学校が終わり貴明として帰宅する茜音。幼馴染だけあり家は隣に並んでおり、付き合いもあるせいで間違えることもなかった。
 義也もいなくなり貴明の部屋に一人佇む。模様替えしたといえ、子供のときにお邪魔した記憶からそれほど変わっていなかった。
 自分の部屋のようにベッドに倒れる貴明(茜音)。枕に顔を埋めて一日の疲労感を感じていた。

「はぁ・・・何時まで続くのかしら・・・」

 貴明のせいとはいえ、一日で色んなことがあった。

 水野結愛に告白された貴明と——
 眞熊達樹に告白された茜音と——

 全く同じタイミングで告白されるなんてことがあるだろうか。
 お互い入れ替わってなかったら別の道を歩んでいたのではないだろうかというほど人生の転機だったと思えて仕方がない。特に——


『断る』

 達樹が話している途中で茜音(貴明)は答えを出していた。茜音(貴明)は告白を断っていたことに義也は声を殺して悲鳴を上げていた。

『あ、あはは・・・伝わらなかったのか?何を言っているのか理解できなかったんだけど』
『茜音の幸せは俺が決める。どんなにおまえが茜音のために最善を選ばせようが、俺が決める幸せが茜音の一番の幸せだ、バカヤロウ!!!』


 達樹の告白を足蹴りした茜音(貴明)だったが、

「私だったら・・・・・・なんて応えたかな・・・・・・」

 茜音と達樹。会話はなかったけど、同じ成績、同じ価値観、同じ立場を共有していた。決して顔も悪いわけじゃない。口は強いけど、それが頼もしいと女子の間でモテると噂も聞いたことがある。

「性的に無理なわけじゃないし、決して嫌いって相手じゃなかった。達樹くんが言ってたようにきっと裕福に過ごせる将来を約束してくれたんだろうな・・・・・・」

 なんとも美味しい話。玉の輿に乗れるチャンスが巡ってきた。こんな機会は一生に二度と巡り合えないかもしれない。
 だけど・・・・・・そんな話を貴明が棒に振ったのだ。
 茜音になりすまし、茜音のことなどお構いなしに、茜音の価値感を決めつけて、貴明を押し通した結果——。

「はぁぁ~もう、サイアク。どうして私っていつもアイツに振り回されるんだろう・・・・・・」

 泣き言を言いながら目を伏せる。でも、不思議なことに涙は流れなかった。

「アイツのせいよ。こうなったのも、ぜんぶ、ぜんぶ!ぜ~んぶ!!貴明のせい!私の人生ぜんぶ貴明に滅茶苦茶にされて、怒ってるのに、めちゃくちゃムカつくのに・・・・・・!!!アーーーーハッハッハッハ!!!」

 今度は突然一人笑い出していた。
 枕を押さえつけて目を隠して、唇を横に綻ばせて思いっきり笑っていた。

「だから、私だってシてやったわ!!!」

 そう——貴明と同じ様に・・・・・・



「えっ、ほんと?・・・うん。千村くんの返事を聞かせて」

 水野結愛の告白に対して、貴明(茜音)は言ってしまった。
 不安と期待に胸膨らませている結愛。瞳を潤ませて見つめる結愛の姿はまさに恋する乙女であり、男ならイチコロの表情だろう。

「ごめんなさい。水野さんとは付き合えないよ」
「・・・・・・なんで?」

 理解できずに固まっている。しかし、結愛の目の輝きが失っていくのが分かった。

「なんでって言われても・・・うまく伝えられないけど・・・・・・ダメなんだ。ごめんなさい」

 結愛の告白に対して丁寧にお辞儀をして断りをいれる。そんな姿を見たくなかった結愛は態度を一変して憤慨していた。

「はあ!?わ、わけ分かんない!全っ然あやふやで意味不明なこと理由にされても納得できるわけないじゃない!!そんな言葉聞きたくなんかなかった!見損なったわ!意気地なし!」

 結愛は告白を断られて聞く耳を持たなかった。彼女にとって告白を受け入れていたことはあっても、告白をして、あまつさえ断られたことなど一度もなかっただろう。
 付き合うのが当たり前だと思っていたからこそ、現実を受け入れられずに駄々をこねている。その怒りの矛先は好きだった貴明に反転して襲い掛かっていた。

「バカ!変態!ばぁか~!」

 どんなに叫ぼうが貴明(茜音)の意見が覆ることはない。これ以上付き合っても負け犬の遠吠えにしかならないと分かっている。それでも貴明(茜音)が結愛の元から放れなかったのは——

「(水野さんにとってそうかもしれない。ひょっとしたら彼女は他の男子にも答えを求めてたのかな?)」

 男子から愛をもらおうとしていた結愛より先に、茜音の方が答えを手に入れたから。
 皮肉な話である。

「そんなの決まってる・・・」

 少しだけ茜音が結愛にほくそ笑んだ。

「長く付き合ったら分かるわよ!」

      カッチーン

「うるさいうるさいうるさい!童貞のくせに!付き合ったことなんかないくせに!私にえらそうに指図するんじゃないわよ!!う、うわあああぁぁぁぁああああぁぁぁぁ!!!」

 悔しそうに泣き言を漏らす結愛。それでも、顔を真っ赤にして本気で悔しがる姿に、同じ女性として痛みを分かち合いたいと思った。
 別のかたちで話が出来ていたら、きっと結愛と仲良くなれたのにと、この時茜音は思っていた。



 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・

 貴明と同じ様に茜音もまた告白された相手を振っていた。
 理由なんかわからない。貴明と付き合っているわけでもないし、まして好きという感情も抱いていなかった。
 今まで幼馴染として一緒にいて、面倒を見て、クラスでまとまり募る話を言い合っていた。
 それがとても当たり前のようで、何時までも続くとさえ思っていた。
 小学生、中学生と同じように、高校生も同じような3年を過ごすと思っていた。

 でも、そうはならなかったのだ。
 地元だけじゃなく、隣町の子も向陽陣大高校にくるようになって、新顔を見るようになった。
 最初は緊張していたけど、時間が経つにつれて慣れてきて、グループを作りながら男女それぞれ好きな子を言い合うような時間が増えていく。
 身体も少しずつ大人になり、胸も出てきて発育が良くなってきた。そのせいで高校生はやけに男女の違いが明確になってきた。

 男子はより格好良く——、
 女子はより可愛く——、

 茜音もふと高校生になって大人というものを考えるようになった。今まで以上に将来のことを考えるようになった。

 どんな大人になりたい?
 どんな生活を過ごしたい?
 どんな人間に好かれたい?
 そして――どんな相手を選びたい?

 高校生-いま-じゃなくていい。でも、大人はすぐそこまで来ている。16歳。あと4年経てばもう成人になってしまう。そのために残った時間を使って、——どんな素敵な自分になろう?
 選択肢は無限にあると信じている。どんな素敵な私になるのかを決めるのは茜音-じぶん-だ。茜音だって戦わなくちゃいけない。誰よりも素敵な自分になるために。
 後悔のない人生を過ごすため、自分の信じる道へ。

      変態だった

「はぁっ・・・、はぁっ・・・」

 貴明(茜音)は逸物を扱いていた。お手洗いに行った時から気になっていた男性器を持ちながらリズミカルにシコシコ扱いていた。
 茜音だってどうすれば男性が喜ぶのか知っていた。聞いた話を確かめるように手を使って皮を剥いて亀頭を出すと、そのままムクムクと大きく膨らんでいく。手の平を筒にしてすっぽり被せるサイズで上下にピストンすると、熱く滾る脈動を感じていた。

「男の子のおち〇ち〇すっごく気持ちいい。こんなに硬くて大きくなっちゃうなんて・・・」

 茜音が初めて覚える男性の快感。ビク、ビクと腰を浮つかせて、背中を反らして快感で背筋を震わせる。貴明(茜音)の手の中で跳ねる逸物。貴明の性欲は底無しなのか、あまりに強すぎる快感に目を見開いてしまうほどであった。

「ああ、手マ〇コ・・・手マ〇コ気持ちいい・・・・・・いやぁ!恥ずかしい!こんなはしたないことしちゃダメなのに・・・」

 貴明の身体があまりに敏感過ぎて、快感を知らない茜音にとって恐ろしいほどはまりそうになっている。このまま扱けば射精することは知っているけど、果たして射精するというのがどういうものかを身をもって体験することなんて出来ないと思っていた。
 でも、もう間もなく体感することになる。貴明の射精感が茜音の頭を真っ白に染めていく。

「ああ・・・ああ・・・止まらない。おち〇ち〇扱くのが止まらない!」

 男性がオナニーしながら叫ぶこともない。女性がオナニーしながら叫ぶこともない。
 貴明-だんせい-のオナニーを茜音-じょせい-がするから叫ぶのだ。普通じゃ体験できないことができるのも貴明のせいだ。

「貴明が全部悪いのよ!ほんと、勝手なんだから!貴明に付き合わされて毎日大変なんだから!私の心が貴明を基準に考えているのがわかる。私の身体が貴明を基準に動いているのがわかる。貴明に茜音-わたし-が染められていくのがわかる!・・・たかあき!」

 逸物と同じく心も熱くなっていく。赤くなった頬に透明な雫が流れていた。

「貴明も同じ様に告白を断ってくれて嬉しかったな・・・。あ~あ、勿体ない話を貴明のせいで流れちゃった!私の人生めちゃくちゃよ!絶対許さないんだから!責任取ってくれるんでしょうね、貴明ったらぁ♪」

 慈しむように逸物を弄っていく。亀頭を撫でると先走り汁がとろりと溢れ出て亀頭を濡らしていくのが分かった。

「これが私の膣内に挿入るって考えると・・・怖いけどゾクゾクしちゃう」

 完全に勃起した貴明の逸物を眺めながら妄想を膨らませる。茜音-じぶん-の身体の膣内に逸物が侵入することを考えるだけで、感化されて逸物がビクンビクンと暴れていた。

「ああ、私の中にほしいよぉ・・・熱くていっぱいになっちゃう・・・・・・ぅぁぁっ!好きぃ・・・わらひ、貴明のこと、好きだったんだ・・・・・・好き、好きよ、貴明ぃ!」

 もう行動を止められない貴明(茜音)。激しく扱き続けた逸物はぷっくり膨らみ尿道口をぱっくり開かせていた。そこから海綿体に上がってくる脈動を抑えきることは出来なかった。

「あああっ!イッちゃう!これ、間違いない!イッちゃうよ!!」

 貴明(茜音)が本能的にティッシュに手を伸ばし、亀頭に宛がい発射口を塞いだ瞬間だった。

 ドクン、ドクン、ズピュズピュ!!!
 貴明(茜音)の身体がブルブルと震える。感情と供に爆発した貴明(茜音)の精液が噴き出していた。ティッシュにぶつかり、どのくらいの勢いで射精したかは分からないが、しばらくティッシュに抑える状態が続き、収まった時にはティッシュに大量の白濁色の跡を残していた。
 その量に目を見張る貴明(茜音)。これが自分から出したものとは信じられないとさえ思えてくる。女性と違い、尾を引きずる快感に少し休むようにベッドに倒れ込んだ。
 体力を使い、呼吸が走るせいで一息つきたかったとばかりに大きく深呼吸を始めた。

「はぁぁっ・・・男の子の身体って気持ちいい」

 貴明の快感を味わってしまった茜音。その気持ちよさにほっこりしている。しばらくして体力が回復すると、衣服を着てお風呂に入ろうとした―—

 コンコン。

「ヒッ!!?」

 しかし、突然窓を叩く音が貴明の部屋に聞こえたのだった。
 ドアからではなく間違いなく窓からだ。不審者が訪ねてくる以外こんな場所からやってくる相手はいないだろう。

「・・・誰なの?」

 怯えながら貴明(茜音)は窓に近づき、カーテンを開いたのだ。
 そこにいた相手とは——