――ピンポーン。

「はい?――――謙信ちゃん!こんな時間にどうしたの?」

 夜番に訪れた謙信に驚く顔を見せる亜衣子。その制止を押し切って問答無用で玄関から上がり込む。

「まぁまぁ、ちょっと寄らせてもらうわね」

 謙信、もとい俺に強引さにも亜衣子は部屋へ通してくれる。二人で部屋に入ったのを見定めてすかさず亜衣子の唇を奪った。

「んんぅ!?」

 謙信にキスを奪われた亜衣子はさらに目を丸くしていた。普段の謙信とは違う、想像していなかった展開に驚く亜衣子は、思わず唇を放してしまった。

「やめて!謙信ちゃん!」
「んあ?・・・どうして私を拒否するの?私は亜衣子のことをいつだって守ってきたじゃない」
「それは・・・・・・」
「それなのに、亜衣子は私よりもあいつを・・・あいつと付き合い始めたじゃない!」

 正雄と付き合い始めたことに正直な気持ちをぶつける謙信。そう言わせているのは俺自身だが、それによって亜衣子の本音も聞きだそうとしていた。
 亜衣子にとって正雄に抱く気持ちは捏造。偽りであり、俺自身が亜衣子に植え付けたものだ。それを本人は自覚していないし、自分の気持ちと思って今日まで付き合ってきた。
 困惑しながら俺と付き合い、混乱しながら俺に振り回されてきた亜衣子にとって、それは果たして幸せなのだろうか――

「・・・でも、謙信ちゃんは、こ、こんなことする人じゃないよね?私たち友達だし、親友だし・・・」
「それ以上にはなれないの?」

 所詮同性の亜衣子と謙信では友達以上恋人未満の関係止まり。それを亜衣子の口から聞かされると、心の何処かがとても痛かった。

「それ以上って・・・・・・」
「見て!」

 亜衣子の目の前で謙信は制服を脱ぎ始める。引き締まった身体付きを亜衣子に見せながら、抜群のプロポーションを月明かりの下に曝した。

「謙信ちゃんやめて!」
「次は亜衣子の番だよ」

 強引に、それでいて決断を迫って亜衣子にバトンを渡す。
”こっち”側にいくか、それとも留まるか。亜衣子の気持ちを自分自身に問いかけて、答えをだす。

「・・・謙信ちゃんがそれを求めるなら・・・・・・」

 ゆっくりと、亜衣子は自分の私服を脱ぎ始める。その動作はまるで息をすることを忘れるほど遅く、時が止まったのように静かに・・・

「私はそれに応えたい」

      c5447c71.jpg

 ズボンもゆっくり下ろしていき、上下お揃いの下着姿になった亜衣子の姿は息を呑むほどに美しかった。

「脱いだよ」

 全裸になった亜衣子に謙信も同じようにスローモーションで近づいていく。その場の空気を壊さないように細心の注意を払いながら、雰囲気を持たせつつ亜衣子の肌に触れていく。

「・・・っ!」

 ちょっとでも強く触れれば崩れてしまいそうな小さな身体で、その恐怖に震えそうになるのを耐え忍んでいる。
 緊張している身体のせいか、胸の中心に突起する二つの乳首も硬くなっていた。
 謙信は亜衣子の乳首に吸い付くように唇で咥えこんだ。甘く噛んだ乳首を舌で舐め転がしながら唾液を含ませていく。

「あっ・・・んっ・・・」
「レロレロ・・・亜衣子の乳首大きくなってる。こうされるの気持ちいいの?」
「そんなの!・・・わかんないよ!」
「及川にも触らせたことないものね。んぅ・・・チュパ・・・チュパ・・・」

 亜衣子の感度は良く、少し弄っただけですぐに濡れてきた。亜衣子をベッドに倒しながら全身を舐めつつ股を開かせ、大事な場所もクンニしていく。

「うわぁ~こんなに溢れてきてる。私におま〇こ舐められて感じてくれてるんだ」
「んあっ!やめっ!そんな場所・・・汚いから舐めないで!」
「大丈夫だよ、亜衣子の汚物は私が吸い取ってあげるから。じゅるるるるぅ!」
「ひゃあぅ!」

 引くつかせ無意識に浮かび上がらせた腰がすとんと落ちる。ベッドの上で息を絶え絶えにして脱力する亜衣子を見て、軽くイったのだと察した。溢れるばかりの愛液が謙信の口の中に入ってきては飲み干していった。

「私の舌でイったんだね。亜衣子のおま〇こひくひく動いてる」
「はぁ・・・はぁ・・・私、イってなんか・・・」
「強がらなくてもいいわ。亜衣子は私が守るから」

 濡れた亜衣子の秘部に謙信は自分の秘部を合わせて腰を動かして擦りつけ始めた。貝合わせというやつだ。

「たとえ、どんな害悪な男が亜衣子に近づいて来ようと、私が亜衣子を一番に想っている。これはそういう契りだ!」

 謙信の叫びと供に腰の動きに合わせてニチャニチャとイヤらしい音が漏れだす。一番に亜衣子を感じさせることに悦びを求める謙信に亜衣子は受けとめ、行為を受け止める。

「ひっ・・・くあっ・・・はっ・・・はぁっ」
「亜衣子も感じているのだろう?腰の動きが早くなっているぞ。いいぞ。私が受け止めてやるぞ。好きに擦りつけてこい」
「ちがっ・・・くひんっ!んんぅ・・・けんしんちゃん・・・けんしんちゃん・・・!」
「またイきそうなんだな。私も供にイこう。一緒に、イこう!」
「はぅっ!あっ・・・あぅぅっ!はぁん!」

 ベッドの上で跳ねながら擦り合わせた秘部同士からは愛汁に濡れてぐちゅぐちゅと音が響き合う。体力が違う二人の疲労度は歴然だが、謙信は亜衣子に合わせるように自分の感じる場所を的確に突くように亜衣子の柔肉に擦りつけ合わせながら絶頂まで到達する。

      695d6cd9.jpg

「ふあ、あ、あああ、ふあぁぁぁぁ―――――ん!!!」
「ひぃ!だ、ダメ!!ひゃあぁぁぁ―――――ぅん!!!」

 貝合わせによって一度イった二人の声が部屋中に響いた。
 びしょびしょに濡れたベッドシーツの上で沈む亜衣子の身体を慰めるように優しく撫でる謙信。

「・・・ごめんなさい。私の一方的な感情に付き合わせてしまって。・・・でも、これできっと本人も納得いくはず。だって――俺に乗っ取られた人はどんな行動だとしても自分の意志でやったって認識するから。亜衣子に奇襲して貝合わせしたのだって、全部私がしたくてやったことになるんだから」

 謙信はきっと激しく後悔するだろう。例え俺が勝手にやった行為だとしても、亜衣子を襲った謙信という自覚がある以上は今まで通りに入り浸ることができないだろう。もしも亜衣子が受け入れたとしても、上杉謙信という性格は自分が納得するまではしばらく亜衣子の傍に近寄ることもしないに違いない。その間に亜衣子と俺の仲を深める時間はあるはずだ。
 謙信を受け入れた亜衣子なのだから、彼氏である俺を受け入れないはずはないのだから。
 とは、いうものの――

「謙信ちゃん・・・」

 ――それでも謙信を信じて受け入れた亜衣子の寛大さに驚かされたのは、俺の方だったみたいだ。


 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・

 後日談だが、結局俺の予想した通り、前田亜衣子の傍に上杉謙信が近づくことはなかった。
 毎日学校に来ているし、授業に参加している。しかし、前田亜衣子が謙信に近づく前に、謙信は教室から逃げるようにさっさとどこかに去って行ってしまうのだ。
 亜衣子が避けられているように見えるし、謙信が逃げているようにも見えるし、その様子に違和感を覚えるのは俺だけではない。
 貴明や茜音でさえ、二人の異変に気付いて心配しているのが見て取れた。

「私のせいで、謙信ちゃんを苦しめたのです」
「・・・バカ。そんなんじゃねえよ」

 相談に乗る意味でも亜衣子は俺を頼りにしてくれていた。ある意味、俺の思惑は成功したと言っても良い。しかし、その代償として二人の関係に大きな溝を刻んでしまったのは予想外だった。
 謙信がこれほどまでに脆いとは思わなかった。
 謙信がこれほどまでに繊細だとは思わなかった。
 亜衣子を守っていた謙信の姿は偽りで、本当は普通の生徒と変わらない女子高生だった。 
 そのことに誰よりも早く気付けたのは俺のはずだったのに、無頓着で鈍感だったのだ、俺は。

「はぁ・・・調子が狂うな」

 このまま謙信と亜衣子が関係を修復できないまま高校を卒業したらどうなる?
 お互い会話のないままこれからの人生を過ごしていっていいのだろうか。
 高校の話をした時に良い高校生活だったと笑えるようになるのだろうか。
 納得いく高校生活を過ごせたと誇れるようになれるだろうか。
 一年ちょっとで俺たちは卒業だ。
 一年・・・そんな時間はすぐに過ぎてしまう。俺はそのことを知っている・・・・・・・・・。
 時間も猶予もないことを俺は知っている・・・・・・。
 何故・・・?

「頭が痛い・・・」
「正雄くん・・・?」

 知るかよ。
 知るわけねえ。
 高校生の俺がなにか特別な経験をしたわけじゃない。
 世界は俺中心に回っていると信じているような奴だ。
 そんな俺に、時間の大切さを語る資格があるわけがない。
 それなのに、俺に時間の大切さを語らせようとしている奴がいる。
 誰だ?お前は誰だ!?お前は―――!

「――――っ!」

 気付けば俺の身体を何度も亜衣子が揺らしていた。目に涙をいっぱい溜め、今にも零れ落ちそうになっていた。

「良かった。正雄くん、何度も呼びかけても応えてくれなかったから・・・」
「ああ。そうか」

 そんな長い時間返事してなかったのか。

「ごめん。悪かったな」
「・・・正雄くんは、何処にもいかないですよね?」
「・・・・・・。ああ、行かないよ」

 俺の返事を聞いて、納得した様に亜衣子の目から涙があふれた。
 そうだ。亜衣子を悲しませるなんてこと俺にはできない。
 彼女を悲しませるなんてこと彼氏にはできない。
 彼女を守り、喜ばせ、幸せにしてこそ彼氏になるんだ。
 亜衣子の笑っている顔を見ることが俺の幸せになるんだから。
 その為に俺が出来ること。
 その為に俺がやるべきこと――それは、時間を戻すことだ。
 道具も能力も必要ない。今の俺ならきっと出来る。

「なあ、前田」
「なんですか、正雄くん」
「俺さ、ずっと前から・・・前田の胸、触れてみたかったんだ」
「え、ええええっ!?」

 大声を荒げた亜衣子を負いこむように、壁ドンのポーズで黙らせる。効果あったようで、亜衣子は顔を真っ赤にして声を押し殺した。

「なあ、いいじゃん。ちょっとだけだから・・・」

 耳に息を吹きかけて小声で喋るとさらに顔を真っ赤にする。

「そんな・・・恥ずかしいです・・・」
「大丈夫だって。誰にも言わないから」
「でも・・・・・・」
「そんな悲しそうな顔するな。俺が全部満たしてやんよ」
「正雄くん、きゃ・・・・・・むにゅぅっ!」
「俺・・・我慢できねえ!」

 今まで散々お預けされていた亜衣子の胸を触っていて、健全な男子なら我慢できるわけがない。
 頭の中がぷっつんしちゃった。学校の屋上から愛を叫ぼう。
 前田亜衣子・・・いただきます!

 ぴゅうぅぅぅ~~~

 その時、風が吹いた。荒れた風音が明らかな殺意を運んでくる。
 無音の後一筋の冷汗が流れた・・・・・。

 ジリジリと喉が乾く。
 風って便利。

 ――ドーーーーーン!!!


 全身が軋む音が聞こえた。

「いたいっしゅ・・・」
「いまの・・・謙信ちゃん!!!」

 亜衣子が倒れる俺よりも先に謙信の名を叫んでいた。慌てて逃げようとする謙信を見つけて呼び止めると、謙信は観念した様に歩みを止めた。
 それでも、一つしかないドアの裏に隠れた謙信。表情を隠すための精一杯の隔たりであった。

「ごめんなさい。いま、どんな顔して会えばいいか分からないの・・・」
「謙信ちゃん・・・」
「私がした過ちを許してほしいだなんて思っていない。私は自分の罪を背負って生きていくから。だからこれ以上亜衣子には近づかない。そうした方が幸せになるから」
「謙信ちゃん・・・」

 亜衣子と謙信では埒があかないと、ムクリと一人で起き上がった俺が変わりに謙信と話をする。

「お前な。なに罪とか罰とか考えて行動してるの?それでも結局身体が動いてるんじゃねえか。締まりのない身体だな、ほんと」
「・・・そうだな。私の心と体は矛盾しているのかもしれないな。他人の幸せを祝いながら、裏では不幸を願っているような人間だぞ、私は」
「それがなんだよ。それが人間だろう。幸せを願いながら不幸も願ったって、そんな思惑杞憂に流れて終わっていくんだよ。結果が謙信にとって幸せだろうが不幸だろうが、俺の選んだ結論だ」

 幸せだけを知ってほしいわけじゃない。不幸だって当然あるんだ。不幸を知らずに幸せだけを知ってなんの意味があるというのだろう。

「・・・・・・」
「だけどな、いまのお前の行動で亜衣子が悲しんでる。俺はそれを断じて認めない!お前は俺と亜衣子の関係を知りつつ不幸になることを願っていることを俺たちは知っている。それでも俺たちは謙信のことが必要なんだ」
「――っ!」
「謙信ちゃん!帰ってきて欲しいです!また私の傍で守っていてほしいです!」
「俺が亜衣子を不幸にしたら好きなだけ亜衣子を貰いに行け。それまではお前は永遠の二番手で我慢しろ。それがお前の罰だ」

 消えることは何より楽な方法かもしれない。しかし、残された者たちになんの解決にもなっていない。
 苦しんででもお互いが納得できる形を提示する。それは永遠とも思える拷問だった。

「・・・いいのか。私がまた傍にいて」
「良いも何も、お前が俺の彼女口説いたんだろ?そして、亜衣子がそれに応えたんだ。余計なこと言えば俺が亜衣子に逃げられるわ」
「・・・亜衣子を奪うかもしれないぞ」
「そうならないように俺が立派な彼氏になればいいんだろ?むしろ、お前が俺に惚れるなよ?」
「はわわ。正雄くんが格好いい台詞言ってます・・・」
「フッ。隙あればいつでも亜衣子を掌の上で踊らせる手腕があるんだよ、俺は」
「・・・勝手なことを――」

      b32c7818.jpg

「――口八丁な男めえええぇぇ!!!」
「ぬああああああ!!!!」

 扉から勢いよく飛び出してきた謙信が俺に飛びかかってくるのを慌てて逃げようとする。それを見て亜衣子が久し振りに笑顔を見せていた。
 俺たち三人にそんな時間、永遠とも呼べる拷問がこれから始まろうとしているのだった。


 Fin




  ――後日談の後日談になるわけで。
 実際のところ、ここから先は拷問の時間が終わった何年も先の話なのかもしれないし、実はすべてが始まる前の話なのかもしれない。時間軸がわからないのだ。
 ここには時間を知らせる時計、カレンダー、テレビ、ラジオなんてない。
 毎日同じ時間にあがり、沈む太陽を見るだけの気だるい一日が繰り返される。
 そんな日常の中で俺は呼び鈴がなり、来客がやって来るという、予定調和から外れたあり得ない奇跡の中にいるのだ。
 喜びも悲しみも、憤りも驚きも忘れていた無表情が氷解し、俺の心が感情を蘇る。
 俺を救ってくれた客人に対する御持て成しを――裏事情の物語を少しだけ知らせて終わりにしよう。

      7e0fad0e.jpg

「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・あの、なんで、そんな表情をしているのですか?」

 せっかく話をアフターストーリーを少女に聞かせてあげたというのに、少女の目はまるで死んだ魚ように宙を泳いでいた。話を聞かせる前の嬉々とした好奇心はどこへ行ってしまったのだろう。そして、ぼそりと俺に向かって一言――

「・・・・・・チキン」

 少女が物凄く低い声で言った。少女は大層お冠だった。

「チキン。チキンチキンチキンチキン」
「チキンです。ヘタレです。すいません。何を言われようとも返す言葉がありません。マジで勘弁してください。調子乗りました!」
「まったくだよ!せっかく大々的に僕が宣伝してあげたのに。キミの私生活を、キミの性格を、キミの『普通』を――皆に届けてみせましたか!?」
「はい!全然できませんでした!」

 亜衣子と謙信の話にそれて自分の身の上話を一切しなかったチキンでした!俺の”憑依生活”を楽しみにしていた人たちに心から御免なさいしないと!

「本当はパソコンの前に座って三時間も動画荒しを日課にしていることを暴露してくれると思っていたのに」
「ははは!凄いな、きみは。俺のことなんでも知ってる!?」
「何でもは知らないよ。知ってることだけ」
「知られると恥ずかしいんですけど!なに、この懺悔しなくちゃいけない雰囲気!?」
「それがキミの普通でしょう?」
「謝りっぱなしの人生、生まれてきてごめんなさい!!」
「それで済むと思う?僕が一体、どれだけの覚悟を決めて来たと思う?始末書ものだよ!」
「大人の世界って怖い!」
「もぉ~こうなったらキミを始末するしかないよ!」
「闇の世界連れて行かれちゃう!」
「そしたらキミの変わりを連れてきて主人公を立て替えないといけないね」
「主人公なのに代役がいるのかよ!」
「とりあえず、その主人公の設定を考えないといけないね。まずは17歳だけど高校も行かず不登校のダメ人間にして――」
「ありがちな設定じゃないですかね」
「なんだかんだで外出たらトラックに運よく引かれて、異世界にいったら最強チート能力を神から授かって――」
「今風にはウケがいいんですね!」
「異世界行ったら美女と普通に声かけられる話術と顔を持ってて、気付いたら問題をなんでも解決できる万事屋になってて気づいたら周りに美女しかいなくてハーレムっと」
「トラブル&アクシデントが主人公スキルとは良く言ったもの・・・・・・って、おい!もうやめろ!やめてくれ!!」
「なに、ハンバーガー屋さんのアルバイトは口出さないでくれるかな?」
「完全にモブキャラ以下の扱いに降格されてません?!」
「あ、アルバイトって言ってもキミはバンズの間に挟まってジッとしている役だから」
「それってチキン役ですね!!!照り焼きにされてますよね!身ぐるみはがされて鉄板の上で焼き土下座させられてますよね!?」
「主人公の顔なんて見たくないだろうから、キミには適任だと思うよね?」
「ちょ、待てよ!そこまで言うならお前はどうなるんだよ!その話には宇宙人役もいねえし。まさか、ハーレム美女の一人を演じるつもりか?お前がそんなタマかよ!!」
「言うねぇ~」
「まあねぇ~」

 散々貶されたんだ。それくらいのことは言わしてくれ。たとえ俺の寿命が10年縮むことになろうとも。

「安心してよ。僕もキミと同じアルバイト役に出ようと思ってるんだ」
「最後まで俺の上に就きたいんですね!バンズに挟まれている俺を客に出すアルバイト役だなんてさぞ気分が良いに違いありませんよ!」
「スマイル0円だよ?」
「仕事は価値じゃない!遣り甲斐だ!」
「それなら僕はアルバイトよりお客様になりたい。だって神様だもの」
「もっと上層部に行きやがった!勝ち組だ!」
「ちなみにそのお客様の出すお金は親から貰ったお金なんだ」
「ニートだ!ニートに成しあがった!上級貴族の仲間入りだぁぁぁ!!!」
「でも、現実はそんな甘くなく、僕はキミと同じアルバイトなんだ」
「話を戻してでもそのアルバイトがやりたいのか?いったいなんのアルバイト役だよ?」
「そのお客様が買った、テリヤキバーガーとたい焼き、かな」
「おまえええぇぇぇぇ!!!」
 

 Fin