純粋とは矛盾色-Necronomicon rule book-

夢と希望をお届けする『エムシー販売店』経営者が描く腐敗の物語。 皆さまの秘めた『グレイヴ』が目覚めますことを心待ちにしております。

俺はその日、麻理子に成りすまして大学の講師になっていた。そこは女子大だけあり男性の姿はどこにもなく、清楚な風貌を見せる女子大生たちがキャンバス内でくつろいでいる。
 ギャルの容姿をした子は一人もいなく、宝塚歌劇団にも見劣りしない容姿や態度を見せつけている生徒がちらほらいる。
 それもそのはず、ここは礼儀作法を学ぶ大学であり、今後の人生を豊かにする資格を多く手に入れられる大学。その出身校から働く女性の多くは、キャビンアテンダント、ツアーコンダクター、ドレススタイリスト等、華々しい職業に就くことが多い。そのために英語検定、看護系資格、秘書検定、パソコン技術を習得するのは当たり前という入学するのも卒業するのも狭き門の知る人は知る名門大学である。

「先生。おはようございます」
「おはようございます、皆さん」

 お辞儀をして挨拶をする麻理子。身体を切り替え、転身した際に脳の中身まで変えられるらしく、思わず自分がお辞儀をして生徒たちの見本のような挨拶をしてしまったことに笑いが込み上げてくる。誰にもしたこともなかったお辞儀を自然に出してしまうほど、麻理子としてなりきってしまっているらしい。

「(・・・いや、そうでもしなければ大学なんか行こうとも思わなかったぜ。ちょっと外に出てみればレベルの高い女子たちがうようよしてらぁ)」

 こんな大学に進学してくる生徒たちはどんな上級国民の娘なのか非常に興味あったからやってくれば、本当に下級国民の俺には比べ物にならないほど美形ぞろいである。俳優や華流をやってきた有名人や大物芸能人の娘まで在籍しており、アフタヌーンティーでカフェテリアで談笑している生徒たちが数多く見受けられる。まるで切り離された楽園である。

「(この様子じゃ男なんか興味ないといわんばかりの箱入り娘なんだろうな。だが、俺がこの学園に忍び込んだ以上、オンナの快感ってモンを教えてやるよ・・・)」


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 麻理子の身体でオナニーをした俺は自分の部屋へとやってきた。
 そこには、幽体になった時に垣間見た一成‐おれのからだ‐が眠っている様子がありのまま映されていた。麻理子(俺)が入ってきても気付かないくらい爆睡している。それは当然だ、いまこの身体は幽体がない、空っぽの器みたいなものだ。
 目を覚めることもないし、言葉を発することもない。客観的に見るもう一人の麻理子(俺)だ――。
 そんな俺は床に転がっている荷物をもう一度漁った。実は荷物の中には『飲み薬』だけじゃなく、俺が頼んだモノはもう一つあるはずだからだ。
 それはすぐに手の中に収まった。――『接着剤』だ。
 相手とくっつくことで身体の一部を取り替えたりすることも出来る『接着剤』は『飲み薬』と使えばさらに面白いことが出来るのではないだろうか――そんなことを考えながら麻理子(俺)はニンマリと不敵に笑い、ベッドで眠っている一成₋じぶん₋の身体へと歩み寄っていった。
 俺は『接着剤』を手に落とす。これを使い、自分の身体を母親の身体に取り込もうと考えたのだ。幽体離脱すれば、眠ったままになる空っぽの器をどこに放置するのかは『飲み薬』を使用する者にとって一番悩ましいところだ。変に誰かに見つかることがあったら警察や医者にお世話になりかねない。
 大事になることを避けたいなら、自身の身体を隠す場所を最初から決めなければならないはずだ。
 だけど、俺は違う。眠り続ける身体を隠すのではなく、持って歩くことを決めていたのだ。
 自分の目の届く範囲から外さないようにするためには、常に持ち歩くことが一番手っ取り早い。そうすれば、誰にも俺の身体に気付くようなことはない!
 とはいうものの、身長162㎝、体重96㎏。巨漢の一成‐おれ‐の身体を常に持ち歩くなんてことは普通なら出来るはずがない。持ち運ぶだけで相当骨が折れる作業だ。
 しかし、そんなことを可能にする方法が一つだけある。――その方法を叶えるのが、『接着剤』という代物なのだ。

「さあ、私と一つになりましょう」

『接着剤』を手に付けた俺は、自分の顔に塗りつけていく。ベチャベチャと、透明な『接着剤』が顔につけられていくも、当然一成は目を覚ますことはなく、ぶよぶよの頬に大量の接着剤を塗していく。
 顔が済んだら次は身体。服にそのまま『接着剤』を塗り込んでいく。粘液が服について濃く変色していくが、麻理子(俺)は構わずに『接着剤』を塗りこんでいく。麻理子の手で首に、太股にと伸び、さらにパンツを引き下ろすと、お尻に、そして股間にも塗りこんでいった。足の先、手の甲、そして、もう一度たるんだ脂肪のついたお腹と両胸にも『接着剤』を一本丸々使って塗り広げていった。
 まるでオイルマッサージをするように念入りに塗り込み、麻理子の手で全身に隈なく塗られていった。
 やがて『接着剤』がまんべんなく一成₋おれ₋の全身に塗り広げられた状態で10秒ほど待った。すると、先ほどまで触れることができた身体がくっついて放れなくなっていた。まるで底なし沼のように足掻けば足掻くほど、俺と麻理子の身体は近くなっていき、まるでくっつくようにズブズブと沈んでいった。

「う、うわあああっ!!?」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 俺は思わずびっくりして目を閉じてしまった。しかし、目を開けてみるとそこが沼の底ではなく、自分のベッドの上だった。先ほどまで眠っていた一成の身体だけがなくなっており、空になった『接着剤』の容器だけが残されていた。

「お、俺の身体はどこ行ったんだ・・・?」

 麻理子の声で素っ頓狂な声を荒げた俺は、なくなってしまった一成の身体に慌てて姿見に身体を映す。すると、麻理子の裸体が映しだされている中で、先ほどとは両腕と両足のバランスがおかしくなっていたのである。麻理子の肢体に付いた似つかわない太い腕と足は、今まで見てきた俺でなければ半狂乱の悲鳴を上げていただろう。どこか見覚えのあるたるんだ二の腕や脹脛の毛深さを見てあることに気付いたのだ。
 それは俺の両手と両足だったのだ。麻理子の身体に俺の身体の一部分が生えていたのだ。
 いや、生えていたという言い方は語弊である。切り替わっているというべきである。
 今の俺は一成の身体と麻理子の身体を両方使えるようになったということだ。麻理子の身体をパーツ化して、両手と両足のパーツを一成の身体で表示しているようなものだ。
 目を閉じて意識すれば俺は一成にも、麻理子の身体にも一気に変わることが出来た。

「おお!すごい。俺の身体になることもできたぞ。そして――母さんの身体に切り替わることもできた!へへ!一人二役も出来そうだ」

 鏡の前で瞬時に身体が切り替わる親子。そして、これは身体を切り替えるだけじゃなく部分的にも変えることも出来た。

「うっはぁ!すげえ!俺の身体に母さんの胸が付いてるよ。やっぱり女の身体は違うな。同じくらい胸の厚さがあると思ってたのに張りがあるのとないのじゃ全然違うぜ」

 俺は自分の身体に戻った後、胸だけを麻理子のもとに切り替えると、男性なのに女性の胸を持つ不釣り合いな身体になることが出来た。そんな不釣り合いな身体に興奮し、チ〇ポを扱きながら胸を揉むことも出来た。

「ハァ、ハァ・・・んああ!おっぱい揉みながらち〇ぽ扱くのたまんねぇ。癖になりそうだ、ハァ・・・」

 普段は逸物を扱くだけのオナニーが、たわわに実ったおっぱいを揉みし抱く行為を追加しただけで幸せな気持ちになる。その高揚感に包まれてすぐにイきそうになっていた。

「んああああぁぁぁ・・・・・・!!!」

 麻理子の乳首を抓った瞬間、自分の声で初めて喘ぎ声を漏らしてしまった。かなり恥ずかしかった。
 我慢できなかったとしても、やっぱり男性としてのプライドで喘ぎ声を聞くのは居た堪れない。
 それだったらと、俺はパーツを逆転し、麻理子の身体で再びオナニーを始めることにした。


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「一成。ちょっと来なさい」

 俺、久遠一成₋くおんかずなり₋は母親の麻理子‐まりこ‐に呼ばれて下に降りてきた。手には俺がネット販売で注文した荷物を持っていた。

「・・・はぁ、いい御身分ね」

 麻理子は怒りと呆れを同時に見せて深くため息を吐いていた。

「食事代も家賃も私持ち。カズが夜中やってるゲームの電気代や夜食、そしてネット代も全部私が払ってるのよ?生きてるだけでも金を使ってるんだから、いい加減働いてほしいもんだわ」

 俺は所謂ニートである。8年間引き籠っており、気付けば20代後半になっていた。その年になると今まで「働きたくなったら働けばいいのよ」と俺を可愛がっていた麻理子でさえ白い目を向けていた。

「働く気はないの?」
「あるよ!働く気はあるんだよ。でも、いまは働けない」
「なんで働けないのよ?」
「例えば遅刻すると会社行き辛くてその日一日会社休むことになるじゃん。で、1日休むと次の日会社に行き辛くなって次の日も休むじゃん。そうなると会社にもういけないよね?」
「はぁ・・・」

 最初はちょっとした寝坊が発端だ。学生の時遅刻常習犯だった俺が社会で遅刻癖が治ると思ったら治るわけもない。だいたい、何処の会社も始業が8時だ9時だ早いんだよ。頭働かねえよ。酸素足りてねえよ。もっと寝かせてくれよ。

「あ~あ、どっかに正午から始まって夕方に終わるような会社ないかな~!そしたら本気出すんだけど」
「お母さん、もう寝るから静かにしてね。お隣さんが夜中奇声を聞いたって騒いでたわよ」
「こっちは夜中だけど、海外は昼間だ」
「はぁ・・・どこで間違えたのかしら・・・」

 聞くのも疲れたのか、麻理子は荷物を俺に預けて自分の寝室へと向かってしまった。
 廊下に取り残された俺は苦々しい顔をしていた。

「社会不適合者は社会に出ない方が世のためだ。俺が生んでくれって頼んだわけじゃねえんだから死ぬまで俺に貢げよ、ばばあ」

 大学の講師をしているだけ麻理子に金はたんまりある。一人ぐらい養ってもノーダメージの癖に粘着質で腹が立つ。働くことに生き甲斐を見出す人もいれば、遊び呆けることに生き甲斐を見出す人もいる。
 価値観を一緒にされると我慢できない。
 自室に戻り、届いたばかりの荷物を雑に開ける。母親に見つかったことは想定外だが、注文していたものがようやく家に届いたのだ。
 俺は中に入っていた『飲み薬』を手にした。

「これを使って俺が死んでも、それはそれで本望だ」

 この『飲み薬』を飲めば幽体離脱できるらしい。身体から幽体が抜け出して宙を浮くことが出来るらしいが、それで死んでしまったら元も子もない。しかし、いまの俺が死んだところで悲しむ者は誰もいないだろう。だったら、俺がやることは一つだ。

「・・・絶対に諦めない!」

 俺は意気込みながら喉を鳴らして『飲み薬』を飲み干していく。
 中身を全て飲み込んだ瞬間、すぅっと意識が薄れていくのが感じ、身体に力が入らずベッドに倒れ込んだ。そして、そこから俺は幽体だけが飛び出してきた。
 ベッドに倒れ込んでいる一成を俺が見下ろしている。話に聞いた通り、本当に幽体離脱出来たみたいだ。宙を泳ぐことができるようになり、幽体に重力も関係ないのでスイスイ加速して部屋の中をグルグル回ることが出来た。こんなに身体が軽いのは久しぶりだった。

「凄いな、コレ!本当に幽体離脱出来たんだ!」

 テンションがあがる俺。そう思ったら、次に俺がしようとしたことを思い出す。ただ幽体離脱して部屋のまわりをグルグル泳いで遊ぶために買ったわけではない。
 幽体離脱したら、『憑依』を体験するつもりだった。
 他人の身体に乗り移る行為。幽体になった俺が他人の身体を使えるようになる『憑依』をやってみたかったのだ。
 家にはちょうど麻理子が寝ている。俺は寝室に忍び込み、スヤスヤと寝息を立てている麻理子に早速乗り移ることにした。
 俺が部屋内に居るだなんて夢にも思っていないだろう、麻理子は無防備な寝顔を見せている。こんな間近で母親の顔なんか長年見たことがなかった。俺はベッドに寝ている麻理子に身体を重ねるように静かに降りていった。
 俺の幽体が布団をすり抜けてそのまま麻理子の身体に重なっていく。

「ぅぅん・・・」

 幽体が触れて苦しそうに麻理子は身体を震わせていた。思わず逃げようかと身体から離れようかと思ったが、このまま身体に入ったほうが早いと判断してこのまま麻理子の身体に入り込んだ。

「っン・・・んぅ、ンん・・・・・・んあああっ!」

 麻理子の口から苦しそうな声を漏れたが、それが麻理子の最後の断末魔であり、次の瞬間には麻理子の身体は俺が支配していた。羽毛布団が暖かく、マットレスが柔らかい。息子の俺とは違い良い素材を使って眠っているものだ。
 そっと目を開ける。薄暗い天井が見える。俺は手を伸ばし、ベッドに備え付けてあるスイッチを点けると寝室全体が明るくなった。俺はむくりとベッドから起き上がった。そんなに体型も変わらないはずなのに、起き上がる時のダルさは一切感じなかった。しかし一番に感じるのはそこじゃない。胸に重みを感じるのである。視線を下ろしてみると、麻理子は裸のまま寝ていたのだ。疲れて服を着るのも面倒だったのかはわからないが、俺の目にはふくよかなだ二つの乳房が見えたのだ。
 それはなんというか、胸が近いというか、麻理子が近いというか・・・その距離感は俺と麻理子が一体化している何よりの証拠だった。

「ふ、フヒヒ・・・母さんに憑依しちまった・・・」

 俺は嬉しくなり手の平を歓喜で震わせていた。先ほどまで俺を怒っていた麻理子に憑依できたのだ。そして麻理子の身体を支配し、いま麻理子の特大のおっぱいがすぐそばにある。ぷくりと膨らんだ乳首が自分の身体に付いているのがすごく生々しい。
 俺が興奮しているせいか、乳首はツンと勃起して、自己主張している。その形にも興奮してしまう。

「ああ、やべ・・・。いまの俺にチ〇コが付いてたら、絶対勃起してるわ」

 母親だとわかっていても、年増だとわかっていても、俺は女性の甘い匂いにやられてしまう。
 恵まれた美貌を持つ女体だ。あぐらをかいた俺は早速麻理子の胸を触れた。
 むにゅっ。
 おっぱいが直接、手に触れる。どこまでも指が沈みそうなほど柔らかく、ぽよぽよと弾むような弾力がある。そのおっぱいはしっとりと手のひらに吸い付くようだ。こんな感触を味わうのは初めてだ。

「お・・・おおぉ・・・すご・・・ハァ、ハァ・・・」

 母親のおっぱいだと分かっていてもつい手が動いてしまう。滑らかで柔らかなおっぱいだ。
 肌と肌が触れ合う感触だけで興奮してきてしまう。興奮が高まると同時に俺は大胆におっぱいを揉みし抱く。

「んっ・・・んんっ・・・・・・はぁん」

 メロンほどの大きなのおっぱいは、指の間から乳肉が食み出るほどだ。次第におっぱいで感じてきた俺の口からは喘ぎ声が漏れ出していた。

「んあっ、あっ・・・・・・も、もっと強く揉んでみても、大丈夫か・・・・・・あ、はぁっ・・・!」

 おっぱいマッサージをするようにおっぱいを根元から搾るように揉んでみる。大きなおっぱいがさらに飛び出して滅茶苦茶エッチだった。
 麻理子の身体を俺の支配下において好き勝手に弄ることに圧倒的な征服感を覚えていた。





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 エムシー販売店、総支配人の村崎色です。

 同人誌『アプリー催眠教室編ー』、『アプリ―催眠生徒会編―』と描きたいシーンを含めた催眠モノシリーズも今回で完結致します。
 ここまで私にお付き合い下さった方へ大変感謝いたしております。
 たむポ~サ先生にも多くの挿絵を描いて頂き、無事に作品が完結できましたことにこの場を借りてお礼申し上げます。
 多くの方々に愛されてサークル活動が出来、ますます『エムシー販売店』は読者に愛されるサークルを目指して参ります。


 エムシー販売店同人誌第Ⅺ弾、”グノーグレイヴ『アプリ―催眠アプリ編―』!!!”


      いちゃいちゃ



◆学園モノ完全”催眠”オリジナル作品◆

◆特徴◆
・たむポ~サ先生監修による挿絵に6万字を越える小説を合わせた同人誌となります。
・小説版専用挿絵が登場。


◆その他◆
『DLsite』、『DMM』、『DiGiket』にて販売を致します。

 pixivにてさらに追加挿絵を掲載中です!


 今後続報は随時掲載していく予定でございます。

 ぞくぞくと展開する『エムシー販売店』の作品をお楽しみに!

 その日、丸山伸生‐まるやまのぶお‐はクラス委員長である角田喜代美‐すみたきよみ‐に怒られていた。

      屑はどっちだ?

「毎日毎日遅刻遅刻。授業態度も不真面目。提出物もまともに出さない・・・丸山くんって学生だからって甘すぎじゃない?よくそれで平気でいられるわね」

 自分と全く性格が違うせいか、不規則な生活リズムで輪を乱す伸生に対して喜代美は初めから険しい目つきで対峙していた。

「おお、こわ。委員長はお堅いなあ」
「私だったら恥ずかしくて生きてられないわ。本当信じられない」
「ぐ・・・ぐぬぬ」

 冗談として流すことも通じず、喜代美に対して面倒だと感じる。たまたま同じクラスメイトになっただけでどうしてそこまで生活リズムを指摘されなければいけないのだろうか。
 他人のくせに自分の都合に合わせて無茶苦茶言ってくる喜代美を伸生もまた毛嫌いしていた。

「委員長だからって好き勝手言ってんじゃねえぞ!クソがクソが糞があああ!!」

 学校が終わり、家でゲームをやっていてもふと喜代美の言葉が突き刺さる。その度に伸生にふつふつと怒りという感情が湧き上がってきてゲームが面白くなくなっていく。楽しい学校生活も一人の行動次第でまったく楽しくなくなるものである。
 ゲームをしているのにストレスを感じる伸生を見て母親は深いため息を吐いていた。

「イライラしてないで、さっさとお風呂入りなさい。後が遅くなるでしょう」
「くっそぉぉぉ!!」

 負けた腹いせにゲームを一時やめて母親の言う通りにお風呂に入る。
 浴槽に入る前に身体を洗い、頭からシャワーを被り、シャンプーを出して髪の毛を洗い汚れを落とそうとした。
 しかし災難というのは続くもので、そのシャンプーもまさかの空っぽだった。
 伸生に再び苛立ちが募る。

「シャンプーないとか、補充しとけよ!」

 浴室から脱衣所に戻ってシャンプーの詰め替えを取り出す。そして、大股で歩いて浴室へと戻っていった。
 浴室へと踏み込んだ伸生の足元には、まさかの石鹸が落ちていた。
 つるっ――!ガンッ!!!
 まるでバナナを踏んだかのように見事なサマーソルトを噛ましながら、頭から地面へ落ちていった。

「いったあぁぁぁ~~!!」

 浴室で悶絶する伸生。学校からの一日の災難はプライベートの至福の時間まで汚していく。
 人生最悪の厄日だと伸生は思っていた。

「誰だよ、こんなところに石鹸置いたやつは・・・俺じゃねえかああぁぁぁ!!」

 一人ツッコミするほど怒りが湧いていく。こうなってしまうと悪いのは自分と分かっていながらすべては喜代美が悪いのだと責任転換をしてしまう。

「あいつのせいだ!今日は俺は人生最悪の厄日だ!!」

 ぶつぶつとつぶやいた伸生は自分の手に持っていた詰め替え用の袋を無くしていたことに気付いた。その液体はお湯が溜まった浴槽の中に沈んでいた。中身は既に漏れて液体は白くなっていた。こうなってしまったらもうお湯を抜いて入れ直すしかなくなっていた。シャンプーは翌日に買い直すしかない。今日は石鹸で我慢するしかなかった。間違いなく母親に怒られるだろう。

「角田のヤロー・・・あんにゃろ~ぶっ〇してやるぅ!!」

 白くなった水槽の湯。底が見えなくなってしばらく経つと――なんと浴槽から角田喜代美が現れたのだ。

「ぎゃああぁぁぁああああぁぁぁ!!!」
「うわああああ!!?」

 突然、丸山の家に現れた委員長に驚いてしまう伸生。しかも何故か喜代美は競泳水着の格好で現れたのだ。底が見えなくなった白い浴槽の底から生まれた喜代美に心臓が飛び出すほど驚いていた。

「なんでこんなところに委員長が現れるんだよ」
「知らないわよ。っていうか、ここどこよ?あんた、なんで裸なのよ!?」
「なんでここに居るのか分かってるのか?」
「知らないわよ。っていうか、なんで私こんな格好してんのよ。意味わかんない!」
「・・・はぁ?」

 しかし、それは喜代美も同じだった。まるで競泳水着を着ているのも自分の意志じゃないようなこと言っている。意味が分からず混乱する俺はふと浴槽から拾い上げた『柔軟剤』に書かれている一文に目を通していた。

【この『柔軟剤』は入れる時に頭の中で想像した人物に変身する不思議な液状が含まれています。変身した『スライム』はあなたの命令に逆らえません。早速オナホにしたい人物を想像して身体を綺麗にしましょう――】

 そこには摩訶不思議な説明文が書かれている。伸生は焦りと動揺の中で冷静に状況を見定めるように頭の中を整理していった。

「(つまり、なんだ・・・こいつは俺は想像した委員長だって言うのか・・・・・・)」

 見た目もそっくりだけど、突然競泳水着を着て浴槽の中に現れるなんて喜代美本人がするわけがない。喜代美が競泳水着を着ている理由も伸生には心当たりがあったのも、状況証拠を固めるのに十分認める素材になった。
 目の前に現れた喜代美は本人すら認識していない偽物だということを伸生は理解した。伸生が手にした不思議な『液状‐スライム‐』で喜代美のコピーが浴槽で作られたのだ。彼女は俺の命令には逆らえないとも書いてある。
 なんの理由で――?それは説明文に書いてある通りだろう。

「(『柔軟剤』って、そういう意味かよ!?)」

 伸生は思わず興奮を昂ぶっていった。

「あ、のさ、委員長?」
「なによ?」
「おまえ、誰か分かるのか?」
「はぁ?当たり前じゃない。角田喜代美じゃない」

      水着はサービスかな?

 声も性格も見た目も委員長の貫禄をもって答えている。しかし、普段の委員長なら伸生の言葉を素直に聞くとは思えない。名前を答えたということは、喜代美は伸生の命令を聞いたということだ。
 ムクムクと、伸生の中に復讐心が沸き起こっていった。

「私なんでここに居るの?・・・帰る」

 浴槽から出て行こうとする喜代美に対して俺は肩をつかんだ。思った以上に肩幅の小さい喜代美をその場に座らせ、いきり立った逸物を目の前に見せつけた。

「俺の身体を洗うためだろ?」
「・・・は?・・・なによ、それ?」
「そうだな。まずはフェラチオでもしてもらおうかな」

 いきなり横暴なことを言われながら男性器を突きつけられた喜代美があからさまに嫌な表情を浮かべていた。

「は、はあ?こんな汚いの舐められるわけないでしょ!」
「いいからしゃぶれよ」

 トーンを落として伸生は喜代美に命令する。すると・・・威厳のあった委員長が見せたこともない小さく口を開けて、舌を差し出して伸生の逸物をペロペロと舐め始めたのだった。
 ピチャピチャと、舌で叩きながら逸物を竿から亀頭の先まで舐めあげていく。喜代美にフェラチオをさせていることに伸生は今まで感じたことのない高揚感を感じていた。

「んっ・・・おぇ・・・アンタ、わらひに・・・はぁ・・・あにしたのよ・・・ちゅぶぶぅ・・・」

 まるで自分の意志じゃないものに命令されて勝手にフェラチオをしているとでも言うように目に涙を浮かべている。喜代美が伸生を睨みつける強気な姿勢がゾクゾクと背筋を震わせた。

「文句言ってないで俺を満足させろよ。ほらほら。ち〇ぽ噛み切るなんてこと考えるなよ」
「じゅぶ、じゅぶ、か、らだが・・・勝手に・・・ぢゅぶぶぶぅ!!」
「ウィッヒッ!フェラてのはこうやって喉の奥まで使ってしゃぶるんだよ!」

 喜代美の頭を持ってガンガン逸物を喉奥まで突っ込んでいく。亀頭の先が喜代美の口内粘膜に触れて温かく気持ちいい。対して喜代美は苦しさと臭さにむせ返り、唇の端から粘ついた涎を垂らしていた。

「んごっ・・・んぼぉっ・・・ぐぼっ・・・ぐびっ・・・」
「うおおおお!最高だ!委員長にフェラしてもらってるよ!!」

 彼女の頭を押さえつけながら乱暴に腰を振って逸物を呑み込ませていく。彼女の口マ〇コの気持ちよさに思わず伸生は一発吐き出してしまった。

「ンンぅ・・・・・・!んぼぉおおおっ!!?」

 ドビュルルッ!!と、口の中で大量に吐き出されていく精液の流動に耐えきれずに涙を流す。逸物を取り出すと、白い舌に乗ったままの精液が床に落ちて排水溝へと流れていった。

「ん・・・おぇえ・・・」

 思わず感極まって一発吐き出してしまった。競泳水着が精液で汚れる喜代美は衝撃を受けるも、既に伸生は次の命令を差し向けていた。

「角田さんの口オナホとっても良かったよ。それじゃあ、そろそろ下のオナホも使ってみようかな」
「・・・・・・へ?」

 苦しさが抜けない喜代美に対して競泳水着を脱がせていき、伸生はお尻を突き出させて彼女のオマ〇コをのぞかせたのだった。


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 まるかの異変に気付いた俺は、片鱗を見せた際に脳裏に浮かんだ人物を呼び出していた。
 彼女は夜も更けた時間だというのに学校に残っていた。そして、逆に俺を待ち侘びていたように月夜の学園の風景を壊さないように静かに対峙していたのだった。

「君だったんだね――倉田さん」

      ラスボス感

 彼女、倉田彩夏は静かに頷いていた。それはまるで、今まで自分がしてきたことを――俺が思っている疑惑をすべて受け入れるかのように落ち着いていた。

「私に『飲み薬』のことを教えてくれたのは本庄さんの方だからね」
「いったい、どういうこと?」

『飲み薬』とは一体なんだということを含めて、倉田さんがまるかに一体何をしたというのだろうか。

「彼女が私の記憶を読みこんだとき、私の方も本庄さんの記憶が流れてきたの。彼女の好きな趣向とか、西永くんのこととか、逆に教えてもらっちゃった♪」
「記憶・・・読む・・・?アハハ・・・倉田さん、なにを・・・」
「それが分かったら後は簡単だったよ。私が本庄さんの本心を強く引き出してあげればいいだけ。愛があるからいじめたくなっちゃうなんて、彼女も可愛いところあるよね?フフフ・・・」

 倉田さんの言っていることの半分も理解できなかった。美貌的な彼女が発するオーラが今やまるかとは別の狂気を与えていた。

「何故だ・・・倉田さんがそんなことをする必要があったのか?本庄さんの気持ちは本庄さんのものだろ?倉田さんが後押ししてメリットがどこにある?」

 まるかの人格を変えたのが倉田さんだとするなら、一体どこに接点があったのか分からない。まるかが彩夏の身体を使ったことに対して怒りを覚えていたとしても、仕返しするには人格を変えてしまうのはやりすぎだったのではないか。まるかが俺を好いてくれていたのも倉田さんによって作られたのだとすれば、素直に喜べるはずがないだろう。

「あれ?本庄さんから教えてもらわなかったかな?」
「えっ?」

 その答えを俺は知っていた。まるかが俺に告白していたことを俺もすっかり忘れていた。

「私、西永君のこと好きだったんだよ?」

 倉田さんの口から俺は告白された。その言葉に俺は頭が真っ白になった。

「俺を・・・本当に・・・」
「でもね、今はダメ。私、誰とも付き合う気がなくなっちゃったから」

 そして、その気持ちはものの十秒で消滅した。告白のキャンセルを喰らって天国から地獄に堕ちる想いだ。そうさせた理由こそ俺は思う意味深の単語だった。倉田さんはもう、別の楽しみを知ってしまったから。

「だって、『飲み薬』があれば色んな人の色んな恋愛を体験することが出来るんだよ?それぞれ物語があって、別々の感動がそこにはあるんだよ。私はこれからそれを体験していくの」
「倉田さん・・・っ!」
「学校の先生になりたい、youtuberにもなりたいし、ケーキ屋さんにもなりたい。お金持ちになって大人買いをやってみたいな・・・!あぁぁ・・・人生がやり直せたらいいのに。そしたら私違う町で生まれて、違う生活を励んで、違う仕事を営んで・・・違う人生を楽しんでいく」

 それが、いま倉田さんの抱く夢だった。他人の幸せを倉田さんも共有したいために『飲み薬』を通じて恋愛を楽しんでいく。VRでも、ADVでもない『飲み薬』で実体験してくるんだという・・・。

「幸せは一つじゃないよ。その時その時に違った幸せがあって、一口に同じで語れるものじゃないと思うの。たとえ世界の人口が私だけになったとしても、私は一人一人別々の幸せを感じると思う」
「・・・倉田さんの言っていることが分からない。それじゃあ、いまの倉田さんは幸せじゃないのか!」
「まっさか!いまの私も幸せだよ。そして、これからも私は幸せになると思う。私はもう二度と失敗なんかしないから」

 失敗しない人生なんかない・・・でも、浮き沈みのない人生がもし本当に可能ならば、それはどんだけ幸せな人生なんだと俺は思う。
 そんな方法を教えてしまったのはまるかであり、俺であり、倉田さんに『飲み薬』を教えてしまったのは――俺なんだ。


「ありがとう、西永君。私はあなたのおかげで幸せになりました」

 
 幸せから漏れる微笑みに、俺は無性に悲しくなった。彼女の笑みとは対象に俺の目からは涙が込み上げていた。

「これからきみは何回人生を繰り返すつもりなんだい?そんなことを楽しむより、自分の人生を謳歌しろよ!・・・なんでだよ、なんで倉田さんはそんな風に笑うんだよ。なんで周りのことばっかり考えるんだよ!俺がこんなことに巻き込まなかったら、こんなくだらないことを真面目に加担しなくて済んだのに。許さないよ、こんなの・・・」

 俺が不幸だったからなのか。まるかが幸せだったからなのか。
 みんながみんな幸せで、平和で明るく楽しく過ごせていたらよかったのに・・・そんな希望を抱いて忙しいを過ごしている日常が当たり前だと思えたら、誰も苦しまなくて済むのに・・・。

「いつだってそうだ。俺を気遣ってくれて自己犠牲してくれて・・・」
「それは違うよ」
「えっ」

 倉田さんは俺に首を振って否定する。倉田さんの決意は誰のものではなく、自分の意志だという強く示していた。

「私はこれから誰よりも幸せになるんだよ。いっぱい多くの人から幸せを知って、世界で一番幸せになるの」

『幸せは一つじゃない』、『一人一人別々の幸せを感じると思う』と言っている通り、倉田さんの欲は深い。その中で一番幸せになるために旅立とうとしている。
 小さな身体を脱して、大きな世界で幸せを模索する。その時間は果たしてどれくらいかかるのだろうか。俺には想像できない膨大な時間をかけてでも、自分が一番幸福者になりたいと自己顕示力を認めてもらいたいという。
 倉田さんはやっぱり普通の女の子だよ。

「今度西永君と再会した時が楽しみだね」

 いつまでも俺は倉田さんが戻ってくるのを待っている。
 倉田さんが無事自分の幸せを見つめることを祈らずにはいられなかった。続きを読む

 その日は部活が終わる時間にまるかに学校の中庭に来るよう呼び出された。
 既に日は落ち辺りは暗くなっており、人影はほぼいなくなっている。校内で明かりがついていても、誰かが見回りに来ない限り人影も現れない雰囲気を醸し出していた。
 そんな中で俺はまるかと落ち合った。

「来てくれたんだね」

      ねぐりじぇ

 まるで来なかったら一人寂しく泣いているような声で、俺が来たことに逆に安堵している。
 あの強気な本庄さんの姿はそこにはなかった。
 付き添っていた女子生徒も日に日にまるかの周囲にはいなくなっていった。それでも一人強気な態度で俺を虐める姿はとどのつまり裸の王様のようで、それに付き従う俺を憐れに思って話しかけてくれる生徒が現れたほどだ。俺のクラスでの信頼回復の好転の兆しは徐々に見え始めていた。
 対して俺とは逆にまるかは孤立していき、そして挙句の果てに今夜エロ下着の格好で俺を呼び出している。

「見て。今日はこの格好で犯してあげる」

 もうまるかはいじめというか自虐行為で脅すことしか考えていない。本当にまるかの考えが分からない・・・。

「ふふっ、もうアンタを虐める子は他に誰もいなくなっちゃったわね」

 自分で言っている通りだ。自分の身体をいけにえに捧げてでも俺と性行為をしたいのか?いじめというのはただの狂言で、本当は俺を好いているだけについた照れ隠しの嘘なのではないか・・・。
 そんな都合のいい解釈以外納得できなかった。

「どうしてだ・・・?」

 俺はもう我慢できずに思わずまるか本人に聞いてしまう。

「こんなことをすれば、俺なんかよりまるかの方がドン引きされているじゃないか!俺をいじめるために自分の身体を傷つけてるだなんて、横暴すぎるだろう!!」

 俺を嫌っていたくせに急に性行為したいとか意味が分かんねえ。まるかにとって貞操概念が低いということなら、そんなことに振り回されるいい迷惑だ。
 俺ですら軽蔑する――そう思っていると、まるかはポツリとつぶやいた。

「私、気付いちゃったんだ。私は西永を甚振りたかったんじゃないんだって。甚振って嘆く西永の姿に私自身が共感してたんだ。どれだけ甚振っても満たされないのも同じ理由なんだよ。そのために私は――私が望んでいたんだって!だから私は西永に操を捧げたい・・・!」

 まるかは虐められている俺の姿を見ながら、自分に投影して興奮していたのだという。
 そして、俺を貶すことを性処理の一つでしか思っていなかったのが、耐えられなくなった。
 まるかはショーツの上から恥丘をなぞりながら、自ら感じるところを擦りあげて喘ぎ声をあげていた。

「あぁんっ・・・ね?これからは二人で愛し合いましょう。まわりからは虐められているように見えるかもしれないけど、私たち二人だけが分かっていれば関係ないわよね?だって私たち、いじめる側でもあり、いじめられる側でもあるんだから」

 今後のいじめは本心ではなく、愛情の裏返しといいたいのか――お互い相手の姿に自信を投影して興奮を覚える変態なのだということを告白してくる。
 本庄まるかという女性の真意を俺は垣間見た――はずだった。

「ウソだよ」

 でも、俺が本庄さんに告げたのは否定的な言葉だった。

「だって、本庄さんはそんなことを言う人じゃなかった」

 いじめられている人にしか分からない、本気でいじめてくる人の神髄。嘘、偽りなど無く、本気で相手の嫌なことをしてくるのがいじめだ。ただ自分の感情だけで相手を貶めることもそうだ。
 そこに一切の余念はない。本庄まるかがそこまで考えて俺をいじめているとは考えられなかった。
 つまり、いま彼女が言った告白こそが本庄まるかに成りすました者のウソなんだ――。

「きみは一体・・・ダレなの?」

 本庄まるかの姿として現れたきみは一体・・・誰なんだと逆に問いかける。
 いじめる者といじめられる者に信頼関係なんてあるわけない。そう簡単に言い表せる関係じゃないし、からかわれたらふざけるなとブチ切れる。
 俺は本庄まるかのことを世界一理解している人物なのかもしれない。

「そんなこと、どうだっていいじゃない」

 そんな俺に対して、まるかはクスリと嗤った。

「いじめもなくなったわけだし、アンタは私を好きに出来るのにどうして戸惑うの?散々虐められてきたっていうのに、この期に及んで恨みを晴らさないの?・・・いいんだよ?私、本庄まるかがいいって言ってるんだから、気にすることなんかないじゃない。フフフ・・・」
「本庄・・・さん・・・・・・」

 それは、今までまるかが見せたことのない、下卑た不快な笑みだった。その笑顔、俺はどこかで見覚えがあった気がしたが、どこだったのか思い出せなかった。

「あっ、顔赤くなってる。素直なんだから、西永くんったら」
「この口調・・・きみは・・・・・・ひょっとして・・・・・・」
「他人に余計なこと言わないでくれる?もし約束してくれるなら、西永くんが望むことならなんだってしてあげるよ?」

 そう言うと、まるかはは俺の手を掴み、自分の胸へと宛がわせる。そして、さらに力を込めて自分の胸に押し付けていった。

「こんなことだって・・・」

 それは倉田さんの時と同じ様に、手のひらに柔らかい胸の感触をゆっくりと確かめていた。五本の指は倉田さんの時よりは平たくなっているものの吸いついてくる胸の触り心地を蘇らしていた。

「や、やめてくれ!」
「そんなこと言って、ずっと私のカラダ見てるじゃない?」

 ネグリジェに包まれたまるかの身体が否応にも目に入る。高級なレースでシースルーのネグリジェはただ普通に裸を見ているよりも色っぽい。お嬢様育ちのまるかにとって身体が物足りなくても、その視感は倉田さんのときより興奮を覚えるものだった。

「ねえ、正直に言ったら。本当なら『本庄まるか』とは一生こんなことできないんだよ?」

 彼女はもう正体を隠そうとしない。俺も目を閉じて必死に歯を食いしばるだけだ。

 ・・・わかってる。わかってるさ、そんなこと!
 いじめっ子がいじめられっ子に操を捧げるなんて、催眠術という奇術でも使わなければ現実にあり得ない!つまり・・・きみは――

「西永。これで私を好きにしていいのよ。今日は逆転してアンタが私を好きにしていいよ♡」

 俺は・・・俺は・・・・・・っ!



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 その日の放課後・・・
 俺はまたまるか達女子生徒にいじめられていた。復讐してやりたいという気持ちもなく、ペットとして服従を誓ってから俺はまるかに対して諦めという気持ちが強くなっていった。
 俺を助けようとしてくれた倉田さんに『飲み薬』を使って憑依してくるような常識で語れない方法を使ってくるやつだ。
 良心がないやつに説得しても無意味なんだと、俺はまるかという人間に対して何かを抱くという気持ちはすでになかった。これ以上誰かに迷惑がかかるくらいなら、俺が耐えてまるかのやりたい様にさせてやるのが一番いい解決策だと思っていた。
 俺はまるかと違い、心までは自由でありたかった。

「てゆーか、よくこれだけまるかに言われているのに学校来れるよね」
「普通ここは気を利かせて退学するところじゃないの?」
「ほんと、どういう神経してんのかしら?」

 グリグリグリと、ズボンの上から足で踏まれ、玉袋ごと逸物を震わせていた。

「ぐ・・・ぎ、ぎゃああぁぁぁ!!た、玉が潰れるぅぅぅ!!」
「ふんっ。どうせあんたの汚いモノなんて一生使うことないんだからセーフでしょう?」
「ふふ、人間諦めて家畜にでも相手してもらったらどう?」

 好き勝手言いやがって・・・日に日にいじめの強さもあがっていっているせいか、まるかは俺のズボンを下ろして勃起した逸物を取り出していた。
 それを見て狂気的な悲鳴を上げる女子たち。

「うわっ、見てよ。ズボンの上からでも分かるくらい勃起してるんじゃない?マジ、ドM?」

 面白おかしく笑う女子たちに何も出来ない俺。羞恥心と背徳心の精神攻撃を受けてノックアウト寸前だ。男子生徒の性器を公に見せびらかすことをなんとも思わないように躾けたまるかの親を見てみたいものだ。そこまでして俺を貶めて面白いのかよ、こいつらは・・・。
 つうか、こんなことがこれから年単位で続くと思うと本当に億劫だった。


「そーだ。いいこと思いついた。今日はこのままお口で遊んであげるわ!」

      本日のいじめの内容は――

「・・・・・・・・・えっ?」
「・・・・・・・・・はっ?」

 まるかの思いもよらない発言を聞いて、俺と同じく笑っていた女子たちまで同じ素っ頓狂な声をあげていた。
 聞き間違いじゃなかったのように、まるかは舌をだして、誰よりも先に俺の逸物を舌で這いずってみせたのだ。 

「うおッ!」

 思わず腰を引いてしまう俺。しかし、まるかは自ら顔を前に出して逸物から放れないように口を亀頭に吸い付いて見せたのだ。

「ほら。大人しくしなさいよ」
「・・・・・・・・・ッ?!」

 こいつ、なにしてんの?
 俺と同じ疑問を抱きながら、いつしかまるかの行動を見ながら女子たちも言葉を失っていた。

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「ただいま~!」

      清潔な部屋作り

 学校からも近く、徒歩5分程度のところにある本庄家。意気揚々と帰宅したまるかは部屋に戻ってくると早速制服から私服に着替えていった。
 白い壁紙の部屋にはピンクのものが溢れており、可愛らしい小物やパンダやうさぎといったぬいぐるみがあちらこちらに並べられている。
 容姿だけじゃなく少女趣味全開のまるかの部屋だが、思っている以上に統一感があり、白とピンクと黒の色彩のバランスは高校生になっても子供っぽさが抜けない無邪気さがあり、無意識に彼女にはお似合いの景観を見せていた。
 まるかは机に座るとパソコンを開いてネットサーフィンを始めたのだった。これがまるかの日課になっている。帰宅したらパソコンを開いたらまずはネットサーフィン。マウスを動かしながらカチカチとクリックを押してお気に入りのサイトや動画を眺めていく簡単な作業で有意義な時間を過ごしていた。

「~~♪~~♪」

 まるかは鼻歌交じりに独り言をつぶやいている。それくらい今日のまるかは機嫌が良かった。
 西永圭吾と倉田彩夏の二人を潰したのだから機嫌が悪いわけがなかった。気に入らないものを叩きのめして優位に立ってきたまるかにとって、『飲み薬』はさらなる高みへ昇らせてくれる正真正銘の道具だったのだ。
 女子生徒に身長を馬鹿にされたこともある。男子生徒からは力で勝てないと罵倒されたこともある。しかし、そんな勝てない相手にも乗り移ることで精神を蹂躙させれば、相手を言いなりにすることも容易だった。相手に憑依して恥ずかしい格好を写真に収めて脅迫材料を仕込んでしまえば、さらに舐められることもなくなるだろう。

「アハッ!いいサイトを知っちゃったなぁ~!ネットは怖いなぁ~なんちゃって!」

 学園生活を謳歌するために『飲み薬』を手に入れたまるかは、今も彩夏に憑依した時の出来事が抜けないでいた。
 彼女の大きな胸を使ってパイズリフェラをした時の記憶が生々しく残っていた。自分の胸ではパイズリなんかできない。Bカップほどの胸とEカップを比べて肩にかかる負担が楽であることが良いことでもあり悪いことでもあった。

「・・・・・・・・・」

 まるかはしばらく彩夏の胸を思い出すように両手を胸の前に差し出して彼女の胸を揉みしだくように動かしてみた。しかし。今やその胸の柔らかさは空を切り、自分では味わえない物足りなさを感じていた。
 同じ女性として羨ましくもあるまるか。気がたったのか、まるかはパソコンを操作して画面に巨乳の女性がオナニーをする動画を映しだしていた。
 絶対に他の部屋には聞こえない微かな音量で見始める。その映像は素人モノらしく、女優とは見劣りする者の、作り物丸出しのAVとは違うリアル感を見せる通好みの動画となっていた。

「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・んふ・・・・・・」

 しばらく動画を眺めていたまるかだったが、モニター越しの素人だけではなく、まるか自身が艶やかな吐息を漏らし始めていた。そして、まるかはスカートを外すと、自慰行為をし始めたのだ。

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 床に蹲りながら俺は倉田さんに踏みつけられる。それはまるで、本庄まるか率いるいじめっ子たちと同じ手口だ。

「キャハハハ~~!!」

 倉田さんがまるかと同じような笑みを浮かべながら何度も俺を蹴りつける。痛いという感情と供に、今まで助けてくれていたはずの倉田さんに裏切られた気持ちの方が強くて感情が込み上げてしまう。倉田さんは俺をいじめるような人じゃないのに、現状倉田さんにやられているのだ。
 倉田さんを信じたいと思う自分と、一種の諦めている自分の二人が心の中にいた。
 半場諦めながら倉田さんの猛攻が収まるのをただじっと待ち続ける。せめて彼女と話をするまでは我慢するしかなかった。
 それでも、俺は倉田さんを諦めきれなかった。

「西永のくせに私に指図するなんて生意気なのよ!!」

 調子に乗って軽口を叩く倉田さん。その言葉を俺は聞き逃さなかった。
 その言葉は倉田さんに言った発言じゃない。倉田さんから出てくる言葉じゃない。
 俺が対峙した相手は倉田さんじゃない!

「そ、それって・・・倉田さん、きみは・・・まさか本庄さん!?」

 俺の言葉に倉田さんはピタッと足を止めた。まるで、自分の正体を見破った俺に対して敬意を表するように嘲笑ったのだ。

「そうよ。私は本庄まるかよ。アンタと同じくらい生意気なことを言った女に憑依してやったのよ」

 倉田さん・・・いや、まるかは正体を明かした。姿は倉田さんなのに、その正体がまるかという事実に俺は自分で発言しておきながらあまりに非現実だと思い必死に状況を呑み込もうとしていた。

「憑依だって・・・!?」

 神や仏が依り代に憑くことを憑依というが、本庄まるかというクラスメイトが同じクラスメイトに憑依するほど憑依は身近な存在なのか!?もしまるかがそんな技を取得したとするならまるで神の所業だ。後ずさりどころか平伏したくなる衝動を抑えて俺は彩夏(まるか)と対峙していた。

「それにしても、重い身体ね。特にこの胸。でかけりゃいいってもんじゃないわよ。温室育ちなお嬢様だか何だか知らないけど、本当にムカつく身体つきよね」

 自分の身体じゃない、むしろ嫌いな相手だからか、難癖をつけて倉田さんの胸を揉みし抱いている。まるかの胸がないからって好きに弄っていいものじゃないだろう。倉田さんだって同性も異性も勝手に胸を触られていいもんじゃないはずだ。

「か、返せ!倉田さんの身体だろ!?本庄さんが使っていい理由にならない!」

 憑依だか何だか知らないけど、倉田さんの身体を使っていいのは倉田彩夏だけだ。人権を無視して手荒に扱っていいものじゃ決してない!
 俺は彩夏(まるか)に叫ぶが、彼女は決して耳を傾けようとしなかった。

「どうしようかな~?ねえ、どうしてほしい~?」
「はっ——!?」
「ただで返すわけないでしょう?西永の一番嫌なことしたい。そうすればアンタだって二度と逆らわなくなるでしょう?」

 彩夏(まるか)の口から紡がれる自分勝手な理屈に怒りを覚える。そんな理由のために倉田さんをぞんざいに扱っていい理由になんかならない。

「俺が憎いなら俺に憑依すればいいだろ!?なんで倉田さんなんだよ!?」
「その方が西永が嫌がるかと思ったから。現に嫌がってるでしょう?キャハハ!!」

      人質

 ああ、そうだな。どんな理屈だろうが、理由だろうが、現に俺は彩夏(まるか)の言う通り嫌がっている。倉田さんに憑依されて困っている。手を出しても傷つくのはまるかではなく倉田さんだ。それくらいまるかの術中にはまっている。それはもう、彼女に今後一切勝てないと、反骨精神の根元をぽっきりと折られたような気分だった。
 そうとわかれば、俺はもう彼女に手を出せない。怒らせれば誰かが傷つくくらいなら、今後俺はまるかのペットにでも下僕にでも成り下がろう。
 ごめんなさい・・・俺は彩夏(まるか)に土下座した。

「分かった。俺が悪かった、ごめんなさい!もう二度と逆らわないから倉田さんに身体を返してあげてよ」

 高校生活が今後まるかのペットになろうとも、倉田さんは最後まで俺を助けようとしてくれていた。
 彼女のおかげで俺は救われた。その気持ちがあれば俺は3年間くらい生きていける気がした・・・。

「10万でいいわよ」

 彩夏(まるか)は早速金銭要求を突きつける。
 夢だけ抱いていても生きていけない。資本は行動の源だ。まずは枯渇させていこうというのか、この女‐まるか‐は。

「それはっ・・・!」
「出来ないなら、今すぐ裸になって校内を駆け回っちゃうかな~」
「なに考えてるんだよ!そんなことしたら——!」
「別に私の身体がないもの!やろうと思えば出来ちゃうわよ?いいのかしら?下手したら退学かもしれないわね」

 最後の最後まで倉田さんを人質に取るのか。悪女の風格を見せる彩夏(まるか)に一瞬でも反抗しようとする。でも、少なからず絶対悪は存在するのだ。俺の想像を超える条件を見せつけて優位に立とうとする。倉田さんを人質に取られている以上、俺がまるかの言い分に勝てるはずがないのは明白だった。

「わかった。払うよ。親に借金しても、明日までに用意する。それで許してあげてよ」
「賢明な判断ね。約束だからね」

 彩夏(まるか)と約束をした後、倉田さんはふっと表情を緩めて全身の力が抜けていったのだった。

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