mを泳ぎ始めた。


 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・

「ハァ・・・ハァ・・・」

 気付いたら何周してたかも覚えていない。10周は余裕で越えていたような気がする。
 やっぱり一人だと張り合いがないな。それに、先輩の声が聞けないことに普段よりも静けさが増している気がした。
 夕陽が沈み辺りが暗くなりかけている。今日はこのくらいにして早く帰ろうかな。

「お疲れ様、咲ちゃん」

 一瞬、私の耳が幻聴を聞いたのかと思った。私の目が幻覚を見ているのかと思った。
 目の前に夢子先輩が立っていたのだ。あれだけ忙しく帰っていった先輩が学校に戻ってくるなんて夢にも思わなかった。

「先輩!?帰ったんじゃなかったんです」
「うふふ。咲ちゃんが心配で戻ってきたのよ」
「せんぱい・・・」

 私のために・・・先輩の優しさに冷えきった身体の中から温かくなっていくのを感じていた。
 でも、今日はこれ以上はさすがに泳げないかな。夢子先輩も練習に付き合ってもらうわけにもいかないと、私はプールをあがり一緒に帰るよう提案した。

「待っててください先輩、すぐに着替えてきます」

 しかし、夢子先輩は私の提案に首を横に振った。そして、

「まだ少し時間ある?」
「時間ですか?はい、大丈夫ですけど」
「これから咲ちゃんには私と同じトレーニングをやってもらうわ」
「先輩のトレーニングですか?」
「そうよ。まだ誰にも言ってない秘密のトレーニングだから、二人だけの秘密よ」

 先輩が組んだ自主トレーニングなのだろう。それに参加できるなんて嬉しい限りの話だった。
 私は二つ返事で頷いた。
 夢子先輩は張り付いた笑顔でさらに口元を釣り上げていたことに私はこの時気付いていなかった。

「じゃあ、早速始めるわね。屋内でやるトレーニングだから先に更衣室に行っててくれない?実はもうそこで準備を済ませているのよ。私もすぐ後を追うわね」
「そうだったんですか。わかりました」

 私は先輩と分かれて言われるままに更衣室へと向かっていった。
 しかし、扉を開けた先で見た光景に私は目を疑った。
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 冬休み。
 両親も会社へ出掛け、妹の美由紀-みゆき-は部活に行き、一人家を独占してリビングでゲームをやって優雅な一日を過ごしていた千林幸二-せんばやしこうじ-の耳に、誰かが帰ってきた音が聞こえたのだった。
 この時間なら妹だろうと、特に気にかけることもせずゲームに集中していた。
 リビングにやってくる美由紀と視線を合わせることもない。それが普通とばかりに美由紀も自分の部屋に行くだろうと思っていた。
 しかし――、

「お兄ちゃん」
「あぁん?」

 珍しく呼ばれた俺は集中力が切れてチラッとだけ視線を美由紀に向ける。すると、そこには冬だというのにスクール水着を着ている美由紀の姿があった。

      冬なのに水着というギャップ萌え

 部屋の中が暖かいからなのか、寒そうな様子もなく俺に対してポーズを決める美由紀。まるで男を挑発するように胸を張ってスク水に覆われた大きな胸を強調させていた。

「なんて格好してるんだよ!親が帰って来たらどうするんだ?」

 jkの妹が男を挑発する態度を取れば親は激怒するだろう。俺は兄として厳格に叱るも美由紀は余裕とばかりに鼻で笑っていた。

「困るのはお兄ちゃんだよね?」
「美由紀だって困るだろ?」
「別に。私は困んないもーん」

 まるで他人事と言わんばかりに美由紀は言い放つ。

「だって、私には関係ないことだし」
「どういうことだ?」
「だって、この身体は美由紀ちゃんじゃないもの」

 面白おかしく笑う美由紀の雰囲気が本人のものとは違う様に思える。
 むしろ、こんな恥ずかしい格好の中、人生が楽しそうな明るい表情をする美由紀に、俺の知っている人物の面影を垣間見る。

「ま、まさか・・・美咲-みさき-か?」
「よくわかったね、幸二」

 半信半疑で名前を呟いたのがまさかの当たりだったということの方が俺にはびっくりだ。
 美由紀にしか見えないその人物は、会社の同僚の打瀬美咲-うたせみさき-だという。彼女の口から最近、誰にでも『変身』できるコンパクトを手に入れたらしく、実際、お局に『変身』した様子も見せてもらったこともある。
 同僚というだけで二人の秘密だが、まさか会社が休みの日にも会いに来るとは思ってなかった。
 美咲-いもうと-の姿で・・・どこで調べたんだよ。

「脅かすなよ」
「興奮した?」

 俺を驚かすことを楽しむために美咲に『変身』したのだろうか。悪趣味である。

「ば、馬鹿いってんじゃねえよ。妹の身体なんかに欲情するわけないだろ?」
「ふぅん。強がり言っちゃって」

 近づきながら美由紀(美咲)の胸の谷間を覗かせるように水着を指にかけて開いて見せる。
 態度とは裏腹に俺の逸物はズボンの奥からムクムクと生地を押し上げていた。

「素直に本音を言ってくれたらこの身体で今日はセックスさせてあげようと思ったの――」
「興奮しました。すいませんでした。欲情しました。セックスさせてください」
「素直でよろしい」

 お局の時もそうだったが、美咲の言うことを聞けば俺は誰とでもセックスさせてくれる。
 美咲が言うには、「自分が傷ついているわけではないからいつでもセックスさせてあげる」とのこと。
 なんという役得だ。

「でも、間違えるなよ。俺は妹の身体に欲情したわけじゃない。近親相姦という滅多にお目にかかれないシチュエーションに欲情したんだ」
「あーはいはい」

 自分の家で、リビングで、妹の身体とセックスする。
 そんなシチュエーションで興奮しないわけがない。
 ズボンだけ脱いで勃起した逸物を取り出すと、がっつくように美由紀(美咲)を抱きしめた。


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 休みの日を利用して久志は俺の家に遊びに来ていた。

「例のものは持ってきたか?」
「ばっちりだ」

 久志は計画通りに一枚の写真を手渡した。そこに映っていたのは、今日体育館で試合を行っている女子バスケットチームの様子だった。
 わざわざ撮影しに休みの日に体育館に行った久志は、何枚か写真を撮って会場を抜け出してきたのだ。試合をしている女子バスケ部の子一人一人を写真に収めている。ベストアングルと言わんばかりに、現像した写真一枚一枚に女の子はその子しか映っていないように撮影されていたのである。

「おっ!この子――」

 俺が一枚の写真を手に取り、映っている女の子に思わず喉を鳴らしてしまう。

      写真加工

「――可愛い・・・可愛くない?」
「1年C組の櫻井日向子‐さくらいひなこ‐だな。身長169cm 体重45kgのSG。うちの高校の主力選手だな。100m走は平均タイム――」
「どこから調べてくるんだよ?」
「えっ?スリーサイズが知りたいって?」
「知りたいけどまだ聞いてないね」

 久志に対する調査能力に脱帽してしまう。俺はお気に入りの子を見つけると、『柔軟剤』を取り出して、ゼリー状の固形物を喉へと流し込んでいった。
 途端に感じる身体の熱さ。あまりの熱さに身体が溶けそうな想いだ。
 いや、実際、そうなっている。『柔軟剤』を飲んで俺の身体は”スライム状態”へと成り果ててしまったのだ。
 いつも通りのことだ。俺たち二人は既にこのことに慣れてしまっていた。

「よし、いいぞ。写真をよく見せてくれ」
「ほいよ」

 肉体という物質はなくなり、柔軟性物となった俺はタイミングを計り久志に合図を送ると、櫻井日向子の写真を見せてくる。
 身体の再構築が自由になったことで、俺は誰にでも変身することが出来るようになっていた。今やその時間はどんどん短縮して、被写体を見せてもらえばものの10秒でその写真にうつる相手を完璧に模倣することが出来るようになっていた。

「お待たせ」

      TSF堕ちしてますね…

 日向子に変身して現れた俺の出来栄えさに静かに賞賛するように久志は頷いていた。
 今回は写真だったが、テレビであれど俺は変身することが出来るようになっていた。テレビを通せば街角でインタビューを受けるOL、ニュースキャスター、お天気お姉さん、一般の子供からキッズアイドルまで、誰でも変身でき、そして久志と供にセックスをして汗を掻く。
 これが俺たちの休みの日のスタンスになっていた。

「重た・・・彼女、こんな胸を持ちながらバスケやってるのか」

 着やせしているのか、裸の日向子の胸は普段より大きく見える。俺はたわわに実った胸を揉みし抱きながら感度を確かめるように優しく乳首を摘まんでいた。

「実際はそんなに無いと思う。2~3割増しで誇張しているがな」
「あっ、おまっ!この写真加工しやがったな!」
「いいだろう。巨乳の方が俺は好きなんだ」
「あっーー」

 日向子に変身した俺に対して即座に襲い掛りベッドに襲い掛かる。強引で乱暴で久志の腕の中で抱かれる。
 良いように振り回される俺だが、久志に逆らわないのは――久志が労力を見合った女性を探してきて、変身した美女の快感を知ることが出来るからに他ならなかった。



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 若菜の身体でオナニーが済んだ後、俺は久志の提案で待たされることになる。なんでも、しばらくここで待っててくれと頼まれたからだ。
 なんで?と聞き返す暇もなく教室を飛び出した久志は全速力で学校を後にして、30分ほど経った後で同じ教室に戻ってきたのだ。
 大粒の汗をかき、手にはショッピングモールで買ったビニール袋を持って、俺に渡してきたのだ。この中身を買いにわざわざ駅前まで走ったか――

「なにを買ってきたんだ?」
「競泳水着だ」

 久志は俺に何の躊躇いもなく言い放った。わざわざ女性ものの、ハイレグ仕様だ。

「たぶん柊さんと同じサイズのやつ。着てみてくれ」
「こいつ、相当の変態だぞ」

 既に変態であることを隠そうとしなくなっていた。若菜(俺)に着せるために購入してきたその執念が逆に怖い。
 新品だけどピッチピチだ。伸縮性があるのはわかっているけど、こんな小さいサイズが着れるのかよ。

「なんなら、今からプールに行こうか。この時間なら誰もいないだろうし」
「空いてるのかよ!?」
「それは大丈夫。鍵盗んできた」
「変態で犯罪者だった」

 久志の言う通りに学校のプールを無断で解放し、中に侵入して着替えを済ませた。
 競泳水着と肌との密着感がすごい。全身で包まれている女性用水着に身体が無理やり抑え込まれてしまう。それにも関わらず、はち切れんばかりに無理やり収められている胸の膨らみに谷間がくっきり深く刻まれている。
 久志の買ったサイズは確かに切れた。それでも、キツい。乳首が中から押し上げてボッチを作っていた。

      透視眼

「来たか!」

 久志が着替えた若菜(俺)を見つけて手を振っていた。わざわざ自らも男性用の競泳水着を買ってきている丁寧さを見せつけている。

「うん、いいね。身体のラインがくっきりみえてエロいね」
「そういう事本人の前で言う?」

 若菜を前に言ったらドン引きだ。いや、もし柊若菜本人に競泳水着を着させようとしたら、若菜だってさすがに逃げるレベルだ。あえて親友だから言わせてもらう。

「お前、やっぱ変態だ」
「いいじゃないか。おまえは柊さんに成りすましているだけであって若菜じゃない」

 そうだ。俺は花野翔だ。柊若菜じゃない。
 
「若菜じゃないのに、女性ものの競泳水着を喜んで着て乳首を勃起させてる姿は俺より変態だろ?」
「そ、そういうこと言うのか?!」
「・・・敏感になってるくせに、本当は期待してるんだろ?」
「ばかっ。やっ?!」

 競泳水着に沿って指を這う久志が、股座に手を差し込みながら秘部を上から弄る。若菜の競泳水着に包まれた恥丘がくにくにと久志の指に擦り弄られて濡れていって力が入らなくなっていく。久志に腕を絡めて体重を預け、自然と顔を近づけていった。

「んっ・・・んはっ・・・んちゅっ・・・くふ・・・・・・んっ・・・・・・」

 舌を絡めるディープキス。俺は男でありながら、久志の行動を受け入れていってしまう。
 久志の指が敏感な部分を弄る度に、水に入っていないのにぴちゃぴちゃとイヤらしい音が響いてきていた。

「ちゅぅ・・・ちゅむ・・・ンっ・・・はぁ・・・こんなことして、誰か人が来たらどうするんだ?」
「気にする余裕あるのか?・・・俺はもうない」
「あっ!」

 久志が若菜(俺)の弄っていた部分を直接見始める。水着をずらして秘部を外気に曝し、愛液の滑りを指の腹にのせて糸を引いて見せていた。

「見ろよ。柊さんの身体・・・こんなにヌルヌルになってる。これじゃあプールに入れないな」
「・・・入るつもりだったのか?」
「さあ、どうだったろうな」

 久志は最後の最後で誤魔化してみせた。競泳水着を購入しに走り、プールを無断使用しているくせに、その目的をはぐらかすなんて悪いヤツだ。
 若菜(俺)に言わせる気なのか、おま〇こをこんなにしたやつの手の平の上で踊らされるのは悔しいが、それ以上に久志を求めてしまう身体が熱くなっていた。

「こ・・・ここまでしたんだから。ちゃんと最後までしろよ」
「最後まで?何をすればいいんだい?」

 そう言いながら水着から滾った逸物を取り出す。

「なにをして欲しいんだ?」

 勃起して亀頭を剥き出しにしてみせる久志。すでに先走り汁も噴き出しており、ヌルヌルの逸物をみているだけでおま〇この奥がきゅんと疼いていた。

「・・・こ、ココに入れてくれよ」

 自ら秘部を拡げて久志を招いて見せる。しかし、久志は気に食わなかったらしく、駄目出しを告げた。

「柊さんの身体になってるって自覚してるんだから、口調も柊さんになってくれよ。頼むよ~」
「え~・・・」

 散々俺を男として意識させていた癖に、ここでも突き放して若菜に成りすますように命令する。この時ばかり強気に見える久志に普段とのギャップを抱かずにはいられなかった。
 まるで、俺を通して本物の柊若菜を見ているようだった――

「(久志・・・お前・・・・・・)」

 そのことに気付いた俺はしばらく黙り、静かに若菜に成りすましていったのだった。

「・・・・・・宇田くんのチ〇ポ。私のおま〇こに挿入して・・・」
続きを読む

 俺はスライムになっていた――。

 試しに買った『柔軟剤』を飲んだ瞬間、俺の身体は溶けて、液状の化物としてぶよぶよした魔法生物と化していた。
 場所が学校だったとはいえ、放課後だったことが幸いして見られている人物は少なかったのが幸いだった。

「唐突になんでこんな姿になってるんだよー!!」

 俺、花野翔‐はなのかける‐に対して親友の宇田久志‐うだひさし‐は叫んでいた。

「大声出さなくても聞こえてる」
「うおっ。脳内に直接声が」
「いや、直接喋っているんだ」

 スライム状態になっても、俺には目や耳、口といったものはどこかにあるらしく、見たり聞いたり、話したりすることが可能だった。

「人間の姿じゃなくなったくらいかな」
「楽観的だな、おい」
「ほふく前進すればちゃんと前に進めるぞ」
「おそ!!とりあえず、はやく人間の姿に戻れよ」
「おっ。そうだな」

 実際、購入した目的は別にあるのだが・・・使うタイミングを間違えてしまったと反省しよう。スライムの姿を見られても色々と厄介事が増えそうだし、いまは誰にも見つからないように元の姿に戻ることを第一に考えるべきだろう。

「ちなみに、どうやって戻るんだ?」
「確か説明書には、時間が経過するか、自分の姿を思えば自然と姿が戻っていくと・・・」

『柔軟剤』の解除方法を呟くと、久志は首を傾げた。

「時間経過はなんとなくわかるけど、後ろのはわかんねえな。自分の姿を想えば戻っていくってなんだそれ?それ戻ったっていうのか?」

 ニュアンスとして俺の説明が悪かったかもしれない。実際、描かれていた説明はこうだ。

 ――”スライム状態”では被写体の姿を想うだけで、その姿に形成していきます。

 一応、それが姿を急いで戻る方法なのかと思ったのだ。実際は”スライム状態”が解除される方法は時間経過しか書かれていない。しかし、緊急の場合のことを考え、但し書きのように書かれていた一説なのである。

「俺もよく分かんねえけど、とにかく相手の姿を想えば戻るって」
「ふぅん。・・・じゃあ、まあやってみてくれよ」

 とにかく、校内で”スライム状態”でいることは緊急事態なので、久志は何も言わず人間の姿に戻るよう催促した。俺は自分の姿を思い出そうとしていた。
 俺の姿、花野翔の姿・・・

「えっと、俺の姿ってどんなんだったっけ?」

 自分が一番分からないものである。その時――

「宇田くん」

 教室に誰かがやってきたようだ。後ろにいたスライム(俺)に気付かなかったようで、相手は久志に気付いて声をかけたようだ。

「ひ、柊さん?!」

 相手はクラスメイトの柊若菜‐ひいらぎわかな‐だった。委員長でクラス内でお嬢様と仇名がついている彼女が何気なしにこっちに向かって近づいてきていた。

「(マズいですよ)」
「(ヤベっ!隠せ隠せ)」

 俺と久志は隊列を入れ替え、久志の足元に身を寄せることで若菜から見て影になるよう移動した。足元に隠れる俺のすぐ近くに若菜がやってきた。

      お嬢様、学生だったのか。

「まだ教室に居たの?用事がないなら早く帰らないと勿体ないよ」
「柊さんこそ、まだ残っていたんだ」
「図書館でお勉強してたの。家でやるより集中できるから」
「へぇ~そうなんだ~」

 久志はまるで緊張しているように若菜と会話していた。その要因の半分は、俺が足元に居て気付かれないことを祈っているからだろう。
 若菜のようなお嬢様がスライムを見つければ、G-ゴキブリ-を見た様な断末魔をあげるのは必至だ。ここはなんとしても気付かれたくないと、久志は決して足元に気付かれることがないよう直立不動を保っている姿を俺は黙って見上げていた。
 その後も意味がありそうでない会話を交わしていく若菜。久志もまた早く行けという不愛想感を滲ませながら相槌を打っていた。それでも相手の気持ちに気付かない若菜におっとり感が溢れ出ていた。見た目と性格、仕草が相まっており、さすがお嬢様と言われる所以である・・・・・・・・・。

「それじゃあね」

 長々と会話した後に去る若菜。最後まで足元の俺に気付かなかった。俺は若菜が去った後でも久志の足元にくっつくようにその場に立ち尽くしていた。

「ふぅ~危なかったな。・・・翔?翔!?」

 一向に動かない俺に対して、様子がおかしいことに気付く。俺はポツリと、自分の目で見た彼女のスカートの中を思い出していた。

「薄ピンクのパンツ・・・えへへへ・・・」
「こいつ!裏山けしからん!」

 不可抗力、ラッキースケベ。偶然の産物で若菜のスカートの中が俺の頭から放れなかった。
 不幸中の幸い、想定の範囲外の出来事に一人悦に浸り、人間形態なら逸物フル勃起になっていただろう。

「もう許さん!早く元に戻れって」
「おう!」

 一刻も早く元の姿に戻るよう久志に促される。俺は頭が元に戻らないまま、人間の姿を形成していった。

「・・・はい、これで元通りっと」

 元通りに戻った俺。その姿を久志に見てもらう。すると、久志は言葉を失い硬直していた。

「俺の顔に難かついてるか?・・・・・・ン?それにしてもさっきからなんか声がヘンだぞ?なんだか、声がたけえ」

 軽くせき込んだ俺に喉の違和感はない。しかし、さっきから甲高い声がまるで自分の元の声に聞こえない。それに喉を抑える手も普段より細い気がする。”スライム状態”だったせいもあり、人間の姿に戻って裸になっているとはいえ、目線を落とせば目に入る胸の膨らみが、どこか普段の自分の姿と違って見えた。
 やべ。元の自分の姿に戻っていないのだと気付かされた。人間の姿になったとはいえクリーチャーのようになっていたらどうしようかと逆に心配してしまう。しかし、今の俺には自分で確認する方法はないので、久志がなにか言ってくれないと俺が今どんな姿になっているのか分からなかった。

「いい加減になんか喋ろよ。・・・久志?・・・・・・久志!?」

 呆れる俺に対して、少しずつ久志が肩を揺らし始める。硬直が氷解し動き始めた久志が、今の俺を見て断末魔の如く叫んでいた。

「お、おまっ、おまっ!!柊さんになってンぞ!!?」
「・・・・・・・・・へ?」

 俺は彼女の声で素っ頓狂な声を荒げた。

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 俺の目の前で気にすることなくオナニーを続ける彩夏(勝也)。それに唆されるように、愛液を指の腹に塗り付けて襞を弄り始める。一つの部屋に二人の彩夏が別々にオナニーしている光景を、もし本人が見てしまったとしたら軽蔑どころじゃ済まないだろう。
 愛しているからと何をしても良いというのは大間違いだと分かっていながら、ばれなければ良いという悪魔のささやきに耳を傾けてしまう。それは本当に、理性や自制をいとも簡単に通り抜けて、本能に訴えかけてくる。
 彩夏の声で、彩夏の身体で、彩夏になりきってオナニーをしてしまう俺は、あれから何度もイキ続けた。

「ふふふ・・・。だいぶ良い感じに濡れてきたね」
「えっ?」

 彩夏(勝也)が俺の手を引きベッドで押し倒す。同じ顔した同一人物がそれぞれ戸惑いと侮蔑な表情を見せていた。

      二人の彩夏

「じゃあ、最後は貝合わせしようか?」
「な、そ、そんなことして・・・・・・本人にばれたら・・・・・・」
「大丈夫だって、安心しろよ。倉田さんにバレることはないって。万が一にもばれたとしたら、その時は開き直って諦めればいいんだって」
「だけど・・・・・・」
「好きな人の快感を味わえて、いい夢見れただろ?最後にとっておきの顔も見せてやるよ」

 官能的に好感を示し、積極的に濡れた同じ形の秘部通しをくっつけ合わせてくる。次第に顔を近づけて唇を重ね合わせて舌を絡ませる。
 積極的な彩夏(勝也)を見て性格が違えばこれだけ雰囲気が違うのだろうか。美乳が揺れる彼女の裸体を見上げながら、秘部と秘部をぶつけ合わせて快感を貪ることにただ酔いしれるだけだった。
 彩夏(勝也)に任せて、受けに徹する俺。クチュクチュという淫らな音と喘ぎ声が、否応なしに響き合う。

「ふふっ、かわいい。乳首もクリ〇リスもビンビン♡」
「あっ、あっ!い、言わないで!」
「責めの倉田さんと受けの倉田さん・・・・・・どっちが好みか一目で分かるね!」

 どちらも俺たちが『変身』した姿だけど、本人だとしてもきっと遜色なくイヤらしい破廉恥な姿を曝すのだろう。そう思うだけで、頭がチリチリと焼き付けそうになっていた。

「ふふ、オマン〇コとろとろになっちゃったね。こんなに熱くなって、糸ひいて、感じちゃったんだね」
「はぁああ・・・・・・っ♡」

 オマ〇コを擦りつけ、打ち付け、塗り付け、突け合わせる――。じゅわじゅわと愛液が止め処なく溢れ続け、下腹部をベチョベチョに濡らしていくだけではなく、上半身を倒してディープキスや乳首舐めまで始めてくる。
 勝也の責め方はまるでレズを経験したことがあるような動きをしている。だけど、俺の目には彩夏の動きにしか見えないのだ。
 責め手の彩夏の姿を見ることは今しかないと、虚ろな眼差しでイク瞬間まで覗き見ていた。

「あはっ、あっ・・・あ♡ん・・・♡ちゅく♡ちゅぅ♡ちゅぅぅぅ~♡♡」
「はあぁぁ!!ん・・・ンぅぅ・・・!!ンーーーーー!!」

 彩夏の身体がイきたいと叫んでいる。それを止めることはもう俺には無理で、彩夏(勝也)にイかされる快感で身体が自然と持ちあがっていった。

「(もぉ、ダメだよ・・・俺、倉田さんの身体で・・・・・・間違いない、これが――)イ、イく、イクうううぅぅぅ~~~!!!」

 ビクビクと、大きく仰け反ったまましばらく時間が経過し、やがてベッドに深く沈んだ。俺は遂に彩夏のレズ行為を経験し、そして絶頂を体験したのだ。レズ行為でも十分感じるほどに敏感な秘部に驚愕し、もし男性の性器を挿入したらどうなってしまうかなど想像がつかない。
 そんな彩夏の身体事情まで知ってしまった俺は今まで以上に深い背徳感に目覚めてしまった。

「その様子だと先にイったの?まだ私はイってないのに」

 彩夏(勝也)は俺を尻目に名残惜しそうに自分の感じるところを指でかき混ぜて愛液を滴り落とす。そして、愛液が垂れる秘部を俺の顔に載せてきたのだ。

「最後に倉田さんの愛液の味を舐めさせてあげる」
「んぐむっ!?んーーっ!んうぅぅーーー!」
「あああぁんっ♡感じる。私の舌・・・感じるでしょ?私の味」

 しょっぱくて、ヌルヌルの愛汁――倉田さんの味が口の中に入ってくる。疲労感も忘れて舌の動きだけが早く動いていくのを感じた。

「あふっ・・・ジュブッ・・・ジュルッ・・・チュプッ」
「ああっ!倉田さんの口の中熱くなってて気持ちいい。オマ〇コ吸われて、愛液持っていかれちゃうの、たまらない!!」
「んぐっ・・・んっ・・・・・・ピチャッジュプッ、チュルルッ・・・んっ、ジュルッ、ジュルジュルジュルルッ!」
「ああんっ、あああああーーーっ♡♡ダメッ、イクッ♡私も、オマ〇コ舐められて、イっちゃうううっ―――♡♡♡」

 俺に舐められ続けた彩夏(勝也)が喘ぎながら絶頂へと到達した。同じ愛液を満遍なく浴びた二人の周囲にはむせかえるような愛汁臭が充満していたのだった。

「ハァッ・・・ハァッ・・・」
「ああっ・・・あはっ。気持ちよかったでしょう?まだ続けたいよね?私のこと、全身隈なく犯したいよね?」

 さらに面妖な微笑みを向ける彩夏(勝也)。まるで俺に対して全てを許してくれるような甘い言葉を投げかける。もちろんそうだ。全てを愛したいという気持ちは俺の中に存在しているのは確かだ。彩夏のことを犯せるのなら、この狂った空間で何時までだって愛し続ける・・・。

「じゃあ、こっち来て。私のこといっぱい犯してぇ~♡」

 片想いの相手からベッドに誘われる。俺はそんな表情を向けられて――俺は次第に倉田さんに対する恋愛感情というものを失くしてしまったのだった。



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